白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―菌根菌のセシュウム汚染に思う―

2011年09月05日 | 土壌

9月4日付けの朝日新聞に、福島県棚倉町で採取したキノコ、チチタケから国の基準値の56倍の28,000ベクレルの放射性セシュウムが検出されたとありました。つい先日も、抜き打ち検査した千葉県産と埼玉県産とされる製茶から、国の基準値を大きく越える放射性セシュウムが検出されたとの報道があったばかりで、放射能汚染の牛肉騒動は収まりを見せたかのようですが、原発事故によって広がった放射能汚染、簡単に解消出来るような生易しい事態ではないと言う事です。 

 

―チチタケーWikipediaより

キノコでは、「原木しいたけ」の放射能汚染が問題となり、出荷停止と言う事態が発生し、今尚一部で続いていたのですが、今般の「野生キノコ」のセシュウム汚染は、地上降下物による樹木から土壌に至る迄の自然環境すべての広範囲な放射能汚染を改めて明らかにするものであり、原発事故による深刻な放射能汚染の重大さが強く認識させられます。

 

―美味しい原木しいたけーWikipediaより

チェルノブイリ原発事故から25年を経過するヨーロッパでは今尚、年間で捕獲される「野生イノシシ」の多くが、その肉に高い放射能汚染が検出され、ドイツでは食用が禁止されていると伝えられています。日本も今、農作物への被害に手を焼いている「野生イノシシ」ですが、本年の猟期中に捕獲される福島県から北関東一帯の「野生イノシシ」にも多分、同様に肉の高い放射能汚染が検出される事が充分予想されます。

 

―チェルノブイリ原発9マイル地点の放棄で再会に泣く老婆-Boston com,The big picturesより

福島第一原発から50km以上離れた棚倉町の野生キノコの放射性セシュウム汚染は、棚倉町に限った事ではなく、降り注いだ放射性降下物による放射能汚染が如何に広範囲に及んでいるかを示す証であり、目先のホットスポット等の部分洗浄や周囲の表面土壌の剥ぎ取り等、一部地域の「除染」作業で線量数字の改善を図れば、事が収拾すると思わせるような単純な方法では、事態は治まりませんと警鐘を鳴らしているのです。

 

―チェルノブイリ原発19マイル地点の狐猟ハンター、増えた野生動物に周年狩猟が許可されている―Boston com,The big picturesより

「マツタケ」や「シメジ」等の菌根菌である野生キノコ類を含む菌類は、健全な土壌環境を司る自然の生態系の分解者であり、先に伝えられた市販堆肥や腐葉土の放射能汚染の原点が、森林堆積物にあったと言う事です。

 

―原発事故後の放棄農地を耕す老女、食用は高線量の為に今も禁止されている―Boston com,The big picturesより

農水省は、早速、原子力災害対策特別措置法により入山を停め、まつたけ等の野生キノコの出荷停止処置をも取ると翌日の新聞には伝えられていましたが、福島県地方だけでは無く、毎年多くの方が、楽しみにしていた天然の「キノコ狩り」も、今年から何時解禁になるかも分からず、毎年見送りになるかと思うと何とも淋しい限りです。毎年、福島から送って頂いていた「ししたけ」や「ホンシメジ」などの「野生キノコ」は自然からの贈り物、天恵物の貴重さを今更のように思い知らされます。

 

―原子炉が吹き飛んだ事故2,3日後のチェルノブイリ原発―Boston com,The big picturesより

新聞は毎日、文科省が出す定点観測地の空間線量数字を発表していますが、最早、平常値を上回って高停まりした地点は決まって居り、後は、唯、線量数値の低下待ちとでも言う事なのでしょうか、各地に撒き散らされた地上の放射性降下物の量もその影響力も、自然任せの成り行き次第で、預かり知らぬ事とばかりに一切のコメントがありません。

―今尚、チェルノブイリ原発19マイル地点の子豚の線量測定するウクライナ政府係員―Boston com,The big picturesより

今や、立ち入り禁止の警戒区域や計画的避難区域等の高線量地域は言うに及ばず、全国的にも広がり兼ねない食を通じての内部被爆の潜在危険、長期に亘る低線量被爆が齎す後発障害に対する健康不安、如何にして払拭するかですが、其の難しさと今後、何十年にも亘って放射能汚染環境下で暮らす事を余儀なくされた事態を肝に銘じて、原発は一度事故が起ればこうなると、国民の総意を以ってエネルギー政策の転換を提唱することが先決と申せます。

 

―ガスマスクを付け原発事故訓練の学童、ウクライナチェルノブイリ原発地区―Boston com,The big picturesより

それが今尚、今般の原発事故の検証も明らかにされない中で、大儀名文を謳っては当事者利益を先行させる原発の存続派の存在には、多くの方が辟易しているのでは無いでしょうか。

 

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