仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

転失気 / 桂文治(十一代目)

2017年11月22日 | エンタメ
落語『転失気桂文治(十一代目)。
噺は、「あるお寺。2~3日身体の調子がすぐれないという和尚を往診した医師は、下腹部の張りが気になったことから、"和尚さん、転失気(てんしき)はございますかな"と訪ねた。何を聞かれているのか分からなかった和尚だが、知ったかぶりをして、"転失気はございません"と答えたものの、医師がそれを踏まえて薬を調合するというので、不安になる。そこで和尚は、物知り小僧の珍念を呼んで、それとなく尋ねるのだが、珍念も何のことか分からない。困った和尚は、薬を取りに行かせるついでに、門前の雑貨屋や花屋で"転失気"を借りてくるように命じるのだったが・・・」という内容。
これはとても短い噺で、10分ほどの長さしかなく、随分と分かりやすい展開。
エンターテインメントなので強調はされているのだが、この和尚のような、知ったかぶりをしてしまう人というのはどこにでもいることだろう。
(^_^;)
当代の桂文治師匠は、多少しゃがれ声なものの、活舌が良いので聞きやすい噺家さんだ。
そして、この"桂文治"という名跡は、"止め名"ということであり、江戸の落語では、古今亭志ん生三笑亭可楽三遊亭圓生春風亭柳枝林家正蔵柳家小さん等と並び、同じ亭号の中の最高位の名跡なのだという。
初代桂文治は200年ほども前の人のようで、随分と歴史を感じるのだった。