プロレスラーの橋本真也さんが40歳の若さで他界したという話を聞き、長い間プロレスを全く見る機会がなかった僕だが、やっぱり少し悲しいもので。小学生の頃あれだけ好きだったプロレスのテレビ中継(何を隠そう、ミル・マスカラスとドス・カラスのメキシコ人兄弟が大好きだったもので、あのド派手なマスクが子供心にも格好よく思えたのだ)、中学生頃にはもう見なくなっていて、レスラーとしての橋本さんの事はほとんど知らないんだけど、それでも40歳って若すぎる。ちょうど明日(火曜日)にこちらでは映画「ミリオン・ダラー・ベイビー」のDVDが発売される事もあり、僕は仕事後すぐにレンタルビデオ店にダッシュしようと思っているんだけど、映画のストーリーと橋本さんの話が微妙にリンクしたような気がした。
その「ミリオン・ダラー・ベイビー」がDVD化するのに合わせてか、ロサンゼルス・タイムズ紙に凄く面白いフィーチャー記事が出ていて、ボクサーを目指す10歳の女の子をテーマにしたルポルタージュだ。これ、時間のある人にはぜひ読んでほしい記事で、僕もこの記事を昨日の夜中に発見してから1時間ほど読み込んでしまった。「強いボクサー」になる事を夢見て、父親のコーチを受けながらチャンピオンを目指す10歳のストーリー。メキシコ移民の父親は15歳で麻薬密売人となり、刑務所の世話にもなっているが、ボクシングで新しい人生を切り開いている。こうやって書いてしまうと、なんだかスポ根ものの話に聞こえるかもしれないけど、ロサンゼルスのラティーノ・コミュニティを舞台にした生活臭漂うルポで、またもやサウスボストンを思い出して1人涙しやしたぁ…、不覚。記事へのリンク
秘密活動に従事していたCIA工作員を実名で報じた記者らに対して、ブッシュ政権が執拗に情報の出所を追及していたことは、少し前のブログでも書いた。ジャーナリズムの鉄則として僕らが教え込まれてきた取材源の秘匿義務だけど、長い間不文律として存在していたこのルールが通用しにくくなっているのも事実だ。実名で報道した記者のうち、1人は刑務所に入ることを選び、もう1人は情報源を明かすことで収監を免れている。これって白黒つけにくい問題で、僕自身もどれが正しい行動だったのかは答えれないんだけど、アメリカのメディアでは早速影響が出始めているようで、ある地方紙は完成していた調査報道記事の掲載を見送っている。そうこうしているうちに、この問題がブッシュ政権内部の政治問題へと変わってきたようだ。
この2年間にわたってホワイトハウスは、CIA工作員バレリー・プレイムに関する情報をメディアに漏洩したのはカール・ローブ次席補佐官ではないと言い切り、情報漏洩に加担した政権内部の人間を見つけ次第解雇すると主張してきた。アメリカ国内のジャーナリズムにも少なからず影響を及ぼしている今回の情報漏洩問題だが、月曜日になってホワイトハウス側はこれまでの主張をトーンダウンさせている。ホワイトハウスのスコット・マクレラン報道官は月曜日、ブッシュ大統領の懐刀であるローブ氏が情報漏えいの張本人だったのかという記者からの質問に対し、終始ノーコメントを貫くしかなかった。ローブ氏の弁護士ロバート・ラスキンは、ローブ氏がタイム誌のマシュー・クーパー記者にCIA工作員プレイムの情報を流した事を認めており、ホワイトハウスは苦しい立場に追い込まれている。
マクレラン報道官は情報漏えいに関する捜査は現在も継続中のため、記者からの質問にコメントする事はできないと語ったが、民主党は早速この問題に飛びついている。民主党議員からはローブ次席補佐官の解雇や徹底的な身辺調査を求める声が相次ぎ、ある議員は議会の公聴会でローブ氏本人が証言を行うべきと語った。「ブッシュ政権はバレリー・プレーム問題に関わった者全てをホワイトハウスから追放すると約束してきたが、この取り決めが守られることを信じています」、民主党のリード上院院内総務はそう語った。2003年から続いてきた情報漏洩に関する捜査は、先週になって大きな展開を見せている。ニューヨーク・タイムズ氏のジュディス・ミラー記者は情報源を明かすよりも刑務所に行く事を選び、クーパー記者は捜査当局に協力する姿勢を打ち出した。
