白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

「野菜の品種選択に迷ったら‥‥」

2012年03月19日 | 野菜栽培

野菜園芸を趣味にされている方にとって春は何かと忙しい時期ですが、その中で思い悩むのが栽培品種の選択です。毎年作って来た野菜に何か新しい品種を導入したいと思うのは一種の好奇心ですが、自分なりの更なる発見で事を極めようとする意欲の表れでもあり、残念なは種子の選択に当たっての情報が一般に少ない事です。

 

―自家採取された様々な種子―

当然、F1と呼ばれるハイブリット種にするか、固定種と呼ばれる従来から作られている品種にするかですが、一般に品種情報は知る人ぞ知るで、それぞれの違いを簡単に探すのは容易では有りません。

 種子カタロクや種袋の記述だけでは、良いこと尽くめで、どうも決め手にはならないと思われている方も多い筈です。それで海外ではどうかと、一寸そうした情報やアドバイスに付いてWeb上から探して見ました。

 

―季節の野菜1式のイメージ写真ー

種子カタロクで最も一般に目にするのが、「ハイブリット種」であり、その反対が固定種であり、普通は表示されていませんが、「オープン授粉種」です。ここ数年来、園芸愛好家の間では、「ハイブリット種」と「オープン授粉種」とのいろいろな情報が溢れていて、中には誤りもあり、それぞれ、メリット、デメリットがあって論争になればキリがありません。多くの議論の行き着く先は、「ハイブリット種」と「オープン授粉種」では、どちらが今日の家庭菜園向きかと言う事になると言います。

 

ー自家採取した野菜種子ー

一見、理にかなった質問ですが、実は、それぞれに利点、欠点がり、どちらも菜園の一画を占めるに相応しい価値があり、それでは事の優劣を、前以って勝手に決めて判断する事にもなり兼ねません。育種家は目的や意図を以って「新品種」の育成に臨んで居り、その専門的な立場から、「ハイブリット種」と「オープン授粉種」の違いを判断する必要があると云い、その点に触れたWebページがありました。

 

-長期保存用の缶入りの種子ー

野菜の「オープン授粉種」とは、同一種との異花授粉、或いは自家授粉で種子を再生産する品種であり、従って、その品種を守るには、同一種との異花授粉種であるビート、人参、トウモロコシ、カボチャ等では、他品種からの隔離が栽培圃場では必要になります。一方、豆類、レタス、トマト等は自家授粉種ですから、他の品種との隔離の必要は無く、その儘で自家種子の採取が出来ます。

 「オープン授粉種」である限り、他品種からの隔離さえすれば、採取した種子で次世代も親品種と同一の形質の作物を育てる事が出来るのです。

 

―エアルームトマト種子パックー

先の「エアルームトマト」のブログで紹介した、「エアルーム種」と良く呼ばれる在来の「オープン授粉種」の系統は、種類は多くはありませんが、言い換えれば、各系統毎に沢山の遺伝子の多様性を有して居り、それだけ形状や寸法が異なると言う事です。

 1900年代の始め頃迄は殆どすべての自家授粉する「オープン授粉種」が、その幅広い種の「遺伝子プール」の集団を代表していました。しかし、育種家が新しい「オープン授粉種」の開発を始めてから植物の品種をより均一化する様々な新技法を獲得し始めました。

 

―収穫物の不揃いはエアルーム種の象徴ー

そこで生まれたのが、異花授粉や他品種間や其の両親との交雑の「ハイブリット種」の種子です。広い意味では、一部の例外を除けば、殆ど全ての野菜種が「ハイブリット種」であります。しかし、今日では、F1と呼ばれる一代交雑の「ハイブリット種」の定義は狭く、販売宣伝に当たっては、交雑親を明らかにして勝手な授粉を規制しています。F1種は園芸栽培家には種子費用がそれだけ嵩み、それに採取した種子では同じものは作れません。

 

ー昔のトマトの典型的な形のエアルーム種ー

それは育種家も同じであり、そこで考え出されたのが、安定した品種特性を維持して大量の種子生産が可能となる方法です。何世代のも亘る戻し交配等によって、「オープン授粉種」を育種する事です。近代のトマト等、多くの「オープン授粉種」の野菜は、他品種との交雑の「ハイブリット種」でもあります。

