某週刊誌の編集者と東京でメシを食ったのが数週間前。帰国する前から彼がパリス・ヒルトンの大ファンだという事を聞いていたためか、その夜の食事では何度か「今ならまだ間に合うから、考え直してごらんよ」と説得にあたったものの、彼の気持ちが揺らぐ事は無かった。あんまり彼女のことを悪く書いてしまうと、温厚そうなこの編集者が本当に怒りそうなので、少しばかりオブラートで包んだ表現で行きますが、僕には彼女がエンターテイナーには見えないのだ。知り合いのアメリカ人記者から借りた彼女のプライベート・セックスビデオも見たものの、全然普通の人じゃぁありませんか…。確かにブサイクではないけど、あれなら我が家の近所のスタバで働いている学生の方がカワイイような。「セレブ」という、これまたファジーなジャンルにしか分類不可能なヒルトン嬢。
なんでパリス・ヒルトンの話題から始めたのかといえば(別にこの編集者にイヤミの1つを言うためとかじゃなく)、彼女がとうとう婚約したという話が入ってきたからで、お相手はギリシャの海運王の息子なのだとか。結婚の時期などは未定だけど、2人の婚約はヒルトンのスポークスマンも雑誌「ピープル」の取材に対して認めており、こちらのエンタメニュースはしばらくヒルトン関係でもちそうな感じ。マイケル・ジャクソンの性的いたずら事件も、最近は三国志のように登場人物の把握が困難になってきていて、正直よく分からなかったもんだから、こういうシンプルなニュースが一番です。婚約者の名前はパリス・ラトシスと言うそうで、彼女と同じファーストネームになっている。まさか名前で選んだわけじゃないだろうけど、彼女だったら有り得ない話ではないし…。
今日は久し振りにチェイニー副大統領の話から。世界的な人権擁護団体として知られるアムネスティ・インターナショナルは先週、キューバのグアンタナモにある海軍基地内の収容所で、タリバンやアルカイダの関係者とされる収監者たちが米軍から深刻な人権侵害を受けていると発表した。チェイニー副大統領が月曜日に同日夜に放送予定のトークショー「ラリー・キング・ライブ」の収録に参加し、その中でアムネスティ側の報告に「気分を害した」とコメントした。「アムネスティ側はアメリカが人権侵害に加担していると示唆したようですが、私はこのような報告を真剣にとらえる事はしません」、と副大統領は語っている。先週水曜日にアムネスティのアメリカ支部代表ウイリアム・シュルツ氏は、アメリカを「人権侵害を作り出し実践する国家」と名指しで非難している。
ロンドンを本拠地にするアムネスティ・インターナショナルは、ウェブサイト上に声明も発表している。「拷問や(収監者に対する)非人道的な扱いの証拠が存在する現在、アメリカはグアンタナモを含む国外の基地で国際法の遵守を徹底させるべきだ」、と声明は訴えている。CNNの番組収録の中で、チェイニー副大統領はアムネスティ側の主張に反論し、アメリカは圧政から数百万の人々を開放した事を強調した。グアンタナモでの人権侵害をあえて避けるかのように、チェイニー副大統領はブッシュ政権がアフガニスタンとイラクに住む5000万人を「開放」したと語り、諸外国の自由化にアメリカほど取り組んだ国は無いとコメントした。人権団体から「強制収容所」と揶揄されるグアンタナモについて、副大統領は「間違った事は行われていない」と語った。
アムネスティのシュルツ氏はチェイニー副大統領の発言に素早く反応し、「彼が我々の報告を深刻に受け止めるかどうかは大きな問題ではない」と語った。「チェイニー副大統領は何も深刻に受け止めていないのでしょうね。拷問もジュネーブ条約も、適法手続きや国際法といったものも」、とシュルツ氏は皮肉を込めて語っている。アムネスティ報告だけでなく国際法といったものまでがブッシュ政権に無視されている事を危惧するシュルツ氏だが、ブッシュ政権のスタンスが変わる気配は無い。先週木曜日にはグアンタナモの司令官が収容所での内部調査結果を発表し、少なくとも米兵によってイスラム教の聖典コーランが「不適切な扱い」を受けた辞令が5件あった事を認めた。ただし、問題のコーランがトイレに流されたというケースは、確固たる証拠が存在しないとの見解を示している。
