【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

1958(昭和33)年4月19日

2010年04月19日 | ニュース一般
【写真で見るきょうは何の日】10年ぶり金環食を日本で観察

 1958(昭和33)年4月19日、金環食が10年ぶりに日本で観測された。

 鹿児島県の宝島、種子島、奄美大島や、伊豆諸島の八丈島、青ケ島など南の島々で最長7分間、黄金色のリングが輝いた。列島各地は三日月形の部分日食となり、東京では木漏れ日を通した日食の影が撮影された。

 この後に国内で金環食が観測されたのは29年後、87年のことだった。金環がはっきりと見えた沖縄では朝から好天に恵まれ、観測旅行で足を運んだ天文ファンだけでなく、多くの市民が喜んだ。関東地方などでも部分日食が観測された。

 次に国内で金環食が見られるのは2012年5月12日。太平洋沿岸で観測できるため、東京でもきれいな金環が見られるという。さらにその次は2030年まで待たなければならない。

2010.04.19 ZAKZAK

食道がん

2010年04月19日 | 健康
【1分で判明!病気チェック】「食道がん」少しでも違和感出たらすぐ内視鏡検査へ

 発症率は胃がんの10分の1程度、年間罹患者は約1万6000人で年間死亡者は約1万人。食道は厚さ4ミリの管状の臓器なので、がんの進行が速く、周囲の臓器に転移しやすいのだ。他のがんに比べても早期発見が非常に重要だ。

【II期以降は大ごと】

 長さ25センチほどの食道は上から「頸部食道」「胸部食道」「腹部食道」の3つに区分されるが、日本人にできる“食道がん”の約8割は胸部食道。9割以上が一番内側の粘膜から発生(扁平上皮がん)するのが特徴だ。

 そのため比較的浅い粘膜層でとどまり、リンパ節転移のない早期がん(0期やI期)であれば、内視鏡による手術だけで済むケースも多い。が、発見が遅れII期以降の外科手術になれば大ごとだ。

 町田市民病院(東京)・外科の羽生信義副院長は「食道は気管や肺、心臓の裏にあり、人間が受ける手術としては最もダメージを受ける手術。術後の管理も難しい」と話す。

 全国がんセンター協議会の5年生存率データをみても、I期(約78%)とII期(約43%)の差は歴然だ。

【内視鏡検査が重要】

 早期発見で重要なのは食道に少しでも違和感があったら、すぐに内視鏡検査を受けること。

 「胸焼けや食道がしみるなど、初期症状は逆流性食道炎とよく似ているので安易な自己診断は禁物」(羽生副院長)だ。0期の時点でも症状が出ることがあるが、この場合には病変が赤い発疹程度なのでX線検査(食道造影検査)では分からないという。

 また、通常の健診では胃がんの発見に重点がおかれるので、食道を十分に注意して観察されることは少ない。これも食道がんが見逃されやすい理由のひとつだ。

【酒と喫煙が最大因子】

 発症の男女比は6対1。男性では危険因子がハッキリしていて、ほとんどが「喫煙」と「飲酒」の習慣をもつ人だ。

 東北大の調査では、喫煙に加えてほぼ毎日飲酒する男性は、どちらの習慣もない人に比べて食道がんになるリスクは約10倍と報告されている。

 喫煙と飲酒の習慣がありながら、「野菜・果物が嫌い」はさらに危険だ。

 厚労省研究班の調査では、酒・タバコをやって野菜・果物を「それほど食べない」人のリスクは、タバコは吸わず酒は1日2合未満の人に比べて約8倍。「たくさん食べる(1日540グラム前後)」人は約3倍に抑えられると報告している。

 羽生副院長は「口やのどの粘膜と食道の粘膜は扁平上皮で同じ。節酒・禁煙で食道がんを予防することは、咽頭、喉頭、口腔などのがん予防にもなる」と忠告する。

 医師の言葉を飲み込んで十分注意しておこう。

★「食道がん」チェックリスト
□胸やけがする
□熱かんを飲むと食道がしみる
□柑橘系(ミカンなど)の飲料を飲むと食道がしみる
□食べ物を飲み込んだときにつかえる感じがする
□胸やみぞおちに鈍痛がある
□声がかすれるようになった
□何もしていないのに3ヶ月で5、6キロも体重が減った
※1つでも該当するなら検査を受けましょう。町田市民病院(東京)・消化器外科/羽生信義副院長

2010.04.19 ZAKZAK

危険な最新鋭輸送機

2010年04月19日 | ニュース政治
危険な最新鋭輸送機…普天間継続使用で日米同盟危機

. 米軍普天間飛行場の移設問題で、鳩山由紀夫首相が移設先の「腹案」としていたとされる鹿児島県・徳之島で18日、1万5000人もの反対集会が開催。米政府は4月末に予定していたキャンベル国務次官補の来日を見送った。「普天間の継続使用」が現実味を帯びてきたが、防衛省内では別の懸念も浮上している。米軍が配備を検討している最新鋭輸送機は墜落事故が多く、万が一、市街地で事故でも起きれば、日米同盟の根幹を揺るがしかねないのだ。

 今月9日、共同通信が次のような短い記事を配信した。

 《アフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)は9日、南部ザブール州で8日夜、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落し、米兵ら4人が死亡、多数が負傷したと発表した。墜落の原因は調査中としている》

