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日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀・脇差 二代助廣 Sukehiro Katana

2010-06-25 | 
刀 二代助廣


刀 銘 越前守助廣   脇差 銘 越前守助廣





 濤瀾乱乱刃の完成に至る以前の、越前守助廣(すけひろ)二代の特徴的な作。小板目鍛えの地鉄は良く詰むも、柾目状にゆったりと肌が流れているのがよく分かる。全面に地沸が付いて、さらに肌目に沿って沸が叢付いて太い地景状に肌を強く見せる。刃文は沸出来の互の目乱で、互の目が連れる部分と単独の部分があり、頭は丸く穏やかで、互の目の中に小さな互の目が複式に焼かれて互の目の形が変化している部分もあり、これが丸みを帯びて玉状になる。沸は深く、刃中の匂と混ざり合って明るく冴え、沸の凝りは刃中に島刃を構成、これに流れ掛かるように沸筋砂流しが働く。
 脇差も似た出来。流れ肌はあまり顕著でなく、総体に良く詰んでいる。互の目から離れた玉刃が顕著になっている。刃中の沸筋が一段と強く現われている。沸の深さ匂との複合、その冴え明るさは、後の濤瀾乱刃に劣ることはない。
 後の完成された濤瀾乱刃も美しいが、この時代の強みのある地鉄に美を感じとってほしい。刀らしい美しさが備わっているのである。

脇差

脇差