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二銭銅貨

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戦争と平和(ボンダルチュク)

2006-12-08 | 洋画
戦争と平和(ボンダルチュク) 
War and Peace
1965 ソ連、カラー、横長サイズ
監督・脚本:セルゲイ・ボンダルチュク、
脚本:ワシーリー・ソロビヨフ、原作:トルストイ
出演:リュドミラ・サベーリエワ、セルゲイ・ボンダルチュク
   ヴァチェスラフ・チーホノフ

第1部から第4部まで一気に見ました。

戦闘場面に迫力がある。規模が大きいのと、リアリティ。仏軍の行進、砲弾の炸裂、倒れる兵士、疲弊する砲手、死体の海、躊躇するナポレオン、疾駆する騎兵、放浪するピエール、裸馬の群れ、この裸馬の群れがすごい。兵士の数も半端じゃ無い。戦場の広さも半端じゃない。第3部は全部戦闘。戦争しているみたいな映画だ。

白い壁、何も無い大きな部屋、病人、看護する女性、夢、まぼろし、小さな人、大きな扉、森閑とした映像、静寂の白。平和の場面も気合が入っています。大きなダンスフロアーをかけ巡るダンス、ワルツ、衣装。これは社交界の戦場か?純粋で無邪気な少女のナターシャと、女性として苦悩するナターシャ。可愛く、美しく、高貴に。踊る。

青空の雲々を次々に抜けて行く、空撮の場面から始まる超大作。冷戦時代の国の威信をかけた映画。文芸大作として極力プロパガンダ的なものは避けている様子は伺えるが、それでも所々にそういう感じの部分があって、背後にある国家的圧力を感じないわけにはいかない。しかし、それにしても、これだけの映画はめったに出来るものでは無い。かかわる人々の集中力、資金の豊富さ、人材。当時だからこそ出来た映画であろう。どうしてもオードリ・ヘップバーン、メル・ファーラー、ヘンリー・ホンダの米国版と比較したくなってしまう。この映画自体に米国版を越えると言う、強い意思があったのではなかろうか。なしろ東西冷戦時代のことであるから。確かに、映画の作りとしては圧倒している。

でも、私はオードリーの米国版が好きです。
06.07.29 NFC(1部-4部)、65 映画館(4部のみ)