 この記事を読んだ防衛省関係者は「やはり起きたか…。普天間の継続使用は、日米同盟にとって最悪の事態を招きかねない。鳩山内閣はそれを分かっているのか」と訝しがった。

 墜落したオスプレイは、主翼の両端にプロペラ部分の角度を変えられる傾斜式回転翼があり、ヘリコプターのような垂直離着陸と固定翼機のような長い巡航が可能。「米軍は第二次世界大戦直後から、両者の利点を併せ持つ航空機を熱望していた」(事情通)といい、敵地への遠征強襲作戦で海兵隊員や装備を輸送するのが任務だ。

 米軍は正式発表していないが、現在、普天間飛行場に配備している中型輸送侵攻ヘリコプターCH46Eに代わり、2012年秋から、オスプレイへの転換を計画しているとされる。問題は、この最新鋭輸送機の危険性だ。

 試験飛行段階で墜落事故が相次ぎ、計30人もの乗員が死亡している。以前、海兵隊のコンウェイ総司令官が「(今後も)墜落はある」と語って物議をかもしたが、アフガンでの事故はそれを証明したことになる。

 防衛省関係者は「機械は故障するものだが、オスプレイは特殊構造を持つためトラブルも多い。普天間が継続使用され、同機が配備されれは日米同盟を危うくする」といい、こう続ける。

 「普天間飛行場は沖縄県宜野湾市の中心部にあり、周囲には学校や住宅、公共施設などが集まっている。普天間移設がまとまらず継続使用となれば、オスプレイが人口過密地帯を飛ぶことになる。もし、事故が起きて死者でも出れば、沖縄から『海兵隊出ていけ』『米軍出ていけ!』という声が怒濤のようにわき起こり、日米同盟は最大の危機を迎える。首相以下、閣僚の方々はそれを理解しているのか。放置することは、日米同盟を破たんさせかねない」

 かつて、首相は「常時駐留なき安保」を主張していた。まさか、普天間継続使用→オスプレイ事故→米軍追放運動…というシナリオを考えているとは思いたくないが。

2010.04.19 ZAKZAK

首相「腹案」に痛烈な「ノー」…徳之島

2010年04月19日 | ニュース政治
首相「腹案」に痛烈な「ノー」…徳之島

 沖縄の米軍普天間飛行場の移設受け入れをめぐり、鹿児島県・徳之島で18日に開かれた反対集会には、予想を上回る島民約1万5000人が結集し、鳩山首相の「腹案」に痛烈な「ノー」を突きつけた。

 首相にとって、徳之島は沖縄からの「県外移設」の切り札だったが、地元の頭越しに甘い見通しのまま始まった検討は、頓挫がほぼ確実となった。

 ◆「なめられた」

 18日午前。薄曇りで南国の強い日差しが和らぐ中、徳之島町の亀津新漁港には、プラカードを持った島民たちが続々と詰めかけてきた。徳之島、伊仙、天城の3町長らで作る主催者はビラ1万3000枚を用意し、会場で配った枚数で参加者を数えた。その結果、午前11時の配布開始から約10分で目標の1万人を突破。正午前にビラはなくなった。参加者は最終的に、島の人口の6割近い1万5000人(主催者発表)に達した。

 「長寿と子宝の島を守ろう」「大事な牛にヘリコプターのごう音は必要ない」

 壇上には、漁協や農業団体、青年団体、環境保護団体などの代表16人が登り、次々と基地の受け入れ反対を訴えた。天城町の大久幸助町長が最後に「大成功だ。これからもますます強く戦い抜く!」と叫ぶと、参加者はこぶしを突き上げて気勢を上げた。地元関係者によると、参加者は大半が地元の島民で、「島外の基地反対運動家などはほとんどいなかった」という。

 集会後、伊仙町の大久保明町長は記者団を前に、「首相の判断が甘かったと言わざるを得ない。徳之島案の打診はもうできない」と首相を公然と批判した。大久・天城町長は、政府が水面下で徳之島案の検討を進めていることについて、「何の打診もなく、なめられているのかと思った」と不快感をあらわにした。

 ◆場当たり的

 そもそも徳之島案は、沖縄本島と距離的に近く、約2000メートルの滑走路を持つ徳之島空港があることが発端で浮上した。沖縄で「県内移設」への反発が強まる一方、米軍の抑止力維持のためには沖縄から離れた地域への移設が難しく、鳩山政権内では「徳之島なら米軍の理解を得られそうだ」といった楽観的な見通しが広がった。

 首相は、民主党の牧野聖修衆院議員(静岡1区選出)を通じた同島関係者からの売り込みに飛びついたという。周辺は「徳之島案は昨年末あたりから急に出てきた」と証言する。だが、米軍の運用など安全保障上の観点から本格的に検討された形跡はほとんどなく、場当たり的な感じはぬぐえない。「土地探しの不動産屋の感覚だった」(民主党中堅議員)との批判も出始めている。

