IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

地図をポケットにつっこんで

2005-07-31 14:36:40 | スポーツ
この2~3日の間、幾つかのニュースを見ているうちに、ボストン時代に取材したアイルランド人のオッサン達の事を思い出した。サッカー日本代表の中村俊輔がスコットランドのグラスゴー・セルティックというチームに移籍するという話を聞いてワクワクしていると、今度はIRA(アイルランド共和国軍)が完全な武装解除を行うと声明を発表し、北アイルランド問題に少しばかり変化が生じる可能性が出てきたのだ。グラスゴーとベルファストの両方を訪れた経験があるため、この2つのニュースがかなり近いタイミングで入ってきた偶然性に驚きすら感じている。僕が94年夏にベルファストに滞在した際、自分の滞在する近くの路上で過激派が「処刑」されたこともあったし、国境近くのニューリーという町の警察署がIRAの迫撃砲攻撃を受け、乗っていたダブリン行きの電車がストップした事もある。武装解除の発表をプロテスタント側は全く信用していないけど、今回は「可能性」を信じたい。グラスゴーの名門チームで日本人がゲームメイクを任される可能性すらあるんだから。

中村俊輔がこれからプレーするセルティックというチームだけど、チームが設立された経緯がすごくユニークだ。1887年にマリスト会のアンドリュー・ケリンズがセルティック・フットボール/アスレチック・クラブをグラスゴー市内東部に設立した時、その設立目的は市内のイーストエンド教区における貧困を和らげる事にあった。同じくスコットランドにあるアバディーン大学で社会学を教えるリチャード・ジュリアノッティ博士の論文によれば、チームに入ってくる収益金で貧困に苦しむカトリック教徒の子供達に食事を与えることが一番の目的だったらしい。今では立派な企業へと変貌を遂げたセルティックだけど、アイルランド人やグラスゴーのカトリックからは今でも絶大な支持を受ける。ライバルチームのレンジャーズは市内に住むプロテスタント系住民が作ったクラブで、ある時までカトリック系の選手が入団できない時期が存在した。レンジャーズも今では立派な企業へと変わっているが、少し前にチームのスター選手アンディ・ゴラムがUVF(プロテスタント系テロ組織)の旗をバックに写真を撮影し、えらい騒ぎとなった事がある。

そんな文化的背景もあって、セルティックとレンジャーズのファンの間にはどこか「ぎこちなさ」があるのも事実だ。日本やアメリカではほとんど聞くことのない言葉だけど、僕はアイルランドや北アイルランドのフットボール場で「セクタリアン(日本語では宗派という意味になる)」なんて言葉を耳にタコができるほど聞いた。悲しいけど、僕がこの言葉をアメリカで聞いた唯一の場所はサウスボストンだった。ボストンにはセルティックのファンが多く(バスケですら、そんな名前だもんね)、僕がボストンに住んでいた頃にはセルティックの車内広告を地下鉄で見かけたほど。で、申し訳程度のレンジャーズ・ファンもいて、お互い口も聞かない状態が続いていたけど、5年ほど前から一緒にゴルフコンペなどをするようになった。コンペの主催者は僕に「もうセクタリアンなんて言ってても、しょうがないしね」と語ってくれたが、僕も同感だ。日本のアホ政治家が主張する「サッカーで世界平和を」なんて夢物語、日本の外では5歳の子供ですら信じないけど、今回はグラスゴーの雰囲気が少しだけ変わることも期待したい。

欧米の民間軍事会社は大量の武装警備員をイラクやアフリカ諸国などに派遣しているが、30日のロサンゼルスタイムズ紙によると、この軍隊のアウトソーシング化は今後さらに拡大する傾向にある模様だ。コロンビアではアメリカの警備会社がイラクなどの地域における警備任務のための人員募集を行ったところ、軍人や警察官を中心に約1000名の申し込みがあった。これら1000名から選抜され採用された者は、イラクやその他の紛争地帯に送られ、軍人と同じような装備で警備任務に従事する。開発国を中心にして、軍事や警察関係者が西側の民間軍事会社に転職するケースは少なくなく、本国では得ることのできない高給が大きな魅力となっている。コロンビアで人員募集を行うアメリカ人男性がロサンゼルスタイムズ紙に語ったところでは、1人あたり最低でも月に1万ドルかかるアメリカ人警備員と比べて、コロンビア人はその半分以下の給料で紛争地に送れるとの事。

軍隊のアウトソーシング化を大きなビジネス・チャンスと考える企業が存在する一方で、これが将来的なトラブルの種にしかならないと懸念する声も少なくない。ジャン・シャコウスキー下院議員(イリノイ州)は、アメリカ政府の仕事を受注した民間軍事会社が、開発国の元兵士らを十分な身元調査も行わないまま採用している現実を危惧する。加えて、アメリカがコロンビアに対して行っている軍事援助が、民間軍事会社によって意味の無いものにされているとシャコウスキー議員は語る。アメリカ政府は2000年から「プラン・コロンビア」という対テロ・麻薬プロジェクトを開始させ、コロンビア軍や警察関係者の訓練などに40億ドル以上を費やしてきた。しかし、米軍の訓練を受けた兵士らが高給を求めて民間軍事会社に移るケースが少なくなく、本来は民間軍事会社が出すべき警備員の訓練費用がアメリカ国民の税金で支払われている現実がある。

ワシントンで民間軍事会社の業務拡大に関するロビー活動を行うダグ・ブルックス氏は、現在イラク国内で2万6000人(そのうちイラク人が2万人程度)が民間警備会社に雇われて働いていると語っている。アメリカはイラク復興支援に約184億ドルを捻出しているが、警備費用は全予算の25パーセントにまで達しており、ペンタゴンなどの下請けを行う民間軍事会社にとっては非常に魅力的な金脈でもある。ブッシュ政権は「確固たる意思のもとで集まった多国籍軍部隊」をこれまで主張してきたが、皮肉にもそれは民間軍事会社スタッフを意味する結果となっている。出身国も南アフリカからフィジー、ウクライナと様々で、最近は80年代の中米紛争を戦った元兵士らがイラクに職場を求める傾向もあるようだ。イラク国内にどのくらいのコロンビア人が送られたかは定かではないが、民間軍事会社の大手ブラックウォーター社は120人程度をすでに派遣した模様だ。

メジャーリーグのチーム間によるトレードの最終期限(東部時間で31日午後4時)が刻一刻と迫る中、今夏のトレードで最も注目される選手の動向が全米のスポーツメディアを賑わせている。ボストン・レッドソックスはニューヨーク・メッツとタンパベイ・デビルレイズとの三角トレードを計画し、チームの主力選手であるマニー・ラミレス外野手を放出すると伝えられていた。しかし、ニューヨークタイムズ電子版によると、この三角トレードは30日に御破算となり、現在はレッドソックスとメッツの間でラミレス外野手のトレードについて話し合いが行われている模様だ。メッツはラミレス獲得のために外野手のマイク・キャメロンを含む3人をボストンに放出すると一部で囁かれているが、メジャーリーグ機構関係者が匿名を条件にニューヨークタイムズ紙に語ったところでは、ボストン側がより実績の高い選手の放出をメッツに求めている背景があるため、土曜日夜の段階でトレードの成立には至っていないのだという。

高給取りとしても知られるラミレスは、レッドソックスとの契約が2008年末まで残っており、その間に支払われるサラリーは総額で6400万ドルとも言われている。前述のメジャー関係者によれば、今回のトレードで金銭的なネックはほとんど存在せず、メッツ側が6400万ドルの約4分の3を支払い、レッドソックス側が残りをカバーする事で合意に達している模様だ。また、マイク・キャメロン外野手の獲得に乗り気なレッドソックスだが、彼の他に2人の選手を獲得するよりは、打線の中軸を担える選手をもう1人だけ獲得したいという思惑もあるようだ。レッドソックスはトレードについて言及を避けているが、土曜日に本拠地フェンウェイ・パークで行われたミネソタ・ツインズ戦では、試合前にラミレスがスタメンから外されている(ラミレスに代わって、元巨人のゲーブ・キャプラーがフェンウェイの復帰を飾った)。

現在33歳のラミレスは1993年にクリーブランド・インディアンズでデビューして以来、常にバッティングで好成績を残しており、この13年間で413本のホームランと3割1分3厘の通算打率をマークしている。一部のメディアから気難しい性格と評されるラミレスだが、それでもメッツ側はラミレス獲得に計り知れないメリットがあると確信しているようだ。一時は今シーズン終了後にフリーエージェントでフロリダ・マーリンズのカルロス・デルガドを獲得すると考えられていたが、最近になってメッツは方針を大幅に変えている。1500万ドルの年棒を稼ぐ捕手のマイク・ピアザが今シーズンを最後にメッツを離れるのは確実とされており、ラミレスのサラリーも十分に工面できるからだ。レッドソックスの投手陣の要だったペドロ・マルチネスが昨シーズン終了後にメッツに移っているが、今年の夏もまた主力選手が荷物をまとめてニューヨークへ向かう可能性が高くなってきた。

デトロイト出身の友人とひさしぶりにランチを一緒にした。お互い、そんなに離れたところに住んでるわけではないけど、普段なかなか合う時間が無く、先週木曜日のサッカーの試合で偶然にも僕の近くの席に座っていたのだ。そんな事もあって、久しぶりにメシでも食おうと約束していたんだけど、今日は彼のデトロイト時代の友人2人もランチに飛び入りで来てくれた。その2人が新聞記者だった事もあり、お互いを紹介された僕らは、週末には絶対にする事のない名刺交換までする始末。1人はデトロイト・フリープレス紙の記者で、僕は日本に戻る際に利用する空港でこの新聞を必ず買っている。もう1人は最近ワシントンポストに転職してきたスポーツ担当記者で、まだワシントン周辺の地理が分からないらしく、ジーンズのうしろのポケットにはワシントン市内の地図がついたガイドブックが入っていた。ボストンやワシントンに来て間もない頃、僕も地元の本屋で買った地図をズボンにずっと入れてた記憶があって、少し懐かしくも感じたのでした。

蹴球とビールで満足の夜

2005-07-29 13:12:07 | Weblog

15分ほど前に帰宅したものの、スタジアムで飲んだビールのために、今日はいつもようなブログを書けませんので、どうかご了承を(しかし、ひさしぶりのビールは美味かった)。地元DCユナイテッド対チェルシーの親善試合、期待していた以上にいい感じの試合内容になって、試合後も酔って呂律が回らない状態で友人とサッカー談義。手持ちのデジカメで撮った写真が何枚かあるので、ここに載せておこうかと思います。

           

           前半開始すぐ、DCユナイテッドの動きを見守るファン達

 

            

           DCユナイテッド、まさかの先制ゴール!

