さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

私の「歌舞伎座」ものがたり

2010年02月22日 | 歌舞伎関連の本
昭和16年から歌舞伎座に通い、
戦後再建された歌舞伎座58年の舞台をことごとく観てきた
演劇評論家である渡辺保著『私の「歌舞伎座」ものがたり』

著者が心に残る名舞台としてあげられる俳優たちの中の、
幸四郎・勘三郎はもちろん先代のこと(笑)

読み終えたばかりの「きのね」にも出てくる舞台の話などとも重なって
とても面白かった。

歌舞伎好きの中での話で、
同じ芝居を観るなら新橋演舞場や国立劇場でなく
やはり「歌舞伎座」で観たいという人が圧倒的に多い。
著者も述べておられるが、「歌舞伎座」には独特の雰囲気がある。

「オペラ座の怪人」のごとく歌舞伎座にも魔物が住んでいる(=伝統)というお話から始まり
ご自身の内なる「歌舞伎座」の思い出が語られている。

セツブンソウ

2010年02月22日 | 日記
キンポウゲ科

春のごくわずかな期間だけ愛でることが出来る
スプリング・エフェメラルの仲間でこれらの植物は、
地下に根茎や球根を持っていって、
春先に早々と活動を始める昆虫が媒介となるので虫たちに
見つけてもらいやすくその植物全体の割に花が大きくなっているらしい。

2センチぐらいのとても小さな白い花をつけるが
花弁に見えるのは、萼片で、めしべ・おしべのまわりの
ポツポツした黄色い部分が退化した花弁らしい。

1年の大半を地下で過ごすからか?
「人間嫌い」という花言葉もあるが「光輝」ともある。

まだまだ寒々とした林の中で見つけた時は
とても幸せな気分になる♪


龍馬伝

2010年02月21日 | 日記
今日の「龍馬伝」にも弥太郎さんがあまりにも可哀そうで泣かされました(笑)

ところでこちらの龍馬伝。
スーパーのお菓子売り場に登場していたのでつい手がでてしまったが、
お味の方は「今一度せんたくいたし申候」という感じ(笑)

小学校児童作品展(後期)

2010年02月21日 | アート♪
区立美術館で開催中の小学校児童作品展の後期を拝見した。

自由で大胆なこどもの絵画を観るのはとても楽しい♪
それに最近の素晴らしい美術教育にも感動した。

私は今でこそ美術が大好きであるが、
子どものころはさほどでもなかった(笑)

図画工作の時間がちっとも楽しくなかったからだ。
大昔の美術教育は写生に行ったら、
空は青色、木は緑色、地面は茶色に塗らなくてはなぜかいけなかった(笑)
できるだけ写実に近い絵を描いた子が区の作品展に選ばれた時代だ。

いつ頃からこんなに自由な美術教育が実施され出したのかは分からないが、
とにかくみんな明るくて大きくて個性的に輝いている作品ばかりだった。

ジャコメッティのような針金のオブジェ
織部を想わせる作陶
コラージュ
まるで現代美術のような作品
扇絵を楽しく描かせているものもあり、
お酉さまの熊手やまねき猫などもみんなで楽しく作っていた。

こんな図画工作の時間はさぞ楽しいだろうなぁ♪

そろそろ30年近く経つが、現代美術家の先生のアトリエに通っていたことがある。
その時の先生のお言葉を思い出した。
「日本の美術界はまだまだ江戸時代(笑)
今時は絵筆や絵の具がなくても絵は描ける時代なのだ!」と。

ビールの空き缶や靴下や布切れ、新聞紙、ビーズ・・・
子どもたちは様々なものから素敵な夢のある作品を創り出していた。
まさに子供たちが今それを実践している教育が嬉しかった♪



インビクタス 負けざる者たち

2010年02月20日 | 映画♪
クリント・イーストウッドと
モーガン・フリーマンと
ラグビー好きにはたまらない映画だった♪

さすが、クリント・イーストウッド監督!

偉人伝とか、スポーツ感動ものとかそういう切り口ではなく、
大統領を護衛するSPの動きにもハラハラされられたり、
題名のとおり己の魂の指揮者となってそれぞれ戦う男たちがえがかれていて
この未来が見えないような現代において一筋の光を与えてくれるような映画だった。

我が国のリーダーにも是非観て欲しい映画である(笑)

後半のラグビーの試合のシーンは素晴らしくて、
思わず観ているこちらも力が入ってしまった。
マット・デイモンも本物のラグビー選手のようだった。

モーガン・フリーマンがイーストウッドに脚本を送ってオファーした映画。
マンデラ大統領本人が自身の自伝が映画化されるとしたら、
モーガン・フリーマンにお願いしたいと思っていたそうであるから
もう大統領そのものがそこにいるようなたたずまいだった。

きのね(下)

2010年02月20日 | 本♪
あまりにも面白くまた感動的な小説で上から続けて、
バンクーバー五輪の中継も見ず下を昨日一気に読んでしまった。

我儘な性格の私にとっては、自分を犠牲にしながらひたむきに人を愛するこのヒロインの
気持がなかなか理解できないが、実在の女性であったことに驚くとともに、
まるで聖母マリアのようにも思った。

