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南米ボリビア・首都ラパス

2022年12月31日 | 旅・外国
南米ボリビア、首都・ラパス。富士山の頂上くらいの標高に位置する街。僕は「遊園地」でジェットコースターに乗っていた。海外旅行に行って必ず行くのは「文房具屋」「本屋」「百貨店」「動物園」「駅」「遊園地」など。その国の人々の暮らしが知りたいからだ。観光地にはそれ程興味は無い。ラパスを歩いていると、五分くらいで息が切れる。空気が薄いからだ。そんな時は「コカ茶」を飲む。コカの葉は「覚醒剤」の原料だ。この街はすり鉢状になっていて、そのすり鉢の底に「金持ち」が住んでいる。理由は「標高が少しでも低いと、空気が濃いから」だ。この日、僕は日本食を食べたくて、ガイドブックを見ながら歩いていた。そこに「富士鮨」の看板。思い切って入る。カウンターの奥から板前さんが銃で僕を狙っている。ヒヤッとしたが、よくよく話を訊くと「ボリビアには最近中国からの不法労働者の入国が多く、治安が悪化している為、カウンターの下に銃を置いている」との事。板前さんはラパスに来る前、大阪・江坂の鮨屋で働いていたと聞いて、大阪出身の僕と話が盛り上がった。ガラガラっと音がして、カップルが入って来た。日本人の男性とボリビア人の女性。男性は土木の技術者として、指導の為にボリビアに長期滞在していると言う。女性は彼の愛人。二人と親しくなり、よる10時半から行われるフォルクローレ(「コンドルは飛んでいく」を歌ったり、タンゴのダンスを観たりするショー)を観に行かないかと誘われた。もちろん、ガイドブックに載っている店では無く、地元ラパスの人に人気の店。南米ではよる10時半と深夜1時半の二回公演でショーが行われる国が多い。好奇心いっぱいの僕はOK。カップルと別れて、夜、指定された店の前で落ち合う。ショーには様々な出し物がある。歌・踊り・人種差別を題材にした際どいスタンドアップコミック(日本でいう「毒舌漫談」の様な出し物)などなど、様々な芸を観る事が出来る。至福の二時間。最後にバンドが出て来て、観客席の僕らに呼びかけた。「今夜は二人のハポーネ(スペイン語で日本人のこと)が客席にいらっしゃいます。その二人の為にこの曲を捧げます。お聴き下さい」。そう言って、演奏し始めたのが坂本九の「SUKIYAKI」。ボリビア・ラパスという異国の地で、深夜この歌を聴いた時、僕の心は打ち震えた。おじさんの連れの女性がこのバンドの知り合いで、僕たちに内緒でリクエストしてくれたのだ。劇場を出て、僕は空を見上げた。標高が高くて空気が薄いせいか、僕には満天の星が今にも降って来そうに思えた。ワインで程よく酔った身体に外の寒さが心地良かった。僕は坂本九の「見上げてごらん、夜の星を」を口ずさみながら、ホテルへ向かった。

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