ニューズウイーク誌が最近明らかにしたところでは、タイム誌のクーパー記者が上司にあてて送ったメールの1つに、クーパー記者がローブ氏とプレームに関する話を行った事実を示す内容が含まれているとの事。メールではローブ氏がプレームの名前こそ明かさなかったものの、CIAの工作員に関する話を行った様子が書かれている。マクレラン報道官は2年にわたって、記者達の間で噂され続けてきたカール・ローブ関与説を真っ向から否定し、関与そのものを「馬鹿げた推測」と一蹴してきたが、ニューズウィークの報道とローブ氏の弁護士による証言というカウンターパンチをくらった格好だ。仮にローブ氏が情報漏えいを行った張本人だった場合、2年にわたってその関与を否定し続けてきたホワイトハウスは大恥をかくことになり、さらにブッシュ大統領が最も信頼する腹心のローブ氏を「公約どおりに」解雇できるのかも見物となる。
話題をガラリと変えまして、今日は犬について少し。バージニア州ウッドブリッジのダンススタジオではペットの犬と飼い主を対象にしたダンススタジオが開かれていて、普段はコンピューター・アナリストとして働くシェリー・シュメーカーも、スタジオでは愛犬のドーベルマンと一緒にアバの「ダンシング・クイーン」などを一緒に踊って汗を流す。シューメーカーはワシントンポスト紙の取材に対し、彼女が飼う3匹の犬のための指圧セラピーや無農薬ペットフードに毎月莫大な出費をしていると語ったが、彼女のようなペット愛好家がワシントン郊外では少なくない。昨年、全米では344億ドルがペットを世話するために使われており、これは10年前の2倍強となっている。ペットの数としては犬よりも猫の方が多いが、飼い主は犬に対しより多く出費する傾向がある。
最近のペットブームを反映してか、ワシントンでも自分のペットに出資を惜しまない飼い主が増えているが、郊外のエリアではその傾向がより顕著に見られる。毎日数時間を通勤に費やさなければならず、日頃はペットと触れ合う時間があまりない飼い主らが、犬専用のデイケアーセンターに愛犬を預けたり、スイミングスクールに通わせたりしているのだ。愛犬を「習い事」に通わせるケースが増える中、犬用アクセサリーでもブランド化が進んでおり、飼い主の購買欲に火をつけている。女性用シャンプーで有名なポール・ミッチェルは最近になって犬用シャンプーの販売を開始する事を決め、ハーレー・ダビッドソンは犬用のアクセサリーを作る事にした。大手メーカーだけではなく、個人商店でもペットを対象にした商品が続々と作られているようで、ワシントン郊外で昨年11月にオープンしたベーカリーでは、犬用のバースデーケーキやバル・ミツバ(ユダヤ教の男の子が13歳の時に行う成人式)用ケーキが売られている。
全米犬用宿泊施設協会(コロラド・スプリングス)の創設メンバーでもあるスーザン・ブリッグスによると、アメリカで犬用のデイケアーセンターが誕生したのが1980年代後半で、東海岸と西海岸の両方で少しずつニーズが高まり始めた。現在は全米に1500以上の犬専用デイケアセンターがあり、その一部は大手のペット会社によっても運営されている。デイケアセンターでは犬が定期的に運動させてもらったり、他の犬達と社交を楽しんでいるそうだ。こういったデイケアーセンターは少なくとも1日に25ドルを請求され、決して安くはないものの、この2年間で急激な成長を遂げている。以前は都市部に住む飼い主が利用するケースが多かったが、最近の傾向としては郊外に住む飼い主の間で人気が高まっているそうだ。
前に話したかもしれないけど、僕の友人の会社の同僚が愛犬を心理セラピーに通わせた事があって、それまで元気のなかった愛犬が今では元気に走り回っているらしい(ホンマかいなぁ?)。東海岸や西海岸で精神科医のセラピーを受けるのは歯医者に行くのと同じくらい日常化しているけれど、犬のメンタル・ケアって一体どうやってやるんだろうか?いったん考え始めたら周りが見えない人が少なくないアメリカだけに、いつの間にかどこかの町で徳川綱吉みたいなヤツが生類憐れみの例なんかを作っても僕は驚かないだろう。オーストラリア時代の親友リッキーがよく大型犬と本気でレスリングをしてたけど、同じ事をここでやれば、サダム・フセインよりも冷たい目で見られること間違いなし…。ちなみに僕も小学生の頃にエミリーという英国風の名前をつけたコリー犬をかっておりました。やっぱり、ネコより犬でしょう。