歌舞伎界の昭和史として読んでも戦争前後の苦難の時代がしのばれる。

きのね(上)

2010年02月19日 | 本♪
柝の音

一般的には拍子木であるが歌舞伎では、幕の開閉のほか「知らせ」「きっかけ」「ツナギ」に使われ柝と呼ぶ。
俳優全員の楽屋到着や、舞台の準備が出来開幕する時、
セリが上がったり、舞台転換などにも打たれ、
歌舞伎の劇場内では、何度もその柝の打たれる音が聞こえ、
芝居好きにはその音はとても好ましいものであるが、
この小説のヒロインもその音に魅せられるところから物語は展開していく。

宮尾登美子著「きのね」上を読み終わった。

実在の歌舞伎界の名優をモデルにした小説なので、
いろいろと反対などもあり小説にするまでご苦労もあったようだ。

実名ではないが、あの方のことだろうな?
といういろいろな歌舞伎俳優が登場し、
昭和のはじめの歌舞伎界や歌舞伎の家のくらしぶりなどが興味深い。
やがて戦争が始まり、空襲で歌舞伎座も新橋演舞場も灰になってしまい
疎開先の八王子も空襲を受けたところで上巻は終わった。


麹町太田姫神社

2010年02月19日 | 今様江戸名所図会
地下鉄半蔵門駅A1(たしか?)を出るとすぐ目の前にある麹町太田姫神社。

国立劇場に行く度に気になっていながらもお参りしたことがなかった。

本当に可愛らしい小さな神社であるが、石段のところにある由緒を拝見してみると
神田駿河台にある太田姫神社の分社らしいことがわかった。

御祭神 倉魂稲命

この神田の太田姫神社というのにもまだ行ったことがないが、
由緒によれば

室町時代、太田道灌の姫が天然痘にかかり、病状が悪化した時、
「山城国一口の里にある稲荷神社に祈願すると、どんな思い天然痘でも忽ち平癒する」と
聞き、早速道灌はその神社に参詣祈願すると姫の病は平癒したそうだ。
それで江戸築城の際、一口稲荷を伏見より勧請して江戸城内にお祀りした。
その後、徳川家康が江戸城改築の際、城内にあった神社仏閣を城外に移し、
太田姫稲荷神社も駿河台の淡路坂(一口坂)上に遷座されたそうだ。
いもあらい(一口)の意味は、天然痘のことを「いもがさ」と呼んだので
「天然痘を洗い流して治す」からきたものと解釈されているとあった。

今は、商売繁盛と病気平癒の神さまとして信仰されているらしい。

昔の江戸の史跡を訪ねるとやはり一番に「太田道潅」所縁というのが多いように思う。

今度神田駿河台の本社にもお参りしてみたいと思った。

人形浄瑠璃 文楽の歴史展

2010年02月18日 | アート♪
第1部が終演してから、伝統芸能情報館で開催中の
「人形浄瑠璃 文楽の歴史展」を拝見した。

国立劇場伝統文化情報館は、国立劇場の収集した博物資料の企画展示や
歌舞伎・文楽・錦絵などの舞台芸術を視聴覚できるライブラリーもあり、
演劇関係の図書も閲覧でき、レクチャー室では過去の公演記録観賞会なども行われている。

国立劇場楽屋口の隣に位置しているので、
一部が終わり、二部が始まる中、日頃舞台で拝見している方々が
出入りされていて、ちょっとときめいてしまった(笑)

そもそも人形浄瑠璃文楽は、竹本義太夫が大坂道頓堀に竹本座を創設したことに始まり、
その基盤を確立したのが、劇作家近松門左衛門ということらしい。

1.創生期~義太夫と近松の時代~
2.全盛期~三大名作の時代~
3.黄金期~御霊文楽座と彦六座の時代~
4.昭和期Ⅰ~四ツ橋文楽座の時代~
5.昭和期Ⅱ~国立文楽劇場まで~

近松以後、複数の作者による合作制度で、
18世紀に「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」の三大名作ができ、
19世紀に御霊文楽座と彦六座が対抗して競うように多くの名人を輩出した。
昭和に入り、四ツ橋に洋風建築の文楽座が開場して、「三頭目」とよばれる大夫
(三大竹本津大夫・二代豊竹古靭大夫・六代竹本土佐大夫)や
初代道八といった三味線の名人、人形遣いの初代栄三・三代文五郎などが
充実した公演を続けていたが、戦争により国威高揚の公演で、
軍服を着た文楽人形が舞台に上がったり、また文楽座も空襲で全焼してしまう。
戦後いち早く劇場が復興されたが、当時盛んだった労働組合運動で、
組合派の「三和会」と非組合派の「因会」に分裂。がその後双方が歩み寄り
合同して財団法人文楽協会ができた。
義太夫が竹本座を創設して300年後、昭和59年(1984年)
大阪道頓堀に近い日本橋に国立文楽劇場ができる。

というような流れの中の貴重な資料の展示であった。
また、国立劇場自主企画映画「文楽」も見ることが出来、
竹本越路大夫・竹本津大夫…
鶴澤寛治・野澤松之輔…
桐竹紋十郎・吉田栄三・吉田玉男… のご出演。

涙がこみ上げてくるようで2回も拝見してしまった。