【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

中国でコレをやったら死刑になる

2010年04月11日 | ニュース政治
麻薬密輸だけじゃない 中国でコレをやったら死刑になる

 8日にも、中国当局は麻薬密輸罪で死刑が確定している日本人死刑囚3人に刑を執行する。6日の赤野光信死刑囚(65)に続き、死刑確定の日本人全員の刑が執行されることになるが、この一件で驚いたのが、中国の刑法だ。簡単に重い刑を科せられるのだから恐ろしい。

 「死刑になるのは麻薬だけではありません。中国と日本では刑罰の概念がまったく違うのです」と語るのは、中国の刑法に詳しい一橋大の王雲海教授(比較刑事法)だ。

 「中国の刑罰の特徴は『狭くて重い』。刑法が適用される犯罪行為の対象は狭いが、いざ当局が犯罪と認めれば、重罪となる。処罰対象は『犯罪の質と量』で決まり、食品の万引程度は見逃されても、盗んだモノが高価なら即重罪です。死刑適用の罪名も日本では18だけですが、中国には69もあります。日本では比較的罪の軽い経済犯や、わいせつ犯に厳罰で臨むのも特徴です」

 どんな行為をすれば、死刑もあり得るのか。王教授にアドバイスを求めた。

▼骨董品に手を出すな

 薬物以外の密輸にも目を光らせている。厳しいのは、骨董品などの文化財だ。初対面の業者に骨董品の運搬を持ちかけられ、安易に日本に持ち出そうとすると空港で確実に検挙される。

 「量刑は持ち出した骨董品の価値で決まり、最高刑は死刑です。希少な動物の密輸もアウト。中国国内でエロ本やアダルトDVDを利益目的で大量に製造しても、終身刑に科せられます。エロ本2、3冊を旅行カバンに忍ばせる程度なら、空港で没収されるだけで見逃されます」

▼株取引も要注意 

 不正取引で市場を混乱させると、重罪となる。被害者の数で死刑もあり得るので、中国株の運用には注意が必要だ。

▼飲酒運転はご法度

 日本でも飲酒運転の厳罰化は進んだが、中国はさらにキツい。飲酒運転致死罪は即死刑だ。

▼買春は相当ヤバい

 売買春も罪が重い。旅先や出張でハメを外して組織売春に関わる事件に巻き込まれると、トンでもない目に遭う。

 「最高で死刑が適用されます。03年に中国当局は、現地業者に売春婦斡旋を依頼した日本企業の社員3人を国際刑事警察機構(ICPO)を通じて、国際指名手配したこともあります」

 3人は指名手配前に帰国。日中間に犯罪者引き渡し条約がないため、日本の警察は現在も3人の身柄を拘束していないが、ICPOの指名手配犯サイトには実名と顔写真がさらされたままだ。

 「13歳以下の『少女姦淫罪』も最高刑は死刑です。中国に『姦通罪』はありませんが、相手が軍人の妻と知りながら関係を持てば事情は別です。3年以下の懲役刑が待っています」

 中国ではスケベ心を抑えることだ。

2010年04月11日 ゲンダイネット

浅田の3回転半がギネス認定

2010年04月11日 | ニュース一般
ギネス世界記録に認定された浅田真央(右)は公式認定員の石川佳織さんから認定証を受け取る=都内

浅田の3回転半がギネス認定=新たな勲章「早く見たい」-フィギュアスケート

 バンクーバー五輪のフィギュアスケート女子で銀メダルを獲得した浅田真央(中京大)に新たな勲章が加わった。五輪で史上初めて3度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させたことに対し、英ギネス・ワールド・レコーズ社がギネス世界記録に認定。11日に東京都内で認定書を手渡された浅田は「自分が載っているギネスブックを早く見たい」と満面に笑みを浮かべた。

 日本のフィギュア界でギネスブックに載るのは、アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどりさん、4回転ジャンプを跳んだ安藤美姫(トヨタ自動車)に続いて3人目。授与式に駆けつけた日本連盟の橋本聖子会長も「フィギュア界以外からも評価されたのはすごいこと」と喜んでいた。

2010/04/11 時事通信

作家の井上ひさしさん死去

2010年04月11日 | ニュース一般
「ひょっこりひょうたん島」の井上ひさしさん死去

 小説「吉里吉里人」やNHKの連続人形劇「ひょっこりひょうたん島」の台本のほか、戯曲やエッセーなど多彩な分野で活躍した作家の井上ひさし(いのうえ・ひさし、本名・●=ひさし)さんが9日夜、死去した。75歳だった。葬儀・告別式は近親者で行い、後日お別れの会を開く予定。