 ◆バラ色

 「島内は潜在的に賛成派が多数だ。政府が決めさえすれば、大丈夫」

 島で徳之島案を推進する元天城町議会議長の前田英忠氏は、昨年末から首相周辺に繰り返し伝えた。過疎に苦しむ島の活性化には、米軍誘致がうってつけだと考えたからだ。島の少数派のそうした推進派の声を、首相らが過信した面は否めない。鹿児島県の伊藤祐一郎知事が民主党の小沢幹事長の自治相時代の秘書官だったことで、「知事の協力も得られる」との楽観論も生まれ、期待が高まった。

 だが実際には、島内では推進派への支持は広がらなかった。むしろ、町長への正式な打診抜きで水面下で検討を始めたことで、反発に火がついた。伊藤知事も反対を明確にした。検討作業は、沖縄県の仲井真弘多知事が「政府から何の説明もない」と反発を強めていったのと同じ道をたどった。

 防衛省関係者は「基地問題でのお願いは、まず現職の首長を説得しないとヘソを曲げられる」と指摘する。平野官房長官を中心に「政治主導」で進んでいる移設案の検討では、防衛官僚らが長年の経験で蓄積してきたノウハウは生かされていない。

 民主党鹿児島県連(代表・川内博史衆院議員)は17日夜の会合で、移設の白紙撤回を政府に申し入れる方針を決めた。川内氏は首相側近だが、会合後に「政府の手続きに疑問を感じる」と批判した。18日夕、首相公邸に首相を訪ねた川内氏が県連の方針を伝えると、首相は「わかった」と言葉少なだったという。

 「バラ色の情報ばかり聞かされて徳之島に執着した結果だ」。県連の1人は吐き捨てた。(西部社会部 舟槻格致、鹿児島支局 北川洋平)

 ◆海兵隊ヘリ分散に米側難色◆

 政府の移設案は、普天間飛行場の海兵隊ヘリ(約60機)の5~6割を徳之島に移し、残りの部隊、施設を沖縄県名護市に広がる米軍キャンプ・シュワブ陸上部などに「分散移設」することが柱だ。ただ、分散移設は軍事運用面で問題が多く、米国が受け入れる可能性は極めて低い。

 政府筋によると、徳之島移転は、島北西部沿岸の徳之島空港の2000メートル滑走路を活用する案が軸だ。この長さだと、米軍が数年後導入予定の「MV22オスプレイ」(ヘリと飛行機の機能を兼ね備えた垂直離着陸機)の運用にも十分だ。ただ、ヘリ収容施設がないため、滑走路周辺の干潟を埋め立て、格納庫や駐機場を新たに建設する必要がある。

 さらなる難題は、徳之島と沖縄本島の距離が約200キロ・メートルあることだ。ヘリ部隊が沖縄の陸上部隊と訓練するには片道約1時間以上、オスプレイでも片道40分余りかけて往復しなければならない。

 米軍筋は「陸上部隊とヘリ部隊が共同訓練を恒常的に行い、有事に即応するためには、片道20~30分の距離が限界だ」と話す。キース・スタルダー太平洋海兵隊司令官は本紙の取材に「東京に住んでいたら大阪に車を置かないだろう。ヘリと海兵隊の関係も同じだ」と述べ、両部隊の分離は難しいと強調した。

 実は、日本政府も米側のこうした主張を見越し、徳之島に陸上部隊の宿舎や訓練場も建設する「大規模移設案」を今年初めに検討した。しかし、「訓練場を造る広さがない」との結論に達し、幻となった。米軍の一部には、徳之島が朝鮮半島に近く、半島有事に対応しやすいという肯定論もある。しかし、台湾海峡と朝鮮半島を両にらみできる沖縄が最良だとの米軍主流の見解は、簡単には揺らぎそうにない。(政治部 白川義和)

2010年4月19日 読売新聞

「世界に良い影響」日本2位

2010年04月19日 | ニュース一般
「世界に良い影響」日本2位…BBC・読売調査

 読売新聞社と英BBC放送が共同実施した33か国対象の世論調査によると、「日本は世界に良い影響を与えている」という評価は53%で、「悪い影響を与えている」の21%を上回った。

 国際社会に影響を及ぼす17か国・国際機関についての評価を聞き、「良い影響」は、ドイツの59%が最も高く、日本は欧州連合(EU)と並んで2番目だった。

 日本は約1年前の前回調査ではドイツ、英国、カナダに続く4番目の56%で、引き続き高く評価された。

 「悪い影響」はイラン56%、パキスタン51%、イスラエル50%――などの順だった。北朝鮮は「悪い影響」48%が「良い影響」17%を大きく上回った。

 米国の評価は「良い影響46%―悪い影響34%」だった。「良い影響」はブッシュ前政権からオバマ政権への移行期に当たった前回の40%から改善され、初めて「悪い影響」を上回った。中国は「良い影響」41%と「悪い影響」38%が拮抗(きっこう)した。

 調査は昨年11月から今年2月にかけて、面接または電話方式で実施し、2万9977人から回答を得た。読売新聞社は日本国内分を担当した。

4月19日 読売新聞

チキンラーメンが愛される理由

2010年04月19日 | 情報一般
<ずーっと愛して>ロングセラー物語 チキンラーメン(日清食品) 1958年発売

 ◇天ぷらから世界的発明 地道に改良、累計54億食

 丼にめんを入れ、お湯を注いで3分。鶏ガラのだしがきいた褐色のスープが縮れめんによくからむ。1958年8月25日、世界初のインスタントラーメンとして発売されたチキンラーメンは、昨年4月時点で累計54億食が販売された。カップめんの王様「カップヌードル」と並ぶ日清食品の看板商品だ。

