【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

1972(昭和47)年4月22日

2010年04月22日 | 情報一般
【写真で見るきょうは何の日】沖縄返還で日本円の見本展示

 1972(昭和47)年4月22日、那覇市にある百貨店の社員食堂に、日本円の見本が展示された。

 沖縄の施政権が米国から返還される5月15日から、通貨のドルが円に切り替わる、その直前の光景。見慣れない円になじんでもらおうとの配慮で、もちろんパスポートも本土との往来には不要になった。

 米統治下では通貨だけでなく、道路も米国基準になったため、自動車は右側通行だった。これが左側通行に戻されたのは返還6年目の78年7月30日のこと。8時間、県内全域で自動車の運転を禁止し、その間に一斉に道路標識などを左側通行仕様にした。

 県は県民に対する「730キャンペーン」を実施し、テレビCMには地元出身のプロボクサー・具志堅用高を起用。左右の拳を突き上げて「人は右、車は左!」と呼びかけた。

2010.04.22 ZAKZAK

高速料金見直しせず 首相も了承と国交相

2010年04月22日 | ニュース政治
高速料金見直しせず 首相も了承と国交相

 鳩山由紀夫首相は22日、6月導入予定の高速道路の上限料金制をめぐり、民主党の要望を受け入れて再検討を決めたことに関し前原誠司国土交通相と官邸で協議した。前原氏はこの後、記者団に上限料金制について「現時点においては見直しは行わない」と明言、首相と平野博文官房長官も了承したと明らかにした。

 前原氏の反発を受け、首相が一転して見直し方針を撤回したとみられる。ただ前原氏は「国会での審議を踏まえ、国交省で総合的に検討する」とも述べており、国会での議論によっては柔軟に対応する考えも示した。

 これに先だって首相は官邸で記者団に「この問題は政府が引き取って見直す」と強調。同時に「無料化の方向と矛盾しない形で、双方が理解できる形で決着したい」と述べた。

 平野官房長官は22日午前の記者会見で「料金で個別の不都合が起こるケースは、修正すべきことがあるなら修正しないといけない」と指摘していた。

2010/04/22 共同通信

鳩山“メルトダウン"寸前

2010年04月22日 | ニュース政治
鳩山“メルトダウン"寸前 「私は愚か」自虐コメント炸裂

 鳩山由紀夫首相が壊れ始めた。21日の党首討論で、「私は愚かな首相かもしれない」と、一国のリーダーにあるまじき自虐コメントを炸裂させたのだ。「日米同盟撤回」発言や、ポーランドの大統領死亡事故についての不思議コメントなど、最近、首相は迷言を連発中。混迷する米軍普天間飛行場の移設問題で、メルトダウン寸前なのか!?

 自虐発言は、首相が米ワシントン・ポスト紙から痛烈批判を受けたことについて、自民党の谷垣禎一総裁から「政治の責任者として発言が軽い」といわれ、飛び出した。

 首相は覇気のない表情で「(同紙が)言うように、私は愚かな首相かもしれない」と話し始め、「昨年12月に、もしも『えいや』と(日米合意の名護市)辺野古に決めていれば、どんなに楽だったか計り知れない」と弱気発言をもらした。

 その後も、首相の迷走は止まらない。これまで丁寧に応じてきた「ぶら下がり取材」で同日、記者の質問が普天間問題に及ぶと、途中で質問を無視して立ち去ったのだ。

 確かに、普天間問題の行き詰まりは深刻。首相の「腹案」とみられる鹿児島・徳之島案をめぐっては、住民だけでなく、米側からも事実上のダメ出しが突きつけられた。

 米側は、移設する予定のヘリ部隊と、沖縄本島に駐留する地上部隊の距離を「65カイリ(約120キロ)以内」とするよう、日本政府に要請。沖縄-徳之島間は約200キロあり、事実上、徳之島移設は実現不可能となった。

 それにしても、首相の“迷言”は最近目立ちつつある。

 訪問中のワシントンで12日夜、記者団からオバマ米大統領との意見交換の内容について記者団に問われ、「私が申し上げたのは、沖縄の負担というものを軽減するということ。それがある意味で日米同盟というものを持続的に撤回させていく…」と、まさかの「日米同盟撤回」を宣言し、直後に「発展させていく…」と言い直した。