 家族によると、昨年10月末に肺がんと診断され、11月から抗がん剤治療を受けていたという。

 井上さんは昭和9年、山形県生まれ。上智大在学中から浅草のストリップ劇場「フランス座」文芸部に所属し、台本を書き始めた。39年からは、5年間続いた「ひょっこりひょうたん島」の台本を童話、放送作家の山元護久とともに執筆、一躍人気を集めた。

 44年、戯曲「日本人のへそ」を発表して演劇界デビュー。47年に「道元の冒険」で岸田戯曲賞を受賞して、劇作家としての地位を確立した。奇想と批判精神に満ちた喜劇や評伝劇などで劇場をわかせ、59年には自身の戯曲のみを上演する劇団「こまつ座」の旗揚げ公演を行った。

 小説家としても、47年に江戸戯作者群像を軽妙なタッチで描いた小説「手鎖心中」で直木賞を受賞。絶妙な言葉遊び、ユーモアたっぷりの作風で多くの読者に支持され、エッセーの名手としても知られた。自他ともに認める遅筆で、台本が間に合わず公演が延期となることなどから、「遅筆堂」と自称していた。

 一方、戦争責任問題を創作のテーマに掲げ、東京裁判や原爆を主題にした作品も数多く発表。平成15年から19年にかけて日本ペンクラブ会長を務め、16年には護憲を訴える「九条の会」を作家の大江健三郎さんらとともに設立した。

 戯曲「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞と読売文学賞(戯曲部門)、「吉里吉里人」で日本SF大賞、読売文学賞(小説部門)。小説「腹鼓記」「不忠臣蔵」で吉川英治文学賞、「東京セブンローズ」で菊池寛賞など受賞多数。16年に文化功労者、21年に日本芸術院会員に選ばれた。●=マダレに「夏」

4月11日 産経新聞

4/11有明妙

2010年04月11日 | コラム
4/11有明妙

 歴史から真実が覆い隠されることはよくあるが、これほど長い間、語ることを禁じられた事件はあまりない。1940年にポーランドの将校ら約2万2千人が銃殺され、森に埋められた「カチンの森事件」は戦後、ドイツ・ナチス軍の犯罪とされていた。

 第2次世界大戦中にポーランドに侵攻し、東部を制圧したソ連軍は、占領下のポーランド軍の将校らを捕虜とし、近郊のカチンの森などでほぼ全員を射殺した。発覚したのは西から攻め込んだドイツ軍が将校らの遺体を見つけたからだ。

 ドイツは事件を公表したが、ソ連は大量殺害を行ったのはドイツ軍だとうそをついた。戦争が終わってドイツは敗戦国となり、ポーランドもソ連の政治体制下に組み込まれた。立場上、真実を語れなかった。ソ連が罪を認めたのは冷戦終結後、事件から50年後だ。

 ゴルバチョフ大統領が1990年にソ連の関与を認めて謝罪。今月7日、現地の70周年追悼式典にロシアのプーチン首相とポーランドのトゥスク首相の両首脳が初めて同席した。「灰とダイヤモンド」で知られる映画監督のアンジェイ・ワイダ氏の姿もあった。

 ワイダ監督の父親もカチンの森で殺された。帰りを待つ母親は失意のうちに亡くなった。監督は1950年代半ばに事件の真相を知り映画化を望んだが、タブーとされたこの事件は語ることもできなかった。東西の壁崩壊後、事件が公になり映画化がかなった。

 ワイダ監督が半世紀の思いを込めた映画「カティンの森」は、24日から佐賀市のシアターシエマで上映される。物語は将校の妻ら家族の愛や希望、不安を描いている。悲劇はアウシュビッツだけではなかったことを知ってほしい。

クリントン国務長官「北、核兵器1~6個保有」

2010年04月11日 | ニュース政治
クリントン国務長官「北、核兵器1~6個保有」

 【ワシントン=犬塚陽介】クリントン米国務長官は9日、米南部ケンタッキー州ルイビルで演説し、北朝鮮が「1~6個の核兵器を保有している」と語った。米国の国務長官が、北朝鮮が保有する核兵器の具体的な数に言及するのは極めて異例。ただ、クリントン長官はその根拠を例示しなかった。

