仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

品川心中 / 五街道雲助(六代目)

2018年03月11日 | エンタメ
落語『品川心中』五街道雲助
噺は、「品川宿・白木屋の遊女・おそめは歳をとってお客がつかなくなり、とうとう"お茶挽き"になってしまった。若い女を相手に強がりは言うものの、"紋日"が迫ってあちこちに手紙を出しはしたのだが、誰もお金を持ってきてくれない。"移り替え"も出来なくて単衣(ひとえ)から袷(あわせ)に替えることもできない。悔しい思いをするくらいなら、誰か相手を見つけて心中しようと思い立ち、貸本屋の金蔵を選び出す。相談したいことがあるからと手紙を出して呼び出すのだが・・・」という内容。
江戸時代、幕府公認の遊郭である"吉原"に対し、"岡場所"という非公認の遊女屋があり、江戸では、四宿と呼ばれた千住宿(奥州道中・日光道中)、板橋宿(中山道)、内藤新宿(甲州道中)、品川宿(東海道)等が栄え、特に品川宿では吉原を向こうに張った"花魁道中"も行われるほどに賑わったのだという。
また、単衣から袷に替えるのを、"衣替え"ではなく、"移り替え"というのだそうだが、このような"紋日"という特別な日は結構あったそうで、遊女も大変だったようだ。
ただ、お金がかかったとはいえ、それは馴染みの客が持ってきてくれたのだろう。
そして、誰も持ってきてくれなかったのが"おそめ"というわけだ。
(^_^)
心中の相手に選ばれてしまった金蔵も迷惑な話だ。
袷に替える"移り替え"となると、9月のはずだから、そんな時期に海に落とされてしまっては大変だ。
(^_^;)
この噺は前半と後半に分けられることが多いらしく、通して演じる落語家はあまりいないとのことなのだが、五街道雲助師匠は通しで話されていた。
ところで、この物語の登場人物、おそめと金蔵は映画『幕末太陽傳』(1957年/川島雄三監督)に登場するのだが、同作品は、『居残り佐平次』や『品川心中』といった落語の演題からのエピソードが散りばめられて、そちらもナカナカに面白い。