 自身のツイッターでも、ポーランド大統領の死亡事故について、オカルトと間違うようなつぶやきをしている。

 肉体的にも精神的にも多忙な日々を送る首相。政権と首相の行く末が心配になってきた。

2010.04.22 ZAKZAK

舛添新党 広がり欠く苦難の船出

2010年04月22日 | ニュース政治
舛添新党、苦渋の決断…参加議員も広がり欠く

 自民党の舛添要一・前厚生労働相が新党結成に踏み出した。

 執行部批判を繰り返し、党内で厳しい立場に立たされた末の「苦難の船出」で、参加議員も広がりを見せていない。参院選や政界再編の行方を左右する「核」となるかどうかは、まだ読み切れないのが実情だ。

 舛添氏は21日、川崎市内で記者団に、新党の掲げる政策・旗印について、「政治とカネでこれだけ 閉塞 ( へいそく ) 感があるので、清潔な政治を目指さないといけない。外交安全保障、経済をきちんと立て直す」と強調した。

 新党は、舛添氏の持論である社会保障制度改革や国会議員の定数半減などを掲げる方針だ。党首になる舛添氏の人気を追い風に参院選で勢力を拡大し、政局の主導権を握る戦術を描いている。実際、舛添氏は、「首相にもっともふさわしいと思う国会議員」を問う読売新聞社の4月の全国世論調査(電話方式)でも、2位の岡田外相以下を大きく引き離し、29%の支持を集めてトップだった。

 ただ、現実には、新党結成が舛添氏の想定通りの道筋をたどっているとは言えないようだ。

 自民党で新党参加が見込まれるのは、現時点では矢野哲朗・元外務副大臣とすでに離党届を提出している小池正勝参院議員だけだ。矢野氏は改選期を迎えたが、参院選の公認選考に漏れたベテラン議員だ。改革クラブからの参加者も、荒井広幸幹事長ら改選期を迎える参院議員が目立つ。

 舛添氏は2月、自民党内の有志議員と勉強会「経済戦略研究会」を発足させたが、メンバーの塩崎恭久・元官房長官、菅義偉・元総務相、世耕弘成参院議員らもそろって新党参加に否定的だ。菅氏は21日のBS11の番組収録で、「(新党の話は)全く話していない。舛添氏は『参院選前に自民党がしっかりしないと大変なことになる』と言うが、私の力点は衆院選にある」と見解の違いを強調した。

 自民党執行部の批判を繰り返す舛添氏に、党内では距離を置く議員が増え、離党勧告を含む厳しい処分を求める声も強まった。「舛添氏は振り上げた拳を下ろせなくなって新党に走った」という見方も強い。

 自民党では「舛添氏は自民党内で仲間を見つけられず、改革クラブに声をかけたのだろう。改革クラブ側も、再選のために舛添人気にあやかろうとしているだけで、改革クラブの衣替えに過ぎない」という冷ややかな声も少なくない。舛添氏は13日、森元首相に新党結成の意欲を伝えた。森氏は「軽率なことをしたらだめだ」と慰留したが、舛添氏の意思は固かったという。

 舛添氏は先に自民党を離党した鳩山邦夫・元総務相や大阪府の橋下徹、宮崎県の東国原英夫の両知事との連携を強める構えだ。鳩山氏は「舛添新党」への将来的な参加もささやかれている。一方、「たちあがれ日本」の与謝野馨・元財務相は財政再建を重視しており、構造改革・経済成長を唱える舛添氏と、政策面の違いは大きいとみられる。

 みんなの党との関係も微妙だ。同党の渡辺代表とは安倍内閣で閣僚同士だったが、「2人とも目立ちたがり屋で、相性がいいとは言えない」とされる。渡辺氏は21日、国会内で記者団に、舛添氏に最近、「離党する時は1人がいい」と電話で助言したことを明かす一方、「引退する人に声かけしている。これでは(『さよなら政党』と『送別会』をかけて)『フェアウェルパーティー』だ」と皮肉った。

 ◆「人気者」失い、自民に痛手◆

 舛添氏の離党に冷ややかな自民党だが、「ポスト谷垣」の有力候補とも位置づけられていた「人気者」を失うのは痛手だ。

 党内からはこの日、「時代からずれ始めた方なのでは。党に大きな打撃は残らない」(加藤紘一・元幹事長)などの声が上がった。

 ただ、鳩山内閣の支持率が低迷しても、党への支持が回復しない現状で、国民に人気のある舛添氏を失うことの意味は決して小さくはない。谷垣総裁の求心力が改めて問われることになるのも確実だ。

 柴山昌彦副幹事長は「自民党が進むべき改革の方向性を、強いメッセージをもって発信できる方であり、痛手だ」と語った。幹事長経験者の一人も「民主党に唯一対抗できる目玉がいなくなった。自民党はこれで終わった」と漏らした。(政治部 池辺英俊、福元竜哉、向井ゆう子)

2010年4月22日 読売新聞

5月晴れ多く、梅雨はぐずつく?