 北朝鮮の核兵器をめぐっては、米シンクタンクの外交問題評議会が昨年1月、「6~8個」とする報告書を発表したほか、在韓米軍のシャープ司令官が3月、数個分の核兵器に相当するプルトニウムを「北朝鮮が所有している」と米下院軍事委員会で証言した。

 また、クリントン長官は演説で、北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議の再開について、金正日総書記の健康問題や経済政策の失敗が障害となっているとした。ただ、将来的には、中国などの働きかけもあり、北朝鮮が「いずれ復帰する」と協議再開に自信を示した。

2010.4.10 産経新聞

中国のIT技術強制開示 米が再延期を要請へ

2010年04月11日 | ニュース政治
中国のIT技術強制開示、米が再延期を要請へ

 中国政府が5月1日からの実施を予定しているIT(情報技術)製品の機密情報を強制的に開示させる制度について、米政府が再び実施延期を要請する方針を固めたことが10日、わかった。

 中国政府は開示を求める対象の製品を政府調達に限定し、国有企業による購入製品は除外する譲歩策を示していたが、米政府は国際的に異例な制度には、なお問題があると判断したとみられる。

 12日に北京を訪れる米通商代表部(USTR)のマランティス次席代表が、中国側との通商問題の協議の席で再延期を要請するとみられる。米国側は、中国の譲歩策で対象製品は限定されるが、制度が拡大解釈されて問題が広がることを懸念している模様だ。

 中国の強制開示制度は、IT製品を制御するソフトウエアの設計図「ソースコード」などを企業に強制的に開示させるものだ。日本企業が得意とするハイテク製品が幅広く対象になる可能性があり、開示を拒めば、中国への輸出や現地生産・販売が出来なくなる。

 中国は当初、昨年5月の実施を予定していた。だが、日米欧が強く反発したため、今年5月に1年間延期した。その後、日中両政府は3月、国有企業が購入する製品を制度の対象外とすることで合意している。

2010年4月11日 読売新聞

【編集局デスク】道を説く君

2010年04月11日 | コラム
【編集局デスク】道を説く君

 名前を付けることは時に難しい。名古屋の医師夫妻が次女に付けた「玻南(はな)」の玻が認められなかった。

 戸籍法によると、名前として使えるのは常用漢字、別表に掲げた漢字、ひらがな、カタカナのいずれかと決まっており、玻の字はこれに含まれていない。最高裁はこの字を使った出生届を認めなかった家裁の判断を支持した。両親はひらがなで届を提出するという。

 玻をもらった玻璃(はり)は水晶を意味し、仏教の七宝の一つ。授かった宝物として大事に育てたいとの親の願いが伝わってきていい名前だと思うが、役所からすると例外がいくつも増えるのはどうかということらしい。

 対比するのもおかしいけれど、よく理解できないのが「たちあがれ日本」という政党名である。党名は看板である。民主はその国の主権が国民にあること、自由民主党も基本的には同じ意味合いだ。公明は公平で私意のないことをいう。

 報道によると、新党の基本政策の三本柱は次の通りだ。(1)持続的な経済成長の実現(2)財政再建と抜本的税制改革(3)安全保障重視と中福祉、中負担の社会保障制度による安心社会の構築。これが「たちあがれ日本」にどうつながるのか。どうせなら「立て直そう日本」の方がよくわかる。

 どことなく決起を促しているような気配も感じる。命名者が石原慎太郎東京都知事というのを聞くとなるほどと思ったりもする。でも、結党に参加した五人の政治家の平均年齢が七十歳ではなあ、といらぬ心配をしてしまう。

 代表格となる見込みの与謝野馨元財務相の祖母は歌人与謝野晶子である。五月号「中央公論」で財政破綻(はたん)寸前の危機的状況を憂う姿を見ながら思い出した歌がある。「やは肌のあつき血汐(ちしお)にふれも見でさびしからずや道を説く君」。やっぱりたった五人の年寄りのスタートでは寂しい。

