IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

世界一タフな75歳

2005-02-28 15:35:58 | ニュース
今年も例によって気がつけばアカデミー賞授賞式をテレビで見ていた。以前にもブログで書いたとおり、個人的にはクリント・イーストウッド監督の「ミリオンダラー・ベイビー」がどれだけ賞をとれるかなと期待していたのだが、4部門(監督賞、作品賞、主演女優賞、助演男優賞)で見事に受賞している。今日の朝、友達とブランチを食べに行ってたんだけど、夜行われるアカデミー賞の話題で盛り上がった。興味深い事に、僕を含めて3人全員が主演男優賞にジェイミー・フォックスという意見で一致したのだが、まさにそのとおりの結果となった。「レイ」でのフォックスの演技、本当に凄いです。僕はモハメッド・アリの半生を描いた「アリ」でのドルゥー・ブラウン役がフォックスのベストだと思ってたけど、「レイ」にはかなわない。

監督としてのクリント・イーストウッド、もしかすると俳優としての彼よりも長く映画史に刻まれるかもしれない。80年代にも8本の映画を監督しているイーストウッドだが、正直に言えば、87年公開の「バード(チャーリー・パーカーの人生を描いた秀作)」意外はアクション俳優出身の監督によるアクション映画の域を出ていなかった気がする(それでも、85年の「ペール・ライダー」は今でも好きなんだけど…)。90年代以降のイーストウッドの作品を見てみると、「許されざる者」や「マディソン郡の橋」、「パーフェクト・ワールド」といったようにバラエティに富んでいることが明らかだ。2003年の「ミスティック・リバー」だけど、僕は親しい友人に最低3回は見るように薦めている。2006年には硫黄島の戦いをテーマにした作品を監督するらしいけど、ぜひ頑張って欲しい。

先週末に新聞を読んでいて、ジャッキー・チェンの記事が目に入ってビックリした事があった。記事の内容は大した事がなく、今はもうすっかり忘れてしまったけど、僕が驚いたのはジャッキーがもう50歳になっていたという事実。僕らの世代なら、小学生の頃にジャッキーや舘ひろし(もちろん、西部警察です)に憧れて自転車を両手を放したまま運転した経験がある人は少なくないんじゃないかと思うけど、たしかにジャッキーは20年以上も前からすでにジャッキーだったんだよな。そんなジャッキーにも驚いたけど、イーストウッドが5月で75歳になる事にはもっと驚いた。調べてみたら、映画デビューが1955年公開のホラー映画だったとかで(チョイ役)、ジャッキーが生まれたときにはすでに銀幕デビューしている事になる。あと20年はアクション映画に出ていてほしいなぁ。

中西部一帯を恐怖に陥れた連続殺人鬼がようやく逮捕されたようだ。カンザス州のウィチタでは1974年から86年までの間に、判明しているだけで8人の市民が殺害され、どの事件も犯行後に「BTK」と名乗る人物からメディアや警察に犯行を誇示する手紙が送りつけられていた。BTKとは「縛って拷問し、殺害する」という言葉の頭文字をとったもので、犯人の足取りが全くつかめない状態だった。現地の警察当局は26日に記者会見を行い、BTK殺人事件の容疑者としてウィチタ近郊の市職員デニス・レイダー容疑者を逮捕したと発表した。

レイダー容疑者には別に2件の殺人事件の容疑もかけられており、少なくとも10人が同容疑者によって殺害されたのではないかと、警察当局は事件の解明に全力を挙げている。レイダー容疑者には妻と2人の子供がいるが、CNNニュースが27日に報じたところでは、捜査当局は少し前にレイダー容疑者の娘から毛髪などを提供してもらっていた模様だ。これらはDNA鑑定にまわされ、最終的にレイダー容疑者を逮捕する大きな決め手となったようだが、DNA鑑定が最後まで行われたかどうかははっきりとしていない。レイダー容疑者は教会でボーイスカウトの指導を行ったり、一時は地元教会の幹部もつとめていた。

BTK殺人犯からの手紙は1979年以降途絶えていたが、昨年3月に被害者の身分証明書や遺体を写した写真が警察などに突然送られてきたため、当局は捜査を本格的に再開した。昨年3月から現在までに、少なくとも8通の手紙がBTK殺人犯から送られてきたようで、警察はなぜ25年の沈黙を破って手紙などが送られ始めたのかに強い関心を示している。地元テレビ局アンカーの話では、昨年3月以降に送られた手紙の最後の何通かに犯人のヒントにつながるような文面が存在したとの事で、容疑者の絞込みは数週間前にすでに完了していた模様だ。

「ゆとり教育」の弊害が日本でも指摘されて久しいけど、アメリカの幾つの州では徹底的な教育改革を実施するようだ。全米13州の知事は27日にワシントンで会合を開き、それぞれの州の学力レベルを高めるために、協力体制を敷いて教育改革に取り掛かる計画を発表した。これは州内の公立高校における授業の難易度を上げたり、卒業資格をこれまでよりも厳しくしていくというもの。改革が実行された場合、13州で学ぶ高校生の30パーセント以上に何らかの影響がでると見られている。

このような改革を実行に移す場合、労働組合やPTA,教育委員会などと調整を行いながら、時間をかけて改革は行われていくが、今回は各州の知事と教育委員長、企業重役らが協力して改革の早期実現を目指す。「今回の改革案は各州が高校卒業証明書の価値をあらためて高めるための第一歩となるのです」、とオハイオ州のタフト知事はAP通信に語っている。13州では全ての高校卒業者の学力を大学入学が可能なレベルにまで引き上げる事を目標にしており、数学と国語の学習が以前よりもハードなものになる見込み。

13州で学ぶ高校生は約500万人おり、全米の高校生の35パーセントをしめる。教育改革に向けて、すでに6つの教育支援基金も設立されており、これらの基金にある約45億円の予算は13州の教育改革を支援するために使われる。アメリカでは高校教育におけるレベルの低下が深刻な問題となっており、各州の知事の多くが教育改革を政策の最優先課題に挙げている。全国の高校生の約3分の1が予定よりも送れて卒業している。しかし、企業側が大学卒業者を採用する傾向は年々高まっており、各州では潜在的失業者を減らす意味でも、早い段階で高校生に高いレベルの教育をと考えているようだ。

明日(正確には今日です、ゴメン)は大雪らしいです。予想がピッタリ当たったためしのない地元ニュースの天気予報では、20センチほどの積雪になるそうだけど、時計の針が午前1時半をさす現在、雪は全く降っていない。でも、本当に20センチも積もるんだったら、明日の夕方にでも新しいアパートに寄ってみようかと思っている。5階にある今度の部屋(カギはもうあるけど、引越しは3月5日の予定)からはワシントンの町やポトマック川が見えるので、コーヒーでも飲みながら雪景色を楽しもうかとのんきに構えているのだ。帰りは地下鉄が混んだりして大変そうだけど、まずは明日の朝を楽しみにしておきます。

漫画のチカラ

2005-02-27 15:03:37 | ニュース
今日は久しぶりに疲れがどっと出た1日だった。午前中に3回電話がかかってきたんだけど、11時頃まで頭が完全に眠ってしまっていたため、それぞれの電話で何を話したのかほとんど覚えていない有様。3人のうち1人は最近ブラジルの親戚の家から戻ってきたとかで、(僕の記憶が正しければ)ブラジルでの出来事を楽しそうに話していたようだけど、何を話したのか全く覚えていないのだ。明日会った時に、何の話をしていたのかあらためて聞いてみようかと思っている。