その「ミリオン・ダラー・ベイビー」がDVD化するのに合わせてか、ロサンゼルス・タイムズ紙に凄く面白いフィーチャー記事が出ていて、ボクサーを目指す10歳の女の子をテーマにしたルポルタージュだ。これ、時間のある人にはぜひ読んでほしい記事で、僕もこの記事を昨日の夜中に発見してから1時間ほど読み込んでしまった。「強いボクサー」になる事を夢見て、父親のコーチを受けながらチャンピオンを目指す10歳のストーリー。メキシコ移民の父親は15歳で麻薬密売人となり、刑務所の世話にもなっているが、ボクシングで新しい人生を切り開いている。こうやって書いてしまうと、なんだかスポ根ものの話に聞こえるかもしれないけど、ロサンゼルスのラティーノ・コミュニティを舞台にした生活臭漂うルポで、またもやサウスボストンを思い出して1人涙しやしたぁ…、不覚。記事へのリンク
秘密活動に従事していたCIA工作員を実名で報じた記者らに対して、ブッシュ政権が執拗に情報の出所を追及していたことは、少し前のブログでも書いた。ジャーナリズムの鉄則として僕らが教え込まれてきた取材源の秘匿義務だけど、長い間不文律として存在していたこのルールが通用しにくくなっているのも事実だ。実名で報道した記者のうち、1人は刑務所に入ることを選び、もう1人は情報源を明かすことで収監を免れている。これって白黒つけにくい問題で、僕自身もどれが正しい行動だったのかは答えれないんだけど、アメリカのメディアでは早速影響が出始めているようで、ある地方紙は完成していた調査報道記事の掲載を見送っている。そうこうしているうちに、この問題がブッシュ政権内部の政治問題へと変わってきたようだ。
この2年間にわたってホワイトハウスは、CIA工作員バレリー・プレイムに関する情報をメディアに漏洩したのはカール・ローブ次席補佐官ではないと言い切り、情報漏洩に加担した政権内部の人間を見つけ次第解雇すると主張してきた。アメリカ国内のジャーナリズムにも少なからず影響を及ぼしている今回の情報漏洩問題だが、月曜日になってホワイトハウス側はこれまでの主張をトーンダウンさせている。ホワイトハウスのスコット・マクレラン報道官は月曜日、ブッシュ大統領の懐刀であるローブ氏が情報漏えいの張本人だったのかという記者からの質問に対し、終始ノーコメントを貫くしかなかった。ローブ氏の弁護士ロバート・ラスキンは、ローブ氏がタイム誌のマシュー・クーパー記者にCIA工作員プレイムの情報を流した事を認めており、ホワイトハウスは苦しい立場に追い込まれている。
マクレラン報道官は情報漏えいに関する捜査は現在も継続中のため、記者からの質問にコメントする事はできないと語ったが、民主党は早速この問題に飛びついている。民主党議員からはローブ次席補佐官の解雇や徹底的な身辺調査を求める声が相次ぎ、ある議員は議会の公聴会でローブ氏本人が証言を行うべきと語った。「ブッシュ政権はバレリー・プレーム問題に関わった者全てをホワイトハウスから追放すると約束してきたが、この取り決めが守られることを信じています」、民主党のリード上院院内総務はそう語った。2003年から続いてきた情報漏洩に関する捜査は、先週になって大きな展開を見せている。ニューヨーク・タイムズ氏のジュディス・ミラー記者は情報源を明かすよりも刑務所に行く事を選び、クーパー記者は捜査当局に協力する姿勢を打ち出した。