 同社の創業者である安藤百福(ももふく)氏は、理事長を務めていた信用組合の倒産をきっかけに、57年に自宅裏庭の小屋で「家庭でお湯があればすぐ食べられるラーメン」の開発に着手した。戦後の焼け野原に立った闇市の屋台にたくさんの人々が列を作り、ラーメンを食べて幸せな表情を浮かべていた記憶がよみがえり、「手軽に食べられるラーメンで、人々を幸せにしよう」と思い立ったためだ。

 とはいえ、一般家庭に大きな冷蔵庫はまだ普及していなかった。おいしさや調理の簡単さに加え、常温で長期間置いておける保存性が必須の条件だった。

 安藤氏が約1年間の苦闘を経て、台所で妻が天ぷらを揚げる様子を見てひらめいたのが「瞬間油熱乾燥法」。製造時に高温の油でめんの水分をはじき出して乾燥させておけば、調理の際に水分の抜けた穴から注いだお湯が吸収され短時間で軟らかいめんに戻るという画期的な方法だった。何回食べても飽きないよう、ほぐした生めんを、型枠に均等な厚みになるように入れて揚げ、丼サイズで仕上げることにも成功。62年の特許登録を経て、代表的なインスタントラーメン製法として定着、現在も広く活用されている。

 スープはあっさりしたチキン味。発売当時の価格は35円と、うどん1玉6円と比べると高かったが、お湯を注ぐだけですぐに食べられる「魔法のラーメン」として爆発的にヒットした。当時、国立栄養研究所の分析で、スープにコラーゲンなどの栄養成分が含まれていることが分かると、厚生省から妊産婦の健康食品として推奨され、60年には特殊栄養食品の認可を受けた。64年には精巧にまねて印刷されたパッケージ袋に他の業者のめんが入れて売られる偽造事件まで起きる人気ぶりだった。

 もはや国民食とも言える製品だけに「何年たっても味は変わらない。変えられない」(持ち株会社の日清食品ホールディングス)。しかし、より食べやすくする工夫は続けられてきた。64年には丼に入れやすくするため、めんの形を四角から円形に改良し、90年にはカップめんタイプでどんぶりがいらない「チキンラーメンどんぶり」を発売。生卵をトッピングしやすいよう、03年にはめんの塊の上部にくぼみを作った「たまごポケット」を採用、08年には「黄身がより確実に中央に来るようにしたい」との消費者の声に応えて、くぼみを黄身用と白身用の2段式にした「W(ダブル)たまごポケット」が登場した。

 「魔法のラーメン」は、地道な改良の繰り返しで半世紀以上、消費者の心をつなぎとめている。【和田憲二】

2010年4月18日(日)毎日新聞

福原愛:3歳の原点と新たな決断

2010年04月19日 | 新聞案内人
福原愛:3歳の原点と新たな決断

 初対面の選手にインタビューするとき、必ず聞くことがある。

 「あなたの人生のターニングポイントはいつでしたか」と。

 その答えや逡巡する表情によって、選手の人生観や考え方、決断の仕方、生きてきた環境、あるいは知性までが一瞬にして見えてくることがある。

 多くの選手は怪我から這い上がったときや、監督もしくはコーチとの軋轢、移籍、あるいは引退を覚悟したときのことなどを、表情を歪めながらポツポツと語りだす。大概、人生の大きな決断を下すのは20歳を超えてからである。それも当然で、10代の頃はまだ自分の人生を左右するような大きな壁には出会わないだろうし、人生の分岐点を語るには経験が少なすぎるからだ。

○3歳でターニングポイント

 2年ほど前、早稲田大学に入学し、卓球と学業の両立を試みようとする福原愛選手にインタビューしたことがあった。そのときも同じように「決断のとき」を尋ねた。正直、その質問をぶつけることにと躊躇がなかったわけではない。5歳から「天才少女」として注目されてきたとはいえ、まだ20歳にもならない彼女に、人生の分岐点を質問するのは難しいかなとも考えた。

 ところが、福原選手は間髪を入れず答えた。

私は聞き返した。

 「えっ、3歳?」

 福原選手は私の驚きを意外そうに見つめ、毅然と言う。

 「はい。3歳のときです」

 3歳はまだ幼児。自分の人生なんて思いもつかないはずである。しかし福原選手は、3歳のときの決断がなければ、今の自分はないと言い切った。

 「卓球をやりたい、と親にせがんだのが3歳と9ヶ月のときだったんです。もし、このときに自分の意思を親に伝えていなければ、今の自分はないわけですから。私の人生の原点ともいえるんです」

○3歳児なりに考えて

 福原選手には10歳上の兄がいる。その兄が中学時代に宮城県のチャンピオンになり、両親は中国からコーチを招き、個人レッスンを受けさせていた。学生時代に卓球に親しんでいた母も兄に付きっきりになり、卓球場にこもる。幼い福原選手は危ないという理由で卓球場に入ることは許されなかった。幼心に、両親の目は自分に向いていないと悲しかったという。