昼過ぎから少しずつ引越しのための荷作り作業をしたり、アパートのロビーで近所の人達とコーヒーを飲みながら世間話をしていたのだが(この頃になって、ようやく目が覚めた感じだ)、夕方になって書店に行き、新しい本を2冊購入した。今月購入した本はこれで4冊になるけど、なかなか面白そうな本がいくつも発売されており、久しぶりに書店めぐりを満喫しているのだ。数週間前に購入した2冊の本は、アメリカ人作家が書いた日本の野球に関するルポとカリフォルニアの社会学者によるアメリカ人の「恐怖心」に関するものだったが、今回はまた別のテーマのものを選んでみた。

1つはBBCの女性記者が書いた「知っておくべき50の事柄」という本で、これは意外と重要な事実でありながら普段ニュースで見過ごされがちなテーマについて書かれた物だ。この本はまだ読み始めていないから、詳しいことは書けないが、目次を見て購入を決めてしまった珍しい例でもある。例えば、アメリカでは週平均で88人の高校生が学校に銃を持ってきたとして退学処分になっているらしい。高校生と銃の問題って、そう言われてみると最近はあまり議論にすらならない話題だったと思う。

コロンバイン高校で2人の学生による銃撃事件が発生した際には、マイケル・ムーアの映画でも少し描かれていたけど、学生がナイフを学校に持ってきた事ですら大きなニュースとなっていた。コロンバインの事件がもう何十年も昔の事にすら思えてくるが、実際には未成年が関与した銃犯罪は今でも毎日のように発生していて、ここワシントンでも高校生が射殺されたなんていうニュースは日常茶飯事だ。僕はニュースがある意味で生鮮食品と同じだと考えていて、それぞれのテーマやストーリーには「鮮度」ってやつが存在すると思っている。現実には銃問題は何も解決されていけど、ニュースのバリューが一時期と比べると落ちている事は否めない。昨日購入した本を読むことで、僕が最近忘れかけているものを思い出せるかなぁと少しだけ期待している。

もう1つは、なんと漫画本なんです。これは「ブッシュ・ジュンタ(ブッシュの軍事政権)」というタイトルで、25人のカートゥニスト達がブッシュ政権をテーマに描いたエピソードを集めた短編集となっている。テーマはバラエティに富んでおり、ブッシュ祖父のナチスとの繋がりや、ブッシュやブッシュ・シニアがメンバーだとされるエール大学秘密クラブにまつわる話、チェイニー副大統領やライス国務長官にまつわるエピソードも収められている。この本、ノンフィクションとして販売されており、それぞれのエピソードに用いられる活字量が本当に多い。僕が持っていた漫画というイメージはこれには当てはまらず、むしろ挿絵の多いノンフィクション作品とでも言うべきではないだろうか?

あるエピソードには、生活苦のために国境を超えてアフガニスタンに渡り、パン屋を細々と経営していたパキスタン人男性が主人公となっていた。実在するこの男性は、アフガニスタンで北部同盟に拘束されてから米軍に引き渡され、キューバのグアンタナモ収容所に昨年まで収監されていた。米軍は男性とアルカイダやタリバンに何の接点も見出せず、最終的に釈放を決定したわけだが、パン屋の彼が捕まった理由は何だったのか?彼の焼いたパンをタリバン兵士が食べていたら、それはブッシュ大統領が言う「テロリストへの援助」になるのだろうか?米軍のアフガニスタン侵攻後、多くの人が「悪い時期に悪い場所にいた」事でグアンタナモに送られているが、真実が明らかになるのはまだまだ先のようだ。

活字で何かを伝えたり表現する事をメシの種にしている僕にとって、漫画という媒体は非常に羨ましくも思える。もちろん、書き手によって色々と変わってくるのだろうが、活字で美味く表現しきれない細かなニュアンスを1コマの絵が全て物語ってくれている事がある。羨ましい、本当に羨ましい。「ブッシュ・ジュンタ」ではチェイニー副大統領に触れたエピソードもあるのだが、話の最初の部分に印象的な1コマがあった。スーツを着てアメリカの国旗を両手にした猿の人形の手足には糸がついており、その糸は舞台の後ろからこっそりと引っ張られていた。ただただ、これだけの絵なんだが、ブッシュとチェイニー(カール・ローブでもいいかな)の関係を一瞬で表した好例ではないかと思う。

誤解を恐れずに言えば、10ドルの貸し借りを巡って殺人事件が発生してしまう世の中で、次のニュースはなかなか気分爽快なもの(関係者の方、不謹慎でスミマセン…)。ヨーロッパで最も忙しい空港の1つとして知られるオランダのスキポール空港で、26日に宝石強盗事件が発生している。スキポール空港警察が英ガーディアン紙に語ったところでは、現地時間の午前10時過ぎにKLM(オランダ航空)所有の輸送車が強盗の待ち伏せにあい盗まれたとの一報が入ったらしい。輸送車は空港近くの町に乗り捨てられており、車内にあった宝石類のほとんどが盗まれていた。盗まれた宝石の総額に関しては様々な情報が飛び交っているが、総額1億米ドルに達するという情報もあり、現地警察は捜査活動に必死だ。

事件は空港内で発生しており、事件当時は周辺に多くの目撃者もいた模様だ。貴重品を運ぶ輸送車には武装した警備員らが乗車していたが、警備員らに怪我はなかった。盗まれた宝石類はロンドンにある宝飾店所有のダイヤモンドだったようで、この店の経営者はガーディアン紙に「計画は何ヶ月も前から練られてきたのではないだろうか」と語っている。幸運な事に、盗まれた宝石類には保険がかけられているそうで、ダイヤモンドには品番が刻まれている事もあり、強盗グループが正規の業者に売りさばくのは困難なものと見られる。

1960年に女優ソフィア・ローレン所有の宝石類(総額200万ポンド)を盗んだ事のあるピーター・スコット氏もガーディアン紙の取材を受けており(中途半端な犯罪専門家に聞くよりも、こういった大御所に聞いたほうが確かに説得力はある)、犯人グループは盗んだ品物をなかなか売りさばく事ができないだろうと予測している。番号が刻まれた上に、盗品の額自体が大きいため、なかなか買い手が見つからないというのだ。スコット氏は、ソフィア・ローレン所有の3つのネックレスを盗んで売却したが、総額200万ポンドの宝石類は30万ポンドででしか売れなかったのだという。宝石を持って自首して、それから刑務所かどこかで自伝でも書いたほうが、よっぽどカネになるのでは?犯人グループも今頃後悔しているのかなぁ。

今日は

2005-02-26 11:24:22 | ニュース
ちょっと仕事して、プチ引越しも少しして、気が付けばもう9時過ぎ。今から悪友どもと食事に行くため、今日はブログの更新を休みます。しかし、お腹すいたなぁ~。夜10時頃からの夕食って、なかなかラテン的でいいですなぁ。毎日はゴメンだけど…。では、また明日!

