日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 藤原清則 Kiyonori Tachi

2017-06-10 | 太刀
太刀 藤原清則


太刀 藤原清則享徳四年三月日

 これも室町中期の吉井派の作。永享の吉則より二十数年下がる。太刀銘ながら二尺一寸強の、鎬が高く仕立てられた片手打ちの造り込み。板目肌に流れるような肌が交じって良く詰み、総体は小板目風に感じられるほど。地沸が付き映りが立ち、細かな地景が網目のように現れている。刃文は見ての通り細直刃調の浅い湾れ刃だが、綺麗に揃った穏やかな互の目が交じっている。この点が吉井派の特質。浅く湾れ込んだ帽子は先小丸に返る。刃中には小足が入る程度だが、澄んで美しい。地鉄の良さがこの太刀の魅力だろう。