仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

チェンジリング

2018年04月20日 | ムービー
『チェンジリング(原題Changeling)』(2008年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロサンゼルス。パシフィック電話会社で交換手の主任をしているクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、息子ウォルターと二人で暮らしている。1928年3月10日、休日出勤を余儀なくされた彼女が仕事を終えて帰宅するとウォルターの姿がない。何の手がかりもないまま時間だけが過ぎていった。そして7月20日、職場に"お子さんが無事見つかりました"と、ロサンゼルス市警少年課のジョーンズ警部(ジェフリー・ドノバン)がやって来て・・・」という内容。
帰宅直後から暗くなるまで探し続けてもいっこうに見当たらないので、警察に電話をかけたクリスティンだが、「子供の行方不明は24時間経過しないと捜査員を送れない。99%は翌朝までに帰ってくるので、今は何も出来ない」と言われてしまう。
グスタブ・ブリーグレブ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)のロサンゼルス市警批判は辛辣だった。
「このロッキー山脈の西側で最も暴力的でかつ腐敗した無能な警察にまともな仕事が出来るとは私には到底期待できません」などとラジオ放送で流されてしまっては、ジェームズ・E・デーヴィス警察本部長(コルム・フィオール)もそりゃあ面白くは思わないだろう。
(^_^;)
とはいえ、そう言われても仕方がないようだ。
見つかりましたと引き渡された子供は、なんと別人だったのだ。
母親が自分の子供じゃないと言っているのに「あなたは気が動転してる。この年頃の子供の成長は早いんです」と言い、「この子は行く所がないんですよ」とまで言うジョーンズ警部。
精神科のタール医師をクリスティン宅に行かせ、自分の本当の子供より身長が約3インチ低いと言っても「あり得ないことじゃない」と、取り合わず、近所に「自分の子供も分からない無責任な母親だ」とデマを流すのだから、警察というよりまるでマフィアのようなものだ。
そして、これはアメリカで実際に起きた事件だというのが怖い。
ジョーンズ警部によってクリスティンは拘束され、精神病院に収監されてしまう。
アメリカで弁護士制度が極端までに発達した理由が分かるような気がする物語だった。