ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

24.設計開発段階の評価、検証、妥当性確認

2006-10-20 | 継続的改善52
7.3.5 検証:設計開発のアウトプットがインプットの要求に合っているか、つき合わせて確認すること。
7.3.6 妥当性確認:開発された製品が顧客の指定し、意図した用途に合うか確認すること。 

長期にわたる設計開発段階では製造になってから問題が発見されたのでは、手直しや手戻りによる損失が発生する。特に新製品の発表時期は競合他社の関係で戦略的に決められていることが多いので、時期を逃すと取り返しのつかない大きな損失を経営に与える。

この損失は経営上の機会損失であり、潜在的である。経営上のリスクでもあり、経営層が問題とすべきことである。ただし優れた経営者は、「しまった」という具合に感じていることがおおい。そこで、その感覚的にとらえた損失を取り返す努力をする。
短期的に目先の利益のみ追求するように見られるが、経営層の焦りであることが多い。

本来、品質管理が経営の基盤整備に役立つのは、機会損失の低減や予防である。
ISO9001を認証取得しても品質管理を理解してないのは、経営層の参画がないからである。

この潜在的問題を顕在化しつつ予防するために、設計開発段階の決められた区切りで、確実に評価をしながら次の段階に進むことが大切である。
デザインレビュー、検証、妥当性確認などは評価の手段である。
検査は製品の合否の判定をして合格した製品やロットのみを次の工程に送るのが目的である。
評価は、次のステップに移行していいかどうかを判断するのが目的である。

検査と評価の比較はここでするつもりはないが、検査はロットや製品を対象にするが、評価はシステムを対象にして、先に進むかどうかを判断するのが目的である。
このため、どの段階でどのような評価を行うかを、「設計開発の計画」(7.3.1)として、あらかじめ決めておくことが大切である。「設計開発の計画」に品質管理の計画を組み込むのはこのような理由からである。

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