 「家族で何かに向かってすごく努力しているのを感じていたし、私だけ頑張っていないのが申し訳ない気もしていたんです。だから、どうやったら皆は自分と遊んでくれるようになり、私も家族と同じように頑張れる空間にいられるのかと、3歳児なりに考えました。その答えは、兄と同じように卓球をやることでした」

 当初、両親は福原選手が卓球を始めることに反対だった。しかし何度もせがんでいるうちに遂に根負けし、「途中で投げ出さない」と約束し卓球場に入ることを許されたという。

 その後、愛くるしい笑顔で一躍日本のアイドルになった福原選手の活躍は、日本人なら誰もが知っている。

 4月16日、朝日新聞の朝刊に福原選手が早稲田大学を中退し、中国の超級(スーパーリーグ)に参戦することを決めた記事が載った。5段の大きな記事で、大学を中退するまでの葛藤が微細に綴られていた。

 中国の卓球界の実力は世界でも群を抜いている。女子世界ランク30位のうち24選手が中国、もしくは中国出身選手だ。

○16歳で単身中国へ

 福原選手は2005年、16歳のときにもスーパーリーグに参戦している。

 「世界を転戦するより、中国国内を転戦する方が厳しい。広い国土をマイクロバスで移動したり、内モンゴルには汽車で2日間かけて移動するんです。寝台車の6段ベッドにぎゅうぎゅう詰めになって寝たり、トイレだってままならない。移動のおやつはキュウリのまる齧(かじ)り。日本では絶対に体験できないそんな生活が楽しかった」

 物おじしない性格が受け入れられたのか、中国では陶磁器のようなお人形という意味の「ツーワーワー」というニックネームで人気が高まり、応援サイトが幾つも開設された。今、中国で最も有名な日本人の一人と言っていい。福原選手はテレながら語っていた。

 「多分、私の中国語に親しみを感じていただいているんじゃないですかね。中国語の基礎は、兄の指導に来ていた瀋陽出身のコーチから学んだもの。言うなら中国の東北弁。だからテレビのインタビューなどでは、訛りの強い中国語を話してしまうことになる。それが受けたんだと思います」

○迷ったらやる

 多くのファンに愛されながら中国を後にしたのは、早大の受験に備えるためだった。両親には、大学進学も「卓球を止めてからでも遅くはない」と反対された。それでも受験に踏み切ったのは、両立が出来ると思ったからではなく、出来るか出来ないか分からないから、挑戦したかったという。

 「分かりきっていることだったらやっていなかった。悩んで諦めたら後で後悔するし、もし出来なかった場合でも挑戦した結果だから納得できる。迷ったらやる」

 だが、日本のエースとして1年間に半分以上を海外遠征しなければならない現状では、大学の授業に出席するのは難しかったようだ。16日付の朝日新聞のインタビューには「今のままだと(卓球も大学も)両方が中途半端になると思った」と答えている。

 大学中退の決断を下すにはそれなりに悩んだだろうが、3歳のときに自分の人生を決めた人間には、瀬戸際の覚悟と言うほどでなかったのかも知れない。事実、16歳で単身中国に乗り込んだときも「日本に帰りたいとは1度も思わなかった」と語った人だ。

 朝日新聞にはまた「大学のことを考えなくなくてよくなって、すっきりしたものがあるのかな」と、今年に入ってからランキング上位の選手を次々に打ち破った理由を口にしている。日本卓球協会は3月31日、福原選手は自己最高の世界ランキング8位にランクアップしたと発表した。

 5月23日からモスクワで世界選手権団体戦が開催される。3歳の原点に戻った福原選手の活躍が見ものである。

2010年04月19日 新聞案内人
吉井 妙子 スポーツジャーナリスト

金本選手 連続フル出場止まる

2010年04月19日 | ニュース一般
金本、連続フル出場止まる 99年から1492試合

 阪神の金本知憲外野手(42)は18日、横浜スタジアムでの横浜5回戦で先発メンバーから外れ、1999年から続いていたプロ野球記録の連続試合フルイニング出場が1492試合でストップした。イニングとしては1万3686回で途切れた。

 今季は開幕から「4番・左翼手」でフル出場していたが、右肩痛もあって前日まで打率1割6分7厘と低迷。自ら申し出て先発から外れた。試合は阪神が8―4で逆転勝ちした。

 金本は八回に代打で出場。98年7月10日から継続している連続試合出場は1638に伸ばし、衣笠祥雄氏(元広島)の2215試合に次ぎ歴代2位。

 「鉄人」の異名を持つ金本は、広島時代の99年7月21日の阪神戦から1試合も休まずに試合開始から終了まで出場。2004年に701試合連続フルイニング出場のプロ野球記録をマーク。06年には904試合にまで伸ばし、米大リーグ記録とされるカル・リプケン氏(元オリオールズ)の記録を更新した。

 金本は92年にドラフト4位で広島に入団。03年にフリーエージェントで阪神に移籍し、18年ぶりのリーグ制覇の立役者となった。05年には最優秀選手(MVP)に輝いた。

2010/04/18 共同通信

ウナギ完全養殖 謎多き魚が告げること

2010年04月19日 | 社説
ウナギ完全養殖 謎多き魚が告げること

 うな丼は国民食という。だが、クロマグロ以上に、ウナギは神秘の魚。完全養殖に成功したのは快挙だが、天然ウナギの資源管理も同時に考えないと、かば焼きのにおいも縁遠いものになる。