 

           

           ハーフタイム、ビールの買出しの時間。

 

           

           後半、アルゼンチン代表クレスポのゴールでチェルシー逆転。

  

           

           試合後のスタジアム。9万人以上収容とあって、デカい!

 

試合の臨場感が全く伝わってこない写真ばかりで申し訳ないですが…、イングランドのチームの試合を見るのは2年ぶりになるため、今日はホロ酔い気分でチェルシーへのブーイングを楽しみました。明日は、普通どおりのブログで行きます。さぁ、シャワー浴びて寝よっと。


ボストン/ニューヨーク、そして大阪/東京

2005-07-28 14:24:21 | イラク関連
明日はいよいよ楽しみにしていたDCユナイテッド対チェルシーの親善試合。夜8時からのキックオフということで、仕事終了後にみんなで待ち合わせをして、レッドスキンズの本拠地フェデックス・フィールドに向かおうと思う。今回、本当にプレスパスの申請も考えたけど、やっぱりアメリカで一番「濃い」DCユナイテッドのサポーター達とゴール裏で応援したいという気持ちが強いため、明日は声援とブーイング(もちろん、チェルシーの面々にです)で声を枯らす準備も着々。チェルシーといえば、イギリスのタブロイド紙「サン」が今朝報じていたけど、イタリアのACミランに所属するシェフチェンコを獲得するために日本円で120億円近い金を出す用意があるとかで、移籍金としては史上最高額になる。移籍実現の可能性は低いと思うけど、このタイムリーな時期にワシントンかぁ。前にも少し書いたけど、シェフチェンコの義理の父親は元メジャーリーガーで、今でもワシントン近郊に住んでいる。単なる偶然だとは思うけど…。

夕方5時ごろ、僕は通常これくらいの時間からラジオの準備をゆっくりと始めるんだけど、突然テレビプロデューサーの友人から連絡があった。6時45分にチェルシーの一行がワシントン市内の某ホテルに到着して、それからすぐに数名の選手による記者会見があるとの事だった。1週間前にプレスパスの申請をしないと決めていたので、チェルシーの記者会見の事もスッカリと忘れていたけど、いざホテルの場所を聞くと会見に出席したくなるもので…。ラジオの出演時間とピンポイントで重なったので、行けない事は分かっていたけど、周囲に敵を作る才能では他の追随を許さないモウリーニョ監督のコメントは聞いてみたかった。チェルシーの選手らが泊まる高級ホテル、犯罪の多いエリアの近くにあり、なぜそこを選んだのか不思議にさえ感じる。あくまで推測だけど、選手に夜間外出をさせないための措置だったのでは?数年前に同じようなツアーでやってきた某オランダ代表選手がベロンベロンに酔っ払っていたという話を聞いたことがあったので。

水曜日、イラクの首都バグダッドでは3人のキーパーソンが米軍撤退について言及し、アメリカ国内でも支持率が下がる一方の米軍によるイラク駐留に大きな変化が生じる可能性が出てきた。イラクのアル・ジャマリ首相はイラク国内でイラク人による治安回復が成功すれば、すぐにでも米軍に撤退してもらいたいとの希望をあらためて語り、同じ日にイラクを電撃訪問していたラムズフェルド国防長官もイラク軍の任務が将来大幅に増えるだろうと示唆している。イラク駐留米軍の指揮を執るジョージ・ケーシー陸軍大将は、来春までに一定数の米軍部隊をイラクから引き揚げたいとの希望を明らかにした。来年中に駐留米軍の大幅な撤退が米軍司令官達から希望されてきたが、政府・軍関係者が具体的な撤退時期について言及したのは今回が初めてとなる。

来春の部分的撤退は、その時のイラク国内の治安状況によって大きく影響される模様で、現在はあくまでも「条件が整えば」撤退を実施したいという考えだ。ケーシー司令官の発言を受けた米議会のリアクションは控えめなもので、上院軍事委員会のナンバー2であるジョン・マケイン議員(アリゾナ州)は条件付部分撤退案に賛成するとだけコメントしている。ラムズフェルド国防長官との共同会見で、アル・ジャマリ首相は「多国籍軍に早く撤退してもらいたい。これこそがイラク国民の願いです」と語ったが、イラク国内の治安状況が一定のレベルで維持された場合に米軍の部分撤退を行いたいと語ったケーシー司令官にメディアの注目は集まった。2003年3月のイラク戦争開始以来、戦死した米兵の数はすでに1780人をこえ、ベトナム化の様相を呈している。

複数のペンタゴン高官はこれまでにもAP通信に対して来年度の撤退規模について細かく言及しており、現場での作戦を統括するジョン・バインズ陸軍中将は、来年中に最大で5個旅団規模の撤退を実施したいと語っている。つまり、イラク国内に展開する13万5000人の米軍部隊から約2万人程度が撤退する計算だ。ホワイトハウスのマクレラン報道官は水曜日、「大統領は米軍の帰還を待ち望んでいるが、イラク国内で終了させなければならない重要なミッションは残っている」と語り、撤退案に関する具体的なコメントは避けた。7月始めにAP通信がアメリカ国内で行った調査では、半数以上に及ぶ55パーセントの回答者がアメリカ政府によるイラク支配に反対を示している。6月の調査では、37パーセントの回答者がいますぐにイラクから全面撤退を行うべきと答え、イラク戦争に対する不信感が増大している。

27日のタイムズ紙がロンドン爆弾テロ事件に関する興味深い指摘をしていて、同じ指摘が数日前から僕の周囲でも話題になっている。どういう事かと言うと、7日と21日の事件で容疑者とされる面々が幾つものエスニック・グループから成り立っていて、最近のテロ事件と比較すると、微妙な違いが存在している。テロ事件の実行犯がイギリス生まれやイギリス生活の長い滞在者というニュースがずいぶんと前から出ているけれど、僕は今回の事件が象徴する多国籍性に興味を持っている。パキスタン、ジャマイカ、ソマリア、エリトリア…、皮肉にも容疑者達はイギリスでの長い生活を共通のアイデンティティとしていたのだろうか?911テロ実行犯の多くはサウジアラビア出身だったし、マドリッドの爆弾テロは北アフリカ出身者らによって実行に移され、この間のトルコでのテロはクルド人によるものだった。特異なケースだなと思っていると、実行犯らしき人物が逮捕されたとのニュース。

ロンドンで21日に発生した自爆テロ未遂事件で、ロンドン警視庁は27日にロンドン北部に住む24歳のソマリア人ヤシン・ハッサン・オマル容疑者をバーミンガム市内で逮捕したと発表した。7日と21日の両方のテロ事件で、実行犯が逮捕されたのは今回が始めてだ。21日の事件では監視カメラに写った4人の実行犯のうち、オマル容疑者と27歳のエリトリア人ムクタル・サイド・イブラヒム容疑者を特定したものの、残りの2人の特定は依然として終了していない。ガーディアン紙は未確認の情報としながらも、イブラヒム容疑者が事件後にアムステルダムを経由してベルギーに逃亡した可能性があると報じている。オマル容疑者の拘束は27日午前4時ごろ行われ、地元ウエスト・ミッドランド警察とMI5の捜査官50人が2軒の家を急襲した。急襲時、オマル容疑者が激しく抵抗したため、捜査官はオマル容疑者の体にスタンガンを当てて沈静化させたようだ。

一方、アメリカのABCニュースは7日に発生したテロ事件関連の写真を独占入手したと報じている。ABCが入手した写真はルートン駅で見つかった爆発物を撮影したものや、キングスクロス駅で爆破された地下鉄の車内を撮影したものだ。また、爆発物らしき物をX線撮影した写真もあり、そこには牛乳ビンのような容器に大量のクギが詰め込まれているのがはっきりと確認できる。「テロリズムの専門家はロンドン事件で作られた爆弾のサインを見たくて仕方がないのだと思います。絵画に画家のサインが付けられるように、爆弾にも製造者のサインのような物があるのです」、ブッシュ政権で対テロリズムの権威として活躍したリチャード・クラーク氏はABCニュースにそう語った。爆弾を入れた容器がガラス製だったり、プラスチック製だったりと若干の違いはあるが、ロンドンしないで使用された手製爆弾は過酸化物系の爆薬を使用している特徴がある。

クラーク氏は、全ての爆弾が1人によって設計もしくは製造された可能性が高いと指摘し、7日と21日の事件で使用された爆弾は全て同じ場所で作られただろうと指摘した。この発言を裏付けるかのように、英タイムズ紙は捜査関係者の話として、オマル容疑者が事件現場に残した爆発物と7日の事件の実行犯の車から見つかった爆発物の特徴が非常に似ていると報じている。ブレア首相が「重要な進展」と評した27日のバーミンガム逮捕劇では、オマル容疑者のほかに3人の男性が市内の別の場所で拘束されている。また、ロンドン警視庁捜査員の誤射によって死亡した27歳のブラジル人ジャン・チャールズ・デ・メネゼスさんの遺体が葬儀のためにブラジルに移送される事が決まった。