2010年4月10日 中日新聞 編集局デスク
名古屋本社編集局長・志村 清一

ユーロとイカロス神話

2010年04月11日 | 社説
ユーロとイカロス神話 週のはじめに考える

 ユーロをめぐる欧州経済の混迷をギリシャ悲劇に喩(たと)える論調が見受けられます。今回の経済危機は欧州統合の基盤を揺るがすものなのでしょうか。

 「ユーロはイカロスに似ています。十分な準備がないまま飛翔(ひしょう)すれば、羽根が溶け落ちて、いずれ墜落するのは明らかです」

 ユーロが導入される際、こう予言した経済学者がいました。ドイツのウィルヘルム・ハンケル元フランクフルト大学教授です。ハンケルさんは、仲間の経済学者三人と共に政府を相手取り、「ユーロ導入は違憲」として、ドイツ憲法裁判所に訴訟を起こしたことでも知られています。

■EUの未知の課題突く
 共に訴訟を起こしたシュターバッティ・チュービンゲン大学名誉教授は先ごろ主要英字紙に論文を発表し、「ユーロは大きな幻想から始まった。さらなる危機回避のため、ドイツはユーロ圏を離脱すべきだ」と主張しました。

 二人とも「政治統合なき通貨統合は機能しない」との考えで一貫しています。金融政策は一致している。しかし、経済、財政政策は各国ばらばら。その空隙(くうげき)を見透かすように起きたギリシャ危機は、当然の帰結だ、というのです。

 二人に代表される欧州懐疑派と呼ばれる統合促進反対派の異議申し立ては、欧州の多数の声を反映しているとはいえず一部の支持にとどまっていますが、その指摘は主権国家の枠組みを超えた統合体としての欧州連合(EU)が抱える未知の課題を突いています。

 独仏を中心に六カ国で始まった統合の動きは、半世紀以上を経て二十七カ国によるリスボン条約批准に結実し、ファンロンパイ大統領(欧州理事会常任議長)、アシュトン外相(外交安保上級代表)というEUの「顔」を持つまでになりました。

■危機の連続だった統合
 グローバル化時代。地域統合の一つの到達点を迎えた時に起きた危機です。統合の原点をあらためて問い直す好機でしょう。

 二度の世界大戦を経た欧州が、不戦の誓いのもと、平和的統合の実験を進めてきたことはよく知られています。そのプロセスの実態は、政治的にも、経済的にも、危機の連続だったといっても過言ではありません。

 初期の一九六〇年代には、ドゴール仏大統領が超国家性を強めた統合の在り方に反発、半年以上にわたり理事会をボイコットし共同体は機能麻痺(まひ)に陥りました。ニクソン・ショックや石油危機にみまわれた七〇年代の経済停滞期には欧州悲観論が台頭し、「欧州共同体の暗黒時代」ともいわれました。

 その度(たび)に、あるいは冷却期間を置き、あるいは妥協を重ね、半歩、一歩と歩を進めてきたのです。「EUの日常は、退屈で疲れる交渉ごとばかりだ。でも、かつての戦争を想起するたびにその有難味(ありがたみ)がわかる」。ブリュッセルのEU本部元幹部の言葉に、苦難の歴史を繰り返すまい、とする決意が滲(にじ)みます。

 リスボン条約発効の過程でも、アイルランドが国民投票により批准を拒否する政治的危機がありました。当時訪日したポーランドのバルツェロビッチ元蔵相から、ユーロ入りを目指す東欧諸国の欧州像を伺ったことがあります。

 冷戦後の東欧再建モデルを担ったバルツェロビッチさんは、アイルランドがEU加盟の恩恵を受けて世界有数の富裕国家を形成してきた点を強調しながら、ユーロ問題については、「一つの通貨が一つの国家の裏付けがないと成立しないという考えはすでに過去のものだ」と一蹴(いっしゅう)しました。ユーロを通して統合を深めよう、という統合促進派はおおかたこの思いを共有しています。

 バルツェロビッチさんは米国の大学でも教鞭(きょうべん)をとっていましたが、EU統合の歴史には、米国の連合規約時代を想起させる側面がある、と指摘していたのも印象的でした。

 独立戦争後、合衆国憲法が制定されるまでの間、独立十三州は強大な権限を持ち、連邦政府は連合規約に基づく形ばかりの存在でした。不可分の連邦となって米国が真の一体性を持ち始めたのは、南北戦争後といわれます。

 欧州統合はもとより米国型合衆国をめざすものとはいえません。むしろ、戦争を経ずに新たな欧州の一体性を探る試みの中にこそ独自性があります。

■歴史が問う政治的意思
 「国民国家とEUと、二つのアイデンティティーを人々の中に育てるプロセス。これこそ、欧州の実験が歴史的といわれる所以(ゆえん)でしょう」。欧州統合を一貫して見続けている庄司克宏・慶応大学教授は、こう指摘しています。