2010年04月22日 | ニュース一般
5月晴れ多く、梅雨はぐずつく? 気象庁の3カ月予報

 気象庁は22日、5~7月の3カ月予報を発表した。今春、寒暖の差が大きく日照時間も短い傾向が続いているが、5月は全国的に晴れの日が多い見込み。ただ北日本(北海道、東北)は気温の変動が大きい見通しという。

 梅雨シーズンの6~7月は太平洋高気圧の北への張り出しが弱いため寒気や前線の影響を受けやすく、6月は沖縄・奄美で、7月はそれ以外の地域で、平年よりぐずつく日が多くなりそうだ。

 気象庁によると、4月に頻繁に低温をもたらした寒気は5月には弱まる予想。一方、6月には冷夏の原因となる「エルニーニョ現象」が終息するとみられるが、インド洋の海面水温変動からフィリピン周辺の大気の対流活動が不活発となるため、太平洋高気圧の北への張り出しが弱い見込み。

 北日本は低温傾向で、冷夏となる可能性もあるという。一方、太平洋高気圧の西への張り出しは強いとみられ、沖縄・奄美は高温の見通し。

2010/04/22 共同通信

路地のゆくえを考える

2010年04月22日 | 新聞案内人
路地のゆくえを考える

 前回の原稿(4/1何でも「個人情報保護法」には泣かされる)にはたくさんの反響があった。ありがとうございます。

 被害者の哀しみの中にマイクを突きつけるような強引な取材方法はテレビを見ていて私も憤慨に堪えない。でも私自身は節度を持って取材していると思うだけに、メディアをひとくくりにした議論はちょっとついていけないものを感じた。とはいえ、伝記をはじめ、ものを書くということはどこでまちがいを書いたり、人を傷つけたりしているかわからない。こころしなければならない。しかし、それとITの時代の「個人情報保護法」の間違った使用法とはべつのことである。

 大正12年の関東大震災後、前の妻伊藤野枝が虐殺されたとき、殺到するメディアへの辻潤の言葉が思い出される。彼は記者たちに「御職掌柄でおいでのことですから」と言ったのだ。伊藤野枝は彼を捨て大杉栄に奔(はし)った。辻潤は二人の子まで生した前妻を殺された男であり、しかもその妻に捨てられた男なのだ。そんな二重の苦痛のなかでメディアの前に引きずり出されても、彼は皮肉や韜晦(とうかい)も交えてにしろ、記者の立場を理解していた。江戸っ子の想像力といえるかもしれない。

○相手の立場で

 私も地域雑誌のために町の先輩たちに話を聞きにいくと、「いま手が離せないんだけど」といいながらも「また来るのは大変でしょ。15分ならつき合うわ」とか、「あんたもそれが仕事だものねえ」という方たちにどんなに助けられたことか。おたがい役割分担と背負うべき責任、何らかの仕事で世渡りしている。それを邪魔しない。相手の立場に立って融通を付けてくれる、という人が多かった(職掌柄、渡世、なんていい言葉でしょう)。「取材に答えて何か得することがあるのか」という功利的な人々が多くなったことを私は嘆きたいのである。

 おたがいさま、という相互扶助の精神を持つ人たちが、谷中や根津の路地にはまだかぼそくも生きている。

 しかし下町ブームのなかで、それは記号となり、絶滅危惧種か、文化人類学の対象のようになって、いまや見学客たちがのぞきにくるようになってしまった(これもメディアのせいかもしれないけれど)。

 かつて路地について3年かけて調査したことがあった。路地の定義から簡潔にはじめてみよう。

○路地に住民のコミュニティー

 路地は行政の経営する大道でなく、暮らしの中で必要に応じてでき た狭い道である。よく横町と混同されがちだが、私道であることが多く、入り口に段差などの“結界”があって、不特定多数のものが入れる空間ではない。植栽がされ打ち水がされ、猫の通り道があったり、住民の憩いの場となっている。

 車が入らないのでおままごと、水遊び、花火、夕涼み、おしゃべりなどを心置きなくできるシェルターとなっている。崖や塀に向って行き止まりのことも多い。火事を防ぐ火伏の稲荷、井戸などがセットされていることもある。

 路地の両側にはかつては長屋があったりして、東京の場合、地方出身者がそこでコミュニティーをつくり、おたがい助け合ってどうにか生きて来た。醤油や味噌の貸し借り、おかずを分け合う、旅行の際の留守番、共同の子育て、初午や潮干狩りなどの行事も行われた。

