松風Ⅱ

茅ケ崎の風日記Part2

日の名残り

2018-01-13 09:08:53 | 映画
カズオ・イシグロ原作の映画
一日限りの上映会はいつになく長い行列が出来ている
作者がノーベル文学賞受賞者だからか


画面を見ているうちにはてな?
どこかで見た覚えがある
それもそのはず、数年前に見た映画だった
ストーリーもキャストも何もかも忘れていた

女中頭への淡い想いを捨て
愚直なまでに名門に使える男の
再会を果たし雨の中の別れのラストシーンは
哀しみを誘う
モノクロを思わせるイギリス映画は何処までも静寂に描かれる





映画 「麦の穂をゆらす風」

2017-12-20 17:08:04 | 映画
この穏やかな題名からは想像できない
深刻な映画です
誘った友人は
題名と内容とのギャップが埋まらないと言います



1920年 アイルランド

長いイギリスの圧政から独立を求め

「アイルランド独立闘争」に

参加していく一人の青年を通して描かれる映画の

残酷な場面に思わず目を瞑る

激しいゲリラ戦にイギリスは追い込まれ

ついに撤退

「アングロ・アイリッシュ条約」 締結

アイルランド内では

条約の内容の支持派と反対派の対立から

同胞同志が戦う内戦に広がっていく

アイルランド独立戦争後の内戦は、

親兄弟のきずなさえも引き裂いてしまう


今、パレスチナの置かれている情勢を思い

世界の分断された国家を調べるとその多さに驚きます

1945年、敗戦国日本も

北海道はソ連邦領に分断されるという話を

聞いた記憶があります

映画 独裁者

2017-11-15 15:07:00 | 映画
用事で出かけたついでに
一日限定無料の映画をみてきました

「独裁者」
チャールズ・チャップリン
1940年初公開
日本公開は1955年


この映画が公開された頃、
世界はヒットラーとナチスの危険性について認識はなく
むしろヒットラーを擁護する者さえ出る中で
ナチスの危険性に気づいたチャップリンは
無声映画世界の喜劇王の名をかなぐり捨て敢然と
ヒトラー批判をするチャップリン初のトーキー映画です
後年,チャップリンは
アメリカ・トルーマン政権により外国追放になります

劇中、
床屋チャーリー(チャップリン)と
独裁者ヒンケル(ヒットラー)は
そっくりな顔かたちが原因で立場が入れ替わってしまう。
ヒンケルは脱獄した床屋と間違われ独房へ行き、
チャーリーは独裁者と間違われ数万の兵士たちが待つ
集会場へ連れて行かれる。
そして、一世一代の床屋チャーリーの演説が始まります

最後
チャップリン自身が
解りやすい言葉で書いた6分間のスピーチは
いわゆる「世紀の演説」といわれる心打つ場面です

偉大な独裁者チャップリン

若いころ私はチャップリンの無声映画は好きでなく
トーキーになってからも
「ライムライト」「伯爵夫人」以外は見ていませんが
今回「独裁者」を見て
当時の背景から"偉大なりチャップリン”と思うのです


映画『オマールの壁』

2017-11-03 20:24:18 | 映画
2度目のパレスチナ映画観賞

過日初めて見たパレスチナ映画「歌声に乗った少年」に感動して
今回も一日限りの上映会へ行ってきました


前回の映画からわたしは
「パレスチナ・イスラエル紛争」というと、
「民族戦争」或いは「宗教戦争」「テロと報復攻撃による憎悪の連鎖」
というイメージで捉えています

対立するイスラエル軍に捕らえられ、
命と引き換えにスパイになることを迫られたパレスチナ人青年(オマール)
の運命が描かれる。
人間の尊厳や愛をテーマにした重厚な物語と
大規模ロケを敢行して撮られたパレスチナの風景は
その国の置かれた状況が生々しく映し出される
主演俳優を中心にパレスチナ人の新進俳優たちが熱演。