26日の対デビル・レイズ戦で打球が頭部を直撃したレッドソックスのクレメント投手、27日にフロリダ州の病院を退院し、チームへの同行も許可されたようでホッとしております。事故だけに相手打者を責めたりはできないけど、バッターの放った打球はクレメントの右耳の後ろを直撃していて、今朝のニュースを見た時は本当に心配でたまらなかったのだ。防御率が気になるけれど、10勝3敗のクレメントが今季のボストン投手陣を引っ張る存在なのは間違いなく、後半戦も頑張って投げ抜いてもらいたい。ボストンは2ゲーム差で現在首位だけど、「永遠の悪役」ヤンキースが2位につけている。投手力のもろさや、バーニー・ウイリアムズの年齢からの衰えが指摘されるけど、それでもヤンキースはヤンキース。ボストンの優勝が一番大切なことだけど、元気のない悪役にもシックリとこないので、これからも2位をキープできるように頑張ってほしいですねぇ。

スペイン語でいうと

2005-07-27 13:55:03 | ビジネス
仕事で英語を使うこともあって、言葉の変化には敏感なつもりだけど、それでもワケの分からない言葉が出てきたりして戸惑う事もあったりで…。CNNなんかで最近シニア向けの美容整形手術をテーマにしたニュースがよく流されていて、僕にはまだまだ無縁の世界と思いながらも、そういったニュースを何回か興味深く見た。しばらくして、アメリカ人の友人と話をしている時に、彼女が「最近は美容整形って言わないんだよ」と一言。「じゃあ、なんて言うの?解体作業?」、そんなワケ無いのを承知で聞いてみた。最近のシニア向け美容整形は「アンタイ・エージング・ビジネス」と称されるらしい。簡単に訳せば、「年を取る事に抵抗する」ビジネスみたいな感じになり、こっちの方が響きがいいんだとか。相手に不快感を与えないことを目的に、アメリカでは新しい言葉が毎日のように生まれているけど、中には突然聞いてもイメージがわかない言葉もあったりするんです。

言葉といえば、昨日もう1つの発見が。かなり小さな話題になってしまうんだけど、日本映画の名作「Shall We ダンス?」にまつわる話。数年前に日本版をDVDかビデオかで見たサッカー仲間の1人が、先週末にハリウッド版をとうとう見たらしい。どっちが面白かったのかと聞いてみると、彼はキッパリと日本版のほうがベターだと言い切った。舞台設定が日本だったからこそ面白かったというのが彼の言い分で、僕もそんな気がする。この友人は南米出身だったため、スペイン語放送で(スペイン語の字幕がついていたらしい)ハリウッド版を見たらしいんだけど、スペイン語版のタイトルを聞いてまわりは爆笑の渦に。スペイン語版のタイトルはずばり「Bailamos」で、僕は「そのままやんけ」と本気でツッコミを入れたかった。「エンリケ・イグレシアスを思い出すなぁ」、と横にいたアメリカ人が言ってたけど、僕はその時すでに西城秀樹さんのステージを想像していた…。

さてさて、今日一番大きかったニュースといえば、やっぱりスペースシャトルの打ち上げが成功した事でしょう。スペースシャトル以外の話題といえば、アメリカ全土を襲う熱波の話(ブログでも何度か書いているけど、このニュース、地味ながらかなり深刻な問題でもあるんです)や最高裁判事に指名されたロバーツをめぐる政界の動き、ブッシュ大統領の腹心だったカレン・ヒューズが国務省にやってくるといった話など。まぁ、地味ながらも通常通り細々としたニュースはあったものの、やっぱりスペースシャトルが無事に打ち上げに成功したのは大きかったようだ。カネがかかってしょーがないNASAの宇宙事業、今回の打ち上げ成功で(シャトルが無事に帰還するまでは分からないけど)予算面で窮地に立たされるという事態は回避できたのでは?

米航空宇宙局(NASA)はスペースシャトル「ディスカバリー」を東部時間26日午前10時39分に打ち上げ、今月13日から延期されていた打ち上げがようやく決行された。ディスカバリー号の打ち上げが約2週間ちかく延期された背景には、外部タンクの燃料センサーに以上が確認されたためで、NASA側は外部タンクの補修作業に追われていた。2003年2月のコロンビア号以来のシャトル飛行となるが、日本人の野口聡一さんら7名がクルーとしてシャトルに乗り込んでおり、アイリーン・コリンズ船長が女性というのも話題を集めている。テキサスとフロリダの宇宙センターでは、打ち上げの成功後に喜びを隠し切れないスタッフが少なくなかったが、2003年のコロンビア号空中分解事故の遺族に配慮して、祝賀イベントなどは一切行われなかったのだという。

2005年度も日本円で1兆6000億円以上の予算を獲得しているNASAだが、以前からNASAの予算削減を求める声が存在しており、2003年のシャトル事故で風当たりがいっそう厳しくなっていた事は否めない。今回のシャトル打ち上げが成功するかどうかで、NASAのシャトル計画に対する予算が将来的に削減される可能性もあったからだ。打ち上げ前日、NASAのマイケル・グリフィン長官は「今回もしもシャトルを失うような事になれば、シャトル計画そのものが座礁する事になるでしょう。アメリカはこの先何年もクルーを宇宙に送り出せなくなります」と語っていた。ディスカバリーのクルーは軌道上で機体補修のテストや国際宇宙ステーションへの物資輸送を行ったのち、来月7日にフロリダ州のケネディ宇宙センターに帰還する予定だ。

打ち上げ前、ケネディ宇宙センターにはローラ・ブッシュ大統領夫人も姿を見せた。また、2003年のコロンビア号と1986年のチャレンジャー号の事故で亡くなった14名の飛行士の家族も打ち上げに招待されていた。ヒューストン・クロニクル紙によると、ローラ夫人はディスカバリー号のアイリーン・コリンズ船長が女性である事に感激していたようで、「彼女がみんなを元気付けてくれる」と語っていた模様だ。ブッシュ大統領もワシントンで声明を発表し、「我々の宇宙計画は国家の偉大な誇り」とした上で、クルーの安全とミッションの成功を切に願うと語っている。「これは希望であり、想像力であり、そして未来でもあるのです。宇宙開発計画がなくなることは、みんなの未来が無くなるに等しいとおもいます」、グリフィン長官はAP通信の取材にそう語った。

シカゴの開発業者は2009年までに市内に115階建ての高層ビルを建設する予定を明らかにし、この新しいビルが完成した場合、シカゴは全米で最も高いビルが2つ並ぶ町となる。デヴェロッパーのクリストファー・カーリー氏はシカゴ市内の湖のほとりに高さ2000フィートのビルを建てる計画を進めており、ビルの設計は著名な建築家サンティアゴ・カルトラーバ氏によってすでに描かれている。全米位置高いビルは同じくシカゴのシアーズ・タワーで、その高さは1450フィートにも達するが、カーリー氏の計画する新しいビルは尖塔部をのぞいても1458フィートあり、シアーズ・タワーよりもはるかに高い設計となっている。しかし、カーリー氏の計画ではテナントの割り当てなどで未定の部分も多く、ライバル業者からは実現不可能との声も出ている。

ニューヨークでは世界貿易センター跡地に「フリーダム・タワー」という新しいビル建設が計画されており、2010年に完成予定の建物の高さは1362フィートで、尖塔部分を加えると1776フィートにまでなる。しかし、カーリー氏が計画されるビルがシカゴに建設された場合、ニューヨークのビルは高さでシカゴに再び追い越される。現在世界で最も大きなビルは台湾の台北市にある「101」で、その高さは実に1670フィートもある。建物の利用プランについて決まっていない部分が多いため、ライバル業者から実現は不可能と揶揄されるカーリー氏の新ビル建設だが、スペイン生まれのカルトラーバ氏によるデザインは非常に斬新なものだ。ミルウォーキー美術館やアテネ・オリンピックの競技会場のデザインも行ったカルトラーバ氏は、今回ドリルの先のようにツイストを繰り返すビルをデザインした。

カーリー氏のビルはまだ建設が開始されておらず、建物の40パーセント以上のテナント契約を確保しなければ建設そのものが開始できない取り決めになっている。カーリー氏はAP通信の取材に対し、来年3月までに起工して、4年以内でビルを完成させたいと語っている。シカゴで高層コンドミニアムを建設した有名デベロッパーのドナルド・トランプ氏は、シカゴ・サンタイムズ紙の取材に「911テロ事件後に高層ビルに入居する人はそんなにいるとは思えない」と語り、カーリー氏の計画を間接的に批判している。この発言にカーリー氏はすぐに反応を示し、トランプ氏がシカゴに建設した92階建てのコンドミニアム(高さは1360フィート)を例に出し、「どこまで高いのがよくて、どこまでがダメなんでしょうか。1360フィートはOKなんでしょうね」とトランプ氏に反論している。

経済誌フォーブスが全米で独身者が最も住みやすい町のランキングを発表していて、面白そうな企画かなと思ってのぞいてみたら、コロラド州のデンバーが1位という結果だった。ちなみに、2位はボストンでワシントンは5位にランク入りしていた。ボストンとワシントンに関しては、実際に自分が住んだ(いる)経験があるので、なんとなく分かる気がする。イベントや遊ぶ場所も適度にあって、いろんな出会いも多い町だし。ニューヨークが8位で、ロサンゼルスが7位ですか。ランキングの基準がいまいちよく分からないけど、ニューヨークなんかもっと上位に来ていてもと思ったりもするんだけど…。デンバーの1位にもピンとこないけど、自分が知っているデンバー出身者にはナイスな人が多いのも事実。最下位の40位にはノース・カロライナ州グリーンズボロが。まぁ、これは妥当でしょう…。

