育てて見なければ分からないとは正にこの事であり、話には聞いていた「ブランデーワイントマト」のポテトリーフ、その葉のあまりの大きさには驚いていますと前に申しあげましたが、これだけ葉が大きいと、「これ!本当にトマトなのだろうか?」と思われた方も多くおいでしょうし、果実が、一般の大玉トマトの倍以上の500g位になるのも当然と思ってしまいます。
―これがブランデーワイントマトの大きさ!-WebPhotoes より
日本に野菜品種としてのトマトが入って来たのは、明治32年生まれの亡父が子供の頃には有ったと言いますから、明治時代も末のようですが、それでも有に100年以上は経って居ります。
―第一花房開花中のブランデーワインレッドー
一方、アメリカでポテトリーフのトマト品種が初めて、「ミカド」の名でピーターアンダーソンによって発表されたのは1860年代と言いますから、150年以上前の事になります。それが日本では今日まで、こんな葉のトマトはまるで見掛けなかったは何故だろうと一寸不思議に思ってしまいます。
―ポテトリーフと普通葉の違いーWebphotoesより
トマト好きの多いアメリカ人のエアルームトマトの人気が高い事もあって、アメリカでは多くの品種が発掘されて出まわっている事からでしょうが、ポテトリーフのトマト品種がアメリカで多くの有る事とは、まるで対称的です。しかし、ポテトリーフ、遺伝的には劣性とされ、エアルームトマト故に、それが多いのかもしれません。
―旺盛な成長を見せるブランデーワイントマトー
尤も、日本のトマト品種の作出の歴史は浅く、最初のF1種が登場したのは、1938年に大阪府立農業試験場で育成された「福寿」と言うトマト品種であったと言います。
しかし、その前年には日華事変が始まり、間もなく大東亜戦争に突入して種苗統制令が出たりして、種子価額が規制され、F1トマト種子どころでは無かったらしく、殆ど普及するには至らなかったようです。
戦後、その「福寿」が復活して出て来たそうですが、小さかった果実を大きくしたのが、今日でも見掛ける「大型福寿」であり、タキイから発表されたのが1952年と言います。
―タキイ交配のトマト・大型福寿―種子カタロクより
その後、日本のトマト品種はF1時代に入り、育成品種数で見ると全体で269品種もあるといいますが、そのうち、「桃色・大玉」トマトが103種であり、圧倒的にその数が多く、この中には現在栽培されなくなった品種や種子販売されて居ないものも含まれて居ますが、日本のトマトは「桃色・大玉」が主体になっていると言います。
しかし、今では一般市場に出回るトマト品種数はそれ程多くは無く、大玉トマトでは10指にも及ばない程であり、一般に店頭に並ぶトマトの品種の寡占化が進んでいます。特に1985年に桃太郎」が登場して以来、高い評価を得て、今尚この「桃太郎シリーズトマト」が全体の生産量の半分以上を占めるに至って居ると言います。
―ホーム桃太郎―WebPhotoesより
そんな中で、家庭園芸向きにもなると売り出されたのが「ホーム桃太郎」ですが、作って見ると多肥にも、雨にも弱く、トマト作りは難しいとの一言に尽きるのですが、何分望まれるのは、収量が多少は落ちても日本の高温多湿の入梅時にも耐えられる露地栽培できるタフなトマトです。其処で期待されるのが、ブームもあって今盛んに日本にも入って来ているエアルームトマトでありますが、何分少ないのが日本での栽培情報です。
―大きな葉は入梅には気掛かりです!-
今般は、冒頭で触れた「ブランデーワイン トマト」のポテトリーフですが、あの大きくて肉の薄い葉が日本の梅雨の高温多湿に何処まで耐えられるか見物ですが、今年は一昨年に続いて、関東地方の梅雨入りが早くも発表されました。土を離れた新プランター栽培ですが、どんな影響が出るか見守るしかありません。
そう言えば、一寸多肥の為の芯止まりかと思われた一本に、はっきりトマトモザイク病の症状が出て来ました。早速、根ごと掘り取って除去したのですが、今までに無い事です。伝染源は不明ですが、一般には種子からの持ち込みが多いと言います。残念ですが仕方が有りません。
―ToMVの発生したブランデーワイントマトー
日本では聞き慣れませんが、トマトは開花から収穫までの日数で早生、中生、晩生と分けています。果実の大きさも成熟までの日数で違い、晩成種ほど果実は大きくなると言います。「ブランデーワイン トマト」の1個500gを越えるビーフステーキトマトの収穫が本当に出来るか楽しみです。
―レリーフプランターに本植したニュービッグドワーフトマトー
それに今年は、遅れて5月連休明けに種が到着したので、播種も遅れたドワーフトマト、「NewBigDwarf」を、昨日プランターに移植しました。これも亦、どんなトマトが収穫できるか、百聞は一見に如かずで、毎日の新しい発見が楽しみであります。
ご覧になられましたか!
大変気恥ずかしいのですが、プランター野菜栽培に興味を持ち始めた孫末子とともに、NHKの野菜の時間でちらっと紹介して頂きました。