ポートピアランドまで…

2005-02-25 16:05:41 | ニュース
今日は朝から1日中ずっと雪がふっていて、気温の方も昨日より10度近く下がり、かなり寒い天気だった。今日の夕方もいつものように荷物を少し新しいアパートに運ぼうかなと思ったものの、予想上に雪が積もってしまい、面倒くさがり屋の僕は結局明日車で荷物を運ぶという結論に。もう春かなと思っていたのに、まだまだ冬は終わりそうにない。

ワシントンポスト紙に面白い記事があったので、今日はこのニュースから。対テロ戦争を今以上に推し進める目的で、ペンタゴンは特殊部隊による海外での軍事作戦を現地の米大使の同意無しで実行するための計画を練っている模様だ。計画に詳しい複数の政権高官が明らかにしたところでは、計画が実行に移された場合、各国の米大使の権限が弱体化されるだけでなく、現地の米政府関係者が計画を全く知らされなくなる可能性もでてくるのだという。

政権幹部らによれば、この計画は911テロ事件以降のアメリカの対テロ戦略の一環として考えされたもので、これまでは極秘扱いとなっていた。ペンタゴン側は計画の実現によって海外でのテロリストの拘束や殺害が以前にも増して迅速に実行できると主張するが、国務省とCIAは海外に勤務する外交官や情報部員の権限が希薄化されるとして、2年前から計画に反対を示してきている。ペンタゴンはすでに幾つかの国に、現地外交官らの承認を得ずに特殊部隊を送り込もうと試みているが、国務省側によって計画はつぶされてきたようだ。国務省はCIAで対テロ部門の責任者をカウンターテロ部門の調整官に任命しており、2つの組織が協力する事でペンタゴンの独走を食い止める狙いがあると見られる。

実際に特殊部隊員が送り込まれたケースもすでに存在している。米軍司令官はパキスタンに特殊部隊を極秘に潜入させようとしたが、一度は国務省からの激しい反対にあっている。しかし、民間人の服装でパキスタン国内に潜入していた模様で、外交問題への発展を恐れた駐パキスタン米大使から強制的に退去させられる結果となっている。先月、パウエル国務長官が辞任し、ライス大統領補佐官が新長官に就任したが、国務省スタッフは新国務長官がこの問題をどのように扱うのか注目している。

話題をガラリと変えて、今日は土地を巡る話も少し。建国以来の唯一の内戦であった事や歴史的にも大きな意味を持つことから、アメリカ人の間では南北戦争のエピソードが今でも学校や家庭で語り継がれており、激戦地となった場所を(多くは森林・草原地帯)保護しようという運動も盛んに行われている。しかし、アメリカ国内の郊外建設ラッシュはスピードを落とすことなく広がりを見せ、かつての激戦地にも開発の波が押し寄せてきている模様だ。

南北戦争保護基金のジェームズ・ライトハイザー会長はAP通信の取材に対し、「激戦地跡が守られるかどうかは、われわれの世代の決断にかかっている」、とコメントしている。ライトハイザー会長によれば、都市部のドーナツ型現象とそれによる郊外開発のために、長くても20年後には主要な激戦地跡の保護が不可能になってしまうとの事。彼の団体は過去数年間でアメリカ国内19州に存在する合計2万1000エーカーの戦地跡の保護につとめてきたが、事態は非常に深刻なのだという。

100ヶ所以上の戦地跡が今も開発の脅威にさらされているとの事だが、ライトハイザー氏は木曜日に最も深刻な危機にさらされている10ヶ所を発表している。10ヶ所のうち3つはワシントン近郊のバージニア州に存在しており、スポッツシルバニア郡やマナサスといった地域はワシントンから車で1時間足らずの距離にあるため、新たなベッドタウン候補として開発業者から注目されている。スポッツシルバニア郡の保護運動家達は開発業者と話し合いを行い、当初建設が予定されていた2000世帯分の住宅地建設を白紙撤回させている。しかし、こういった郊外の地価は近年右肩上がりを見せており、土地所有者らも今のうちに高い値で売却したいと考えているようだ。

ラジオの本番を控えて、インターネットでリサーチの補足をしていたら、神戸ポートピアランドの廃園に関するニュースが入ってきた。関西意外に住まわれている方には馴染みが薄いかもしれないが、1981年にポートピア博覧会のレジャー施設として誕生した遊園地には、いわゆる「絶叫マシーン」ってやつがいくつもあって、僕も小学生時代に祖母に何度も連れて行ってもっらった記憶がある。周辺にはプラネタリウムやポートピアホテルなんかもあり、20年以上前に初めてポートアイランドを見たときには(空き地も多かった気がするけど)、子供ながらに未来都市の誕生かと興奮を覚えたものだ。

25日付の神戸新聞の記事をネットで読んだのだが、91年に163万人を記録した入園者数だが、最近はUSJ人気の影響もあって年間40万人台にまで落ち込んでいたのだという。神戸新聞の記事の最後には、2006年の神戸空港開港やポートアイランド2期への企業進出が増加している事からポートアイランドの賑わいは確保できるだろうという見方があるようで、廃園後のポートピアランド跡地には外資系企業が出店するプランもあるのだとか。僕が最後にポートピアランドの近くを車で通ったのが阪神大震災直後の1995年2月頃で、大学の放送部のメンバーと被災したサンテレビのスタジオを訪れ、スタッフの方にインタビューをしたときだったと思う。宝塚ファミリーランドの時もそうだったけど、行ける時に行っておけばよかったと、ここアメリカから再び後悔している。

去年から一緒にサッカーをやっている仲間の一人にナイジェリア出身の元プロ選手がいる。もともとブラジルの地方チームでプレーしてから、アメリカでもAリーグ(いわゆる2部リーグです)で少し頑張っていたようで、引退した今もうまい!数日前、一緒にサッカーの試合を見てる時に別の知人から教えてもらったんだけど、ブラジル時代には現在ブラジル代表のレギュラーになりつつあるジュニーニョ・ペルナンブカーノとチームメイトだったらしい。どうも話は本当だったようで、本人に聞いてみると、ビールですでに出来上がっていた彼は「俺とジュニーニョは兄弟みたいなもの」と豪語し始めた。「あいつはいいやつだった」というものの、ブラジルを離れてからはジュニーニョからの連絡は一切ないらしい。素晴らしき兄弟愛!

事件は冷蔵庫でおこっている

2005-02-24 15:40:18 | ニュース
朝から電話取材を一本こなし(伝記作家の方へのインタビューだったが、お世辞抜きに「いいひと」オーラを電話の向こうから感じた)、別件のリサーチを終わらせて、少し遅いランチを食べて…。ここまでは普段とあまり変わらない生活なんだが、この2~3日は夕方になると新しいアパートに少しずつ荷物を運ぶ作業があるので、夜の9時ごろには疲れて眠くなってくる。今日は服や本をまとめて運んだが、友人がトラックを出してくれる3月5日までには細かなものを全て運び終えておきたいと思っている。冷蔵庫の中の醤油やケチャップなども新しいアパートに持って行こうと、冷蔵庫を開けてみると、そこには「この世の終わり」を暗示するような凄まじい光景が…。

ちょうど2日前、僕はキッチン周辺での異臭に気が付いた。チーズとヨーグルトの中間に位置するような臭いが気になって仕方なかったけど、時々食べているテイクアウトのインド料理についてくるヨーグルトかなと思い(事実、2日前に食べた時のプラスチック容器がキッチンのゴミ箱の中にはあったから)、その日は全く気にしなかった。2日前に冷蔵庫を何回か開けているが、注意して中を見回すわけでもなく、冷蔵庫の中で問題が発生しているとは考えもしなかったのだ。昨日は昨日でスポーツバーに行ったり、昼間は出先で外食だったため、冷蔵庫を1度も開けていなかった。結論を言います…。異臭の原因、それは冷蔵庫奥に長い間放置してたプラスチック製の小型牛乳ボトルがメルトダウンしていたんです。