 ウナギは謎多き魚である。そのウナギの完全養殖に世界で初めて独立行政法人水産総合研究センター(横浜市)が成功した。

 日本人は世界で捕れるウナギの七割を食べている。その99%以上が養殖だ。養殖とは、稚魚のシラスウナギを捕まえて、池で育てることをいう。養殖された両親に卵を産ませ、ふ化させて、第二世代を育てることが完全養殖だ。

 ウナギは、その生活史、特に生殖に関して謎が多い。ニホンウナギの産卵場所がほぼ特定されたのもごく最近だ。マリアナ諸島沖から約三千キロの旅をして、はるばる日本の川へ上ってくる。自然な状態でどのように繁殖するか、まだだれも見たことがない。お手本がない中で、手探りの養殖研究なのである。

 養殖ウナギは、なぜかほとんど雄になる。ほっておくと、生殖能力が備わらない。完全養殖は、ホルモンの投与など、四十年の地道な研究を結実させた快挙である。が、扉はまだ開いたばかりだ。十万匹が一応は育ったものの、自然界でも成魚になる確率は十万分の一程度、実用化にはほど遠い。

 日本で食べるウナギの多くは、ヨーロッパウナギである。欧州産のシラスが中国で育てられ、かば焼きなどに加工されて結局はほとんどが日本へ送られる。一九九〇年代以降、ヨーロッパウナギのシラスが激減し、二〇〇七年のワシントン条約締約国会議は、国際取引への規制をかけた。マグロ以上に世界を巡る魚だが、国際的なウナギの資源管理機関はない。シラスの減少がこのまま続けば、マグロより先に食卓から遠ざかる恐れもある。大量化に十年以上かかるという養殖研究を進める一方で、シラスウナギの国際的な資源管理体制の構築が急がれる。

 大回遊魚のウナギは、海洋から河川の上流まで、広範囲にわたる水環境の影響を受けやすい。海洋汚染だけではない。海岸や河川をコンクリートで固め、長旅に疲れたウナギから干潟や岸辺の休息地を奪ったことが、ニホンウナギ激減の始まりだった。

 ウナギの生態は、人間の生活環境を改善する上で、多くの示唆を与えてくれているようだ。その謎にさらに近づくべきである。

2010年4月19日 中日新聞 社説

4/19中日春秋

2010年04月19日 | コラム
4/19中日春秋

 誰だって、自分がつくった俳句や短歌をほめられるのはうれしいものだ。そんな心理を逆手にとった悪質な商法が横行していると、国民生活センターが注意を呼び掛けている。

 「上手な俳句ですね。雑誌を発行しているので、掲載しませんか」「歌人会の会報を見ました。すばらしい作品です。大手新聞社に広告を載せてみませんか」。こんな感じの電話から誘いが始まる。

 無料と思って掲載を承諾すると、後になって十万円以上の掲載料を要求されることもある。解約を申し出ても「すでに印刷しているから解約はできない」などと開き直るのが一つのパターンのようだ。狙われるのはほとんどが七十歳以上のお年寄りで女性が八割を超える。

 昨年度の相談件数は、前年度の倍以上となる三百五十六件。相談があったのは氷山の一角にすぎないだろう。<ほめほめ詐欺>とでもいうような新たな手口には、十分にご注意いただきたい。

 総合的な対策が奏功し、昨年の<振り込め詐欺>の被害総額は約九十六億円と前年の三分の一まで減ったという。それでも、悪知恵を働かせて、人の弱みにつけ込む新しい手口を次々と考える輩(やから)が世の中にはごまんといる。

 腹立たしい限りだが、太宰治のこの言葉をかみしめると少しは心が晴れる。<だまされる人よりも、だます人のほうが、数十倍くるしいさ。地獄に落ちるのだからね>。

パソコン 実売で3万円台!登場

2010年04月19日 | ニュース一般
実売で3万円台!OS付きでお買い得なパソコンが登場

日本エイサー株式会社は、eMachinesブランドよりハイコストパフォーマンスのデスクトップPC、2機種を発売すると発表した。AMD Athlon II X2を搭載した「EL1352-H22C」を2010年4月28日より、18.5 inchワイド液晶モニター付属モデル「EL1850-H22C/T」は4月23日より発売の予定。
価格は、オープンプライス。市場想定価格は、「EL1352-H22C」が3万9,800円前後、「EL1850-H22C/T」が5万9,800円前後。

同社は、
「今後もeMachinesブランドは、ユーザーの皆様に、信頼していただけるクオリティを実質本位のデザインでご提供いたします。」と、コメントしている。

■安いだけじゃない!HDオーディオ付きの「EL1352-H22C」
「EL1352-H22C」は、プロセッサーにデュアルコアのAMD Athlon II X2 215(2.7GHz)を搭載したデスクトップパソコンだ。高いパフォーマンスを発揮し、この価格帯での実装は難しいとされるHigh-definitionオーディオやマルチカードリーダー、スーパーマルチドライブもしっかりと搭載した。

OSはWindows 7 Home Premium 32 ビット 正規版、メモリは2GB、ハードディスクは320GB 搭載し、余裕の大容量で快適に動作させることができる。フロントパネルにインターフェイスを集中させ、USB2.0ポートは5つ装備し、ユーザビリティーも追求している。