3ケタの気温ですってよ

2005-07-26 15:13:58 | テロリズム
サンドラ・ブロックがつい最近結婚して、その相手の男性がジェッシ・ジェームズというタトゥーの似合う体育会系の(あくまでも「それっぽい雰囲気」という事で、タトゥーを幾つも入れた大学スポーツの選手を何人か知ってるけど、僕の大学時代の友達に彫り物をしたヤツはいなかったので…)セレブなんだとか。ジェッシ・ジェームズっていえば、どうしても思い出すのが西武開拓時代に名を馳せた実在のアウトローだけど、ブロックの旦那さんはこの西部開拓時代のヒーローの子孫になるらしい。で、なぜジェームズがセレブなのかと言えば、テレビの世界に入る前にカスタムバイクの店を経営してて(今もあるのかは不明)、その時の顧客に俳優やスポーツ選手が多かったから。日本で言うところのカリスマ店員兼経営者みたいなもんでしょうか。

ジェームズの話をハリウッド好きの友人から聞いたとき、僕はブロックの旦那よりも、その祖先にあたるアウトローに興味を持った。僕も西部劇は好きなほうだけど、西部開拓時代って要するに野心溢れるオッサン達がピストルの弾で利権を拡大していった時代なわけで、映画で描かれるようなヒーロー像とはかなり違うような気もする。共産主義政権崩壊後のロシアで、ビジネス絡みで多くの人が命を失ったけど、これは本質的に西部開拓時代と近いのではと思ったりもするわけで。そんな時代にジェッシ・ジェームズは荒野のガンマンとは無縁の東海岸メディアによって一種神格化されていたらしく、今の時代で言うところのセレブ(メディアによって作り出された)の先駆けだったのかなとも思う。それにしても、セレブって何よ?少なくともアメリカでセレブって言うと、頭の中身があんまり無いマテリアルな人々を意味するけど、日本では少しニュアンスが違うんだなぁ。でも、セレブリティっていう発音だけは、恥ずかしいので止めたほうがいいかもね。

アメリカ各地では数週間にわたって熱波が猛威を振るい続けているが、すでにアメリカ全土の約3分の1が華氏90度(摂氏32度)以上をほぼ毎日記録しており、最高気温が摂氏で3ケタに達する場所も珍しくない。熱波によって干ばつの被害が増加する地域も見られるが、各都市では熱波そのもので死亡者が出るケースを未然に防ぐため、市内にクーラーを完備した休憩施設が急ピッチで作られている。シカゴでは熱中症による3人の死亡が確認されており、アリゾナ州フェニックスでは先週土曜日までに少なくとも21人が命を落としている。フェニックスの場合、死亡者のほとんどが路上生活者だったため、市当局はシェルターを日中も開放するなどして事態の打開を図ろうとしている。フェニックスのフィル・ゴードン市長はCBSニュースの番組に出演し、ホームレスの安全確保こそが今一番重要な問題であると語っている。

先週はじめにフェニックスや近隣のカリフォルニア州ニードルズで記録した殺人的な暑さ(ニードルズでは華氏125にまで達している)は、やがてアメリカ各地に広がりを見せ、ラスベガスでも先週117度を記録している。「こういった熱波は数年毎に発生していますが、今年の暑さはこれまでの記録を確実に破るものとなるでしょう」、CBSニュースの気象予報士マイケル・ストルツはそう語った。ストルツの話では、気象予報士の間でもこのような熱波の原因が完全には解明されていないようで、地球温暖化の影響を指摘する者もいれば、自然界のサイクルだと主張する声もあるのだという。日曜日午後にはシカゴのミッドウェイ空港周辺の最高気温が華氏104度にまで達し、シカゴのこれまでの最高気温(105度)に肉薄する勢いだった。アイオワ・シティ(アイオワ州)やセント・ルイス(ミズーリー州)でも最高気温は100度を超えている。

シカゴでは1995年7月に発生した5日間の熱波で739人が死亡しており、これはイリノイ州の自然災害で最悪のケースとして知られている。6年ぶりに最高気温が100度を超えた事もあり、シカゴ市当局は市内に住む老人の所在確認をしながら、同時にできる限りのコミュニケーションを図ろうと必死だ。すでに市内在住の4万人の老人には毎朝9時に市から電話サービスが行われ、その日の天気や気温を伝えるとともに、できる限り外に出ずに水を飲むようにといったアドバイスが行われている。シカゴ市保険局のウイリアム・ポール博士はAP通信の取材に対し、1995年の熱波の犠牲者のほとんどが野外にいた人達ではなく、1人暮らしの老人だったと語っている。公式記録では、シカゴの最高気温(華氏105度)は1934年6月の事で、今年の夏にその記録が塗り替えられる可能性は大いにある。

7月7日にロンドンで発生した連続爆破テロ事件の容疑者の1人が米捜査当局からも追われていた事が明らかになり、この人物にはアメリカ人に対する聖戦を行うためにアメリカ西海岸に軍事訓練施設を建設しようとしていた疑いがある。FBIの捜査官はロサンゼルス・タイムズ紙の取材に対し、インド系イギリス人でイスラム教徒のハーロン・アスワト容疑者の行方を追っていることを認めながらも、その所在に関して全く情報をつかめていない状態だと語っている。すでに逮捕されているアスワト容疑者のシアトルでの協力者には司法取引が行われた模様で、捜査当局はこの協力者からの情報をもとに追跡を継続する構えだ。司法省はロンドン在住のエジプト人イスラム教指導者アブ・ハムザ・アル・マスリを起訴しているが、起訴を行うまでの過程の中でシアトル在住男性の証言が大きな役割を果たしている。しかし、アスワト容疑者に関する情報はほとんど出てきていないのだという。

アメリカ側の捜査関係者は、もしアスワト容疑者を逮捕していれば、ロンドンで7日と21日に発生したテロ事件を未然に防げた可能性があったと悔しがる。英捜査当局はアスワト容疑者が自爆テロ実行犯と約20回ほど携帯電話で会話を行った形跡があると語っている。シアトル・タイムズ紙は24日、アスワト容疑者のシアトルでの起訴を準備していた関係者らの話として、同容疑者の起訴が最終的にワシントンによってブロックされたと報じている。2002年に起訴されていれば、逮捕状の発行とともに当時イギリス国内に住んでいたアスワト容疑者のアメリカへの移送も可能だった。最終的に起訴が見送られた理由だが、アスワド容疑者のように国外に住む者を起訴する場合、ニューヨークの連邦検事局がその担当として知られており、検察側の縄張り意識が存在したことも考えられる。

シアトルの協力者はアメリカ生まれのジェームズ・トンプソンという男性だったが、1999年にアーネスト・ジェームズ・ウジャーマと名前を変え、その後ロンドンに渡っている。ロンドンでは、アル・マスリの運営するウェブサイトで働いており、そのウェブサイトではアメリカに対する差し迫ったテロ攻撃が警告されていたりした。アスワトとアル・マスリの関係も親密だった模様で、2人はオレゴン州とブライという町の近くに軍事訓練施設を作ろうと計画を練っていた。アル・マスリが宗教活動を行っていたロンドンのフィンスベリー・パーク・モスクにはアスワトやウジャーマ以外にも最近のテロ事件と関連した人物が出入りしていた形跡が存在し、2001年12月にアメリカ国内を飛行中の旅客機の中で靴に仕掛けた爆弾を爆発させようとしたリチャード・レイドや、911テロ事件の首謀者の1人としてアメリカ国内に収監中のザカリアス・ムサウイも同モスクとの接点が指摘されている。

ブラジル人青年がロンドンで誤射されたニュース、今日になって実は8発の銃弾を受けていたことが明らかになり、ブラジル国内ではイギリス政府の対応に抗議するデモも行われたようだ。トニー・ブレアが謝罪の中で警察の行動に一定の理解を示すようなニュアンスの発言を行ったため、これがブラジル人の怒りに文字通り「火に油を注ぐ」結果を招いてしまったという報道も入ってきている。僕は犠牲者となったミネイロの青年と瞬時の判断でミスを起こした現場の捜査官両方に同情してしまうけど、やはりブレアは公式の場所での発言を少しトーンダウンさせた方がよかったとも思う。イギリス国内で武器の携帯を許可された警察官(全体の1割ほどと聞いている)がこの数十年の間に起こした誤射はわずかに数件で、アメリカと比べると奇跡的な数字だ。これから犠牲者が出ないよう祈るくらいしか僕にはできないけど、警備も必要かなと思ったりもするわけで。未だに何が正しいのか僕には分からない。

明日の夕方、ボストンにあるポルトガル語新聞のオフィスに電話を入れてみようかと思う。学生時代に取材でお世話になった人たちが今も多く働いているんだけど、全米でもブラジル人人口が多いマサチューセッツ州を中心にブラジル内外のニュースを伝え続けている。前にも少し話したけれど、マサチューセッツ州にやってくるブラジル人移民の多くがミネス・ジェライス州の出身者で、アメリカに定住する人もいれば、必死に働いて貯めた金で故郷で一旗上げようと考える人もいる。工事現場や清掃業者のオフィス、レストランの厨房なんかでポルトガル語が話されるのも珍しくなく(ワシントンでは、これがスペイン語に変わる)、みんな必死に働いて、次のステップに行こうと頑張っている。ロンドンでの事件をみんながどのように感じているのか、明日は少しでもそんな事が聞ければなと思っている。

日焼け止めクリームを忘れてしまい

2005-07-25 14:48:32 | イラク関連
久しぶりにメジャーリーグの試合に行き、まるでレチョンのようにコンガリと日焼けして帰ってきたものの、どうも体が動かない。脱水症状かどうか分からないけど、炎天下の球場で4時間半も試合を見ていたので、どうもそれが疲れの原因としか思えない。本当は金曜日に行こうと思っていた地元ワシントン・ナショナルズ対ヒューストン・アストロズの試合、当日になって別の予定が入ったためにキャンセルし(本当はヒューストンの先発クレメンスの登板をすごく見たかったんだけど)、今日の昼過ぎに友人の車でRFKスタジアムへと向かった。少年時代をミズーリー州で過ごした友人は、最近まで生粋のカンザスシティ・ロイヤルズのファンだったけど、首都ワシントンに球団が戻ってきたこともあり、仕事のあとでそのままスタジアムに向かう事も珍しくないんだとか。