新しいアパートに以降と思った矢先、どえらい物を目撃してしまい、仕方なく掃除をする事に。CSIのドラマじゃないけど、手袋(適当なのが無かったのでスキー用のもので)をはめて、風邪用マスクもつけて事故現場の処理を行った。これで1日のエネルギーの8割が使われたんだろうなぁ。うちの冷蔵庫の下の段にはトマトジュースやオレンジジュースが入っているが、牛乳も時々飲むので、同じ場所に入れている。そういえば、3週間くらい前にその牛乳を買った覚えがあるけど、トマトジュースなどの陰に隠れて、奥にそのまま放置されていたのだ。長期間の放置で、ボトルの中の牛乳が発酵して、なんらかの力でプラスチック製のボトルから漏れはじめたようだ。これからは、買った牛乳はその日に飲む事にシマス。

今日のロサンゼルス・タイムズ紙に面白い記事が出ていた。セントルイスにあるESSI社はイラクでの復興事業で莫大な利益をあげているが、ブッシュ大統領の叔父にあたる(ブッシュパパの弟)ウィリアム・ブッシュ氏が先月ストックオプションで得た同社株を売却し、45万ドル(約4800万円)を手にしていた事が判明した。ブッシュ大統領から「バッキーおじさん」の愛称で呼ばれるウィリアム氏は、イラク駐留米軍に防弾チョッキなどの軍用品を納めているESSI社の役員をつとめており、前線の兵士の間で防弾服不足が叫ばれる中で同社の株価は急激に上昇している。(ESSIのサイト:http://www.engineeredsupport.com/)

イラク戦争に関連したビジネスで利益を得るといえば、チェイニー副大統領とハリーバートンの関係が真っ先に浮かんでくるが、ブッシュ・ファミリーにも色々とあるようだ。現職大統領の身内がイラクでの戦争によって利益を得る事に対してモラルを問いたくもなるけど、ブッシュ家に職業倫理を求める事自体が「馬の耳に念仏」なのかもしれない。

証券取引委員会の調べでは、ウィリアム氏は先月18日に8438株を売却している。インタビューに答えたウィリアム氏は、株売却で約45万ドルを得た事を認めている。証券取引委員会が火曜日に発表した報告書では、ESSI社の収益は前年度よりも20パーセント増加しており、年間で1000億円近い数字になると見られる。現在66歳のウィリアム氏はセントルイスにある銀行や投資会社の重役を務めたのち、2000年にESSI社の役員に就任した。過去に受けた取材でウィリアム氏は、ESSI社のイラクでのビジネス展開に大統領のコネクションを使った事は無いと語り、役員就任前には法的な問題の有無も確認してきたとの事。ESSI社の副社長はウィリアム氏の役員としての起用は、同じ町の財界人として同氏をよく知っていたからだと答えている。

しかし、ESSI社のペンタゴン関連の仕事の中には、入札無しで受注した契約がいくつもあり、同業者の間からはブッシュコネクションを疑う声も出ている。複数の国防総省高官が先週ロサンゼルスタイムズ紙に明かしたところでは、ESSI社が2002年にペンタゴンから受注した総額1億5800万ドルの大型事業の詳細がペンタゴン内の特別監査官らによって捜査される見通しなのだという。この事業の監督をつとめたペンタゴン高官は、最近になってボーイング社を巻き込んだ汚職事件で有罪判決を受けて服役中だ。

ステロイド使用が噂されるサンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手は火曜日、春季トレーニングが行われているアリゾナ州スコッツデールで記者会見を開いたが、いつものボンズ同様にトゲのある態度で会見に臨み、薬物使用に関してはコメントを避けている。昨年12月にサンフランシスコ・クロニクル紙が報じたスクープ記事では、ボンズはすでに連邦大陪審で自らの薬物使用を証言している(バルコ社から提供された薬を、「禁止薬物とは知らずに」使ったと語った模様)。

会見が始まってすぐ、ボンズは記者たちを嘘つきどもと呼び、ステロイドよりも深刻な問題が世界中には存在するという持論を展開した。記者会見に100人以上の報道陣が詰め掛ける中、ボンズは「あんたらは同じ話を何回も繰り返すばっかりで、ドラマの再放送を見てるような気分だ。僕にジェラシーでも感じてるんじゃないの?」、と記者達に挑発を繰り返している。メジャー通算で703本のホームランを放ってきたボンズが、ベーブ・ルース(714本)とハンク・アーロン(755本)の記録を抜き去るのも時間の問題と見られている。

ステロイド使用はインチキかとの質問に、ボンズは「ステロイドでバッティングの技術が向上するわけでは無いので、個人的には関係が無いと思う」、と語っている。暴露本の出版が話題になっているホセ・カンセコとの関係については、「挨拶を交わす程度のもの」とコメントしており、出版の動機が小金欲しさのものだったのではと批判している。ベーブ・ルースの話題でボンズの持論は最高潮に達し、記録更新が近づくにつれて人種差別の影が見え隠れすると、彼独特の表現で語っている。「ベーブ・ルースは史上最高の選手だったけど、彼は黒人じゃない。僕ら黒人選手達の前には壁があるんだ。僕は人種主義者ではないけど、現実の世界に生きている人間の1人だ」、数十台のテレビカメラの前でボンズはそう語っている。

予想通りの勝利

2005-02-23 15:57:25 | ニュース
昨日の公約(?)どおり、不眠症に悩まされながらも夕方になって自宅近くのスポーツバーに直行した。もちろん、欧州チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘン対アーセナルの試合を見るためである。俳優のケビンコスナーやウサマ・ビンラディンを含む世界中のアーセナルファンには申し訳ないが、イングランドでしか勝てない「井の中の蛙」にバイエルンが負けるとはこれっぽっちも思っていなかった。イングランドのビッグチームとしては少ない予算をやりくりして有能な若手選手を買い集めたベンゲル監督のマネージメントには尊敬の念さえ抱くけど、それでも負ける気は一切しなかった。仕事のためライブでは見れなかったのだが、ホームでの3-1の勝利には凄く喜んでいる。2週間後にロンドンで行われるアウェーだって、普段どおりにやれば問題は無いだろう。

今日の試合、左サイドバックにフランス人のビシェンテ・リザラスの姿があった。1年前にバイエルンを退団したこのベテラン選手はフランスのマルセイユに移籍したが、新しく監督に就任したフィリップ・トルシエとそりが合わず、最近になってバイエルンに復帰していた。会った事が無いので何とも言えないが、僕のイメージの中でトルシエは権威主義の塊にしか見えず、リザラスがそういった事を一番嫌う選手である事も興味深い。過去にはバイエルンのロッカールームで絶対的なリーダーであったローター・マテウスを殴った事もあれば、ほとんどのバスク系選手が過激派に対して払っていた「革命税」を拒否した事でも知られる。趣味以上の腕前を持つサーフィンの影響か、ボヘミアン的生き方を実践するリザラスとトルシエは水と油のような関係だったのかもしれない。

年齢を考えれば、リザラスの現役生活の終焉はすでにカウントダウンが始まっているんだろうけど、最後の最後までリザラスらしさを出し続けて欲しい。できる事ならバイエルンで現役生活を終えて欲しいぐらいだが、それは本人やコーチの考える事。僕はこれからも、2年前と変わることなくリザラスのプレーを楽しみたいと思ってる。何人かのベテラン選手が抜け、新しい選手がピッチで自分をアピールしようとする姿を見ていると、バイエルンのハングリーさは本質的には変わっていないことに気が付く。10年前にはベッカム以上の人気者だったメメット・ショルの薄くなった頭部を見ると、時代の流れを感じずにはいられないものの、バイエルンにはこれからも汗臭さが伝わってくるような演歌系フットボールを続けてほしい。