 それらを歴史性と切り離して“下町の人情”として称揚するが、それはその日暮らしの貧しさの表象でもあった。

 「お米買えないときは前掛けの下に升を隠して貸してっていったのよ」「狭い路地で天ぷらを揚げたら、その匂いだけかがすわけにいかないじゃないの」「実家から芋が届いたのだってみんな見ていたんだから」。路地ではそんな声を聞いた。

 しかし路地は壊れつつある。地主や大家が相続で手放して、マンションになったり、ミニ開発で建て売りが建ち並ぶ。

 行政は来るかもしれない直下型地震の前に、耐震耐火をすすめ、路地を拡幅して消防車が通り抜けできるようにしたいと考えている。

 そのようないま、日本建築士会関東甲信越城東部会が2月26日、「粋な下町暮らし――東京下町木造密集地の防災と景観」なるシンポジウムを開いたので参加してみた。

 建築家、都市計画家や研究者の意見を聞いていて思った。20年前とは なんて違ってきのだろう、と。

 1960年代からバブル経済の80年代までは、こうした下町についてはスラムクリアランス的な大規模再開発が主流であった。木密(木造密集市街地)を一掃して不燃化高層化し、広い道、高速道路、ペデストリアンデッキ、緑地帯などを作る。いわばル・コルビュジエのいう「輝ける都市」である。

○路地再評価の動き

 しかしそんな自動車優先の非人間的な、ゾーニングによる単色の、コミュニティーの育ちにくい町に暮らしても楽しくない、とみんな経験的に気づいてしまった。コルビュジエへの批判は60年代のJ・ジェイコブズ『アメリカ大都市 の生と死』にすでにはじまっている。

 ヨーロッパでは中心市街地の歴史的建造物を大切にして、車を入れず、レストランや喫茶店、ショップなど歩いて楽しい回遊的な町がたくさんできていった。「パーク・アンド・ライド」や「コンパクトシティ」は流行語にすらなりつつある。アメリカでもサンフランシスコやニューヨークのグリニッジビレッジ、ソーホーなどで人間らしいきめ細かな町づくりがすすめられた。日本では相変わらず規制緩和の名の下、スーパーブロック方式の再開発がいまも行われているが。

 建築家、都市計画家たちが反省を込めて、アジアやアラブ世界も含め、世界中の路地や横町の魅力を語るのには驚かされた。(NHK「世界ふれあい街歩き」も路地の魅力発見番組ですねえ)。

 しかし路地の現状にただ手をこまねいていていいわけではない。

 直下型地震はかなりの確率で起こる。「災害は忘れたころにやってくる」のである。それに備えるため、できることをしなければならない。

 筋交いという斜めの構造材を入れることで家の強度は増す。外壁を不燃性の高いものに替える。行き止まり路地の解消、危険なブロック塀の撤去、墨田区・向島の路地尊のような雨水利用の防災タンクの設置もおススメだ。

 また防災が専門の佐藤隆雄氏は、首都圏で大地震が起こったときでも、市場原理の下に跡地をデベロッパーが買って借家人を追い出しコミュニティーを壊すような再開発を行わせない方策、高くつく上に廃棄物となるだけの応急仮設住宅でなくコミュニティーを壊さない住民主体の自主再建を応援する補助金制度、被災者生活再建支援法の整備などを提唱しておられ、賛同できる。

 「路地の魅力を残しながら安全性を高める」方策をもっと多彩に考えていきたい。

○ソフト面も重要

 私が付け加えたいのは、木造の路地の多い町では防災に対する意識は高いということだ。

 小さい頃、「火事を出したらこの町にはすめないから」と親からは徹底した「火の始末」教育を受けた。江戸では八百屋お七で見るように放火は死罪と厳罰でのぞんだ。いまでも冬になると町会は夜中、火の用心と拍子木をたたいて町を回っている。そういうソフトの知恵も大切ではないか。

 阪神大震災でも神戸・長田区の真野地区などながらくコミュニティーづくりの活動があったところでは、住民同士が隣近所をよく知っているので協力して救援活動が進み死傷者は他と比べてかなり少なかったという。「あのおじいちゃんは奥の6畳の右端に寝てはる。そこを掘って」といって助かった例もあるらしい。

 まあ、路地の住民には「100年に一度来るか来ないかわからない震災のためにいまの暮らしが変るのは嫌だ」「地震が来たら死ぬからいいよ」という人がいる。こういうのはノーテンキというのかな。私はもっともだとおもうのだが。

