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ニルヴァーナへの道

究極の悟りを求めて

ダライラマ法王ニューミレニアムインタビュー

2006-11-07 20:05:26 | ダライラマ
ダライラマ法王が来日中ですので、以前、CNNインタビューに応じたときの模様の一部を掲載します。

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CNNラリーキングライブインタビュー(Aired December 31, 1999 - 9:00 p.m. ET) より主要部分掲載

KING: We are going to go out to Sarnath, India to talk with His Holiness, The Dalai Lama. There he is at the Central Institute for Higher Tibetan Studies. At the bottom of the hour, we will be joined by Reverend Billy Graham.

キング:それではこれからインドのサールナートに待機していらっしゃいますダライ・ラマ 法王にお話を伺いたいと思います。法王はサールナートの高等チベット研究中央研究所 にいらっしゃいます。この番組の後半には、ビリー・グラハム師にも参加していただき ます。

Your Holiness, is this a new millennium for you? In the Muslim year, do you celebrate this as a year for your holy day?

法王、2000年という年はあなたにとって、ニューミレニアムにあたるのですか。 イスラム歴(仏教暦の間違い)においては、新年の始まりは、神聖な日としてお祝い するのでしょうか?

THE DALAI LAMA: Just, sort of, normal days, holiday, happen. We enjoy one new day. So, actually, the -- I'm just wondering, what kind of feeling at your place just waiting, new day, new millennium.

ダライ・ラマ:そうですね、何というか、通常の祝日という感じです。私たち仏教徒も 新年の最初の日をお祝いします。それで、本当のところ、私は世界中の皆さんが、ど のような感情で新しい日、ニューミレニアムを迎えるのだろうかとあれこれ想像してい ます。

KING: By the way, the delay is caused by the fact that we are on a satellite, and, His Holiness in a really remote area of India. So that is the reason for the long delay.

キング:ところで、この対話のやりとりのタイミングのズレは、衛星を介してのインタビュー であり、また法王はインドの奥地にいらっしゃるからでもあります。これが長い遅延の 理由です。

By the way, where are you? Where is Sarnath, India? And what is the Central Institute for Tibetan Studies?

ところで、インドのサールナートと呼ばれる場所はどういう場所なんですか。チベット研究 中央研究所とはどういうものなんですか。

THE DALAI LAMA: I'm here in a place called Sarnath, where you see historically Buddha taught the first his teaching about 2500 years ago. So we consider this place is something very sacred. So I'm very happy. It is from this, holy place, to talk with my old friend, Larry King, you, there, hello.

ダライ・ラマ:私は今現在、サールナートと呼ばれる場所にいますが、ここにおいてブッダ が2500年前に、ブッダの悟りの最初の説法を行いました。ですから、私たち仏教徒 は、この地を非常に神聖な場所として考えています。そういう神聖な場所にいますから、 私は大変幸せに感じております。この聖なる場所から、私の古い友人であるラリー・キング とお話しているわけですね。よろしくお願いします。

KING: It is an honor to have you. Do you believe -- in your faith, what does Christ represent?

キング:法王とお話できることは光栄に思います。あなたにとっては、キリストとは、 何を象徴しているのでしょうか。

THE DALAI LAMA: Please, repeat, not very clear, repeat your question?

ダライ・ラマ:すみません、もう一度お願いします。よく聞こえなかったものですから。

KING: Do you believe that -- What do you believe Jesus Christ was? Was he a prophet? Was he a messiah? In your faith, who is Jesus Christ?

キング:あなたは、イエス・キリストとは何者であると信じていらっしゃるのでしょうか。 彼は預言者であったのでしょうか。あなたの信じるところでは、イエス・キリストは何者 でしょうか。

THE DALAI LAMA: Oh, from the Buddhist viewpoint, of course, such as Jesus Christ should not be ordinary person. These, you see, the great masters who really make sort of I think immense impact in human begin, in human mind, in order to improve, in order to be a sincere person, a good person. So, therefore, such masters we consider either, as a Buddhist manifestation -- so that is our, sort of, belief.

ダライ・ラマ:そうですね、仏教徒の観点から言えば、イエス・キリストのような人は、 普通の人ではないということです。彼のような偉大な導師は人類や人類の精神に 巨大な影響を及ぼし、誠実な、良き人間へと進化させるために偉大な貢献をして きました。ですから、このような偉大な導師は、私たちは、やはり、仏の顕現と考えて います。このように私たち仏教徒は信じています。

KING:Let's go back to India and His Holiness The Dalai Lama. And still to come, Reverend Billy Graham.

キング:それでは再びインドのダライ・ラマ法王へと戻ります。後に、ビリー・ グラハム師が登場されます。

Your Holiness, do you expect to return to Tibet?

法王、あなたはチベットを帰還できると思っておられますか?

THE DALAI LAMA: Judging from the changing global level, and also the judging the transformation within the People's Republic of China, and also, the Tibetan spirit very high, and also worldwide sort of support and sympathy, therefore, the long run I'm optimistic.