いきなりのニュースで僕もビックリしたのだが、ブッシュを狙ったテロ計画があったらしい。サウジアラビアで拘束されていたアメリカ人男性が22日にバージニア州アレキサンドリアの地方裁判所に出廷し、ブッシュ大統領暗殺計画に加担した容疑で正式に起訴された。ワシントン近郊のフォールスチャーチに住む23歳のアーメッド・アブ・アリは、ブッシュ大統領暗殺計画を企てた事や、テロリストへの援助など6件で起訴されており、有罪が確定した場合には最長で80年の懲役刑に科せられる可能性がある。

現時点で、アブ・アリ容疑者の保釈は認められていない。アブ・アリ容疑者はテロリストである疑いをかけられて、最近まで20ヶ月にわたりサウジアラビア当局に拘束されていた。法廷にはアブ・アリ容疑者の無罪を主張する弁護士や支持者ら40人の姿もあった。アブ・アリ容疑者の弁護士をつとめるエドーワード・マクマホン氏はメディアの取材に対して、公正な裁判でアブ・アリ容疑者の無罪を証明したいとコメントしている。アメリカ政府の調べでは、アブ・アリ容疑者は2002年9月から2003年6月の間、仲間達とブッシュ大統領の暗殺計画を練っていた模様で、路上で大統領を銃撃するか自動車爆弾を用いるかといった細かな部分まで計画は進んでいたのだという。

この時期、アブ・アリ容疑者はサウジアラビアに滞在しており、現地の仲間に対してアルカイダへの興味を語っていたとされる。彼のサウジアラビア滞在中の住まいの提供者が、実はアルカイダと密接な関係があったとも政府は指摘している。2003年6月、捜査当局はフォールスチャーチにある容疑者の自宅を家宅捜索しており、その際にはアルカイダ幹部が書いた本やキリスト教徒らに対する聖戦を唱えたビデオテープなどが押収されている。アブ・アリ容疑者は2003年5月にサウジアラビアのリヤドで発生した爆弾テロ事件の容疑者の1人として逮捕されているが、彼の家族はアメリカがサウジ当局に身柄の拘束を依頼したと主張しており、アブ・アリ容疑者の扱いを巡り家族とアメリカ政府の間では裁判沙汰が起きている。また、アブ・アリ容疑者がサウジアラビア拘束されている期間中、頻繁に拷問を受けていたという情報もある。

以前にも紹介したサマーズ学長に関する話のフォローアップ。ハーバード大学のローレンス・サマーズ学長による先月の女性蔑視発言は、他の大学の女性教授らを激怒させるものであったが、最近になって今まで沈黙を貫いていたハーバード大学の教職員らからも辞任を求める声があがりはじめている。ボストンで先月開かれたセミナーで、サマーズ学長は理数系の分野に女性教授の数が少ないのは遺伝的な問題かもしれないと発言し、憤慨した女性教授らがセミナーを退席する一幕もあった。

学術界、メディアともに発言を問題視したため、サマーズ学長はセミナーのトランスクリプト公開に同意したが、ハーバード大学の一部の教授らはサマーズ学長に対する不信任投票の実施も計画しており、事態が収集する気配は全く無い。サマーズ学長は公式の場ですでに何度も謝罪を行っているが、ハーバード大学にある学生新聞「ハーバード・クリムゾン」が行った調査では、アンケートに協力した280名の教職員の32パーセントが学長の辞任を強く求めている。また38パーセントの回答者が、投票が行われれば「不信任」を選ぶだろうと答えている。

サマーズ学長は火曜日に500人の教職員らと2時間にわたる話し合いを行い、現時点での不信任投票は回避された模様だ。しかし、3月15日には再び同様の会合が予定されており、ここで不信任投票が実施される可能性も消えてはいない。会合が開かれた校舎の周りでは学長の辞任を求める学生らがプラカードを手にしてデモを行っている。サマーズ学長の辞任を求める声が強い中、ハーバード大学の同窓会メンバーらは学長の支持を表明し、メールで支持を訴える署名活動を展開している。またサマーズ学長は理事会からの支持も得ているとされ、学長の辞任を巡る騒ぎは少し複雑化しそうな気配もある。

サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手が記者会見を開いて、常日頃から噂されているステロイドなどの薬物使用を否定している。過去にサンフランシスコの新聞が、ボンズが連邦大陪審で薬物を「知らずに」服用したと証言したと報じているが、ボンズは否定している。ロイター通信によると、何度も繰り返される薬物疑惑の質問に対して、「なんで同じ事を何回も聞くんだ」と苛立ちを露にする光景も見られたのだという。さらに、自分が黒人だから疑惑の対象になりやすいとの持論を展開したそうだが、僕は彼が薬物を使っていない事を本当に祈っている。人種カードを切り出したボンズに薬物の陽性反応がでた場合、必ず人種間のしこりってやつが出てくるからだ。好きな選手ではないけど、薬物を使っていない事を祈らずにはいられない。

蹴球的火曜日

2005-02-22 15:54:45 | ニュース
いよいよです。待ちに待ったサッカー欧州チャンピオンズリーグのトーナメント戦が明日から始まるということもあって、おそらく今夜は眠れない夜を過ごす事になるのだろう。試合はアメリカでも生中継され、こちらの時間だと午後3時前にキックオフとなる。明日の試合、ライブで見るのは少し厳しいけど、自宅近くのスポーツバーでは午後7時から再放送してくれるので、絶対に行こうと思う。会社勤めをしている友人の中には、明日は仕事を午後3時ごろで切り上げて帰宅する予定の者が何人かいるようで、7時からの再放送にあわせてスポーツバーに集合する計画となっている。

ドイツ南部での滞在経験があるため、僕のひいきのクラブはバイエルン・ミュンヘンなのだが、まわりの友人からは地味ながらも勝ち続けるバイエルンを応援する僕は変態呼ばわりされている。たしかにマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリッドと比べれば、世界的な人気を博すスター選手はほとんどいないし、クラブ人気を計るバロメーターに選手のルックスというカテゴリーがあるとすれば、バイエルンその時点で絶望的ですらある。ずいぶんと前にサイモン・クーパーというイギリスのジャーナリストが、「ローター・マテウス(90年代にバイエルンとドイツ代表で主将を務めた名選手)がブラジル人で不細工なルックスじゃなかったら、彼はおそらく世界的に愛される選手になっていただろう」と記事の中で語っているが、僕もそれには同感だ。

明日の試合、バイエルンの本拠地オリンピア・シュタディオンでアーセナルを迎えるのだが、客観的に考えてもバイエルンが幾分か優勢ではないかなと思う。僕はテレビで観戦するし、それで大満足なのだ。僕はバイエルンのチャンピオンズリーグでの試合をオリンピア・シュタディオンで2回観戦しているのだが、どれも結果的にハッピーエンディングを迎えれなかった。98年のボルシア・ドルトムント戦は、眠気を誘うゲーム内容のままドローで終わり、翌週のアウェーで負けている。2000年のレアル・マドリッド戦では2-1で勝ち、UFOの目撃よりも貴重だとされるカーステン・ヤンカーのゴールまでも見れたのに、アウェーゲームとの得失点差でトーナメントを去っている。今回はどうなるんだろうか?