2010年04月22日 新聞案内人
森 まゆみ 作家・編集者

事業仕分け 無駄の徹底見直しを

2010年04月22日 | 社説
事業仕分け 無駄の徹底見直しを

 事業仕分け第二弾が二十三日から始まる。限られた事業ではあるが、独立行政法人が無駄に税金を使って役人の天下りを受け入れてきた実態をあぶり出すのは意義がある。徹底的にやってほしい。

 今回の仕分けは四十七独立行政法人(独法)の百五十一事業に絞り込んでいる。独法全体の半数以下にすぎず、下にぶらさがっている公益法人は除外された。いわば氷山の一角である。

 事前の調整で除かれた分に大物が潜んでいる可能性もあるが、今回の対象に絞ってみても、重複分野も多く、そもそも税金を使う仕事として首をかしげる事業が少なくない。

 たとえば住宅金融支援機構は民間金融機関から買い取った住宅ローン債権を証券化して投資家に売りさばいているが、そんな仕事になぜ独法が手を出すのか。

 消費者庁が所管する国民生活センターの商品テストは経済産業省が所管する製品評価技術基盤機構もやっている。国民の安全を大義名分に、天下り先を確保する霞が関の都合で重複しているのだ。

 総務省が仕切る情報通信研究機構は情報通信ベンチャーに出資している一方、経産省の縄張りである中小企業基盤整備機構もファンド出資をてがけている。

 官民ファンドは霞が関の流行になった感すらある。経産省は産業革新機構という株式会社をつくって水開発ベンチャーなどに出資する意欲をみせ、アニメ輸出まで官民ファンドで後押しする計画を立てている。産業革新機構は仕分け対象になっていない。

 行政刷新会議は今回の仕分けであぶり出した結果を基に、ぜひ独法以外にも広く目を向けて、同じような問題点を抱えた政府事業の徹底リストラを図るべきだ。

 民間でもできる仕事、むしろ官が手を出すべきではない仕事をはっきりさせていく。それによって官がやるべき本来の仕事に振り向ける財源と人材資源を生み出していく。それが根本の課題である。

 事業仕分けの手法はこれまで霞が関の密室で決まっていた予算配分の議論を一部とはいえ公開して、人々の関心を呼び起こした点に意義がある。

 ただ国民から選ばれた国会議員ならいざ知らず、民間人がどんな根拠があって仕分けできるのか、といった基本的問題も抱えている。政府が選んだというだけでは不十分ではないか。仕分け作業自体の制度的根拠・正統性についても考え直すべきだ。

2010年4月22日 中日新聞 社説

4/22中日春秋

2010年04月22日 | コラム
4/22中日春秋

 古代ローマ時代のこと。小都市アートリの王が広場の塔に鐘を設けた。

 それには長いひもがついており、王は「他人から害を被ったような場合に限りこれを鳴らせ。直ちに裁判官が駆けつけ事件を裁く」と、民衆に宣言した。これで多くの訴えが裁かれたが、やがてひもは擦り切れ、一時しのぎにブドウのつるがつけられた。

 ある日、さんざん役に立ったのに、老いて飼い主から追い出され、やせ衰えた馬が飢えをしのぐためこれを食べた。すると鐘はあたかも「私は虐げられた」というように広場に鳴り響いた。結局、飼い主が呼び出され、虐待の罪に問われたのだという。

 古い本で読んだこの伝説を思いだしたのは、絶滅危惧(きぐ)種のホトケドジョウが生息する川を埋め立てた東京都の工事をめぐる訴訟の記事を読んだからだ。環境権を侵害されたとして住民らが都に原状回復などを求めたが、東京地裁は判決で原告の請求を棄却した。

 実は住民ら、その川とドジョウも原告に加えていたが「川や動物が原告になれる法的根拠はない」と認められなかった。その当否は措(お)き、住民らの気持ちは分かる。確かに、川やドジョウこそ本当の“被害者”だ。

 物言えず、裁判の原告にもなれないが、きっと自然は方々で「私は虐げられた」と訴えていよう。想像力で、その声を聞くべきは人間である。この世に「アートリの鐘」はない。

舛添氏 引くに引けず離党

2010年04月22日 | ニュース政治
舛添氏、引くに引けず離党=「駆け込み新党」に冷たい視線

 自民党の舛添要一前厚生労働相が「離党-新党結成」の意向を固めたのは、執行部批判を先鋭化させるあまり党内で孤立、引くに引けなくなったという事情がある。政党要件を満たす現職国会議員5人の確保にめどを付けたが、参院選で自民党公認から漏れたベテラン議員も名を連ねた。乱立気味の「第三極」新党に割って入り、夏の参院選で存在感を発揮できる見通しは立っていない。