■18.5型ワイド液晶モニターでHDビデオもスムーズな「EL1850-H22C/T」
「EL1850-H22C/T」は、18.5型ワイド液晶モニターを付属したデスクトップパソコンだ。デュアルコアのインテル Pentium プロセッサー搭載で優れたパフォーマンスを発揮し、HDビデオもスムーズに再生することができる。

メモリは2GB、ハードディスクは320GB、DVDスーパーマルチドライブを搭載しているので、幅広い用途に対応可能だ。こちらもフロントパネルにインターフェイスを集中させ、USB2.0ポートは5つ装備、ユーザビリティーを追求している。

2010年04月18日 ITライフハック

4/19産経妙

2010年04月19日 | コラム
4/19産経妙

 毎朝の犬の散歩の途中で、この時期、楽しみにしていることがある。小学校の校庭の片隅にある、小さな竹林をのぞき込んで、タケノコの成長ぶりを確かめるのだ。先週は、真冬が舞い戻ってきたような、不順な天候が続いた。それでもめげずに、今年も次から次へと土を蹴(け)破って、顔を出している。

 きのう、久しぶりの朝の光を浴びたタケノコは、前日に比べて10センチは伸びていただろうか。一方の親竹はといえば、半ば枯れたように葉が黄ばんでいる。タケノコに栄養分を吸い取られているからだ。古人は「竹の秋」と呼んできた。

 天台宗僧侶でもあった、作家の今東光に『竹の子抄』という短編がある。比叡山山麓(さんろく)にある宿坊にいた僧の了海は、数十年後に戻ってきて、かつて逢瀬(おうせ)を重ねた料理屋の仲居の死を知らされる。

 「昔の愛人が竹の子となって再生した相を見たような気がするのである。いずれは自分も竹の子になると思いながら-」。竹林のなかの墓の前で、了海はこう述懐する。確かに命そのものが詰まっているような食べ物だ。「昭和の怪人」の異名をもつ、和尚の大好物であったとも聞く。

 原稿を終えたら、八百屋さんに直行しよう。野菜の値段の高騰は、連休明けまで続くそうだが、かまうことか。食べ物の季節感がどんどん失われていくなかで、貴重な大地の恵みである。サンショウの若芽の出盛りと重なるのもうれしい。ピリリとした香りが、タケノコの滋味を引き立てる。

 タケノコご飯の上にのせようか、それともよくすってから西京みそにあわせ、木の芽あえとしゃれ込もうか。とにもかくにも、たっぷりのぬかと唐辛子とともに、タケノコをゆであげなければ。〈筍(たけのこ)をゆがく焔(ほのお)の快楽(けらく)かな〉飯島晴子。

高速水着禁止で日本記録激減

2010年04月19日 | ニュース一般
高速水着禁止で日本記録激減 競泳日本選手権

 昨季、多くの好記録を生んだラバー製やポリウレタン製の高速水着が禁止されて迎えた国内初の主要大会。前回20個もの日本記録が誕生した大会で、今回は3つ。記録は予想通り停滞した。

 その3つのうち2つは50メートル。男子自由形で岸田真幸(キングソフト)が塗り替えたのは、高速水着と無関係の2001年に樹立された記録で、平泳ぎの北島も影響が少ないとされた短距離での更新だった。陸上の短距離用に似た踏切ブロックが付いた新スタート台の導入が短距離ほどタイム短縮につながった印象だ。

 禁止された高速水着は、着るだけで体が浮き、体力が落ちる後半でもペースが維持しやすいとされていただけに、長距離ほど禁止の影響が出るとみられた通りの結果になったといえる。

 1500メートル自由形で優勝した東隼平(コナミ中央林間)は水着の変化を最大限に受けた一人だった。前回大会で園中良次(きらら山口)がマークした日本記録から約7秒も下回り、自己ベストからも約6秒遅れながら「予想より良いタイムでビックリです」。後半の足の動きは、高速水着を着用した際と「比べものにならないほどのきつさだった」という。

 世界はまだ本格的に水泳シーズンに突入しておらず、世界の動向は未知数。だが、昨夏の世界選手権で生まれた43個の世界記録を更新するのは容易ではないだろう。日本水連の上野広治競泳委員長は「脂肪が少なく、テクニックに優れている選手が生き残っていく」と指摘し、「日本に有利になれば」と話した。技術を磨き、有利にしなければならない。(青山綾里)

4月18日 産経新聞

毎日新聞世論調査 内閣支持率33%

2010年04月19日 | ニュース政治
毎日新聞世論調査 内閣支持率33% 不支持は初の5割超

 毎日新聞は17、18日、全国世論調査を実施した。鳩山内閣の支持率は33%で、3月の前回調査から10ポイントの急落。不支持率は52%と初めて半数を超えた。鳩山由紀夫首相が明言している米軍普天間飛行場移設問題の「5月末決着」ができなかった場合は「退陣すべきだ」との回答も過半数の53%に達した。政府が普天間飛行場の移設先に検討している徳之島(鹿児島県)で18日、大規模な反対集会が開かれ、追い込まれた鳩山首相の退陣もにらんだ参院選前の「5月政変」説が与野党に緊張感を広げている。

