トマトの美味しい季節は太陽がいっぱいの夏ですが、それには、今から種子を蒔きます。露地栽培の大玉トマトでは、特に日本の夏は高温多湿で病害虫も多く、栽培管理が面倒であり、地域にも依りますが、梅雨明けの7月中旬頃までに、4-5段花房まで開花結実させて置かないと所定の収穫は覚束なくなります。其の為には5月中旬には第一花房の開花が始まるように苗を育てなくては成りません。
―7月15日で5段花房まで実の付いたトマト「おどりこ」―
其の為か、一般の露地栽培品で市場に出回る夏トマトは産地が限定され、今やトマトは多くが季節をずらした抑制栽培や促成栽培等の施設栽培品が主流であり、その味も個性が無く、何か一つもの足りません。
その上、トマトは収穫後の流通過程で程よく色付くようにした追熟トマトから、消費者の完熟トマト志向もあって、樹上で充分色付いても肉質が硬くて荷傷みしない棚持ちの良いトマトが主体となり、風味の乏しいトマトらしく無い味と成っています。
ー新プランタ―栽培のトマトの収穫―
太陽をタップリ浴びて真っ赤に熟れた旬のトマトの取立ての味は格別ですが、露地ものトマトの果汁の流れ出るような多汁質で酸味も強い昔のトマトらしい風味や味はすっかり姿を消し、殆ど味わえなくなったと良く言われます。
―珍しい筋入りエアルームトマトー
今や、品種を探して自ら作らないと中々手に入らず、希少な存在の昔風トマトはお目に掛かれないようですが、そんな事からでしょうか、数少ない日本のトマト品種の中で、最近ネットブームからか、海外から持ち込まれた古典的在来種の「エアルームトマト」の種子がやたらと目に付くようになり、一寸した流行のようです。
―エアルームトマトの紹介ポスター
尤も多くの方が、トマト栽培に通じている訳では無く、多彩な形や色の「エアルームトマト」の姿写真等に魅せられての現象かもしれませんが、栽培法についての情報が殆ど無いそんな種子にだけに、飛付く方が居るかと思うと何か気の毒な思いが致します。
しかし、トマトは欧米の食文化の中で培われた最も栽培品種の多い果菜であり、家庭菜園の花形野菜でもあって日本でも食の洋風化の中で、そんなトマトを自分で作って食卓に載せたいと思われる方が増えるのは当然かも知れません。
ー人気の高い“BlackPlum”-
ハイドロポニックス発祥の地のアメリカは、トマト栽培がその原点であった歴史があり、アメリカでは園芸愛好家の95%はトマトを育てて居ると言われ、手間暇の掛かる「エアルームトマト」の栽培が盛んであり、異なる地域や気候条件を考慮した多彩な品種セットが売り出されています。
その中でも注目すべきは、「エアルームトマト」の全てを語るWebサイトと言っても良い“TomatoFest”で紹介されている、2012年のTop10の「エアルームトマト」種子と新しいプランタートマト栽培法です。
その内容の一部を転載させて頂きます。
"Top 10" Heirloom Tomatoes for 2012
―エアルームトマトを抱くMissホットトマトーTomatoFestより
そして、菜園が無くても立派な「エアルームトマト」がコンテナー栽培できる装置が紹介されています。その構造原理は本ブログで紹介してきた「新プランター野菜栽培法」と全く同じです。その違いは、利用している媒体にあり、其の為に栽培容器は2倍以上の容積が必要です。
―栽培容器の構成断面図―
今年も新プランター栽培用トマトの種子を蒔きましたが、又、サカタ種苗の「おどりこ」と人気の高い「アイコ」のピンクとイエローのミニとまとに「レッドオーレ」を配布用に作る事にしました。
西の方さん
この培地に ドリップ灌水が不向きなのはおっしゃるとおりです。
それに、いろいろお試しになり、研究されているようですけど、養水分と培地の関係をまだ良くはお分かりでないようですね。
養液栽培は、植物の栄養摂取効果の良さや高さにあるのですが、早く言えば、メタボ野菜作りになり易く、和牛の霜降り肉作りの様に、決して健康体の牛ではないのと同じです。