 「名称保護(の期限)が5月2日だから、これが新しい政党をつくるタイムリミットだ」。21日夜、川崎市内で記者団に囲まれた舛添氏は、参院選で政治団体の名称が保護される届け出期間(4月26日~5月2日)の締め切りが迫っていることが、新党旗揚げを決断した理由だと素直に認めた。

 自民党内では「舛添氏の真の狙いは、谷垣禎一総裁に取って代わること。動くのは参院選後」とみられていた。それだけに、このタイミングでの舛添氏の新党立ち上げは驚きをもって受け止められている。

 伏線はあった。新聞・テレビなど「党外」で執行部刷新を主張しつつ、新党含みの発言をエスカレートさせる舛添氏に対し、15日の全議員懇談会では「一緒にできないのなら離党勧告を」などの厳しい批判が続出。「オオカミ中年」とやゆする声も上がり、世論調査では次期首相候補「ナンバーワン」の人気を誇っているのとは対照的に、党内での不人気ぶりを露呈した。

 離党者が相次ぐ中で、舛添氏の言動をこれ以上放置すれば、谷垣氏の求心力は一段と低下しかねない。「舛添批判」の高まりを受け、執行部は「今度、離党や新党と口にしたら即除名」(谷垣氏周辺)と強気の姿勢に転換。追い詰められた形の舛添氏は一気に新党結成へとかじを切った。

 ただ、「舛添新党」は急ごしらえの感が否めず、参加メンバーの顔触れにも「新鮮味がない」との評がつきまとう。自民党の矢野哲朗前参院国対委員長は参院選の栃木選挙区からの不出馬を表明、改革クラブの山内俊夫参院議員は今期限りでの引退を明言しており、自民党内からは「数合わせだ」との批判が上がった。

 「舛添さんが離党しても誰もついていかない。自民党にいるから支持があるのに、なぜそれが分からないのか」。舛添氏を中心とした勉強会「経済戦略研究会」のメンバーの1人はこうつぶやいた。

2010/04/21 時事通信

日本の宇宙開発 山崎さん活躍でも課題は多い

2010年04月22日 | 社説
日本の宇宙開発 山崎さん活躍でも課題は多い

 国際宇宙ステーションから、任務を終えた山崎直子さんが帰還した。

 日本で初のお母さん宇宙飛行士だ。15日間のスペースシャトルの飛行中活躍を応援していた夫と長女も再会を喜んだ。まずは、お疲れ様と言いたい。

 初飛行から約30年のシャトルは年内で退役する。今回は、日本人として最後の搭乗だった。

 山崎さんは物資輸送の責任者という重責を担い、ネズミの筋肉細胞を育てて無重力の影響を調べるといった実験にも携わった。和服姿や琴の演奏を披露するなどパフォーマンスも次々こなした。

 こうした努力の先に何を目指すのか。日本は、ステーションでの国際協力を有人宇宙活動の柱に位置づけてきたが、見直しを求める声が出ている。

 代表例が、前原国土交通相(宇宙開発担当)の有識者会議が今週まとめた提言だ。改めて計画のメリットを検討すべきだという。

 日本がステーションを重視してきたのは、独自に有人宇宙船を開発して宇宙を目指すより、費用と時間がかからないためだ。効率良く経験を積めると考えた。

 それでも、安全保障関連を除く日本の年間宇宙予算2000億円のうち、ステーション関連は400億円にのぼる。

 だが、宇宙実験が産業化につながった例はまだ少ない。日本の宇宙実験棟「きぼう」を使う実験を募っても応募は低調だ。

 提言は、こうした実態を踏まえている。将来的にステーションから撤退し、予算を人工衛星開発などに充てることも視野に置く。

 宇宙開発大国の米国が今春、新たな宇宙戦略を打ち出したことも日本に計画再考を迫っている。

 米政府は、シャトル退役後の有人宇宙船は民間に開発を任せ、これまで主要な目標に掲げてきた月の有人探査を取りやめた。

 新たな目標は2030年代の有人火星探査だが、同時にステーションの運用を20年まで5年間延長した。ステーション運用に関する15年までの国際協定も延長されるが、日本は従来通り、これに加わるのか。