ニューズウイーク誌が最近明らかにしたところでは、タイム誌のクーパー記者が上司にあてて送ったメールの1つに、クーパー記者がローブ氏とプレームに関する話を行った事実を示す内容が含まれているとの事。メールではローブ氏がプレームの名前こそ明かさなかったものの、CIAの工作員に関する話を行った様子が書かれている。マクレラン報道官は2年にわたって、記者達の間で噂され続けてきたカール・ローブ関与説を真っ向から否定し、関与そのものを「馬鹿げた推測」と一蹴してきたが、ニューズウィークの報道とローブ氏の弁護士による証言というカウンターパンチをくらった格好だ。仮にローブ氏が情報漏えいを行った張本人だった場合、2年にわたってその関与を否定し続けてきたホワイトハウスは大恥をかくことになり、さらにブッシュ大統領が最も信頼する腹心のローブ氏を「公約どおりに」解雇できるのかも見物となる。
話題をガラリと変えまして、今日は犬について少し。バージニア州ウッドブリッジのダンススタジオではペットの犬と飼い主を対象にしたダンススタジオが開かれていて、普段はコンピューター・アナリストとして働くシェリー・シュメーカーも、スタジオでは愛犬のドーベルマンと一緒にアバの「ダンシング・クイーン」などを一緒に踊って汗を流す。シューメーカーはワシントンポスト紙の取材に対し、彼女が飼う3匹の犬のための指圧セラピーや無農薬ペットフードに毎月莫大な出費をしていると語ったが、彼女のようなペット愛好家がワシントン郊外では少なくない。昨年、全米では344億ドルがペットを世話するために使われており、これは10年前の2倍強となっている。ペットの数としては犬よりも猫の方が多いが、飼い主は犬に対しより多く出費する傾向がある。
最近のペットブームを反映してか、ワシントンでも自分のペットに出資を惜しまない飼い主が増えているが、郊外のエリアではその傾向がより顕著に見られる。毎日数時間を通勤に費やさなければならず、日頃はペットと触れ合う時間があまりない飼い主らが、犬専用のデイケアーセンターに愛犬を預けたり、スイミングスクールに通わせたりしているのだ。愛犬を「習い事」に通わせるケースが増える中、犬用アクセサリーでもブランド化が進んでおり、飼い主の購買欲に火をつけている。女性用シャンプーで有名なポール・ミッチェルは最近になって犬用シャンプーの販売を開始する事を決め、ハーレー・ダビッドソンは犬用のアクセサリーを作る事にした。大手メーカーだけではなく、個人商店でもペットを対象にした商品が続々と作られているようで、ワシントン郊外で昨年11月にオープンしたベーカリーでは、犬用のバースデーケーキやバル・ミツバ(ユダヤ教の男の子が13歳の時に行う成人式)用ケーキが売られている。
全米犬用宿泊施設協会(コロラド・スプリングス)の創設メンバーでもあるスーザン・ブリッグスによると、アメリカで犬用のデイケアーセンターが誕生したのが1980年代後半で、東海岸と西海岸の両方で少しずつニーズが高まり始めた。現在は全米に1500以上の犬専用デイケアセンターがあり、その一部は大手のペット会社によっても運営されている。デイケアセンターでは犬が定期的に運動させてもらったり、他の犬達と社交を楽しんでいるそうだ。こういったデイケアーセンターは少なくとも1日に25ドルを請求され、決して安くはないものの、この2年間で急激な成長を遂げている。以前は都市部に住む飼い主が利用するケースが多かったが、最近の傾向としては郊外に住む飼い主の間で人気が高まっているそうだ。
前に話したかもしれないけど、僕の友人の会社の同僚が愛犬を心理セラピーに通わせた事があって、それまで元気のなかった愛犬が今では元気に走り回っているらしい(ホンマかいなぁ?)。東海岸や西海岸で精神科医のセラピーを受けるのは歯医者に行くのと同じくらい日常化しているけれど、犬のメンタル・ケアって一体どうやってやるんだろうか?いったん考え始めたら周りが見えない人が少なくないアメリカだけに、いつの間にかどこかの町で徳川綱吉みたいなヤツが生類憐れみの例なんかを作っても僕は驚かないだろう。オーストラリア時代の親友リッキーがよく大型犬と本気でレスリングをしてたけど、同じ事をここでやれば、サダム・フセインよりも冷たい目で見られること間違いなし…。ちなみに僕も小学生の頃にエミリーという英国風の名前をつけたコリー犬をかっておりました。やっぱり、ネコより犬でしょう。