低温や日照不足で野菜急騰 キャベツは約2倍に
春の陽気が長続きしないため野菜が不作となり、価格が高騰している。日本経済の“春”も実感できず、家計のやりくりは厳しいまま。消費者の節約志向は変わらず、商品や店ごとに価格を見比べる動きが強まっている。
名古屋市消費流通課などによると、同市中央卸売市場で、4月上旬には1キロ132円だったキャベツは、12日には207円と急騰。15日には250円ほどまで上昇している。ジャガイモも、3月下旬は1キロ162円だったのが、4月上旬には209円。15日には300円を超えるまで高騰した。同市場の卸売業者、丸市青果(愛知県豊山町)では、生鮮野菜が高いため、業務用の冷凍野菜の取扱量が1~2割増えているという。
不作の原因は3月下旬からの低温や日照不足。日本気象協会中部支社によると、名古屋、岐阜、津の各市では4月14日は最高気温が13度前後までしか上がらず、3月中旬並みの肌寒さ。日照時間も平年より1割ほど短い。北極の冷たい空気が南下するなどの影響で、今後1カ月も気温はかなり低くなるおそれがあるという。
名古屋市内のスーパーではダイコン(1本)やハクサイ(2分の1カット)の小売価格が250円~290円に上昇している店もある。同市瑞穂区の会社員女性(45)は「産地偽装や農薬被害が心配。品質が大切なので高くても仕方ない」とあきらめ顔で話した。
割高な野菜を避ける消費者も増えつつある。同区の理容師女性(73)は「レタスやキャベツは安い方を選ぶ。値打ちなモヤシもよく買う」と話す。年金生活の同市昭和区の無職女性(73)は「余ったらもったいない。高い野菜は買わない」と言う。野菜類はスーパーで半額に値下げされた50~100円の生野菜サラダやポテトサラダなど加工品を夜間に買い込む。
こうした消費心理に反応し、低価格を前面に出して集客につなげる業者も出てきた。スーパー「ウオダイ」(瑞穂区)の渡辺まこと店長は「100円を超す野菜は売れない」と消費者の“デフレ慣れ”を強調する。15日はキャベツを1個99円で売り出しており、価格を1個150円にした場合と比べ、売り上げは10倍ほどに増えるという。
「生活協同組合コープあいち」(同市名東区)では宅配サービスで野菜を注文する顧客が増えている。1週間前に注文を受けるため価格に影響が出る時期が店頭より遅れるからだ。今も減農薬のレタスが1個200円を切るなど割安で、今月上旬から注文点数は3割増。商品活動推進部の堤英祐担当部長は「組合員が価格と品質をしっかり見比べ、宅配を選んでいる」と話した。
2010年4月15日 中日新聞
春の陽気が長続きしないため野菜が不作となり、価格が高騰している。日本経済の“春”も実感できず、家計のやりくりは厳しいまま。消費者の節約志向は変わらず、商品や店ごとに価格を見比べる動きが強まっている。
名古屋市消費流通課などによると、同市中央卸売市場で、4月上旬には1キロ132円だったキャベツは、12日には207円と急騰。15日には250円ほどまで上昇している。ジャガイモも、3月下旬は1キロ162円だったのが、4月上旬には209円。15日には300円を超えるまで高騰した。同市場の卸売業者、丸市青果(愛知県豊山町)では、生鮮野菜が高いため、業務用の冷凍野菜の取扱量が1~2割増えているという。
不作の原因は3月下旬からの低温や日照不足。日本気象協会中部支社によると、名古屋、岐阜、津の各市では4月14日は最高気温が13度前後までしか上がらず、3月中旬並みの肌寒さ。日照時間も平年より1割ほど短い。北極の冷たい空気が南下するなどの影響で、今後1カ月も気温はかなり低くなるおそれがあるという。
名古屋市内のスーパーではダイコン(1本)やハクサイ(2分の1カット)の小売価格が250円~290円に上昇している店もある。同市瑞穂区の会社員女性(45)は「産地偽装や農薬被害が心配。品質が大切なので高くても仕方ない」とあきらめ顔で話した。
割高な野菜を避ける消費者も増えつつある。同区の理容師女性(73)は「レタスやキャベツは安い方を選ぶ。値打ちなモヤシもよく買う」と話す。年金生活の同市昭和区の無職女性(73)は「余ったらもったいない。高い野菜は買わない」と言う。野菜類はスーパーで半額に値下げされた50~100円の生野菜サラダやポテトサラダなど加工品を夜間に買い込む。
こうした消費心理に反応し、低価格を前面に出して集客につなげる業者も出てきた。スーパー「ウオダイ」(瑞穂区)の渡辺まこと店長は「100円を超す野菜は売れない」と消費者の“デフレ慣れ”を強調する。15日はキャベツを1個99円で売り出しており、価格を1個150円にした場合と比べ、売り上げは10倍ほどに増えるという。
「生活協同組合コープあいち」(同市名東区)では宅配サービスで野菜を注文する顧客が増えている。1週間前に注文を受けるため価格に影響が出る時期が店頭より遅れるからだ。今も減農薬のレタスが1個200円を切るなど割安で、今月上旬から注文点数は3割増。商品活動推進部の堤英祐担当部長は「組合員が価格と品質をしっかり見比べ、宅配を選んでいる」と話した。
2010年4月15日 中日新聞