ベネズエラ最高裁判事のアメリカへの入国拒否をめぐり、ベネズエラ政府がアメリカ政府高官の入国を拒否する可能性が出てきた。ベネズエラ副大統領府は30日、アメリカ政府が一度は発給していたオマー・モラ最高裁判事への観光ビザの取り消しを行った事に抗議し、外交的な警告を発している。モラ判事は今月アメリカに入国する予定だった。「多くのアメリカ政府高官や議員がベネズエラを訪れており、我々は何の問題もなく彼らを受け入れてきました。もし今回のような問題が続くのであれば、我々も同様の措置をとる事になるでしょう」、と副大統領は声明文の中で語っている。ベネズエラとベネズエラ産石油の最大の輸入国であるアメリカとの関係は、チェべス大統領の左派政権が誕生して以来冷え切ったままだが、事態がさらに悪化する可能性もある。
チャべス大統領はイギリスなどのメディアに対して、アメリカ政府が政権転覆か彼の暗殺を企てていると語った事があるが、アメリカ政府高官らは「馬鹿げた話」とこれまで一蹴している。ビザ発給を取り消されたモラ判事は先週、アメリカ側のやり方を「尊厳に対する大きな攻撃」として厳しく非難している。ベネズエラ政府とアメリカ政府は最近も反カストロ主義者のテロリストとして知られるルイス・ポサダ・カリレス(1976年にベネズエラ国内でキューバの旅客機を爆破したり、80年代後半似発生したハバナでの連続爆破テロの首謀者とされている)の引渡しをめぐり、外交的な衝突を繰り返していた。カラカスの米大使館関係者はビザの発給取り消しは領事の裁量によるもので、申請を再び行う事は可能だと語ったが、取り消しの細かな理由に関しては言及を避けている。
今月始めにはカリレス容疑者の身柄引き渡しを強く求めたチャべス大統領がアメリカに対し、引渡しが実施されない場合は両国間の関係見直しを実施せざるをえないと発言している。CIAの元で働いていた過去のあるカリレス容疑者はベネズエラの市民権を取得している。引渡し要求は先週金曜日に拒否されたが、ベネズエラ政府は明日火曜日にも正式な引き渡し要求を申請する見込みだ。チャべス大統領とキューバのカストロ議長は、現在77歳になるカリレス容疑者をベネズエラでテロリストとして裁判にかける事を望んでおり、先週末には数千人のチャべス支持者らがカラカスで引渡しを求めるデモを行っている。
ノーム・チョムスキーの爺さんが以前に著書の中で語っていたけど、ブッシュ政権の政治スタイルが世界中で容認されたなら、それこそIRAの資金源の一部として知られるボストンの幾つかの地域はイギリス軍の絨毯爆撃を受けてもいい事になる。もちろん、現実には絶対無理な話なんだけど。このカリレス容疑者はフロリダ州の反カストロ組織(メンバーは亡命キューバ人など)と大きな繋がりがあると言われていて、80年代後半のニューヨーク・タイムズの記事はハバナのホテル爆破はカリレスの犯行だったと指摘している。テロリストとフリーダム・ファイターという2つの言葉があるとしたら、その間に入る言葉は=(イコールね)しかないと思うんだけど、僕の周りのアメリカ人のほとんどがこの数式を理解できないようだ。みんないい学校を出てるはずなのになぁ。