重苦しい気分で帰ると
不揃いな信州リンゴが届いた
先日は柿が送られて
嬉しくて映画を見た暗い気持ちは吹っ飛んでしまう
最近何やらきな臭い匂いがふんぷんとしているが
ひたすら平和であることを願いながら柿を食む、、、、





「歌声にのった少年」

2017-09-11 08:07:22 | 映画
初めて見るパレスチナ映画は
予想に反して感動を覚える映画でした

作品のモデルになったのはパレスチナ国民の期待を背負って
2013年”アラブ・アイドル”に輝いたムハマンド・アッサーフ
彼は現在も歌手を続けながら
「国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使」を務めるなど平和活動を続けているそうです



紛争絶え間ないパレスチナ・ガザ地区で暮らすムハマンド少年と姉ヌールと友人たちは
ムハマンドの声が最高と信じる姉は「カイロのオペラハウス出て世の中を変える」と
拾ったガラクタで楽器を作り結婚パーティーで歌うなど資金稼ぎ活動を始める

しかし、姉ヌールは病の倒れ両親は治療費を納められないまま亡くなってしまう
姉との約束を守るためムハマンドはガザの壁を越えてアラブ・アイドルのオーデションに
出場し長年の夢をかなえる


「歌声にのった少年」予告編


パレスチナの地図上の位置さえ理解しないまま
毎日のようにニュースで流れる中東紛争を他人ごととして聞いていますが
アフタートークでは
翻訳家 吉成ナヒードさんから聞く中東情勢の厳しさ悲惨さを改めて思います
アラブ音楽の美しさに酔う1時間でした


映画を観る

2017-06-20 08:13:17 | 映画
近くとはいえ電車を乗り換えて降りた根岸線「本郷台」駅
いつもは通り過ぎるだけの駅なのに
今月に入ってから映画を観るために2度目になった


会場の「あーすぷらざ」
時間に余裕を持って行ったのに
年金生活者と思える人たちばかりが長い行列を作っていた
これでは人数制限に引っかかるかも知れないと思いながら
行列の最後尾に着く


どうやら入れた場内はすでに満員御礼状態だったが
幸いに一番後列の隅が空いていた

「海外特派員」
久しぶりに観るヒッチコック映画は
第二次大戦直前、
ヨーロッパ情勢を取材するアメリカ特派員
出会った戦争回避の立役者が目も前で射殺される事件に遭遇
アルフレッド・ヒッチコックの演出に引き込まれるサスペンス
(モノクロ 1940年作品 120分)



帰りのホームでは柱の陰に入って
頭だけ西日を避ける自分の姿に思わず笑ってしまった



小さなレストランで早目の一人夕食
前日までの”だらしなく何もやる気なし”は消えたような気がする


Adobeの故障 映画「最高の花婿」

2017-06-12 05:28:09 | 映画
私のパソコンのお気に入りには
公共施設や各種団体のホームページや
イベントカレンダーが入っています
それをチエックするのが楽しみの一つになっています
大抵はPDFで開くようになっているのですが
ある日、突然パソコン画面に現れたのは
Adobe Acrobat Readerの故障通告でした


これではPDFは開かない
何とかしなくてはとあちこち弄り回しているうちに
にっちもさっちもいかなくなってしまったのです
PDFが開かなくては何処でどんなイベントがあるのか解りません
そこで強力な助っ人さんの登場です
すると30分ほどで回復 さすがNABEさん

開いてみると早速映画がヒットしました
それほど見たいと思う題名ではないものの
400円で見られるとは嬉しいではありませんか
朝から電車に乗り換えての映画見物です

フランス映画 「最高の花婿」
4人姉妹の婿どのたちはそれぞれ異国の人たち
コメデー風にハッピーエンドで仕上げていますが
人種差別、宗教への偏見、難民移民問題と社会性を含んだ内容に
思った以上に満足でした
フランスでは国民の30%が見たということです











