さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

地口行灯

2010年02月11日 | さよなら歌舞伎座
二月の公演のお楽しみのひとつである劇場内に飾られる地口行灯。

地口行灯は江戸時代より祭礼の際に飾られた絵と文字がえがかれたもので、
歌舞伎座のお稲荷さんの初午祭にあわせて1階ロビーなどで拝見できる。

「穴よりだんご」

地口とは、諺や成句をもじり洒落を作ったもので
昔の人たちはその洒落を競い合い言葉遊びを楽しんだらしい。

そういえば林屋辰三郎著の「歌舞伎以前」にも
地蔵盆の宵に京都の町々で木枠を四角く組み立てた紙ばかりの行灯に
いろいろ風刺的な絵を描いて軒に掲げているとあって、
何しろ30年前の本なのでそういう風習が今も残っているのかは判らないが
町衆たちの権力に対する抵抗の一つのアピールのようでもあったらしい。

「くわいとしらずとうたべた」
「月の夜に花をぬき」… などなど。