日本から持って帰ってきた幾つもの本の中に、糸井重里が書いた「オトナ語の謎」というのがあって、夕方に最後まで読んでみたのだが、これが結構面白かった。英語でもビジネスなどで使う微妙な表現って多いけど、日本語のように「オトナ語」が氾濫しているわけでも無いと思う。僕も帰国した際には頑張って「オトナ語」を使ったりしているけど、糸井氏が指摘しているように、「オトナ語」には英訳不可能なものが少なくないんだよね。「その節はありがとうございました」みたいな表現、これって確かに英訳するには非常に困難なわけで、何とも言えないオリジナリティがあると思う。こういった「オトナ語」の会話集(ビジネス表現ではなく、あくまで一般的オトナ語)が書店に並んでいれば、僕みたいな横着者は真っ先に買いに走るだろう、絶対に。
なんでパリス・ヒルトンの話題から始めたのかといえば(別にこの編集者にイヤミの1つを言うためとかじゃなく)、彼女がとうとう婚約したという話が入ってきたからで、お相手はギリシャの海運王の息子なのだとか。結婚の時期などは未定だけど、2人の婚約はヒルトンのスポークスマンも雑誌「ピープル」の取材に対して認めており、こちらのエンタメニュースはしばらくヒルトン関係でもちそうな感じ。マイケル・ジャクソンの性的いたずら事件も、最近は三国志のように登場人物の把握が困難になってきていて、正直よく分からなかったもんだから、こういうシンプルなニュースが一番です。婚約者の名前はパリス・ラトシスと言うそうで、彼女と同じファーストネームになっている。まさか名前で選んだわけじゃないだろうけど、彼女だったら有り得ない話ではないし…。
今日は久し振りにチェイニー副大統領の話から。世界的な人権擁護団体として知られるアムネスティ・インターナショナルは先週、キューバのグアンタナモにある海軍基地内の収容所で、タリバンやアルカイダの関係者とされる収監者たちが米軍から深刻な人権侵害を受けていると発表した。チェイニー副大統領が月曜日に同日夜に放送予定のトークショー「ラリー・キング・ライブ」の収録に参加し、その中でアムネスティ側の報告に「気分を害した」とコメントした。「アムネスティ側はアメリカが人権侵害に加担していると示唆したようですが、私はこのような報告を真剣にとらえる事はしません」、と副大統領は語っている。先週水曜日にアムネスティのアメリカ支部代表ウイリアム・シュルツ氏は、アメリカを「人権侵害を作り出し実践する国家」と名指しで非難している。
ロンドンを本拠地にするアムネスティ・インターナショナルは、ウェブサイト上に声明も発表している。「拷問や(収監者に対する)非人道的な扱いの証拠が存在する現在、アメリカはグアンタナモを含む国外の基地で国際法の遵守を徹底させるべきだ」、と声明は訴えている。CNNの番組収録の中で、チェイニー副大統領はアムネスティ側の主張に反論し、アメリカは圧政から数百万の人々を開放した事を強調した。グアンタナモでの人権侵害をあえて避けるかのように、チェイニー副大統領はブッシュ政権がアフガニスタンとイラクに住む5000万人を「開放」したと語り、諸外国の自由化にアメリカほど取り組んだ国は無いとコメントした。人権団体から「強制収容所」と揶揄されるグアンタナモについて、副大統領は「間違った事は行われていない」と語った。
アムネスティのシュルツ氏はチェイニー副大統領の発言に素早く反応し、「彼が我々の報告を深刻に受け止めるかどうかは大きな問題ではない」と語った。「チェイニー副大統領は何も深刻に受け止めていないのでしょうね。拷問もジュネーブ条約も、適法手続きや国際法といったものも」、とシュルツ氏は皮肉を込めて語っている。アムネスティ報告だけでなく国際法といったものまでがブッシュ政権に無視されている事を危惧するシュルツ氏だが、ブッシュ政権のスタンスが変わる気配は無い。先週木曜日にはグアンタナモの司令官が収容所での内部調査結果を発表し、少なくとも米兵によってイスラム教の聖典コーランが「不適切な扱い」を受けた辞令が5件あった事を認めた。ただし、問題のコーランがトイレに流されたというケースは、確固たる証拠が存在しないとの見解を示している。