年末の墓掃除

2016-12-22 06:22:17 | 映画
今年最後のお墓参りをしてきました
お墓参りと云うより草取りが主になるでしょうか
秋彼岸には息子と孫坊主が一緒だったので気忙しく
いい加減な掃除でした
草が伸びているのではないか
花は枯れて墓石は汚れているのではないかと
ずっと気にかかっていました
以前は月一で掃除に行ったのですが
最近は季節ごとになって
その都度草取りに汗を流しています
我家の墓地は墓石は新しくしたものの
昔ながらの広さがありますから、
手入れをしないとあっという間に草だらけ、
延びてしまった草は始末が悪いのです

若い人たちはお花を供えて手を合わせれば
それで墓参りをしたと思い
草取りは母の仕事と思い込んでいるようです
やがてその母も中の住人となり彼等はその苦労を知るでしょう
そう考え元気な内はせっせと草を取りましょうかね
次は来年2月の祥月命日に

雪でも降らなければいいのですが....

 
      … … … … …


気が済むまで掃除をして帰りの大船駅まで来た時
思い出したのは今日は鎌倉芸術館で一日限りの
映画の日だった、午後2時の上映には充分間に合う、
今年最後の映画見物にしようと足を延ばしました
途中お昼を食べていないことに気付き
蕎麦屋さんに飛び込みざるそばを一つ、
美味しくはありません


前宣伝ほどの物語ではありませんが
いい音楽と画面のきれいさに圧倒され
ジェーンフォンダに惹きつけられます

映画2題

2016-09-30 08:43:32 | 映画
映画館に一人では入れないという人のお付き合いしました
立て続けに見た2本は実話を基に映画化されたもので
実に興味深く鑑賞しました


  「ハドソン川の奇跡」
2009年アメリカで実際に起きた航空機事故は
新聞テレビから私もはっきり覚えていました
トムハンクスが来日して、現在テレビでも宣伝しているようです


両エンジン故障から着水まで208秒、
キャプテンの冷静な判断とクルーの適切な行動が
155人の命を救うことになる
助かった乗客、市民はキャプテンを英雄と称えるが、
事故調査委員会は実験結果から着水ではなく
着陸可能の事故ではと殺人未遂を疑う







  「スポットライト 世紀のスクープ
この事件があったとはとても信じがたいのですが
こちらも実話だそうです


2001年
それはボストンのカトリック教会で行われている数十人もの神父による
児童への性的虐待だった。
カトリック教会という巨大権力がその事実を隠蔽しようとする中、
ボストン・グローブ紙の記者チーム“スポットライト”は
ジャーナリズムの正義を貫いて真実を明らかにしていく




映画 2題

2016-05-25 20:34:56 | 映画
「アメリカ・ワイルド」 (109シネマズ湘南)

何をおいても見たいと思った映画の公開初日
上映時間40分、
実に壮大なドキュメンタリー映画を見てきました
自然の神秘を恐れ、その美しさに感動し
命知らずとも思える登山家たちの挑戦に震えます













「黄金のアデーレ・名画の帰還」  (鎌倉芸術館)







    (↑はネットからお借りした写真です)

ナチス・ドイツに没収された世界的に有名なクリムトの絵画をめぐり、
オーストリア政府相手に訴訟を起こしたアメリカに住む
82歳の女性マリア・アルトマンと駆け出し弁護士ランディの実話を描いた感動のドラマ。
絵画のモデルが自分の伯母アデーレであることを知ったマリアが、
思い出の絵を奪還すべく、オーストリア政府相手に裁判に挑む姿を描いています。

主演の知性とユーモアあふれるヘレン・ミレンは
飛びぬけてカッコいい70歳

かってナチに加担した父親に敵意さえを抱き
絵画奪還に援助協力を惜しみない雑誌記者役ダニエル・ブリュールが際だっていました。