 有人輸送は当面、ロシアに頼るが、その分費用は増えないか。撤退すれば世界の動きから取り残されてしまう。日本は極めて難しい選択を迫られることになる。

 しかし、現政権は、総合司令塔であるべき首相官邸の宇宙開発戦略本部の会合さえ全く開いていない。無責任だろう。もっと前向きに取り組んでほしい。

2010年4月22日 読売新聞 社説

4/22産経妙

2010年04月22日 | コラム
4/22産経妙

 〈いつの日も部下の手柄を取る人の転勤決まる独りで生きよ〉。今週の産経歌壇にあった、町田市の冨山俊朗さんの作品だ。逆にトラブルが起これば、すべて部下の責任にしてしまう。こんな人はどんな組織にもいる。

 失礼ながら小欄は、鳩山由紀夫首相の顔を思い浮かべた。米軍普天間飛行場の移設問題で、滝野欣弥官房副長官が、鹿児島県・徳之島の3町長に電話して、平野博文官房長官との会談を申し入れたところ、拒否されたという。

 移設反対の大集会が開かれたばかり。しかも平野長官が徳之島に出向くのではなく、鹿児島市に出てこいと言わんばかりとなれば当然だ。「どのような思いで滝野副長官が電話をしたか分からない」。記者団が鳩山首相に電話のいきさつを尋ねると、相変わらず人ごとのような答えが返ってきた。

 官房副長官も立場がない。もし勝手に電話したというのなら、官邸はすでに機能不全に陥っている。それにしても、都合の悪いことは何でも人に押しつける人だ。母堂からもらった巨額の小遣いの処理は秘書に、政治全般は小沢一郎幹事長に任せっきり。

 その「指導力」への失望が広がるばかりだが、ご本人はまだ「転勤」の意思はないようだ。もっとも、首相にも功績はある。普天間問題が迷走を続けたおかげで、安全保障問題に対する国民の関心は、間違いなく高まっている。

 先週行われた正論大賞受賞記念講演のなかで、佐瀬昌盛さんが、日米安全保障条約の全文を読んだことがある人は、いつも聴衆の1割程度しかいない、と嘆いていた。そんな平和ボケの国民を覚醒(かくせい)させるために、あえて混乱を引き起こした、なんてことはなさそうだが。ところで、首相は全文を読んだことがあるのだろうか。

高速料金 詰めの甘さ露呈

2010年04月22日 | ニュース政治
高速料金、詰めの甘さ露呈=政権内ドタバタ

 政府・民主党が21日、先に政府が打ち出した、新しい高速道路料金の体系を再考することにした。背景には、新体系では、近距離などで実質値上げとなるケースがあり、夏の参院選に悪影響を与えかねないとの危機感がある。ただ、国民の関心が強い政策で詰めの甘さをさらけ出した形となり、政権批判はさらに高まりそうだ。

 「このままでは国民の納得を得られない」。21日の政府・民主党首脳会議で小沢一郎幹事長は、料金体系を再考するよう政府側に促した。小沢氏は、原則無料化を掲げた衆院選マニフェスト(政権公約)との整合性を説明し切れないと判断したようだ。

 今回の料金体系の検討は、小沢氏の主導で昨年12月にまとめた党の予算要望に「統一料金制度の導入」が盛り込まれたのをきっかけに、国土交通省を中心に進められた。しかし、料金設定は業界や自治体の利害と思惑が絡むことから、国交省は公表まで党側と、同省の政策会議などの公式な場で調整することはなかった。

 この手法があだになったと言え、公表以降、党内では「なぜ参院選に負けるような政策を打ち出すのか」(中堅議員)との不満が渦巻いていた。料金再検討でこうした声は取りあえず収束するとみられるが、幹部の一人は「政権のドタバタぶりは決してプラスにならない」と有権者の反応を懸念した。

 一方、メンツをつぶされた国交省内では「何がどこで決まるのか分からない」(幹部)との不満も漏れた。

2010/04/22 時事通信

普天間討論 自信の根拠が知りたい

2010年04月22日 | 社説
普天間討論 自信の根拠が知りたい

 前回より聞き応えはあった。鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁らによる3度目の党首討論だ。

 谷垣氏は現下の重要問題を幅広く取り上げ、普天間移設問題で突っ込みを入れた。首相もいつもより堂々と答えているように見えた。

 この普天間問題でいくつか新しい論点が明らかになった。まずは、何をもってこの問題の解決か、という定義にかかわる認識で、首相は5月末までに米国、地元、連立内部の了解を得る案を策定する、との従来の答弁を維持しながらも、実際の基地の返還については、普天間の危険除去と沖縄全体の負担軽減が最も重要で、2014年普天間返還という自公政権が米政府と合意しためどについては、「最大限努力して(その結果)14年までにできることが望ましい」と語るにとどまった。14年までに普天間が返還されなくても周辺住民の危険が軽減されれば良いとも受け取れる。もしそうなら移設は先延ばしということだろうか。

