仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

唐茄子屋政談 / 入船亭扇遊

2017年12月04日 | エンタメ
落語『唐茄子屋政談入船亭扇遊
噺は、「毎晩のように吉原に通い詰めるご大家の若旦那。このままだと勘当になってしまうと言ったものの、"若旦那が勘当になったら私が面倒見ますから、もっと一緒にいてくださいよ"という花魁の言葉を真に受けて遊郭に入り浸ってしまった。本当に勘当になってしまった徳だったが、花魁はもう顔を見せず、遊郭から追い出されてしまう。家に帰れず、親類も頼れず、友達を頼ったものの、やがては行く所がなくなってしまった。どうしようもなくなって吾妻橋から身投げをしようとしたところ、偶然通りかかった叔父に助けられ・・・」という内容。
家族、親類が集まった席で、「勘当、結構でございます。お天道様と米の飯はどこへ行ってもついてきますよ」と調子のよいことを言って家を出て行った手前、徳は家には帰れない。
遊郭では誰からでもチヤホヤされる若旦那だが、それはいい金ヅルだからなのであって、そこに恋愛感情があるわけではない。
「傾城の恋はまことの恋ならで 金持ってこいが 本のこいなり」
これが徳には分らなかったわけだ。
(^_^;)
「あの時、親の言うことを聞いておけばこんなことにはならなかった」と後悔したところで後の祭りだったが、最後の最後に叔父さんに助けられたのだから、徳の運はまだ尽きていなかったのだろう。
何かと小言の多いこの叔父さんの唐茄子売りを手伝うことになる徳にとっては生まれ変われる最後のチャンスだった。
演者の入船亭扇遊師匠は、九代目入船亭扇橋(1931年~2015年)師匠の弟子。
とてもよく通る声で活舌も良く、目力がある。
(^。^)
江戸っ子の叔父さんや唐茄子を売りさばいてくれる(お節介な?)長屋の住人の切符の良さがとてもよく伝わってくる。