バイエルンとアーセナル、言い換えればドイツとイングランドの戦いでもある。2001年9月にオリンピア・シュタディオンで行われたドイツ対イングランドの国際親善試合は、イングランドが大勝しているのだが、お約束どおり試合後に暴れだしたイングランドのファンによってミュンヘン中央駅周辺のホテルやバーが破壊されている。僕の知り合いがこの地域でバーを経営していたが、暴徒化するフーリガンのニュース映像を見た瞬間、思わず目がテンになってしまった。テレビに映っているフーリガンが暴れていたのは、その知り合いの店だったのだ。明日の試合後のミュンヘンの様子が今から気になるけど、何はともあれバイエルンの勝利を信じて寝ることにしよう。

欧州歴訪中のブッシュ大統領は月曜日、米欧同盟の重要性をとなえ、中東の民主化やイランの核開発問題、ロシアでの民主主義の垂体に対して欧米諸国が協力してアクションを起こすべきだと語った。欧州諸国との関係改善を図る意味もある今回の歴訪の1日目、ブッシュ大統領はフランスのシラク大統領と正餐をともにした。シラク大統領は2003年のイラク戦争で、アメリカを厳しく批判したリーダーの1人でもある。

大統領2期目で初めてのヨーロッパ訪問の初日の晩にシラク大統領と食事をする事について、ブッシュ大統領は「シラク大統領との関係が私個人にとっても、アメリカにとっても非常に重要だからだ」と語っている。シラク大統領はフランスとアメリカは「同じ価値観と理想」を200年間にわたって守り抜いてきたと語り、アメリカとの関係改善を間接的に示唆している。両者の関係改善はこれからという段階で、「関係が強まれば、シラク大統領をテキサスの牧場に招待する可能性もあるのですか」と尋ねられたブッシュ大統領は、具体的なコメントを避けている。レバノンで発生したハリリ元首相暗殺事件に関しては、ブッシュ大統領とシラク大統領との間で共通の認識が出来上がっており、レバノンからのシリア軍の即時撤退をあらためて要求した。また、国連主導による暗殺事件の捜査活動に両国が支援していく事を打ち出している。

ブッシュ大統領はこれからドイツとスロバキアを訪問するが、それぞれの国でドイツのシュレーダー首相とロシアのプーティン大統領と会談を行う予定だ。シュレーダー首相とプーティン大統領はシラク首相同様、イラク戦争におけるアメリカの外交政策に断固として反対してきており、ブッシュ大統領がどのように関係改善を図っていくのかが注目される。ブッシュ大統領はプーティン大統領に対して、ロシアで顕著に見られる民主化の後退について懸念を示す模様だが、プーティンにしてみれば「お前には言われたくないよ」といった感じではないだろうか?

2月21日は大統領記念日(ジョージ・ワシントンの誕生日である2月22日とエイブラハム・リンカーンの誕生日である2月12日が元々の由来)でアメリカは祝日であったが、大統領記念日を前にして行われた意識調査では、意外に初代大統領ワシントンの評価が低かった事が判明している。何世代にもわたって、全国の学校ではワシントンが「建国の父」として子供達に伝えられてきたが、メリーランド州のワシントン大学が実施した意識調査では、ワシントンではなくリンカーンが「歴代最高の大統領」に選ばれている。

数日前にはCNNやギャロップも同様の調査を実施し、1位に輝いたのはレーガン大統領であった。ワシントン大学の調査では、ワシントン大統領は7位となっており、同大学で歴史学を教えるテッド・ウィドマー教授は時間の経過とともにワシントンの功績が忘れ去られていく事を危惧している。アメリカ建国の父とさえ呼ばれるワシントン大統領も、わずか2パーセントの差とはいえ、現職のブッシュ大統領に負けてしまっているのだ。今回の調査では、回答者となった若者の多くがワシントンに対して大ざっぱな知識しかない事も判明している。

「最も偉大な大統領」に選ばれたリンカーンの下には、レーガン、ルーズベルト、ケネディ、クリントン、ブッシュ(現大統領)が続き、ようやくワシントンが7位にランクインしている。独立戦争の際、ワシントンが大陸軍を率いてイギリス軍と戦った事を知っていた回答者は全体の46パーセントにしか過ぎなかった。こういった状況に対して、ある教育団体のスタッフはAP通信の取材に対して、「最近の学校教育では、計算や読み書きがより重要視され、歴史や社会を学ぶ時間が減ってきているためだ」、とコメントしている。なんだか、日本と似てますなぁ。こんな事書いている僕だって、日本の首相で誰がベストかを選べって言われたら、何も言えないだろうからなぁ…。

おつかれさまでした

2005-02-21 16:26:55 | ニュース
昔の職場の先輩がいよいよ東京に戻る事になり、今日は彼のアパートで開かれた送別会に行ってきた。ラジオの本番が控えていたが、できるだけギリギリまでパーティーにいたくて、気が付けば普段滅多に口にする事の無い酒も何杯か飲んでいた。このブログでは書ききれないんだけど、この先輩には本当に世話になり、ワシントンを去る彼に寂しさを感じるというよりは、これまで世話になってきた事に本当に感謝したい気持ちでいっぱいだ。本人の前でこういう事を言うのは照れくさい事もあり、今日も相変わらずバカ話に終始したけど、それでも一緒に働いていた時に教えてもらった事(本当にたくさんあるけど)が今の僕のベースとなっている事は間違いない。長い間、お疲れ様でした。

今日のパーティー、20人以上のゲストが来ていたんだけど、僕の先輩が帰国する前に家具などを無償で提供してくれるということで、みんな目の色を変えて室内を物色していた。紙切れに自分の名前を書いて、欲しい品物にペタペタと貼り付けていくのだが、しばらくしてから部屋の中を見渡すと、まるで国税庁によって差し押さえられた物件が並んでいるのかと錯覚する光景だった。僕は電子レンジと小型テレビ、木製のCDケースをもらうことになり(最後の最後までサンキューです)、後日取りに行くことにしている。おまけでダンベルももらったのだが、これだけは今日持って帰って来た。自宅に急いで帰るために近くでタクシーを拾ったのだが、運転手はダンベルを持って乗ってきた僕をジロジロと見ていた。まぁ、僕だって同じ事をするだろうなぁ。

「ブッシュ・テープ」っていうやつが存在するらしい。ニューヨークタイムズ紙が19日に報じたところによると、ブッシュ大統領と彼の友人によって交わされたプライベートな会話が、この友人によってテープに録音されており、会話の中でブッシュ大統領は大統領選挙に関する自らの戦略を打ち明けたり、過去のマリファナ吸引などについても認める発言をしている。会話は全てブッシュ氏が大統領に就任する以前に録音されたもので、1998年から2000年までの約2年間にわたりテープ録音は続けられていた。

テープを録音していたのはダグ・ウィードという人物で、彼はブッシュ父の側近でもあった。余談だが、ウィードとは英語のスラングで「大麻」を意味する(この人物の名前とはスペルが違うが)。テープの1つには、ブッシュ氏が宗教右派と一般有権者に対してどのようにバランスよく接すればいいか悩む様子が収録されている。国内の同性愛者に対してあまり厳しくない政策を展開しようと考えたブッシュ氏だが、それによって宗教右派を怒らせることを恐れていたようだ。また、宗教右派の関係者らと関係を深める事によって、一般有権者らがブッシュ氏から離れていくジレンマにも悩まされていた。

共和党大統領候補が決定される前に録音されたテープでは、メディアから有力候補者として注目を浴びていたジョン・マケイン上院議員にそれほど脅威を感じていなかったが、スティーブ・フォーブス候補の動静は気になって仕方がなかったようだ。ブッシュ氏はこの頃からすでにアッシュクロフト氏を高く評価していたようで、大統領選挙に当選すれば、最高裁判所判事か、副大統領、司法長官のポストを与えようと考えていた模様だ。