今日の試合、1-1のスコアから延長戦に突入し、最終的に14回までゲームは行われた。ナショナルズの打撃について改めて語る必要はないけど、1人でもバットをボールにまともに当てれる選手がいれば、どエラいチームになってたのに…。レッドソックスが泣いて欲しがるほどの投手陣のクオリティとは対照的に、今日の試合でも14回で放ったヒットがわずかに4本。線香花火よりも寂しい攻撃陣だが、それよりも唖然とさせられたのが、14回表2アウトからの展開。ヒューストンの伏兵ブラントレット、レフト側にまさかの3ランホームラン。何が悔しいかというと、このブラントレット選手(彼の事も今日始めて知った)って今シーズンの打率が1割6部4厘で、ホームランもたった1本しか打っていなかった事。最後の最後でナショナルズ側に気の緩みがあったのでは?本当に悔しいです。

試合には負けたけど、ナショナルズの投手陣が依然として好調さを保っているのを再確認できたし、比較的若い選手が多い事もあって、これからが楽しみなチームだなと思った。アストロズのほうでは、僕がクレメンスの次に見ておきたかった選手が代打で登場し、これだけでもチケット代の価値は十分にあったと思う。クレイグ・ビジオ2塁手、僕がアメリカにやってきた98年に近所に住むレッドソックスファンがぜひ獲得して欲しい選手と言ってたのを思い出す。メジャーリーグを代表する2塁手だったビジオも今年でとうとう40歳を迎え、いつ引退してもおかしくない。そんなビジオを見れたいい思い出に浸りながら、そして日焼けでヒリヒリする腕を少しだけ気にしながら、今日はイラク関連の話からいきます。

24日のニューヨークタイムズ紙は最近数ヶ月のイラク武装勢力によるゲリラ活動を取り上げ、アメリカ側の思惑とは裏腹に武装勢力側がこれまで以上に活動を活発化させていると指摘した。これまでのゲリラ活動と比較した場合、最近の武装勢力はより暴力的で、回復力が早く、そして今まで以上に洗練されたやり方でテロ活動を続けている。最近発生した穏健派として知られるスンニ派指導者らの殺害や外交官の誘拐により、イラク国民の間ではアメリカによる2004年の主権移譲が全く成功しなかったとの認識が強まり、彼ら自身がテロの標的なっている事実を浮き彫りにしている。13万8000人以上の米兵による武装勢力壊滅作戦だが、この2年半の間に武装勢力側は戦略の大きなシフトチェンジを行っており、現在の主要な目的はイラク国内を政治的に分断し、最終的に内戦を起こすのが狙いと考えられる。

武装勢力によるテロ攻撃は以前よりも標的の正確さが増しており、実行時と実行後のプロパガンダ活動もこれまで以上に洗練されたものとなっている。イラクの米軍指揮官達は、昨年度発生した米軍とイラク軍に対する武力攻撃は毎日一定数発生していたと語り、1日平均で65回の攻撃があったことを明らかにしている。指揮官の1人が匿名を条件にニューヨーク・タイムズ紙に語ったところでは、米軍はこれまでも多数の武装勢力メンバーを戦闘中に殺害してきたが、最近では武装勢力のあるグループにダメージを与えてしばらくとしないうちに、別のグループがやって来て米軍に攻撃を加えるのだという。武装勢力による攻撃が別々のグループから何度も繰り返されることから、米軍は武装勢力内の組織力と機動力に大きな変化が生じたのではと推測しているようだ。

フセイン政権崩壊から27ヶ月が経過したが、米諜報関係者らは武装勢力内部の仕組みについて十分な把握ができていない事を認めている。一連の自爆テロの背後にいるとされる外国人テロリストとイラク人武装勢力との繋がりがどのようなものなのか、バース党出身者とイスラム民兵で構成されているイラク人武装勢力の組織系統はどのようになっているのか、アメリカ側の持つ情報は意外と少ないようだ。武装勢力によるテロ活動はアメリカにとって政治的にも大きなダメージとなる可能性があり、アメリカ主導で行われてきたスンニ派を国内政治の中心に据えるという作業も座礁する危険性がある。テロが続く事によって、スンニ派以外のイラク人から不満が噴出し、それが結果的にイラク国内で内戦を引き起こすという最悪のシナリオもアメリカ側は懸念している。

アイダホ州で最近死亡した2人の若者は、お互いの首を絞めあって意識が無くす体験にチェレンジしていた模様で、脳に血液が供給されなくなった事が直接の死因と考えられている。また、ケンタッキー州とミシガン州では、走行中の車の上に立って「サーフィン」をしていた若者が、車から滑り落ちて命を失っている。「カッコよさ」などへの憧れから、若者が危険なスタントなどに挑戦する事自体は決して目新しくないが、専門家らは最近のスタントは以前よりもはるかに危険度が高いと警告を発している。1960年代以降の若者のスタント文化を研究するテンプル大学のフランク・フォーリー教授(教育心理学)はAP通信の取材に、スタント行為が10代の若者特有の心理状態の一部だと前置きしながら、最近増えつつある過剰なスタント行為を懸念している。

アイダホで発生した死亡例のように常識の限界に挑戦したスタントが存在する一方で、BMXやスケートボードのように綿密に計算された障害コースをクリアできるかを競う「エクストリーム・スポーツ」の人気も高い。「僕らの世代は、他人とは違う自分らしさを常に追求してます」、サンディエゴ市に住む20歳のクリストファー・ソリチェッティはAP通信の取材にそう答えている。12歳からBMXの空中スタントを始めたソリチェッティは、スタント中の事故でこれまでに腎臓と肺の破裂を経験し、何本もの肋骨を骨折している。最近のスタントで前腕部を骨折したソリチェッティだが、骨折が治るとすぐにでもスタントを再開したいそうだ。

「エクストリーム・スポーツ」でできた傷を一種の勲章と考える若者は少なくなく、ビデオゲームやテレビ番組の影響を指摘する声もある。「この現象はアドレナリン・ジャンキーとでも言いましょうか」、ニューヨーク市の子供病院に勤務する精神科医はそう表現した。インターネット上ではスケートボードの最新テクニックやビルから飛び降りる映像が紹介されており、同じスタントに挑戦しようと影響される若者もいる。前述のフォーリー教授は、デジタル社会の中でスタント行為に興味を持つ若者同士が集まりやすい土壌が形成され、仲間同士の友情を示すためにスタントが一種の通過儀礼へと化していると指摘する。

球場で過ごした4時間半。ナショナルズの打撃力だけを気にしなければ、投手戦の醍醐味を存分に味わえた事もあって、僕にはいい思い出しかない。けれど、少しムカついた事があったので、ここで愚痴をこぼしておきます。僕自身、最後に球場で延長戦を見たのが5年以上も前のことだったので、葉っきりと覚えていないんだけど、少なくともRFKスタジアムでは9回表の終了時に全ての売店がシャッターを下ろしていた。その後、観客は水やジュースを一切買えないまま観戦する破目になり(球場の外にも売店はほとんど無い)、暑さでダウンした子供を抱いて席を立つ家族連れを何人か見た。14回表になって、ようやく売り子さんが出てきたが、コーラーのペットボトル(小)が一本7ドル。弱みに付け込んで、値段を上げてやがる。どっかのテーマパークのような泥棒商売に抗議する人も少なくなかったけど、「イヤなら、いいよ」という態度がプンプン。この売り子、いつか町で遭遇したら、右フックでも御見舞いしようと思ってます。

毎晩のカミナリ、一番の心配事は冷蔵庫の中のアイスクリーム

2005-07-24 13:08:03 | テロリズム
昨日の晩、正確には土曜午前2時頃からだけど、またまたエラい雷が1時間ばかり続き、お約束の停電に。停電そのものは数十秒で回復してくれたんだけど、その少し前に帰宅してからブログを書いて寝ようかと思っていた時にコンピューターがストップしたので、「もうエエわい!」と投げやりになって、そのまま寝ることに。昨日の雷、今年見た中では一番大くて、一日たった今でもワシントン市内では約1万人が停電の中で生活を強いられている。でも、昨日の夜は数時間後が想像できないほどいい天気で、サッカー仲間たちとワシントン市内のアダムス・モーガンというエリアで遊んでおりました。ここはワシントンでもとりわけいろんなヤツが集まる地区で、僕もすごく気に入ってるエリア。ブラジル・カフェの隣に西アフリカ(セネガルだったと思う)のオッサンが経営するクラブがあったり、その近くのトルコ・カフェでは水パイプを楽しむ爺さん連中がいたりと、ジョージタウンなんかよりも数倍面白いんだなぁ。

昨日はまず半年ぶりにビリヤードに行き、イタリア出身の友人と4回勝負して4敗の散々な成績(一応、ビリヤードとダーツは16歳の時から楽しんできたんだけど、こういう成績になると悲しくなる)。店内にはアンティーク・ショップで売られてるようなジューク・ボックスもあり、そこから流れてくる音楽といえば、マービン・ゲイやガンズ・アンド・ローゼス、それからロクセット(この人たち、今どこで何してんだろうか?)といった懐かしの名曲の数々。僕らの世代が中学生の頃に聞いてたものが多く、思わずみんなで大合唱する一幕も。この店の上にベネチア出身のシェフがやってるイタリア料理店があって、クリントン元大統領もその昔お気に入りの場所だった所なんだけど、そのシェフの頑固爺さんが面白い人なので、また機会を見てブログに書きます。ベネチア出身者といえば、イタリア国内では「ドイツ人」と称されるくらい愛想のあまりないヤツラって言われるけど、この爺さんはかなり面白い人なので。

