ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

31.品質管理の原点:管理図による工程管理

2009-04-05 | 継続的改善52
規格7.5.1の補足をしておきたい。27に規格があるので見直して欲しい。

統計的管理状態
「品質管理は管理図に始まり管理図に終わる」といわれる。
シューハート博士の考案した管理図は、工業製品の経済的生産を可能にする革新的ツールとして誕生した。多くの原因が集まり混沌とした製造工程を原因の結果である管理特性を見ることにより診断していこうというわけである。結果はかならずばらつく。そのばらつきを偶然のばらつきと意味あるばらつきに分けて考えていこうという手法が管理図である。

人間の健康状態を把握するのに多くの人は体温を使う。年をとると血圧で把握することもある。また生まれたての赤ちゃんの健康状態を把握するのに愛情ある母親は自分の与えた乳というインプットがどのように消化吸収されたかをアウトプットを見て判断する。
健康な時の体温や血圧などがわかっていれば、変化に気づくことが早くなる。
変化に気づけばその原因は何かを探し予防の手を打てるかもしれない。
このように経験と愛情と統計的理論に基づくグラフがあれば製造工程の健康状態を把握することができる。シューハート博士の考案した管理図はこのようなグラフである。管理図
によらずして製造工程の健康状態つまり「統計的管理状態」を把握することはできない。管理図の活用により工程にくり返し手を打ち、管理状態が得られた時のよろこびは大きい。

表現を変えよう。生産準備で品質の作りこみができていること、作業標準が良くできたことを評価するにはどうしたらよいだろうか。コントロールプランを作り、設備を導入し、作業のトレーニングをしっかりやったから間違いないと思いたいが、客観的にも証明できるものがほしい。
そのような時に、管理図を使おう。

完璧な生産準備ができていれば、その工程のデータは、管理状態を示すはずである。
本来、生産準備段階にすることは、現在の最高技術を駆使して、設備、材料、人、方法の4Mの最適な組み合わせを決めること、その組み合わせ以外の原因による変動を極力おさえること、工程管理のためのデータを取リ、ねらいどおりのものができているか確認する。
はじめにしっかりした準備(いわば段取りだが)をしておかないと後で直すのに手間がかかる。品質管理は予防管理である。

また、管理図は一度書いて終わりでなく、維持改善を繰り返す工程の管理に便利な道具である。管理状態で十分に工程能力のある工程では、スピードアップや材料の変更などコストダウンのための対策がとられる。そのような手を打つと工程が管理状態でなくなる恐れがある。そのような工程の改善のために管理図を使う必要もでてくる。

このように維持、改善を繰り返す工程を「生きた工程」というが、このために管理図は必要な道具である。
最近の工程で管理図の活用が不足しているのは、日常の改善が不足しているからである。
つまり「生きた工程」でないからである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いまなぜ現場教育か | トップ | 32.工程能力研究とその活用 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

継続的改善52」カテゴリの最新記事