2000年の大統領選挙で、民主党のゴア候補(当事は副大統領)は若き日のマリファナ吸引を認める発言をしているが、これに対しブッシュ氏はあえて発言を控えた事を明かしている。「マリファナに関する質問には答えないようにしたんだ。自分がやった事を子供たちに真似してほしくないからね」、とブッシュ氏は語っている。ウィード氏に取材したニューヨークタイムズ紙記者は、12本のテープを聞くことができたが、テープはまだまだあるのだという。ウィード氏はブッシュ氏が歴史的人物になるかもしれないと感じ、録音を開始したそうだが、極秘に行われた録音にホワイトハウス側は憤慨している。アメリカでは州により許可なしの録音が違法とされているが、ウィード氏によれば、録音は全て合法と認められた州で行ったのだという。

テープの存在が新たなブッシュ・スキャンダルを引き起こす可能性もあるが、当のブッシュ本人はタイミングよくヨーロッパを訪れている。4日間の予定で欧州歴訪を開始したブッシュ大統領夫妻は20日夜にベルギーのブリュッセルに到着し、ベルギーのほかにドイツとスロバキアにも訪れる予定だが、ヨーロッパ滞在中には欧州各国のリーダー達と積極的に会談を行っていく。ロシアのプーティン大統領やフランスのシラク大統領、さらにはウクライナのユーシェンコ大統領らとも会談を行い、アメリカと欧州の関係改善を図っていく模様だ。

最初の訪問国であるベルギーではNATO首脳らと会談を行い、さらにイギリスのブレア首相とイタリアのベルルスコーニ首相とも個別に会談を行う。今回のヨーロッパ訪問中に、ブッシュ大統領は「アメリカとNATO加盟国が協力して、中東諸国の民主化を促進させていくべき」という内容のスピーチを行う。ドイツではアフガニスタンやイラクから帰還した米兵らを慰問し、ドイツ市民らと討論会も行うとの事。

欧州歴訪の最終日には、スロバキアでロシアのプーティン大統領との会談を設けているが、その中でブッシュ大統領は最近強く懸念されているロシア国内の民主主義の衰退についても、プーティン大統領に問いただす模様だ。ロシア側との話し合いでは、イラン問題についても議論が交わされるようで、以前からアメリカはロシアに対してイラン南部の原子炉に核燃料を供給しないように圧力をかけてきた。ロシア側は使用済み燃料を返却させる協定があるため、イランが核兵器開発に向かう事は無いと主張しているが、アメリカ側はこれに真っ向から反対しており、ブッシュ大統領とプーティン大統領の間でどのような結論が出されるのか注目される。

御世辞にもタイムリーな話題とはいえないけど、ようやく「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」を見ました。どうしても映画のCGばかりが気になってしまうが、このテーマってかなりシリアスなものだ。氷河期に襲われたアメリカを捨てて、多くのアメリカ人がリオ・グランデ川を渡ってメキシコに密入国するシーンには苦笑した。映画の最後で副大統領の演説シーンがあり、副大統領(一説では、監督がチェイニー副大統領に似た人物をわざとキャスティングしたらしい)がテレビ演説でアメリカの傲慢さを詫びるシーンがあるのだが、僕には大金をかけたCGよりもこういった風刺を連発するところに、ただのパニック映画で終わらせなかった監督の才能を感じずにいられなかった。まだ見ていない方、ぜひぜひ見てくださいませ。

グリーンウェルは怒ってる

2005-02-19 14:46:35 | ニュース
いよいよ明日は新しいアパートへの入居日なんだけど、引越し自体は(友人が何人か大型の車を出してくれる事もあって)3月5日になる。明日は自室のキーをもらって、自分で運べる荷物だけを運び、ベッドや本棚、テレビなんかは全て5日に移動させようと思っている。しばらくの間はいま住んでいるアパートと新しいアパートを行ったり来たりの生活になってしまうけど、2つのアパートの間の距離は来るまで10分ほどなので、引越しをするという気分になかなかなれないのも事実。けれども、前のブログでも書いたように、今の家には3年近く住んでいたのだから、引越しが終わったら、やっぱり寂しくなるのかなぁ…。

明日19日のワシントンでは日米安全保障協議委員会(通称2プラス2)が開催される予定で、町村外務大臣と大野防衛庁長官は先程ワシントンに到着したようだが、明日の会合では中国と台湾の問題がテーマの1つとして話される模様だ。18日のワシントンポスト紙が報じたところによると、2プラス2では日米が台湾問題を「安全保障上の大きな懸念」と初めて位置づける事になるようで、日米同盟が外交的に大きな転換期にあると報じている。

明日の会議にはアメリカ側からライス国務長官とラムズフェルド国防長官も出席するが、ワシントンポスト紙が入手した資料によると、アメリカ側は日本が米軍と協力しながらアジアでより重要な役割をになう事を期待しているようで、台湾問題を皮切りにして1996年の共同安保宣言以降最大の変化が日本外交に求められる事になる。日本と台湾の文化・経済的な交流は以前から盛んなものの、1972年に日中国交正常化条約が結ばれて以来、日本にとっての中台問題は腫れ物を扱うような極めてデリケートなものとなっていた。しかし、今回の会議で台湾問題が話される事になり、ある台湾政府高官はワシントンポスト紙に対し、「日本が自己主張できるようになってホッとしている」とコメントしている。

最近の中国は好調な経済と軍隊の近代化により、以前にも増してアジアでの影響力を高めているが、アメリカ側は日本と協力する事で中国を牽制する狙いもあるようだ。会談に先駆けて、18日にライス国務長官は中台問題をアジア太平洋地域における大きな懸念として、これまで通り中国と台湾の両国による平和的な領土問題の解決を訴えている。明日の会談で出される声明に中国側は憤慨するかもしれないが、台湾にとっては非常に嬉しいニュースとなるだろう。中東政策のプライオリティが最も高いブッシュ政権において、アジア太平洋地域の安全保障がどれほど重要視されているのかは分からないが、少なくとも明日の声明発表後に何らかの動きが見られるような気がする。

中川経済産業相が昨日東京で記者会見を行っているが、会見で公表された中間報告書によれば、中国によって開発が計画されている東シナ海の天然ガス田2つが、どうも排他的経済水域の境界線を越えて日本にもつながっている可能性があるらしい。探査船調査で判明した問題が事実だとすれば、日本は中国から資源を「盗まれる」ことになり、日本政府は中国に対して一方的なガス田開発を中止するよう求めていくとの事。日本はガス田周辺の地層調査を3月末まで徹底的に行う模様だが、中国側が主張するように断層の存在によって日本側の天然資源が吸い取られないという保証は全くなく、政府も調査を継続していくようだ。

グリーンウェルが怒ってる。かなり怒ってる。おそらく阪神ファンの90パーセント以上にとって、マイク・グリーンウェルは正真正銘の「パブリック・エナミー・ナンバーワン」に違いないだろう。ボストン・レッドソックスで4番を打ち、MVPにも選出されたスラッガーが阪神タイガースに入団した時には鳥肌が立った。当時(1997年)の僕はボストンレッドソックスの事をあまり知らなかったのだが、それでもグリーンウェルの名前だけは知っていたくらいだ。日本にやってきたメジャーリーグの大物選手としては、今話題になっているソフトバンクのバティスタよりはるかに実績があったし、個人的にはヤクルトに在籍したホーナー以上ではないかと思う。

