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ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

28.コントロールプラン

2007-03-14 | 継続的改善52
7.5.1(ISO/TS16949 7.5.1.1)製造プロセスにおける品質の管理の計画を設定し、計画にそって実行し、実行された状態を確認すること。この製造プロセスのPDCAを具体的に示したのものをISOでは、「コントロールプラン」とよんでいる。

製造プロセスは人、設備、材料、作業方法などの「4つのM」の要素で成り立っているが、それらが正しく計画にそって実行出来ているかどうかを把握するためには、品質や出来栄えを測定し確認することが大切である。

そのために、
製品についての管理、
製品を作るプロセス(工程)の管理、
測定やサンプリングの方法の管理、
不良及び異常がでた場合の処置と原因の解析、対策の方法
等を決めておくことが大切である。

管理のためのデータ(管理特性値)は正しくサンプリングされ、工程の状況を把握するためには、測定誤差の少ない測定方法である必要がある。
このような製造プロセスの管理項目を整理したものを日本では「QC工程図」とよんでいた。
正しくQC工程図が書けていれば、製造の管理者は、管理の標準として使える。

ある製造メーカでは、生産技術が中心となり、従来の生産技術の集大成としてのまとめをおこない、それを、QC工程マスターテーブルとよんでいた。このマスターテーブルを個別の製品に対応させてQC工程図を作成する。
本来このような技術の体系的整理をされたものがQC工程図である。
作る側も使う側も大切に扱わなければならない。
このQC工程図がISOのコントロールプランと結びついて、日本ではQC工程図が活用されている。

本来、量産の移行可否は目標の通りに製品が作られているかどうかで判断できるが、今後も正しく作られるかを示すためにコントロールプランの内容の検討が必要である。そのため、試作、量産試作、量産の3つの段階でコントロールプランを作成することがのぞましい。設計の最終段階の生産設計は、コントロールプランの基本をまとめたものである。


コントロールプランを予測と解析で作る

品質管理の基本である解析について考えてみよう。
問題点からテーマを選定して、問題解決のために現状把握をする。現状把握は特性要因図,品質機能展開、連関図、あるいは「なぜなぜ分析」などをする。これは現状を定性的に捉えただけだから、どこに問題の要因(重要な原因)があるか、データをとりながら考えていく。従来のデータあれば、解析し、無ければ、実験計画法など活用して実験する。このように、真の原因がわかるまで解析を繰り返す。新製品の開発ではこのようなことが繰り返される。

設計段階の解析は、後にならないと結果が見えないため難しい。
設計審査・DRで問題があると設計変更をするが、この変更の解析をして、変更が出ないようにすることでシステムを見直すことが出来る。ところがISOでは、変更の処理については要求されるが、変更の再発防止にはふれられてない。
この不足を補うためISO/TSでは、部門横断的アプローチがある。
部門横断的アプローチとISOでは直訳したから目新しいが、部門間連携である。以前から部門間連携というと会議を考えるが、会議は確認の場であり、本来の連携は日常のシステムでおこなうべきである。後工程での問題を予防する解析は部門間の連携がなければできない。

すでに40年程前のこととおもうが、自動車部品会社N社では、初期流動段階からQC工程図を作成して、量産移行に役立てると同時に、量産移行で問題となったことを解析してQC工程図を作成していた。
その後、個別受注生産のM社では、部品加工上の問題、組立て上の注意点をまとめ、部品QA表、組立てQA表を生産設計段階から生産段階に申し送り事項としてまとめた。生産部門はこれを展開し、工程能力情報など加味してQC工程表を作成した。

このように、設計段階で予測される問題、過去の工程能力情報や解析などを総点検してコントロールプランを作成すべきである。

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