白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―ブランデーワイントマトの真実―

2013年05月23日 | トマト

先日、2009年にアメリカ園芸学会賞を受賞した、「エアールームトマト、菜園から食卓まで」の表題に、世界で最も美しい果実のレシピー、ポートレイト及び ヒストリーと言う副題の付いた、豊富なグラビア写真満載の見るだけでも楽しいハードカバー本を入手致しました。

 

ーエアールームトマト、菜園から食卓までー

著者は、種子保存交換会、「SSE」の役員を10年以上に亘って勤められた全米の熱心な固定種子の保存提唱者であって自らも熱烈な園芸愛好家であり、又作家でもある、アミ―P、ゴールドマンと言う女性の方です。

実はその本の中に、「ブランデーワイントマト」の詳しい解説が載って居り、特に先のブログで取り上げた「ブランデーワイン レッド」と「ブランデーワイン スダッツ系統」との違いが、2ページ亘って記載されて居ます。

 

―美しいグラビア写真の1ページー

前回のブログに続いて、その内容を一寸紹介させて頂くと共に、昨年来のブログで申し上げて来た「ブランデーワイントマト」の紹介内容の不正確な点を合わせて訂正させて頂きたいと思います。

 

―著者のアミ―ゴールドマン女史―Wikipediaより

日本でも既に、「ブランデーワイントマト」を育てた経験のある方も多いと申し上げましたが、園芸栽培での大切な基本は、先ずは育てる植物の品種名を正確に知る事であり、次に他品種との違いとなる特色を、しっかり捉えて栽培結果にはっきりそれが出せるよう栽培技量をあげて精進することです。

 

―日本では珍しいホワイトトマトー

園芸での品種選択は、何方も最初は其の名に惹かれたり、ブームに乗って飛付たりするのですが、日本の伝統的な花卉園芸で競われる「菊花展」や「皐月盆栽展」等でもお分りのように、品種とその品種通り花芸がはっきり出ているかどうかが評価のポイントであり、野菜園芸の「トマト栽培」にあってもそれは同じであり、とりわけ、「エアールームトマト」を育てるなら、品種名は固より、其の果実の信の特色を知らないのでは、野菜栽培のベテランの方と言えども、持てる技量を駆使して育てた結果の評価がはっきり出来ず、園芸価値は大きく損なわれて仕舞います。

 

―これがブランデーワインレッドー

その「ブランデーワイントマト」、全米で話題をさらい、スーパーマーケットでもその種子が売られる程、知れ渡った家庭園芸用のトマト品種となったのですが、「猫も杓子もブランデーワイントマト…」の一種の流行現象でもあったことも確かでありましょうが、広く全米に、「エアールームトマト」の園芸栽培の文化を定着させる契機になった事も確かと申せます。

 そして、何と言ってもその価値は、食べて美味しいその味覚の良さにあり、其のその真価を発揮できる栽培技量にあるのですが、それには先ず正しい品種とそれがどう違うのかその特色を知る事です。

 

ーブランデーワインのピンクレッド果実ーWebphotoesより

さて、先のブログの「ブランデーワイントマトはポテトリーフ」で申し上げたように、「ブランデーワイン」の名に因むトマトは、実はポテトリーフトマトでは無いのは確かと言う事になりました。

正確に言うと、ポテトリーフトマトの突然変異の枝替わり種である普通葉のトマトを発見した方が、或る種子会社に其の種子を持ち込んで、その評価を依頼した結果、試験栽培した鑑定先から予想外の高い評価で絶賛され、敢えて其の試験圃場の近くを流れる川の名に因んで「ブランデーワイン」と命名されたトマトと言う事であり、それは前に紹介した通りです。

 

ーこれがレッドブランデーワインの農赤色ーWebphotoesより

更にはっきりした事は、その突然変異の枝替わり種のトマトの親は、全米で初めてトマト種子のカタログに登場したポテトリーフトマトとされている「ミカド」と言うトマト品種であり、それを発表したのは日本でも同じみの、「ピンク ポンデローサ」の生みの親でもある「ピーターヘンダーソン」であると言う事です。

 冒頭で紹介した「エアールームトマト、菜園から食卓まで」の本の中で、「ブランデーワインレッド」こそ、本当の「ブランデーワイントマト」であり、ポテトリーフの、「ブランデーワイン スダッツ系統」とは異なると、其の特色をはっきり解説して居ます。

 

―レッドブランデーワインをもっと知ろうーWebphotoesより

先ず、その「ブランデーワイン レッド」の果実の特色は、1ポンド2オンス、約500gの濃赤色ビーフステーキトマトであり、其の糖度がBrixで7.5、高いものでは9.5にもなる、甘味と酸味に優れ、適度の堅さとしっかりした果肉の多目的向きトマト品種と書いています。

余談になりますが、大玉トマトでBrix7.5以上にもなるトマトと聞けば、生食が主であり、特にトマトの甘味趣向が強い日本では、誰もが飛付いて作りたくなるトマト品種となる事は必定であり、もし、そんなトマトれが作れるなら、「ブランデーワイン レッド」の大ブームになるかも知れません。

 

―こんなトマトをつくりませんか!-Webphotoesより

その一方で、「ブランデーワイン スダッツ系統」の果実の特色は、およそ470gの外側も内部もトマトピンク色のビーフステーキトマトであり、糖度はBrix6の香りの素晴らしい、何か上等なワインのようであり、柔らかい果肉は果汁に富む生食向きのトマトと表現しています。

 尚、このトマト、余り実成りの良くないと言い、葉ははっきりポテトリーフタイプと書いていますが、興味を引くのは、このトマトの話題の主人公の女性、「ドリス スダッツ ヒル」さんが、93歳で生存中との情報を得て、本書の著者がわざわざ訪ねて行って、その親族の方から当時の状況を伺った話がエピソードとして記載せれている事です。

 

―第一花房の開花中のレッドブランデーワインー

このトマト、既に紹介したように1980年代に彼女からトマト愛好家の手に渡ってSEEに登場して以来、高い評価を得て全米に広がり、エアルームトマトの家庭園芸界に一大旋風を巻起こしました。

 その結果、「ブランデーワイン」と名の付く多くの品種が市場に出て来る事となり、今尚、トマトのネットフォーラムサイト等では、正統種とされる「ブランデーワイン」と「ブランデーワイン スダッツ系統」との違いや評価に就いて、話題が尽きない状況にあり、トマトリーフで無い筈の「ブランデーワイン レッド」に、何故に、ポテトリーフ種があるのかと、様々な憶測話が飛びかって居ます。

 

―生育中のブランデーワイン レッドー

それにしても、今育てて居る「ブランデーワイン レッド」はポテトリーフですが、濃赤色のレッドトマトが成るのか、それともピンクレッドのトマトが成るのか、どんな品種特性が現れるかが楽しみですし、何と言っても、その香りと甘味、酸味のバランスが如何でるのか、思うと興味が尽きません。因みに、今年は自家採取した種子からの「ポンデローサ」も比べる為に並べて育てて居ます。

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