金曜日にロンドンで不審人物が私服警官によって射殺されたというニュースが入ってきたけど、時間の経過とともに射殺されたのがテロ事件とは全く無関係の男性だということがハッキリとしてきた。ジャン・メネゼスという27歳のブラジル人男性ということで、出身地がブラジルのミナス・ジェナイス州だったそう。ボストン時代にミナス・ジェナイス出身の人たちに世話になった事が何度もあり(学生などを除いて、マサチューセッツ州に住むブラジル人移民のほとんどはミナス・ジェナイス出身者だ)、海外に働きに出るミネイロ達の事を思い出した。今日の夕方も友人のTVプロデューサーと電話で話をしていたんだけど、今回のニュースには分からない点もまだまだある。金曜日には「射殺された人物」が警察当局の監視下にあったという情報が入ってきたけど、テロとの関連が全く無かったことが分かった今、警察側はどのような説明をするんだろうか?今日は誤射関連のニュースから始めることに。

ロンドン警視庁は土曜日、金曜日に私服警官によって地下鉄駅構内で射殺された男性が一連のテロ事件とは全く関係が無かったと認めた。男性は27歳のブラジル人ジャン・チャールズ・デ・メネゼスさんで、3年前にロンドンにやってきてからは電気技師として働いていた。金曜日、複数の私服警官はメネゼスさんをストックウェル駅まで追跡し、この際にメネゼスさんは改札口を飛び越えて駅構内に入ったとされている。スコットランド・ヤードの発表では、メネゼスさんが警察官の警告を無視したために、自爆テロを恐れた警察官が発砲したとの事だ。メネゼスさんは頭部に5発の銃弾を受け、現場で死亡している。ロンドン警視庁はメネゼスさんの射殺は悲劇であり遺憾に思うとしながらも、メネゼスさんと爆破テロ事件に接点が無かった事にホッとしているとも語った。メネゼスさんはブラジルのミナス・ジェライス州にあるゴンザガという町出身で、ロンドンでは電気技師として合法的に住んでいた。

今回の事件はブラジル政府にも大きな衝撃を与えたようで、アモリム外務大臣はイギリスのストロー外相と会談を行うため、すでにブラジルを離れてロンドンに向かっている。ブラジル政府は声明を発表し、「今回の悲劇がどのような状況で発生したのか、イギリス側からきちんとした説明をもらえるものと信じている」と英政府の適切な対応を呼びかけている。今回の誤認事故はすでにロンドン警視庁の内規局によって捜査が行われており、捜査結果は独立調査機関に提出される予定だ。メネゼスさんの家族はブラジル・メディアの取材に答え、メネゼスさんが警察に追われるような過去は一切存在しなかったと語っている。ロンドン在住でメネゼスさんのいとこでもあるアレックス・ペレイラさんもテレビ局の取材を受け、「家族は遺体とできるだけ早く対面したいので、一刻も早く遺体がブラジルに戻される事を望んでいる」とコメントした。

現在までにブレア首相や英内務省からのコメントは出ていない。しかし、ロンドン市長のケン・リビングストンは「全ての責任はテロリストにある」としながらも、現場の警察官は市民の安全を守るためにその場で最善の行動をとらなければならなかったとも弁明した。イギリス国内では今回の一件をめぐって世論が二分している状態で、安全を守るために警察官はできる限りの行動をしたと擁護する声も存在するが、国内の人権団体からは事件に対する徹底的な捜査が要求されている。英イスラム協会は土曜日、あらためてメネゼスさんの射殺に関してロンドン警視庁の対応を批判し、これが将来的に深刻な問題を引き起こしかねないと警告している。

7日と21日に発生したロンドン市内での爆弾テロ事件をうけて、アメリカ国内でも監視カメラの更なる設置を求める声が政治家を中心に出始めている。7日の事件では駅構内に設置されたカメラの映像によって自爆犯のおおよその足取りを掴む事ができ、21日の事件でもカメラの映像によって容疑者らしき人物が特定されている。ロンドンで発生した2回の事件で、共に容疑者の特定がカメラの映像によって行われた事実にアメリカ各地の政治家も注目しており、首都ワシントンのウイリアムズ市長は金曜日に「監視カメラの設置が市民の人権にとって大きな脅威になるとは思わない」と語っている。ウイリアムズ市長のような意見を持つ政治家は少なくなく、民主党のクリントン上院議員も現在ニューヨーク市内の地下鉄に5000台設置されている監視カメラの増設を求めている。

コネチカット州スタンフォードではマロイ市長が市内に設置された監視カメラで交通状況だけをモニターするという1999年の条例を見直す時期だと語り、これまでは正式に許可されてこなかった市内の治安状況をカメラでチェックする可能性があることを示唆した。AP通信の報道によれば、シカゴ市内にはすでに2000台以上の監視カメラが設置されている模様で、総額500万ドル以上をかけて行われたカメラの設置によって、市内の犯罪発生率が40年ぶりに最低レベルにまで低下すると市当局は期待している。ペンシルバニア州フィラデルフィアでも市内に設置された監視カメラが迷宮入りしかけていた事件の解決に役立ったりしたことから、市の警察当局者は今まで以上に監視カメラの必要性を唱えている。シカゴやニューヨーク、そしてフィラデルフィアといった大都市で監視カメラがいくつも設置された理由だが、当初はテロを未然に防ぐという目的からではなく、それぞれの地域で悪化する路上犯罪に対処するためだった。

アメリカの各都市では交通状況を把握するための監視カメラの設置がブームとなっているほか、デパートやコンビニエンスストアといった公共の場所以外でも、万引きなどを防止するために大量の監視カメラが使われている。監視カメラは交通状況の把握や、小規模の犯罪を未然に防ぐ役割を果たしてきたが、同じようにテロを未然に防げるかどうかを疑問視する専門家は少なくない。ロンドンの事件ではカメラの映像が事件そのものを未然に防いだわけではなく、事件後の捜査活動に大きな力となったにすぎないからだ。カメラの映像と不審者リストの人物とを照合する作業においても、ロンドン事件での容疑者らはこのリストに含まれていなかった。また人権団体からは、テロの未然防止にどれだけの効果があるか分からないままで監視カメラの増設を実施するのは、プライバシーの侵害以外の何物でもないと警告が発せられている。

久しぶりにワシントン市内で発行されているフリーペーパー(これがなかなか面白く、ウェブ版もあるので、興味のある方はどうぞ)を読んでいると、面白い広告を発見。旅行カバンなんかを扱っている店の広告で、小太りでハゲかかった中年男性のイラストの横には「ホワイトハウス高官、予期せぬ旅の準備か?」なるキャッチフレーズが。その下には別のフォントで「それとも、たぶんウロウロするだけ?」と別のキャッチコピーが。もちろん、これは大統領次席補佐官のカール・ローブをネタにしたもので、ローブ(Rove)って言う言葉は動詞で使うと「放浪する」っていう意味にもなるため、一種の言葉遊びになっている。ワシントンらしい(?)広告のコピーと、なんとも言えないチープなデザインが気に入ったので、紹介しておきます。

ニュースを見てて思い出したこと

2005-07-22 14:49:31 | テロリズム
今日は疲れてしもうておりますので、今からもう寝る事にします。午後6時過ぎ、約1ヶ月ぶりにカットをしてもらいに美容院に行ったんだけど、担当のオッサンがロンドンに住んでいた事もあって、ダメもとで「ロイ・キーンみたいにしてくれ」と言ってみた。今年で34歳になるマンチェスター・ユナイテッドの主将キーンは、マンチェスター・ユナイテッドが嫌いな僕ですら崇拝するアイドルで、チャラチャラしたビクトリア・シークレットの下着モデルみたいなサッカー選手が増えた英サッカー界で未だに演歌系のオーラを放つ選手(ちなみに、彼の親戚はサウス・ボストンに住んでいる)。94年の夏にアイルランドのダブリンで彼と遭遇して握手した時なんて、僕は本当に卒倒しかけたほど。美容師のオッサン、キーンの名前だけで分かってくれたようで、見事にそれらしくしてくれました。言ってみるもんだね。日曜日はハリキってサッカーの試合に行ってきます。

ニュースを1つだけ。朝から夕方まで、今日はこのニュースばかりだった。ロンドン市内で56人の命を奪った連続爆弾テロ事件からちょうど2週間後、ロンドン市内の地下鉄とバスが再び爆弾テロの危険にさらされ、公共交通網の利用に恐怖感を隠せない市民も少なくない。今回の事件、ほぼ同時刻に3ヶ所で地下鉄車両が標的となり、その後しばらくしないうちに1台のバスがターゲットとなっている。標的となった地下鉄車両内では、ほぼ同時に爆発が原因と見られる煙が発生しており、ウォーレン・ストリート駅では1人が負傷した模様だ。また、市内東部では2階建てバスに仕掛けられた爆弾が爆発し、2階部分の窓が吹き飛んだものの、怪我人は一切発生しなかった。警察情報筋は英タイムズ紙に対して、今回のテロ攻撃が自爆テロ犯の第2陣によって実行に移されたという見解を示し、現場で発見された爆発物が2週間前の事件と明らかにリンクしていると語った。

警察当局は今回の事件で使用された爆弾が同じ人物(組織)によって製造されたものと確信しており、爆発物4つの起爆装置全てに問題が存在したことに注目している。使用された爆発物はどれも7日の事件の物より小規模で、手製の起爆装置が取り付けられていた模様だ。関係者らによれば、今回の爆発物のクオリティは2週間前のものよりも相当に低かったとの事。事件発生後、ロンドン市警は首相官邸とウォーレン・ストリート駅の近くで2人の男性を逮捕しているが、現在までにこの2人と爆発事件の関係を示す情報は入ってきていない。4体の爆発物の特徴はほぼ一致しているが、ロンドン警察によれば、ウォーレン・ストリート駅で不発に終わった爆弾には爆薬の周りに大量のクギが仕込まれていた。

