ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

47. マネジメントと人の問題

2009-04-24 | 継続的改善52
ISO/TS16949 には、従業員を動機付け活性化するプロセスを持つこと、との要求事項がある。継続的改善を行うこと。品質目標を達成すること。革新を行う環境を創造すること。これらの動機付けと活性化のプロセスをもつことが要求である。

保守的なISOで「革新」という言葉が出てくるのは、ここぐらいである。
ISOは顧客と約束することを前提とした文書であるから、確実に実行できること、実行していることしか書けない。ISOの認証取得の難しさは今後したいことを文書にできないことである。これが、手かせ足かせになり、革新と程遠い消極的な対応しか出来なくなる。
この危険性はいくら強調しても強調しすぎることはないが、現実には多くの企業がこのわなにはまっている。

このような消極的で静的なプロセスから脱皮するためには、ダイナミックな活動を中心としたプロセスが必要である。
このひとつが、動機付けと活性化のプロセスである。
品質目標を達成する活動をおこなうこと。
継続的改善という活動をおこなうこと。
従業員一人一人が革新に主体的に取組めるように意識を変革すること。

品質管理の活動の基本はPDCAというデミングのサイクルである。
このPDCAはダイナミックな活動そのものである。
品質目標のPDCA。
継続的改善のPDCA。
革新を行う環境を創造するPDCA。

活動の良さはトップダウンとボトムアップの双方向なことである。
双方向だとそこから新しいものが生まれる。

どのような「教育」が動機付けに役立つ教育なのだろうか。
教えるものと教えられるものが固定している教育では双方向になりにくい。
OJTといわれる現場教育は、教えるものも学びながら教えるので、共に成長することができる。その意味からも、現場教育、実務教育は継続的に進めなければならない。
継続的改善のためには継続的教育が不可欠である。

革新を行う環境をどのように作るかは、革新を行う品質目標がなければならない。
革新を目指した継続的改善がなければならない。
いま日本のものづくりの現場は顕在的、潜在的にかかわらず多くの品質問題をかかえている。現場の第一線が派遣や外国人労働者に占められ、品質目標の展開、継続的改善の実施、革新のための教育などできる環境ではない。それだからこそ、現場第一線からの革新が必要である。ISOのようなしくみ作りも大切だろうが、なりふり構わず革新することも大切である。そのための材料はどこにもころがっているのだから。

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