ダライ・ラマ:地球レヴェルでの変化や中国内部での意識の変化、そしてチベット人 の精神の高揚、全世界的な支援や共感などから判断するならば、長期的には、私は 楽観的です。

But for the temporary, yes, inside Tibet the situation is very serious and very grave, such as human right violations, and then also the damage of environment, and essentially, usually I describe the whether, intentionally or unintentionally, some kind of culture genocide is taking place. So things are very serious.

しかし、短期的には危機感を持っています。現在のチベット内の状況は非常に深刻 ですし、心配です。人権侵害や環境破壊が行われていますし、よく私が語っていること ですが、ある種の文化的ジェノサイドが、意識的か無意識的か分かりませんが、行わ れています。これは非常に憂慮すべき事態ではあります。

But, long run, certainly, things will improve, things will change -- My, sort of, the basic aim regarding Tibetan issue, is something mutual benefit to the People's Republic of China as a whole, and Tibetan as well.

しかし、長期的には、事態は改善されると思いますし、変化してゆくことでしょう。 私のチベット問題についての基本的な姿勢は、中国とチベットの相互の利益という ことです。

KING: As a great Buddhist leader yourself, have you talked to other leaders around the world, President Clinton, Tony Blair, and have they supported you?

キング:法王は偉大なる仏教徒の指導者として、世界の指導者たち、クリントン 大統領やブレア英国首相などと語りあっていますが、彼らはあたなを支持してい ますか?

THE DALAI LAMA: Yes, most of the -- the leaders of the world, and especially like the leader of United States and, also, leaders in many European countries, really showing not only just a genuine sympathy, but also they are very much willing to active, sort of, support in order to materialize meaningful dialogue with the Chinese government. So I'm very grateful.

ダライ・ラマ:勿論です。世界の指導者たち、特にアメリカやヨーロッパの多くの指 導者は、精神的な支援のみならず、中国政府と実りある対話が実現するように、 積極的に働きかけて下さっています。ですから大変うれしく心強く思っています。

THE DALAI LAMA: I just wanted to say you say, yes, I just was want to say, the one very important thing is very encouraging is, among the Chinese, now, especially among intellectuals and the writers, and also students, you see more and more number now sharing their genuine concern and support. As it sort of better -- two situation, so this is a very encouraging sign.

ダライ・ラマ:私は、ある一つの重要な勇気づけられる最近の出来事を語りたいと 思います。それは、中国人の間で、特に知識人や作家や学生の間で、チベット問題 に対する真剣な関心と支援の輪が広がっているということです。これは大いに勇気 づけられる徴候ということが出来ます。

KING:Are you -- Your Holiness, are you optimistic about religious tolerance? Do you think we are going to be a better world in the years ahead?

キング:法王、あなたは宗教的寛容ということについて楽観的ですか?私たち人類 は、将来、より良き世界を創ってゆけると思っていらっしゃいますか?

THE DALAI LAMA: I'm quite sure the -- in the future, into 21st century, I think could be more happier, more peaceful, because I feel the 20th century, where humanity learned many new experiences, some are very painful experiences, such as violence on the basis of religious faith, or too much narrow-minded nationalism, things like that.

ダライ・ラマ:私は、21世紀は、より幸福な、より平和な世界になることを確信して います。何故なら、20世紀は、人類は非常に多くの新しい経験をし、たくさんの貴重 な教訓を学んだと思うからです。その中には、宗教的な信仰に基づいた暴力や、狭量 な精神のナショナリズムによる暴力による痛ましい経験もあります。

So, therefore, the -- because of these experiences, we humanity, I believe, are becoming more mature. So, therefore, the 21st century, it is this I think real sort of potential to be, more harmonious, more closer understanding, especially among the religious community. I think also with our the sort of greater opportunity, interact each other, learning from each other. So, therefore, I think there are real, sort of, I think, good possibility, to have, understanding, actually, closer relation. Through that way, we can make greater contribution for benefit of the humanity and also environment.

ですから、このような貴重な経験により、私たち人類はより成熟してゆくだろうと信じて います。そして、21世紀は、より調和した、より親密な理解のある、特に異なる宗教間 においてですが、世界になる可能性を秘めていると思っています。また、お互いが影響 しあい、お互いが学び合うという偉大な機会がもたらされると思います。そして、お互い の理解の促進、そして緊密な関係がもたらされる可能性も感じられます。そのようにして 私たちは、人類や環境の利益のために大いなる貢献が出来るのです。

ダライラマ法王来日にあたり、憲法九条と核武装について考える

2006-11-05 20:55:53 | ダライラマ
ダライラマ法王が来日した。
ノーベル平和賞受賞者で、今、世界で最も注目を集める精神的指導者が来日したというのに、マスコミの無視は、異常である。
やはり、中国からの抗議が恐いのであろうか。
情けない。まあ、しかし、日本のマスコミ人の問題意識とはこんなもんだろう。