 歴史は、欧州の政治的意思を問うています。

2010年4月11日 中日新聞 社説

4/11中日春秋

2010年04月11日 | コラム
4/11中日春秋

 東京・日比谷公園にある洋風レストラン「松本楼」は二度焼失している。最初は一九二三年の関東大震災。二度目は七一年秋、沖縄返還協定に反対する学生のデモ隊に火炎瓶を投げられて全焼した。

 全国から励ましの声が届き、再開にこぎつけたのは二年後の九月二十五日。感謝の思いで始めた年に一回の「十円カレー」は、いまも秋の風物詩だ。

 松本楼が焼かれる直前、沖縄の米軍の軍用地の原状回復費四百万ドルなどを日本側が肩代わりするという密約が日米間で結ばれた。これらの密約文書の不開示取り消し訴訟で画期的な判決が言い渡された。

 東京地裁は一昨日、密約文書の存在を認めたうえで、否定し続けた外務省の対応を「国民の知る権利をないがしろにしている」と批判した。国を訴えた行政訴訟では異例の原告完全勝訴だ。

 「原告が求めたのは文書ではなく知る権利の実現だった」とも判決は強調。くしくも松本楼で開かれた原告団の記者会見では「情報革命が起こった」(原告の元毎日新聞記者の西山太吉さん)と評価する声が相次いだ。

 密約疑惑を追及していた西山さんの逮捕は、検察によって男女スキャンダルにすり替えられ、メディアの密約の追及はうやむやになった。「メディアの敗北」といわれるゆえんだ。政府が隠したい秘密を暴くことこそジャーナリズムの存在価値であることを肝に銘じたい。

普天間「5月決着」絶望的

2010年04月11日 | ニュース政治
普天間「5月決着」絶望的、実務協議断念へ

 沖縄の米軍普天間飛行場移設問題は、鳩山首相が公約する「5月末の決着」が10日、ほぼ絶望的となった。

 政府がまとめた新たな移設案は実現可能性が低いとして、米側が実務者による協議入りを拒否し、日本側が同日、協議開催を当面断念する方針を固めたためだ。

 首相がヘリ部隊の移設先として重視する鹿児島県・徳之島でも、地元首長が政府関係者との会談を拒否したことが同日判明するなど反対が広がっている。

 移設問題は、対米、国内双方の調整が行き詰まり、打開のメドが立たない状態となった。鳩山首相の政治責任が厳しく問われるのは確実だ。岡田外相は10日夕、日米間の実務者協議について、「必ずなければいけないものではない。実務者同士でなくとも、移設案を詰めるやり方はある」と述べ、当面断念する考えを示した。神奈川県横須賀市内で記者団に語った。

 実務者協議は、普天間の移設先を具体的に日米共同で検討する場で、日本政府は、早期開催を米側に求めていた。しかし、ルース駐日米大使は9日に外相と会談した際、日本側が説明した案について〈1〉米軍の運用面で現実的でない〈2〉受け入れ先の地元合意がない〈3〉移設実現の期限が不明――などと指摘し、協議開始は時期尚早だ、との考えを伝えた。

 一方、政府案で移設先に選ばれた沖縄県や徳之島では反発が日増しに強まっている。徳之島では、政府は関係自治体に移設の打診すら実現できていない。

 同島にある伊仙町の大久保明町長は10日、防衛省幹部からの会談申し入れを8日に拒否したことを明らかにした。

4月12日 読売新聞

高速実質値上げ 詐欺も同然の公約違反だ

2010年04月11日 | 社説
高速実質値上げ 詐欺も同然の公約違反だ

 国土交通省は6月中の導入を目指す高速道路の新たな料金体系を発表したが、この内容だと鳩山政権は、公約違反どころか、詐欺と指弾されても反論はできまい。

 車種別に一定の走行距離を超えれば料金を据え置く「上限制」が採用された結果、近距離中心の利用者や、もっぱら週末に車で遠出を楽しむサンデードライバーなどには、むしろ実質的値上げになるからだ。

 新制度では、上限料金は平日・休日とも普通車で2千円、中・大型車は5千円となる。このため、平日に長距離を走る利用者には値下げの恩恵が大きいものの、新料金の実施にあわせて「休日上限1千円」などの現行割引は、一部を除き原則として廃止される。

