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テレビの「構成作家」とは・・・

2006年04月02日 | テレビ番組
テレビ番組、特に「バラエティー番組」のエンドクレジットを見ると、最初に出てくるのが、「構成」、つまり、「構成作家」の事である。

今回はこの「構成作家」について、話そうと思う。「構成作家」の仕事は、まず毎週放送される番組の「ネタ」「新しいアイデア(新コーナーの企画なども含む)」を番組の企画会議で、プロデューサー・ディレクターと「キャッチボール」をしながら、構築していく作業がある。

僕がディレクターをやっていた番組では、一週間に一度、3~4人の構成作家とディレクター・プロデューサーが集まり、「うだうだ話」を2時間位やる。その中で、「番組として成立しそうなテーマ」を選び、後は担当の「構成作家」と話し合いながら、中身を詰めていく。そして、最終的には、台本を書いて貰う。「構成作家」が書き上げた台本を、「映像」「美術(セット)」・・・いろんな観点から、ディレクターが検討し、手直しをして、台本印刷屋に出して、決定稿とする。

基本的には、本番も「構成作家」は立ち会う。出演者との打ち合わせに参加する場合もあるし・・・もっと言えば、出演者サイドから、この「構成作家」を入れておいて欲しいという話が事前に来る場合もある。つまり、他局も含め、その出演者と「ツーカーの仲」になっており、企画内容・ロケVTRの作り・スタジオ進行など、その「構成作家」が出演者の好みを知っている場合である。ディレクターにとっては情けない話であるが、単発の「バラエティー番組」で、初めての「大物タレント」と仕事をする時には、「構成作家」が両者の「潤滑油」になってくれる事が多い。

本番中、ディレクターは副調整室(サブ)にいて指示を出すので、フロアー・ディレクターはいるが、新しいコーナー等の説明・進行を「構成作家」に委ねる事もある。本番収録が終わって、「ナレーション原稿」を書くのも、基本的には「構成作家」の仕事である。

東京・大阪の番組10本以上を持っている「構成作家」もおり、凄い年収だと思うが、逆に「いろんなネタ」を探してくる「構成作家」もいる。番組のテーマが決まったら、メインの構成をする「構成作家」と、そのテーマに必要な情報・ロケ地等を探す「構成作家」もいる。ちょっと、「リサーチャー」と仕事がかぶっているが、ゴールデンタイムの番組とは違い、「リサーチャー(番組に必要な情報を集めてくるスタッフ)」のいない番組では「構成作家」がこうした仕事を兼ねる事もある。
また、放送時間が長い「クイズ番組」等の、「出題VTRのロケ台本」を書いて貰った経験もあった。大阪では、芸人さんの特質をよく分かった人にこうしたロケ台本をお願いする事も多々ある。僕が頼んだのも、自分で考えに考えた末、明日ロケだというのに、ロケの面白い展開がどうしても思いつかなかった時、「構成作家」に相談したら、「ロケに行くリポーターの面白さ」を最大限に出したロケ台本がロケ当日朝あがってきて、面白いVTRを作れた経験がある。

余程、天才ディレクターで無い限り、毎週放送される番組のテーマ・構成をプロデューサー・ディレクターだけで考えるのは、無理がある。昨夜のTBS「春の大感謝祭」・・・5時間以上の生放送だったら、クレジットされている「構成作家」以外にも、いろんな「新企画」を考えたり、「情報」を集めたり、「素材(写真・VTRなど)」を借りる段取りをしてその著作権のクリアをするスタッフが何十人といるだろう。

少ないけれど、構成作家のいない番組もあるにはある。すべてディレクターが「テーマ決め」「ロケハン」「ロケ」「ナレーション書き」までやる。一度は、こういう番組をやっておいた方がディレクターとしての「力」は付く。

番組が「巨大化」し、いろんな情報がちまたに溢れかえっている世の中で、「番組作り」は年々大変になってきている様な気がする。視聴者がパソコン等で、いろんな情報を簡単に手に入れる事が出来、テレビ以外でもいろんな出版物、携帯電話から得られる情報など・・・番組の作り手以上に情報の量だけは持っているからだ。

「構成作家」はプロデューサー・ディレクターと共に、「情報の斬新な切り口」を模索してくれる良き相談相手と言えよう。


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