ダライラマ法王といえば、「非暴力の実践者、提唱者」として有名である。
この非暴力の思想は、憲法九条にも受け継がれている。
であるならば、憲法九条を擁護する朝日新聞などは、ダライラマ法王の来日に因んで、率先して、ダライラマ法王の非暴力思想と憲法九条の同質性を高らかに謳いあげるべきではないのか。ダライラマ法王の非暴力思想こそが、21世紀の地球憲法の核となる考え方であるべきであり、日本国憲法第九条の思想も同じ非暴力の考え方によって作られているのであり、そして、この非暴力の思想こそが、様々な民族が地球上で共存共栄していくための、基本の考え方、生き方でなければならない、というようなことを、朝日の社説にでも書けば、かなりのインパクトがあり、改憲派への牽制ともなるのではないか(笑)。それができない、ということは、やはり、中国に対する顧慮があるのだろう。朝日の憲法意九条擁護がなんとなくうさんくさく感じられる所以である。まあ、ダライラマ法王だけは、勘弁してくれ、ということなのだろう。ダライラマ法王の非暴力の主張には共鳴しますけれども、何といっても、中国の目が気になりますから、ダライラマ法王の思想を取り上げることには、どうしても、二の足を踏んでしまうのです、ということだろうか。

私は改憲派である。ダライラマ法王の非暴力の思想は、宗教思想としては、ほんらいのあるべき思想であるとは思うが、それが直ちに、現実の政治政策として取り入れることにはつながらないと思っている。現実的な対処が必要なのだ。暴力団国家、犯罪国家を隣国に抱える日本としては、理想主義に傾きすぎてもダメなのである。ダライラマ法王は、今年の夏、サピオインタビューで、こんなことを語っている。

「たとえ長期的なビジョン(世界的な核兵器全面禁止)があったとしても、目の前にある危険を看過して国家として非現実的だ。」

これが、中国の侵略を受け、亡国の憂き目にあい、辛酸をなめた指導者のバランス感覚、平衡感覚というものだろう。ダライラマ法王は、去年、チベット人に対して、次のように語っている。

「国と社会を守るため、同時に現代教育も学ぶように。なぜならば亡命している私たちの生きている環境は日々変化しており、柔軟な考えをもって進んでいかねばならない。わが国は鎖国をしていたために、このような状況になってしまった。 」
http://www.tibet.to/2005brutus/text07.htm


勿論、私は、日本は、抑止力としての核武装は絶対に必要だと考える。
中川昭一氏がサンデープロジェクトで核武装についての論議はしなければならないと語ったところ、喧々諤々たる非難が起こったが、私はこれが不思議でならない。なぜ、議論してはいけないのか。敬愛するチベット学者の石浜裕美子さんまでも、ブログで
批判しているが、
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-115.html#comment
ちょっと、失望しました。
議論するな、というこは、考えるな、ということと同じではないか。
やはり、日本は、壮大なマインドコントロールにかかっているとしかいいようがない。オウムのマインドコントロールを心配するまえに、まず、日本国民自身がマインドコントロールにかかっていないか、点検したほうがいい。これは勿論自分自身に対する訓戒もこめての発言だが。頭の点検のためには、脳機能学者苫米地英人氏の「洗脳護身術」などは、非常に参考になりますねえ。(笑)

この前の朝まで生テレビでは日本の核武装について議論していたが、聞くに耐えたのは、最初に登場した伊藤貫氏だけであったなあ。(笑)

伊藤氏の考え方は、実に、理に適っている。

アメリカの核の傘は当てにならない。中国や北朝鮮が日本に対して核の恫喝を仕掛けたとき、果たして、アメリカは自国民の犠牲を覚悟してまでも、日本を守ろうとするであろうか?それはない、そして、日本は中国や北朝鮮に屈せざるを得ない、というのが伊藤氏の推理だ。そして、又、アメリカが日本に購入させようとしているミサイル防衛システムも実際の核攻撃に対して無力だ、というのだ。

それならば、日本はどうすればいいのか。
ここで、伊藤氏は、アメリカで学んだ「サフィシェンシー(十分性)理論」という核兵器理論を紹介する。この理論によれば、たとえ、日本の仮想敵国、中国、ロシア、北朝鮮が、数万発の核弾頭を持っていても、日本が数百発の核弾頭を持っているだけで、これらの仮想的国は日本を攻撃できない。なぜなら、日本を攻撃しても、すべての各施設を破壊することができず、日本からの報復攻撃によって甚大なる被害をこうむることが予想されるため、日本に対する核攻撃はワリニあわない、ということになるからだ。

それと、伊藤氏の理論で面白いのは、厳格に核兵器を管理できる能力を持った国が核兵器を持ったほうが、世界はより安定するというものだ。なるほどと、私も納得する。そのなかでも、日本は、最も核を持つ必要性が高い国だ、というのだ。確かに、中国、北朝鮮、ロシア、の仮想敵国が核を持っている現在、極東アジアの安定のためには、絶対に、日本の核兵器は求められているのだ。当たり前の話である。