白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

気象変動を土壌から予測する

2012年06月25日 | 土壌

6月15日付けのScienceDailyに、「気象変動を土壌から予測する」と言う表題の記事が掲載されていました。将来の地球の気候変動を理解するには、土壌が全てあると言う研究が“NatureClimateChange”誌に発表された話です。

アメリカのBrigham Young大学の研究者とアメリカ農務省による新しい研究で、土壌が地球の将来の大気をコントロールする重要な役割を果たして居る事が分かったというのです。

 研究者達は、増加している大気の二酸化炭素レベルに生態系全体が如何に応答しているか詳しく調べたのです。地球の大気の二酸化炭素量は、産業革命の開始時の260ppmから、現在は390ppm迄に上昇していますが、10年後の将来には、500ppm以上になるのでは無いかと予測されています。

 

―サイエンスデイリーのサイトロゴー

そして、上昇する二酸化炭素量に生態系がどの様に応答していて、植物と土壌.の相互活動が如何に大気をコントロールしているか研究で明らかにした話です。

 人類は、地球の大気を変化させて来たのですが、それが将来はどうなるか予測する時、見落とされ勝ちなのが土壌の持つ大気への影響力であり、土壌は膨大であって、その土壌からの応答作用が大気を全体的にコンロールしていると言います。

  

―土壌水の動態イラストーWebPhotoesより

喩え気象変化が無くても、人間は大気の変動の要因物質を以って環境に致命的な衝撃を与えて居ます。研究者は、大気のCO2量の変化によって起る植物種の構成と水と窒素の有用性について調査分析して来ました。

 そこで懸念されているのは、植物とその土壌の持つ炭素の吸収力が飽和状態となり、大気の二酸化炭素量が今までの増加率を越えて急激に上昇する事です。

 

窒素循環イラスト図ーWeb Photoesより

我々は、単なる気象変化に関心を持つだけでは無く、その他の大気の化学的な変化にも、もっと関心を持つべきと言い、地球の大気に変化をもたらすと言う事は、我々が依存している地球全体の系に影響を与えている事を知るべきだと言うのです。

そして、其の変化を予測する為には、土壌に何が起こっているか、その奥深くまで理解しなくてはならないのです。

Brigham Young大学の研究チームは、過去12年に亘って、増え続ける二酸化炭素の影響を土壌から調査して来ました。

進行中の研究活動の特に大切な役割は、大気のCO2による窒素循環と炭素動学における変化を測定して監視する事です。そうする為に、テキサス州の研究サイトの土壌サンプルを大学の実験室に持ち帰り、土壌の化学分析を行って来ました。

 

―土壌試料を採取する学部生Brigham Young University提供

当然、植物は枯死すれば、含まれていた窒素は再吸収されて土壌に戻ります。増加する二酸化炭素は、先ずは植物の成長を促進させるのですが、窒素は植物遺体に閉じ込められる結果となり、普通は微生物がそれを摂取して土壌に解放する生態系の中での競争となる作業を担っています。

元は人間が大量の炭素を持ち出して、地球大気を変化させているのであり、産業革命以来、既に二酸化炭素を殆ど50%増加させて居り、これらの変化によって自然の系、管理された系の両方で、カスケート的な影響が起こっていると言います。

 このような変化は、植物が土壌中の水を如何に利用しようと、或いはその肥沃性を如何に変化させようと、所詮は、我々人間の活動が齎した副産物による結果である事には変わりないと言います。

今日、CO2 等よる増え続ける温室効果ガスがもたらす地球の温暖化、異常気象が問題にされていますが、やがては土壌の中で起っている変化の影響が顕在化し、如何に対応すべきか問われる時代が来る事を示唆している話です。

―緑化が進む極地風景―

そして、2日後のScienceDailyには、北極圏に近い、ツンドラ地帯の温暖化に依る緑化の進行の記事がのっていましたが、皮肉にも、永年に亘って安定化していたツンドラ地帯の土壌腐植の分解が促進され、CO2発生量の増加が起こっている話が伝えられていました。

 ブログランキング ブログコミュニティ にほんブログ村

家庭菜園(プランター菜園) - 花ブログ村


最新の画像もっと見る

コメントを投稿