ベネズエラ最高裁判事のアメリカへの入国拒否をめぐり、ベネズエラ政府がアメリカ政府高官の入国を拒否する可能性が出てきた。ベネズエラ副大統領府は30日、アメリカ政府が一度は発給していたオマー・モラ最高裁判事への観光ビザの取り消しを行った事に抗議し、外交的な警告を発している。モラ判事は今月アメリカに入国する予定だった。「多くのアメリカ政府高官や議員がベネズエラを訪れており、我々は何の問題もなく彼らを受け入れてきました。もし今回のような問題が続くのであれば、我々も同様の措置をとる事になるでしょう」、と副大統領は声明文の中で語っている。ベネズエラとベネズエラ産石油の最大の輸入国であるアメリカとの関係は、チェべス大統領の左派政権が誕生して以来冷え切ったままだが、事態がさらに悪化する可能性もある。
チャべス大統領はイギリスなどのメディアに対して、アメリカ政府が政権転覆か彼の暗殺を企てていると語った事があるが、アメリカ政府高官らは「馬鹿げた話」とこれまで一蹴している。ビザ発給を取り消されたモラ判事は先週、アメリカ側のやり方を「尊厳に対する大きな攻撃」として厳しく非難している。ベネズエラ政府とアメリカ政府は最近も反カストロ主義者のテロリストとして知られるルイス・ポサダ・カリレス(1976年にベネズエラ国内でキューバの旅客機を爆破したり、80年代後半似発生したハバナでの連続爆破テロの首謀者とされている)の引渡しをめぐり、外交的な衝突を繰り返していた。カラカスの米大使館関係者はビザの発給取り消しは領事の裁量によるもので、申請を再び行う事は可能だと語ったが、取り消しの細かな理由に関しては言及を避けている。
今月始めにはカリレス容疑者の身柄引き渡しを強く求めたチャべス大統領がアメリカに対し、引渡しが実施されない場合は両国間の関係見直しを実施せざるをえないと発言している。CIAの元で働いていた過去のあるカリレス容疑者はベネズエラの市民権を取得している。引渡し要求は先週金曜日に拒否されたが、ベネズエラ政府は明日火曜日にも正式な引き渡し要求を申請する見込みだ。チャべス大統領とキューバのカストロ議長は、現在77歳になるカリレス容疑者をベネズエラでテロリストとして裁判にかける事を望んでおり、先週末には数千人のチャべス支持者らがカラカスで引渡しを求めるデモを行っている。
ノーム・チョムスキーの爺さんが以前に著書の中で語っていたけど、ブッシュ政権の政治スタイルが世界中で容認されたなら、それこそIRAの資金源の一部として知られるボストンの幾つかの地域はイギリス軍の絨毯爆撃を受けてもいい事になる。もちろん、現実には絶対無理な話なんだけど。このカリレス容疑者はフロリダ州の反カストロ組織(メンバーは亡命キューバ人など)と大きな繋がりがあると言われていて、80年代後半のニューヨーク・タイムズの記事はハバナのホテル爆破はカリレスの犯行だったと指摘している。テロリストとフリーダム・ファイターという2つの言葉があるとしたら、その間に入る言葉は=(イコールね)しかないと思うんだけど、僕の周りのアメリカ人のほとんどがこの数式を理解できないようだ。みんないい学校を出てるはずなのになぁ。
日本から持って帰ってきた幾つもの本の中に、糸井重里が書いた「オトナ語の謎」というのがあって、夕方に最後まで読んでみたのだが、これが結構面白かった。英語でもビジネスなどで使う微妙な表現って多いけど、日本語のように「オトナ語」が氾濫しているわけでも無いと思う。僕も帰国した際には頑張って「オトナ語」を使ったりしているけど、糸井氏が指摘しているように、「オトナ語」には英訳不可能なものが少なくないんだよね。「その節はありがとうございました」みたいな表現、これって確かに英訳するには非常に困難なわけで、何とも言えないオリジナリティがあると思う。こういった「オトナ語」の会話集(ビジネス表現ではなく、あくまで一般的オトナ語)が書店に並んでいれば、僕みたいな横着者は真っ先に買いに走るだろう、絶対に。