爆発物が不発に終わったことで、警察は指紋やDNAの採集が行えると見ており、駅周辺の監視カメラの映像と合わせながら犯人の捜索を行っていく模様だ。ウォーレン・ストリート駅近くで発生した爆発直後に現場から逃走する男性がいたとの噂が広まり、駅近くの大学病院では武装警官によって逃亡者の捜索が行われ、服の下に爆発物をもった男が病院内で目撃されたとの情報もあったが、容疑者らしい人物は見つからなかった。病院周辺で2人の男性が警察に一時拘束されたものの、テロとの関連性が無いと判断され、のちに解放されている。BBCの報道によれば、オーバル駅の事件現場では容疑者とみられる男性が拳銃で起爆装置を発火させようとしていたとの目撃情報があり、乗客が取り押さえようとしたものの、この男性は現場から立ち去っている。4ヶ所の事件現場では生物・化学・放射能兵器が用いられたかどうかも検査されたが、結果は全て陰性だった。

7日の事件でパキスタンが大きなキーワードになっているのは紛れも無い事実。イスラムの神学校で過激思想を教えているとか、テロ容疑者が長期間滞在していたとかで、確かに興味深い事実ではあると思う。おそらく何かあるとは思うんだけど、同時に僕がボストン時代に世話になったある犯罪学教授の言葉を思い出した。オクラホマの連邦政府ビルや世界貿易センタービル(1993年)が爆破された時、アメリカの捜査当局者はアメリカと関係が悪化していた旧ユーゴ諸国のテロリストの仕業と考えていたようで、セルビア出身の教授もネットワークニュースに出演して意見を求められた事が何度もあったらしい。でも、結局それぞれの事件で捕まったのは白人と北アフリカ出身者らで、ユーゴとは全く関係が無かったんだねぇ。パキスタンが重要なキーワードである事に疑いは無いけれど、それだけに目を向けると、見えなくなってしまう物も少なくないんじゃないだろうか?そんな事をふと思い出しちゃいました。

結局、今日も長々と書いてしまったけど、もう寝ます。では、また明日。

親父もすごいが、息子もすごい

2005-07-21 13:43:45 | エンターテーメント・カルチャー
横浜ベイスターズのクルーン投手が161キロを記録したそうで、日本の友人からもメールを何通かもらった。158キロと161キロって、それほど差がないようにも思えるけど、これまで160キロの大台に到達したピッチャーがいなかったわけで(カネやんは講演で、「全盛期には180キロ出てた」と言っているらしいけど…)、やっぱり1つの新しい記録が生まれたのは素晴らしい事だと思う。僕も1度だけピッチャーが160キロを投げた試合をスタジアムで見た経験があり、投げたのはボルティモア・オリオールズのホルへ・フリオというピッチャーだったと記憶しているけど、観客がスタンディング・オベーションをしたが印象に残っている。そんな夢の100マイルの瞬間に僕は何をしていたかといえば、ホットドッグにケチャップをつけることに集中していて、見事にそれを見逃してしまいました。それ以来、球場で見る試合で速球派投手が投げる時は飲食を一切ストップしております。

野球でもう少しだけ話したいんだけど、シカゴ・カブスのデレク・リーが打率(3割7分5厘)とホームラン(31本)の数で両リーグトップなんだね。デレクの親父というのが、ロッテや大洋ホエールズで活躍したレオン・リー。彼の記録を見ると、日本でプレーした10年間の通産打率が3割8厘という凄い記録を残していて、僕も小学生だった時に何度かテレビで見た記憶がある。今でも覚えているのが、阪神ファンにとっては盆と正月とハレー彗星が同時に来たような騒ぎとなった1985年のシーズン。この年にタイガースは日本一となり、さらに今ではオクラホマで政治家なんぞやってるランディ・バースが三冠王を獲得した年でもあったのです。この年に大洋でプレーしてたレオンは1試合で10打点を記録するなどして、セリーグの打点部門で3位に入ってたので、その時の思い出が今でもある。そんな名打者の息子が、いよいよ開花したわけで(数年前から期待はされてきたけど、ようやく)、シーズン終了まで彼の記録をチェックしていきたい。

特別に暑いと感じないまま7月も後半に突入したわけだけど、そういえば最近は確かに暑くなってきている。何日か連続でブログでも触れたアリゾナ周辺の熱波の話、今日のニュースでも取り上げられていたけど、やはり予想以上に深刻な問題となっているようだ。熱波でも寒波でも、一番最初に被害を受けてしまうのがホームレスの人たちで、地元の皆さんが協力して施設や水などの提供に走り回っている話を聞くと、やっぱり嬉しくなってくる。ホームレスのシェルターが比較的完備されているボストンで学生時代を過ごした事もあり、ワシントンに来た時にはそういった施設が少ない事に驚いた記憶がある。でも、真冬になれば24時間営業のコンビニなんかでは店長がホームレスを店内に一晩泊めてやるなんてこともよくあって、こんな町にもまだまだ人間らしい部分は残っている。今日はアリゾナの話を少しまとめたので、その話から行きます。

アリゾナ州フェニックスを襲っている熱波ですでに18人の死亡が確認されており、市の当局者らはホームレスのための簡易宿泊施設や水の確保に必死だ。市内のホームレス向け施設では数年ぶりに日中も利用者の受け入れを開始し、熱中症の犠牲者を少しでも減らそうと努めている。ダウンタウンには日よけ用のテントが幾つも張られ、市内にあるスーパーマーケットはペットボトルの水を無料で配給し始めた。フェニックスでは6月29日から平年よりも高い気温が続き、7月18日には市内の最高気温が摂氏45度近くにまで達している。水曜日には熱中症で新たに4人が死亡した事が確認され、これで犠牲者の数は18人となったが、このうちの14人はホームレスだった模様。また、その他の3人は老婦人だった事が明らかにされており、その中の1人はクーラーの付け忘れで死亡したようだ。

「この町に住む人間のほとんどがクーラーとクーラーを行き来するような生活を送っている中で、ホームレスの人たちが路上で日中を過ごさなければならない過酷さは、想像を絶するものがあります」、フェニックス市警のランディ・フォース巡査部長はAP通信の取材にそう語った。アリゾナ州保健省の調べによると、昨年は州全体で熱中症による34件の死亡例が報告されているが、この数には不法移民の死亡例が含まれていないため、実際の規模を計ることは困難となっている。20日の最高気温も摂氏42度をこえており、この日の最低気温が31度を下回る事は無かった。フェニックス市内のホームレス宿泊施設の1つでは、利用者がいつでも体を濡らせるようにとホースが何本も用意され、300枚のタオルも追加で注文された。シェルターを運営するボブ・リード氏は、熱中症予防のために水につけたタオルを首に巻いて使ってもらうのだと語った。

CBSニュースの気象予報士ジョージ・カレンは今回の熱波がアメリカ東部と中西部一体の広範囲で発生していると語り、これらの地域で夕方に雷雨が頻繁に発生している特徴も指摘している。カリフォルニア州のサン・ホアキン峡谷では農園で作業をしていた1人が暑さで死亡しており、ロサンゼルスでは駐車中の車で窓を閉めたまま眠っていた3人が窒息死しかけている。真夏日の影響による電力消費量も記録的なものとなっており、ニューヨーク市と近隣のウエストチェスター郡では18日の午後に1万2361メガワットが消費され、これは過去最高の消費量だった。同じく東部ニューイングランド地方でも19日に1時間で2万6749メガワットが消費され、これまでの最高記録だった2002年8月の2万5348メガワットを軽く抜き去っている。

ボルティモア交響楽団の理事会は19日、退任が決定している現音楽監督のユーリ・テミルカーノフ氏の後継者として英ボーンマス交響楽団の女性指揮者マリン・アルソップ氏を選出したが、今回の決定に不満を示す楽団員は少なくないようだ。現在48歳のアルソップ氏はイギリス国内の主要な交響楽団で初の女性主席指揮者として話題を集めたが、ボルティモア交響楽団の主席指揮者に就任すれば、全米の主要交響楽団でも初めての例となる。しかし、楽団員からは今回の決定が楽団員の意見を全く無視したまま行われたとの批判が出ている。次期音楽監督選出の発表はオーケストラのメンバーのリハーサル中に行われたが、発表を聞いたメンバーの多くは沈黙するだけだった。

19日に行われた理事会は4時間続き、最終的にアルソップ氏の選出が決定された。「我々はアルソップ氏のリーダーシップと能力が、オーケストラを次のレベルへ導いてくれると確信しています」、交響楽団のフィリップ・イングリッシュ理事長はボルティモア・サン紙に対してそう語った。ニューヨーク生まれのアルソップ氏はコロラド交響楽団の音楽監督を務めていた事もあり、アメリカ内外の主要オーケストラにゲスト参加してタクトを振るってきた。来年、彼女はオランダの名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で女性として初めて指揮を執ることが決定している。ボルティモア交響楽団のメンバーは現在も次期音楽監督の調査を継続するよう求めているが、イングリッシュ理事長は交響楽団のメンバーとアルソップ氏が上手くやっていくのは時間の問題だと強調した。アルソップ氏は、ボルティモア・サン紙の取材にノーコメントのままだ。

交響楽団のメンバーは理事会の発表が早すぎると訴えており、調査活動をこれからも継続すべきだと主張する。アメリカ国内の交響楽団が音楽監督を選出する際の明確な規範が存在しないのも事実で、理事会側と実際に演奏するメンバー達との間で温度差が存在することも珍しくない。各交響楽団内の調査委員会では、平均で全体の25~40パーセントの投票権が演奏者側に与えられており、ボルティモア交響楽団調査委員会でも21票のうち7票が演奏者側に振り当てられている。今回の騒動、異例ではあるが初めてのケースではない。1972年にクリーブランド交響楽団はローリン・マーゼルを音楽監督に選んだが、演奏者側からの反発は強く、演奏者だけで行った投票では僅かに2人だけが賛成票を投じる有様だった。交響楽団側は調査の継続を約束し、事態は一時沈静化したが、最終的にマーゼル氏の就任が決まり、これに激怒した楽団員達は彼の指揮デビューで起立をせずに抗議している。