 

ー日本では馴染みの薄いビートを収穫した幼女ー

ご存知ように植物の成長には、その種子の特性のみならず、気候条件、土壌の肥効性、栽培管理の巧拙等、様々な要因が関与しています。それでも、「ハイブリット種」の「オープン授粉種」より有益な相違点を幾つかを挙げる事が出来ます。その中でも、特に種子会社や園芸栽培家が求める重要な資質があり、それを「ハイブリット種」と「オープン授粉種」とで、相互でどう評価するかであります。

旺盛な成長力 : 強調される主要な利点は、「オープン授粉種」より優れた成長の旺盛さであり、ヘテロシス、1代雑種強勢とも言われる「ハイブリット種」特有の旺盛な成長力です。栽培地の厳しい気候条件に幅広い適応性を以って旺盛な成長性を発揮します。野菜の種類によってブロッコリーやスィートコーン等のようにと旺盛な成長力を顕著に発揮するものとカボチャ、メロン、キュウリ、トマト等、一般に「オープン授粉種」に比べて「ハイブリット種」であっても目立った違いの無い野菜種もあります。

高収量高収穫量は、高い経済効果を齎す事から、生産性の向上の点では評価されています。その種類に依っては、収量が在来種の2倍にもなり、僅かなスペースの家庭菜園等では、高収量が好まれますが、充分な栽培スペースを持つ園芸栽培家は収量より、味や風味等の品種特性がより重要であり、個々人毎の期待や必要性が優先しています。

耐病性 :品種の耐病性は、生産者や園芸家の最大の関心事です。専門家は、一代交雑のF1のハイブリット種の耐病性の育種は、「オープン受粉種」の耐病性育種より容易と云います。けれども、微生物、特にバクテリアは大変優れていて、「ハイブリット種」抵抗遺伝子をかわす術をいずれは見つけます。

コストは当然、開発費や生産費で在来種に較べ高くなり、更に、その効果の付加価値分で割高になります。種子会社は品種の高収量や確実性を宣伝し、多くの人がそのプレミアム分を負担しています。しかし、その価値は実際に育てて見る事です。種子特性が宣伝通りに発揮出来るかは、その他の影響する個々の諸要因を加味して、初めてその効果が正当化できるのです。

食味では、エアルーム野菜種の愛好家は、その優れた風味を良く取り上げます。しかし、今では、ハイブリット種とオープン受粉種とでは特に違いはなく、家庭園芸向けや大規模生産者用で、より有効な区別を付けて種子開発されています。育種は野菜工場用や加工食品向け等、その目的で風味よりその用途品質に重点を置いて開発され、量産野菜と家庭園芸用野菜では確かに食味は違います。しかし風味となれば、厳密な意味では個々人の好みの問題です。

結語では、「家庭菜園では、興味があればどんな品種でも育てて見る事です。」とありました。

 新種育成の効果は、栽培限界の拡大、品質の改善、安全性の増大、収量の増加、営農の合理化にあると言われ、近代の作物生産は均一化を必要とし、国連農業機構(FAO)によれば、農業作物の多様性は20世紀で75%は失われたと見積もられています。それが何を意味するのか考えなくてはなりません。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
野菜の種子 (中国の田舎の小さな種子販売店)
2012-04-03 09:02:31
  はじめまして。
中国 大連で、野菜の種子を販売している
小さい店でございます。
いつも楽しく貴ブログを拝見させていただいております。大変勉強になることばかりで、非常に学ぶことが多いです。
これからもご活躍を期待しております。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
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中国の田舎の小さな種子販売店 (管理人)
2012-04-04 07:03:19
大連の種やさんへ
ブログお読み頂き有難う御座います。趣味の野菜園芸が嵩じて広がった好奇心からの話で恐縮です。中国は、現役時代に何度か仕事で訪れ、悠久の大地と思ったその感想は今も忘れません。
其処で種子の販売とは、頑張ってください。 
                 
管理人
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