この栽培法の特徴は、均衡培養液という植物の栄養摂取に適した組成と濃度の養水分を過剰に摂取できないようにする培地の物理性にあるのです。
AutoPotバルブでの底面給水は、確かに省力化でき、よいのですが、利用する媒体の持つ物理性、化学性、生物性が問題なのです。
「土は生きている」と言うのは、植物からの老廃物を浄化する等、その恒常性維持作用があるという事です。
その為に、この栽培法は、用土容器栽培と同様に、雨水も流入して、時には逸水させる解放露地栽培が好ましいのです。(リフレッシュ作用)
単なる給液栽培では、土壌機能を無視しては
栽培効果は限定的となり、健康な植物とはならないのです。
家庭園芸は、省力化や手抜き栽培にはなじまないようですね。
頑張ってください。
ドリップ潅水が向いていない、培地の機能上の理由というと、水はけが良すぎて、水分が鉢内に満遍なく拡散しにくい、というあたりでしょうか。私は、そうなったら、鉢表面にフェルトか何かでマルチしたようにしようかと思っています。
あと、ドリップ潅水なら使える、根部容積の小さい培地とは、ロックウールでしょうか。これは専用プランターとか無いので、支柱やネットの細工、美観とか面倒そうで使ったことはないのですが、興味はあります。ただ、イソライト培地の方が美味しいかもしれないですね。そもそも、ピートモス系培地+水耕用肥料でナスも育てたのですが、収量は素晴らしいがアクは多いかも(品種か培地か良く判っていない)という結果でした。サッパリしたイソライトは永田農法に近い性質があると思います。
底面吸水式で、AutoPotシステムという良く出来た物がありますね。今年、マンション住まいの母に一つプレゼントして、使ってみるつもりです。
書きませんでしたが、ミニ温室とUSB温度データロガーを使って、簡単な温度管理はしています。加温はしないしミニなので限度は低いですが、晴天日中の温度が35℃を超えたらビニールの通気穴を段々大きくしていきます。ご当地、相馬は風が強いので、風避けとしても不可欠で、あるのと無いので結果は大違いです。
返事が遅れました。新プランター栽培方式で給液作業が大変な事は良く分かります。自動灌水方法なら、おしゃる通りいろいろな方法があります。
唯、ドリップ潅水は培地の機能上からお勧めできません。それなら、別な媒体を利用しての根部容積を小さくした栽培法ができるからです。
一番のベストな方法は、サイフォーン式の底面水補給方式です。4Lペットボトルで作れば、給水間隔も伸ばせます。又、夏場は、市販の自動給水装置のチューブ配管でのタイマー灌水で充分間に合います。
しかし、植物の温度管理は大切であり、それを水だけの管理できると思うのは問題です。早く言えばペットのえさやりが大変だから、自動給餌にしたい考えるのと同じで、それではすべてが解決しないからです。
いろいろ試して見てください。
管理人
最初に緑のカーテンで、カボチャ、スイカを育てましたが良く育ちました。その後、大根、白菜など。総じて多収で、甘みがある、おいしいと評判は良かったです。鉢底穴無し小鉢でキッチン菜園に使っても好結果でした。こちらは、イチゴ、サンチェ、バジルなど。
ただ、夏の季節の緑のカーテンは、最盛期には朝晩6Lの水を吸い上げ、水やりは大変でした。私が使ったのは楽々菜園600型と言うタイプで、貯水機能があり水を殆ど流出させていないので、本当にこの位吸っていたはずです。
新プランターでも、盛夏の水やりは 毎日 必要で大変ではないでしょうか?
私は今年は、緑のカーテンの季節に限り、ロータンク+タカギの点滴ノズルにして、簡易ドリップ潅水しようかと思っています。これだと、タンクに液肥を入れることができ、タンクにタイマー給水すると2-3日位なら旅行も出来ます。
他に何か良い考えがありましたら、ご教示ください。