NFLのニューイングランド・ペイトリオッツ、新シーズンも優勝するかなぁ?日本にサンフランシスコ49ersのファンという友人がいて、彼女はメールで「次のシーズンこそサンフランシスコでしょう」って言ってたけど、メンバー構成にあまり変化がなければ、次もペイトリオッツは優勝候補としてカウントできるのでは?でも、今日のニュースではラインバックのテディ・ブルスキーが少なくとも2005年中は出場できない事が分かった。今年2月にペイトリオッツがスーパーボールに勝利した10日後、ブルスキーは脳卒中に見舞われている。リハビリは順調に進んでいるようで、ブルスキー本人は2006年からの復帰を目標にしているらしいけど、焦らずに完治してほしい。たとえ復帰が数年先に延びたとしても、ボストンのファンは忘れずに待っててくれるので。

パウエルとファーレル

2005-07-20 13:26:20 | 政治
「さっき会社の同僚が話をしてたのを聞いたんだけど、コリン・パウエルのエッチ・ビデオがあるの?」、とメリーランド州で働く友人からいきなりの電話があったのが昼過ぎの事。(そういう趣味は無いけれど)あるんならネタとして面白いかなと思い、とりあえずホントかどうかだけ電話口で聞いてみた。「いやぁ、同僚の話を立ち聞きしたので、よく分からないけど、相手はライス?」などと勝手な想像を膨らます友人に呆れながらも、パウエルのビデオに興味津々。ただ、電話をもらったのが出先だったため、パソコンの前でリサーチを行うのが夕方になってしまった。幾つかのキーワードを入力して、パウエル・ビデオの話があるかどうか検索してみる。下世話な話だが、もしあるんだったら、クリントンとモニカ嬢とのスキャンダルに匹敵するようなオイシイ話。どういう形でニュースにしようかと、頭の中はすでに「取らぬ狸の皮算用」状態で、検索を続けてみた。しかし、出てくるのは別の名前で、パウエルの話は一切無かったのだ。

気になって、残業中の友人に電話を入れてみる。「あのさぁ、さっきの話だけど、もしかしてコリン・ファーレルの事?」、おそるおそる聞いてみた。彼の同僚も残業中だったらしく、確認するために席を離れた友人は少ししてからケラケラ笑って電話口に戻ってきた。「ゴメン、俺の聞き間違いだった。どうもパウエルとファーレルを間違えたみたい。ガハハハ(本当にこんな笑い声)」、久しぶりの大型スキャンダルを期待していた僕の思いは一瞬にして散った。パウエルとファーレル、アメリカ人でも間違えることがあるんだなぁ。しかし、人気俳優のコリン・ファーレルが元カノと2年前にプライベートなエッチ・ビデオを撮影していたのは事実で、この女性がビデオを販売して小銭を稼ごうとしたために、月曜日にファーレルが訴訟を起こしたのだ。有名人にはプライバシーが無いといってしまえばそれまでだけど、今頃になってビデオの消却に必死なのは、きっとファーレルやパリス・ヒルトンだけじゃないんだろう。

下世話な話から入ってしまいましたが、ここで1つお知らせが。アフガニスタンでの取材活動から戻ってきたシカゴ・トリビューン紙の高橋邦典さんからも久しぶりに連絡をもらい、蒸し暑いシカゴで頑張っているとの近況報告が。クニさんはボストン・ヘラルド紙時代にイラク戦争の従軍取材に参加していて、その際に撮影した写真を「ぼくの見た戦争」という1冊の本にして出している。そのクニさんが久しぶりに写真絵本を出すそうで(今月末にポプラ社から)、「戦争が終わっても」というタイトルの写真絵本では西アフリカのリベリアを取材中に出会った少年兵や戦争の犠牲者がテーマになっているそうだ。本を見ないまま(そう、僕はいい加減な男なんです)、クニさんに「販売促進部長をやりま~す」と言ってしまったんですが、本が手に入り次第、このブログで自分なりの感想を書こうかと思っている。ブログを読んでくれている皆さんも、機会があればぜひ書店でチェックを!

ブッシュ大統領は火曜日夜、すでに退官が決定しているサンドラ・オコナー連邦最高裁判所判事の後任に現在50歳のジョン・ロバーツを指名した。ワシントン連邦最高裁判所判事のロバーツは、保守派として知られており、これまで中道派として最高裁判所内のバランス調整役に努めてきたオコナー判事とは政治的に大きな違いを見せる。敬虔なカトリック教徒のロバーツは中絶に関してこれまでも厳しく反対の姿勢を示しており、ブッシュ大統領による指名後に国内の人権団体が反ロバーツキャンペーンを大々的に展開する可能性も出てきた。1979年にハーバード大学のロースクールを卒業したロバーツは、1980年から81年までウイリアム・レンキスト最高裁判事の下で働いていた。

ロバーツは1992年に当時のブッシュ大統領によってワシントン連邦控訴裁判所の判事に指名されるが、議会民主党からの激しい反対にあい、彼の指名が承認されることは無かった。92年の大統領選挙でブッシュ大統領がクリントン大統領に敗れると、ロバーツは民間の法律事務所へ新天地を求めた。2003年になって、ロバーツは再びブッシュ大統領(息子)からワシントン連邦控訴裁判所判事に指名され、約5ヵ月後に承認された。2000年の大統領選挙では、ブッシュ・チェイニー陣営に弁護士として加わり、大統領選挙の舞台裏を支えた1人でもある。ロバーツは中絶とアファーマティブ・アクション(マイノリティー優遇措置)に対して非常に保守的な考えを持っているとされており、環境保護問題に関しても、政府が規制を設けることに反対する立場をとっている。

7月1日にオコナー判事が退官を発表して以来、これまで彼女の後継者に関する様々な憶測がワシントンを駆け巡ってきた。火曜日の夕方までは連邦巡回控訴裁判所の女性判事エディス・クレメントが最有力と考えられ、ある政権高官はCNNに彼女が最終候補者の1人で、先週末にブッシュ大統領と会談を行った事を明らかにしていた。候補者には司法長官のアルバート・ゴンザレスや上訴裁判所のマイケル・ルティッグといった名前もあった。今回の指名発表に、共和党内からは強い支持がすでに出されているが、民主党は慎重な反応に終始している。ロバーツ判事誕生までのプロセスの中で、民主党が議会内でフィリバスターと呼ばれる議事進行の妨害を行う可能性もあり、判事の承認までに一波乱ありそうな雰囲気だ。

全米ライフル協会(NRA)のウェイン・ラピエーレ副会長は月曜日にオハイオ州コロンバスで記者会見を開き、2007年に同市で予定していた全国大会の開催地を変更すると発表した。2年後に予定されていたNRAの全国大会では、コロンバス市に1500万ドル以上の経済効果を及ぼすとも伝えられてきた。「コロンバス市議会のおかげで、6万5000人が2007年にコロンバス・コンベンションセンターにやってくる事はなくなりました」、とラピエーレ副会長は皮肉たっぷりに語った。副会長による記者会見の5日前、コロンバスのマイケル・コールマン市長は軍用セミオート・ライフルの販売を禁止する法案に署名し、この新たな銃規制法は8月12日から実施される。それ以前にセミオート・ライフルを購入した者も、警察への登録が義務付けられる。

コロンバスの市当局者や銃規制団体は月曜日のNRAによる発表を非難しており、NRA側が市議会に対して嫌がらせを行っただけでなく、「地元への経済効果」というキーワードをちらつかせてオハイオ州内での銃規制法案を通過させないよう動いていると指摘する。オハイオ州議会ではコロンバス市と同様の法案を州全体で実施すべきとの意見が出ており、今秋には共和党の州議員が法案を正式に提出する見込みだ。コールマン市長は月曜日の決定を明らかな政治介入だと批判し、「そのようなやり方がワシントンでは通用しても、コロンバスでは全く通用しない」とコメントしている。コールマン市長は来年実施される知事選挙に出馬する意向を示しており、同じ民主党で対抗馬となるテッド・ストリックランド下院議員は銃規制法案に反対してきた事もあって、長年にわたってNRAの支持を受けている。

ラピエーレ副会長はニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、「コールマン市長が選挙前に憲法で保障された自由に反対を示すのは正しくない行為」と語り、2000年の大統領選挙で民主党のアル・ゴア候補が敗退した原因も彼が銃規制を熱烈に支持したからだとの持論を展開した。米議会は殺傷能力の高い銃器類の販売を禁止する法案を通過させていたが、多数派の共和党議員らによって、規正法は昨年9月に失効している。ラピエーレ副会長はコールマン市長が来年の知事選で苦戦する事を暗に予言しているが、コロンバス市の銃規制法支持者は多い。市の警察官組合は連邦法での銃規制が昨年9月に失効して以来、市内における新たな規正法を大々的に支持してきた。コロンバス警察では以前にも増して殺傷能力の高い銃器類を押収するケースが増えており、昨年発生した殺人犯と警察官との銃撃戦では、警察官1名が大怪我を負っている。

昨日、かなりの驚きをもって書いたアリゾナ州フェニックスの殺人的な暑さ、どうも笑い事ではすまなくなってきたようで、すでに11人が熱中症で死亡した疑いがあるのだとか。気になって、フェニックスの天気予報をチェックしてみたら、来週以降は少し(ただし、ほんの少しです)だけ涼しくなるようだけど、今週末まで日中の最高気温が42~3度にまで達する模様。ワシントンも明日の最高気温が摂氏36度を超えるらしいけど、アリゾナの話を聞いてたら、本当にどうって事ないように思えてきた。フェニックス周辺では約8000人のホームレスが生活しているとかで、施設がきちんと用意されていればいいんだけど、それが少し心配になる。大丈夫かなぁ。