 そもそも民主党が昨年の衆院選で掲げた政権公約は、上限制ではなく原則無料化だったはずだ。ところが今回無料化されるのは、利用が比較的少ない地方の37路線50区間にすぎない。総距離でも全体の2割どまりで、財源不足から来年度以降の拡大にもめどすら立たないのが実情である。

 無料化の目的も曖昧(あいまい)になりかけている。当初は物流の活発化を通じて内需拡大の切り札にするつもりが、逆に「渋滞を深刻化させるだけで環境面でも逆効果」という批判も浴びた。鉄道やフェリーなど競合業界からの反発も強い。

 新制度実施の原資には麻生前政権時代に確保した現行割引財源の残り約2・6兆円があてられる。ところが、半分以上の約1・4兆円については、道路建設費に転用するというから開いた口がふさがらない。政府は既に関連法の改正案も今国会に提出している。

 これは「高速道路を造るために国費を投入しない」(馬淵澄夫国交副大臣)としてきた政府方針にも明らかに矛盾している。

 新制度は自動料金収受システム(ETC)の搭載メリットについても利用者を混乱させそうだ。

 現在定額制の首都、阪神両高速道路は年末にも普通車で500~900円の走行距離別料金に移行する。

 これに伴い、ETC車以外は最初の料金所で上限額を支払う必要がある。これに対し、上限料金制の高速道路ではETC搭載の有無は問われなくなるからだ。

 国民との約束を、わずか半年余りであっさりとひっくり返して恥じない鳩山政権の運営姿勢は、あまりに無定見で危うい。

2010.4.11 産経新聞 主張

4/11編集手帳

2010年04月11日 | コラム
4/11編集手帳

 「ある」ことの証明に比べ、「ない」ことの証明は格段に難しい。不存在証明は「悪魔の証明」と言われる。その証明のため膨大なファイルと格闘した外務、財務両省職員は今、「悪魔」の比喩(ひゆ)の意味を痛感していることだろう。

 元毎日新聞記者の西山太吉氏らが、沖縄返還を巡る日米「密約」文書の開示を求めた訴訟で、東京地裁は原告勝訴の判決を出した。国が「ない」と言い張る文書の開示を命じたのである。

 <元々なかったはずの文書。あったとしても、もう廃棄されたろう>。ない袖は振れぬ、という国の弁証を裁判所は認めなかった。<いや、あったはず。廃棄と言うなら、それを調査し証明せよ>。国の対応を不誠実、裏切りとまで述べている。

 この裁判が世に問うたものを思う。対米交渉の当時の責任者だった元外務省幹部が証人出廷し、密約と文書の存在を公の場で認めた。密約解明に前向きな鳩山政権の追い風となり、先月、4点の密約の存在が確認された。

 いわゆる「西山事件」から38年。「一種の情報革命が起きたと思う。画期的判決」。万感の思いを込め、西山氏は判決をそう評価した。

首相「米の言いなりにならない」 米誌インタビューで

2010年04月11日 | ニュース政治
首相「米の言いなりにならない」 米誌インタビューで

 鳩山由紀夫首相は9日までに米タイム誌のインタビューに応じ、日米関係について「日本にとって最も大事な関係」としながらも、「今までは米国の主張を受け入れ、従属的に外交を行ってきた」と指摘した。その上で「一方的に相手の言いなりになるよりも、お互いに議論を通じ、信頼を高めていく」と強調した。

 首相はこれまでも、「米国にも言うべきことを言う」などと、対等な日米関係の構築を唱えてきた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題が難航しているだけに、波紋を広げそうだ。

 日中両国の経済力に関しては「中国の人口は日本の約10倍で、いつか日本のGDP(国内総生産)を抜くのは当然だ。経済的により良い日中関係を作る方が大事だ」と述べた。

 ただ、中国の軍事力に関しては「透明性が十分ではない。軍事力の急速な伸びを、常に注視しなければならない」と懸念を示した。

 インタビューは3月30日に行われた。

4月10日 産経新聞

平沼・与謝野新党 「立ち上がった先」を語れ

2010年04月11日 | 社説
平沼・与謝野新党 「立ち上がった先」を語れ

 メッセージがどれだけ国民に伝わっただろう。平沼赳夫元経済産業相や与謝野馨元財務相らによる新党「たちあがれ日本」が10日旗揚げした。「打倒民主党」のスローガンと共に「自主憲法制定」や経済・財政再建を基本政策に掲げた。