 第二に、現段階の進行状況について、首相は腹案があると重ねて表明した上で、地元よりも米国への水面下の根回しを優先させていることを明らかにした。

 第三に、移設先がどこか、だけでなく、普天間駐留の海兵隊ヘリ部隊の抑止力をどう見るか、が議論された。谷垣氏は、朝鮮半島有事に真っ先に駆けつける部隊で、地政学的に北東アジアの抑止力の中心になっていると述べ、「首相の認識は中途半端」と決めつけたのに対し、首相は海兵隊のみではなく嘉手納の空軍基地、横須賀の海軍基地も含めトータルな抑止力の中で位置付けるべきだ、と認識に微妙な違いを見せた。

 総じて、谷垣氏が攻めるべき所を攻め、首相がそれなりに打ち返した。ただし、首相の自信ありげな態度の根拠が一向に見えてこないというもどかしさがあった。政府が徳之島の3町長に会談を申し込み拒否されたばかりで、沖縄県民や関係自治体もいら立ちを募らせている。最後に谷垣氏が首相の覚悟を問うた。「この場で職を賭してこの問題を解決すると約束してほしい」。首相はあらゆる政策遂行で覚悟を持って努力している、とかわし「普天間問題は期限を切って行動している。5月末までに解決するよう最大限努力する」と述べた。

 進退への明言は避けたが、首相の相当な覚悟は伝わってきた。鳩山政権の抱える問題は普天間だけではない。谷垣氏が最後に指摘したように、財政の危機的状況、政治とカネの不始末による政治不信は極めて深刻である。参院選に向けて首相が何をどう着地させようとしているのか。最初のハードルとなる普天間5月末決着は政権を賭したものとなる。

2010年4月22日 毎日新聞 社説

4/22余禄

2010年04月22日 | コラム
4/22余禄 独立行政法人に「仕分け」

 「君主はケチだという世評など意に介すべきでない。それは領民の物を奪ったりしないためにも、自己防衛のためにも、貧乏になって見くびられないためにも、仕方なく強欲に走らないためにも、そうすべきだ」。マキアベリの「君主論」である。

 権力についてのリアリズムの書といわれる同著では、君主の「気前よさ」は自滅をもたらすと説く。物惜しみしないという評判を守ろうとすると結局は重税を課して大勢の人の恨みをかうことになるか、自分が窮迫して人々のさげすみの的になるかいずれかだという。

 人の恨みや軽侮を受けるより、「ケチ」の評判の方がましというのがマキアベリである。時は移り、国民の税金で「気前よさ」を装ってきた現代日本の政治においては今や「ケチ」はむしろ国民の人気集めの目玉と化した。

 気前よさをアピールしようとマニフェストにうたった政策の案外の不人気で窮地に陥った鳩山政権だ。その中で唯一国民の喝采(かっさい)を浴びた事業仕分けの再現に政権下支えの期待がかかるのも成り行きだ。仕分け第2弾前半は23日からだが、対象は47独立行政法人という。

 今回は独立行政法人の事業重複や、受注事業の外部への丸投げなどに切り込み、天下りを含む無駄遣いのからくりを仕分けてみせるという。ただ仕分けがうまくいっても捻出(ねんしゅつ)できる財源は数百億円だ。支出の気前のよさに比べればそれこそケチな額との皮肉も出る。

 「祭りや催し物を適時開き、民衆の心を夢中にさせよ」というのもマキアベリの民衆操作術である。唯一の人気出し物がもしも国民に見放されては一大事という政権の「ケチ」の見せどころだ。

22日から再び冷え込み

2010年04月22日 | ニュース一般
22日から再び冷え込み…気象庁が農作物被害に注意呼びかけ

 気象庁は21日、北日本から西日本にかけて低温と霜に関する気象情報を発表し、農作物被害への注意を呼びかけた。

 同庁によると、北日本から西日本にかけて23日ごろから、上空にこの時期としては強い寒気が流れ込み、26日ごろにかけて平年よりかなり低い気温が続く見込みという。24日から25日ごろにかけては、平年より5度前後も低く、最低気温が3度以下まで下がる所もあるという。

 22日の東京地方は、予想最高気温が12度にとどまり、最高気温が25・5度と6月下旬並の陽気となった21日から約13度低くなる見込み。気象庁は今後の気象情報に注意するよう呼びかけている。

4月21日 産経新聞