さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

二月大歌舞伎 夜の部

2010年02月10日 | さよなら歌舞伎座
あと80日…

二月大歌舞伎夜の部を拝見した。

「壺坂霊験記」
「高坏」
「籠釣瓶花街酔醒」

今年3月より、室町時代再建以来初めて三重塔の初層内陣の一般公開が始まる壺坂寺。
その眼病に霊験あらたかといわれる本尊の十一面観音。
その観音様の御利益で盲目の沢市の目が明くという義太夫作品である「壺坂霊険記」
三津五郎丈の沢市と福助丈のお里がお互いを思いやる夫婦の情愛が出ていて
とても良かった。

六代目菊五郎が下駄をはいてタップダンスを踊れたらと生まれた長唄舞踊で
六代目没後途絶えていた上演を十七代目が復活させた作品で、
勘三郎丈の次郎冠者が酒に酔いながら下駄で拍子をとって踊りだす。
大向こうから「待ってましたぁ~」と声がかかった。
勘三郎丈はこういうのが実に上手い!
舞台はもう春爛漫であった。

今月一番のお楽しみの「籠釣瓶」

玉三郎丈の八橋
勘三郎丈の佐野次郎左衛門
仁左衛門丈の栄之丞

次郎左衛門とすれ違い振り返って花道でほほ笑む玉三郎八橋は
まさに「回眸一笑百媚生」!!!
私だってドキドキしてしまった。
次郎左衛門の誠実さと狂気を勘三郎丈が迫真の演技でみせてくれる。
「間夫がなければ女郎は闇」と八橋に言わせる超イケメンの栄之丞
身受話のある八橋のもとへ行くために
あわてて身支度をする仁左衛門栄之丞があまりにも素敵すぎる(笑)
こんな間夫なら誰でも納得!

立花屋長兵衛と女房おきつ
我當丈と秀太郎丈が絶品!

勘太郎丈の下男治六も良かった。