 4月になれば子ども手当や高校無償化を盛り込んだ10年度予算が執行に移され、事業仕分け第2弾も始まれば内閣支持率は上向く--。夏の参院選を見据えて政府・与党が描いていた政権浮揚のシナリオは、内閣支持率の急落で崩れつつある。

 この1カ月間、普天間問題で首相の「言葉の軽さ」が鮮明となった。「3月中に政府案をまとめる」と明言しながら「法的に決まっているわけではない」「腹案は用意している」などと言ってうやむやにしてしまった。地元と米側の合意を得て5月末に決着させるという首相の言葉を信じる者は政府・与党内にも少なく、オバマ大統領からも疑念を呈されるに至った。

 国民生活に直結しにくい外交・安全保障の問題が首相退陣を招いた例は少なく、日米安全保障条約改定(1960年、岸信介首相)が挙げられる程度だ。前回調査以降、郵政改革案を巡る閣内対立もあり、世論調査では、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を2000万円に引き上げる郵政改革案への反対が64%に上った。首相周辺は「民主党が政権交代で何かを変えるという期待感がしぼんだ。鳩山さんはきちんと物事を処理できないと思われている」と指摘する。

 首相のリーダーとしての資質に対する国民の不信感が支持率急落につながったとの見方だ。それを裏付けるように、内閣不支持の理由では「指導力に期待できないから」が40%(前回比4ポイント増)、「政策に期待できないから」が35%(同2ポイント増)を占めた。一方、内閣支持の理由では「政治のあり方が変わりそうだから」が66%(同7ポイント減)。なお残る変革への期待が鳩山政権の命綱となっている。

 鳩山政権が失速する中、自民党を離党した与謝野馨元財務相らが結成した新党「たちあがれ日本」(平沼赳夫代表)に「期待する」との回答は21%にとどまった。離党の混乱も影響し自民党の政党支持率は前回比2ポイント減の14%と低迷している。

 民主党も23%と5ポイント下げる一方、「支持政党なし」と答えた無党派層は5ポイント増の45%に達した。みんなの党が1ポイント増の8%と第3党の座を固めつつあるものの、政権交代で高まった政治への期待は再び不信へと逆戻りし始めた。自民党が惨敗した07年参院選直前の4月、当時の安倍内閣の支持率は43%あった。同じ発足7カ月の時点で鳩山内閣は安倍内閣を下回り、参院選へ向けた不安が民主党内に募る。【坂口裕彦】

4月18日 毎日新聞

内閣支持率急落 政権自壊が止まらない

2010年04月19日 | 社説
内閣支持率急落 政権自壊が止まらない

 危険水域を思わせる数字である。毎日新聞が17、18の両日に実施した世論調査によると、鳩山内閣の支持率は33%と先月の前回調査に比べ10ポイント落ち、不支持が52%と過半数に達した。

 鳩山由紀夫首相自らが5月末までの決着を明言する米軍普天間飛行場の移設問題は展望が開けず、他の重要課題も迷走が目立つ。国民は、首相の政権運営能力そのものに疑問を抱きつつあるのではないか。首相は「普天間」に政権の命運を懸ける覚悟で臨み、内外の諸課題にのぞむ指針を明確に示すべきだ。八方美人的な対応を続けているようでは、政権の自壊に歯止めはかかるまい。

 発足時は8割近い支持率だったことが信じられないような急落だ。今回、内閣を支持しない人のうち、最多の40%が首相の指導力不足を理由に挙げている。「政治とカネ」の問題のみならず首相自らが混乱を拡大しているかのような政権運営が国民の不信を招き、理念や政策を訴えても「聞く耳」を持たぬ状況に近づきつつあるとすれば、深刻だ。

 特に普天間問題をめぐり首相が約束する5月末までの決着ができない場合、53%が「退陣すべきだ」と答えたことは重い。さきのオバマ米大統領との10分間の首脳会談も不発に終わったとみられ、政府が検討しているとされる鹿児島県・徳之島への機能分散にも地元で反対する動きが広がっている。

 ところが客観情勢が厳しさを増しているにもかかわらず、首相は米側、移転先双方の同意も含めた期限内決着を改めて明言した。その意味で確かに発言はぶれていないが、さきの「3月決着」のような撤回はもはや許されないという自覚が必要だ。

 郵便貯金の預け入れ限度額問題にみられたように、閣内のバラバラも目に余る。確かに閣僚の意見が食い違うことはあるかもしれないが、あくまで首相の基本方針は踏まえるべきだ。ところが多くの場合、連立や与党事情への配慮から首相の指針がはっきりせず、閣僚が勝手に発言しているのが実態ではないか。

 一方で、負けず劣らず危機的なのが自民党だ。政党支持率は依然として伸びず「みんなの党」に急追されている。谷垣禎一総裁らは離党騒動への対処に追われ、次期参院選に向けて民主党に対抗し得る政策の旗を掲げられていない。これでは鳩山内閣が混乱しているからといって、政権復帰の期待感は高まるまい。

 今回の調査では支持政党について「ない」と答えた人が45%にも達した。民主、自民の2大政党が迷走を繰り返していては、国民は幻滅するばかりだ。このままでは、日本政治が沈没してしまう。

2010年4月19日 毎日新聞 社説