ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

29.製造工程の妥当性確認

2006-10-27 | 継続的改善52
7.5.2:製造工程においてねらい通りの製品の生産が出来ることを確認する。このために、工程のレビュー、承認の基準をあらかじめ決めておいて、その基準で確認(妥当性確認)すること。
使用する生産設備の承認をすること。
作業員の適格性を確認すること。
作業方法や手順を確認すること。
製造工程の管理に必要な記録を決めておくこと。

ISOでは、この製造工程の妥当性確認を特殊工程に対して行うよう要求されている。
焼入れや溶接などの工程は作業が終わってから品質を確認することが難しいため、作業のプロセスの管理とその記録で管理状態を確認することが出来る。

また、7.5.1の管理された状態やそれを具体的に示したコントロールプランに従って製造工程が計画されたか、実施されたか、チェックされたか、的確なアクションが取られたかというPDCAの管理を確認することは、すべての製造工程で必要なことである。
当然のこと工程の重要度において管理のきめ細かさを決めるべきであり、必要以外のことを計画に書かないことが技術である。

以前、ある単品部品を作っている会社で客先である自動車会社5社の同じ部品の図面を並べて見せてもらったことがある。同じ部品でも図面どおりに作るとコストの開きが倍以上になるという。「さて、どの図面がどの会社の図面でしょうか」と聞かれたが、その部品をつくる固有技術のないものが見ても、一目瞭然である。品質およびコストに関する要求が厳しい会社の図面は、おさえどころが決まっていて、かつシンプルである。一方、同じ部品の図面かと思うくらい複雑に書かれた図面からは自信のない設計者の顔が見えてくるようで面白い。技術力のある設計者の書いた図面がシンプルであるように、生産技術力のある工程の計画はシンプルであるべきである。

話は横道にそれるが、ISOできめ細かさが求められるあまり、過剰な管理になるのは考え物である。問題指向、重点指向、目的指向が品質管理の基本である。
最近は図面、コントロールプラン、製造における標準類など全てが、きめ細かいが、素人が作ったように、技術力が反映されてないものが多い。
これでは、経済的生産はむずかしく、品質確保さえ重点が定まらない。

工業生産の基本は、真理の追究にあるのでなく、品質や経済性の追究にあることを、品質に関連する多くの人に教育すべきである。

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