二銭銅貨

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17六本木歌舞伎/座頭市/歌舞伎

2017-03-18 | 歌舞伎・文楽
17六本木歌舞伎/座頭市/歌舞伎

座頭市

脚本:リリー・フランキー、演出:三池崇史
出演:座頭市:海老蔵、薄霧、おすず:寺島しのぶ、
   右團次:風賀清志郎

見た目には歌舞伎っぽくはないものの、随所に歌舞伎の荒事のような演出があって、伝統的な歌舞伎の現代版とも思えた。ストーリーはほとんど無く、様々なものを混ぜこぜにしたちらし寿司のような造り。座頭市の映画からの引用、剣劇、ぬえと戦うケレン、時事ネタや楽屋オチ、休憩時間にはロビーに俳優が現れたり客席と海老蔵が会話したりなどの観客との交流、にらみ、見得、花魁道中、舞踊、大向、しのぶのカラオケなどなど。

海老蔵は声にすこし貫禄が出た。軽く飛び回るような芝居だ。3回ほどある剣劇が良い。日本映画の伝統に歌舞伎の舞踏が添加されて、本作で唯一緊張感のある清々しい舞台となった。

しのぶには要所要所で音羽屋の声。二階で海老蔵に襲いかかるアドリブのシーン以外はわき役に徹しているように見えた。盲目の少女と花魁の数回にわたる早替わりが見せ場。

右團次はやや気持ちの悪い片腕の風来坊役。ちょっと難しいところを頑張っていた。

文菊堂とかいうジャーナリストが出て来て、裏で悪事を働きながら正義ずらしてスキャンダルをものにしている。市がこれをたたっ切って「正義面するんじゃあねえよ」とかいう。

17.2.19 EXシアター六本木


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