フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

風よけカバーの中の女の子

2020年04月03日 07時00分00秒 | 日々の出来事・雑記

最近、夏目漱石の話ばかりしていたので、久々に「吾輩は猫である」を読みたくなった。

明治に書かれた小説なのに、腹を抱えて笑ってしまうので、本当におすすめです。

Kindleで無料で読めます。もしよかったら、リンクからどうぞ。

吾輩は猫である Kindle版


でも、僕はKindleではなく、文庫で読みたかったので、夕方、駅前のブックオフに行った。

110円で売っていた。しめしめって感じ。

意気揚々とした気分で、自転車で信号待ちをしていた。

昨日の東京は風が強かった。風がビュービュー吹いていた。

隣の自転車を見ると、後部座席に仰々しいカバーが付いていた。風よけなのだろう。

カバーの中に、女の子が乗っていた。

おうおう、洒落たおさげ頭で、なかなか可愛い女の子だった。これは将来、美人になるなって感じの子。

別にジロジロ見ていたわけではない。だけど、一瞬、女の子と目があった。

女の子は、突然、僕にあっかんべーをした。

ハハハ、あっかんべーかい。なんじゃ、その仕打ちは。僕が何をしたっていうんだい。

僕も、そういうとこは負けず嫌いである。基本、大人の皮をかぶったガキである。

思いっきり、舌を出して、下まぶたを引き下げ、あっかんべーをやり返した。

その意表を付いた攻撃に、風よけカバーの中で、女の子は大爆笑した。

それで、バタバタ暴れたから、お母さんに静かにしなさいと怒られた。

ハハハ、僕は必死に笑いをこらえて、真面目な顔をした。

しばらく、自転車で行く方向が一緒だったので、その自転車の後ろについていた。

その間、女の子は僕の方を向いて、ずーっと笑顔で手を振ってくれていた。

僕もいろいろ笑わせるアクションをした。変顔したり、目をパチクリしたり。

お母さんにバレないように、こっそりと。

そして、女の子を乗せた自転車が、左に曲がろうとした。

ついに、別れの時がやってきた。

女の子は、すごく大きく手を振って、バイバイした。

僕も自分にできる最高の笑顔で、女の子にバイバイした。

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