 参院選に向け、山田宏東京都杉並区長ら首長やその経験者による新党も近く発足する予定で民主、自民両党と異なる新勢力結集を探る動きがさかんだ。新党参入で政界に緊張感が生まれ政策論争が活発化するのは歓迎だが、乱立が逆に有権者の幻滅を招くことになってはならない。

 「たちあがれ」に参加した代表の平沼氏ら5議員は、いずれも元は自民党議員だ。中堅・若手議員が参加を見送ったため平均年齢は約70歳となり、新鮮ではつらつとしたイメージを与えたとは言い難い。

 それ以上にすっきりした印象を抱けないのは、結党の動機が今ひとつ不明確な点にある。代表の平沼氏は10日の会見で参院選後の民主党との連携は「まったくない」と否定したが、民主党との対決姿勢を強調するほど、離党劇で最大の打撃を被ったのが自民党だという現実とのギャップがさらに際だってしまう。

 新党結成を後押ししたのは発起人に名を連ねた石原慎太郎東京都知事だ。石原氏は最近、福田康夫内閣時代に一時浮上した民主、自民両党の大連立構想に再三言及し、民主党の小沢一郎幹事長(当時代表)の関与を評価している。小沢氏と与謝野氏は関係が近いことでも知られる。

 新党は政界再編の橋渡し役を目指すというが、具体的にどんな姿を描いているのか。大連立構想の再現をにらみ、その接着剤となることも狙っているのか。国民に率直な説明が必要である。

 政策についても、発表文書では「税制抜本改革」などとするだけで消費税率の引き上げを明確には記さなかった。今後の社会保障や深刻な財政危機をめぐる論議を政界全体で活発化させたいのなら、もっと正面から提起してもよかった。

 「自主憲法制定」や国家観に関してはさらに丁寧な説明を求めたい。自民党はすでに新憲法草案をまとめているが、どんな違いを意識して改憲論議を進めるのか。集団的自衛権の行使や歴史認識をはじめとする基本的な問題でも見解を明確に示さなければならない。平沼氏が反対、与謝野氏が推進と対照的な立場だった郵政民営化についても同様だ。

 鳩山内閣や自民党の迷走をよそに各種調査で「みんなの党」の支持率上昇が目立つ。首長新党も含めた新党の参入は注目に値するが、構想や理念がはっきりしないまま乱立すると有権者は逆に戸惑う。

2010年4月11日 毎日新聞 社説

4/11余禄

2010年04月11日 | コラム
4/11余禄 それぞれの「何を学んだか」

 土曜日の朝、多くのテレビの前でため息が漏れたことだろう。男子ゴルフのメジャー第1戦、マスターズ・トーナメントで日本期待の18歳、石川遼選手が昨年に続いて決勝ラウンド進出を逃した。

 最終18番ホール、入れば予選通過がかかった約4.5メートルのパーパットは無情にもカップの左を通過した。日本の最年少賞金王にオーガスタGCの神様は優しい顔を見せてくれなかった。あとは初出場で見事に予選を通過した24歳の新鋭、池田勇太選手に期待しよう。

 今年のマスターズで、誰よりも重圧を感じていたのはタイガー・ウッズ選手だろう。一連の不倫騒動で試合出場自粛を表明してから約4カ月。周囲の視線に不安を抱えての復帰戦だったが、首位と2打差の3位タイで決勝進出。世界一の技はさびついていなかった。

 復帰戦に先駆けて米国内で復活したのはウッズ選手が出演するテレビCMだ。実物は見ていないが、ウッズ選手がカメラに向かって真っすぐ見つめる中、4年前に亡くなった父アールさんの「何か学んだか?」の声が流れるものという。なかなかワサビの利いたCMだ。

 米陸軍特殊部隊グリーンベレーの退役軍人で、ウッズ選手にゴルフを手ほどきしたことで知られるアールさん。「子供にゴルフの楽しさを教え、謙虚になることを教えられれば、彼らはいずれ、そこから人生の教訓も学ぶに違いない」。アールさんの著書の一節である。

 自粛期間中、重すぎるほどの人生の教訓を学んだに違いないウッズ選手。父の教えにどれだけ忠実に生きることができるか。遼君が今年のマスターズから「何を学んだか」と合わせ見守りたい。