一説に3億5000万円の年棒で阪神に来たといわれるグリーンウェルだが、出場したのはわずかに7試合…。5月に打球を右足の甲に当て負傷すると、「神のお告げ」によって引退を決意し、5月の半ばにはとっととアメリカに帰国してしまったのだ。この時のイメージがあまりにも強烈だったため、翌年からボストンでアメリカ生活をスタートさせた僕は、機会があるたびにアメリカ人の野球ファンにグリーンウェルの事を聞きまわっていた。しかし、聞いても聞いても、ボストンの野球ファンからグリーンウェルの悪い話は出てこず、逆に彼をクレメンスと並ぶ90年代前半のスター選手と語る人がほとんどだった。

アメリカに来た頃から買い続けているレッドソックスのイヤーブックを開いても、若かりし頃のグリーンウェルの写真を簡単に見つけることができ、グリーンウェルのまわりには当時のスター選手だったクレメンスやウェイド・ボッグスらの写真もある。2002年度版のイヤーブックには、タンクトップを来て腕の筋肉を誇らしげに披露するホゼ・カンセコの写真も掲載されているのだが、このカンセコこそグリーンウェルが「マジ切れ」している人物なのだ(前置きが長くなり、スミマセン)。以前にも少し話したカンセコの暴露本がとうとう発売され、こちらではそれなりに議論を呼んでいるのだが、レッドソックス時代のチームメイトであったグリーンウェルは地元紙「ボストン・ヘラルド」の取材に答えている。

グリーンウェルはヘラルド紙の取材に対し、1988年にカンセコとアメリカン・リーグMVPの座を懸けてあらそった時期の事を語っている。この年のMVPはカンセコの手に渡っている。「今こうやってカンセコが自分のステロイド使用を認めてるんだから、当時カンセコに投票した記者達にはもう一度投票し直してほしいくらいだよ」、とグリーンウェルは語ったが、同時に当時の栄光が二度と戻ってくるものでもないからと仕方が無いと諦めてもいるようだ。88年シーズンのカンセコの成績は打率3割7厘でホームランが42本、124の打点に40の盗塁というものだった。対するグリーンウェルは3割2分5厘、ホームラン22本、119打点に16盗塁を記録している。

グリーンウェル自身もキャリアの中でホームラン数を増やしたいという欲望からステロイドに興味を持った時期があったことを認めているが、ステロイドの使用に大反対の妻による説得もあり、一度もステロイドを使う事は無かったのだという。記録では敗れたが、フェアプレーで敗れたとは思っていないとグリーンウェルはコメントしている。生涯打率3割3厘のグリーンウェルは「正々堂々とプレーしたよ。薬局ではなく、神からの贈り物とともにね…」、とカンセコを強烈に皮肉る言葉を残している。

不倫疑惑らしいです

2005-02-18 15:33:03 | ニュース
フィリピンのセブ島の大学生からメールが来た。まぁ、メール自体は何も珍しい事ではないのだが、メールにはいくつもの絵文字があり、これって携帯電話が普及するフィリピンぽいなぁと感じてしまった。日本と同じようにフィリピンでも携帯からのメール送信(正確にはテキストメッセージ)が人気を集めており、今日届いたメールにあった絵文字も、きっとフィリピンでは日常的に使われているんだろう。絵文字に関して1つ。日本から来るメールで絵文字をよく見るんだけど、女性からのメールの場合は気にならないのに、男性から来るメールで絵文字を見ると妙な違和感を感じてしまうのだ。そりゃ、絵文字だってコミュニケーション方法の1つだろうから、それはそれでいいんだけど、やっぱり気になる…。「男なら字で勝負せい」、なんていう僕も年をとった証拠なのだろうか?

ディズニーランドやディズニーワールドを経営者らを含む観光業界の重役の中には、アメリカが行う「対テロ戦争」による外国人観光客のアメリカ離れの急増を非常に懸念する者たちがいるようだ。外国人観光客がアメリカではなく別の国を旅行先に選ぶ背景として、アフガニスタンとイラクで行われている戦争によって生じた反米主義と、国内の治安維持を理由に見直しが図られた旅券の申請手続きのややこしさや空港での警備の厳しさなどが挙げられている。

ウォルト・ディズニー社のジェイ・ラスロ氏は最近の状況は「アメリカのイメージ低下以上のもの」と語り、他の国々に観光客の多くを奪われている事を明かしている。2004年にアメリカを訪れた海外からの観光客の数は、2000年度よりも約10パーセント減少しており、ここ数ヶ月はドル安のために観光客が一時的に増えたものの、全体的には観光客の減少に歯止めがかかっていない状態なのだという。観光業界関係者らはブッシュ政権の国土安全計画に一定の理解を示しながらも、国外からやってくる観光客らを犯罪者ではなく客として迎え入れることが必要だとも警告している。

ワシントンにある全米旅行業協会の調べでは、2004年にアメリカを訪れた人の数は約4500万人いたそうだが、先述のように2001年と比較した場合に10パーセントのダウンとなっている。2000年から2003年までの国別の観光客数のデータもあるのだが、日本とイギリスがそれぞれ14パーセント減っており、ドイツが17パーセント、ブラジルはなんと28パーセントもダウンしている。もちろん、それぞれの国の経済事情もあるだろうが、アメリカ側のホスピタリティやイメージに原因があることは否定できない。

また、空港警備やビザの手続きに加えて、アメリカのイメージ改善も重要な問題になっている。昨年11月にシアトルのマーケティング会社が先進8カ国で8000人を対象に行った調査では、55パーセントの回答者がアメリカに対して「以前にも増して悪いイメージを持っている」と答えており、海外でのアメリカに対する不信感も観光客が減る一因となっている。政府が海外の観光客に対してアメリカを積極的にアピールしていないという声もある。商務省は年間1000万ドルの予算を使って、海外でアメリカへの観光を宣伝しているが、関係者によれば1000万ドルの予算は何の意味も持たないのだという。オーストラリア政府は同様の宣伝に年間2億5000万ドルを費やし、スペインでさえ7000万ドルの予算が組まれている。

CBSの名物アンカーとして知られるダン・ラザーのアンカーとしての引退を間近にして、CBSテレビは17日に発表を行い、ラザーのアンカーとしての最後の出演日である3月9日に1時間の特別番組を放送し、ラザーのこれまでの報道人としての軌跡を称える事を明かした。現在73歳のラザーはCBSの「イブニング・ニュース」のアンカーを24年間務めてきたが、9日は彼のニュース番組が通常通り放送されたあとに、1時間の特別番組がオンエアされる事になる。(ラザーのプロフィール:http://en.wikipedia.org/wiki/Dan_Rather)

特別番組の中では昨年秋にラザーの取材チームが関わったブッシュ大統領の軍歴疑惑についても触れられるとの事で、番組の中でラザー本人が昨年の一件に関して語るものとみられる。昨年秋にCBSの「60ミニッツ」で報じられたブッシュ大統領の軍歴疑惑では、のちに報道が誤報であった事が判明し、プロデューサーが解雇され、3人のCBS重役が辞任している。

記者時代の1962年にケネディ大統領暗殺の取材を行い、全国的に顔が知られるようになったラザーだが、番組ではケネディ暗殺から最近のイラク情勢までを時代ごとに紹介し、歴史の目撃者であったラザーとともに各時代を振り返る構成になるようだ。これまでニュースでは出て来なかった映像も初めて公開される模様で、1965年にラザーがベトナム戦争を取材した際のものも含まれる。これはラザーが負傷した米兵をヘリコプターまで運び、彼に止血帯を巻いている映像なのだが、ラザーの強い要請があって当時のニュースでは使用されなかったのだという。

明日発売の芸能雑誌「US」にブラッド・ピットのゴシップが掲載されるらしいが、ピット側はすでに怒り心頭らしく、記事そのものがムチャクチャだとしている。最近ピットは妻で女優のジェニファー・アニストンと離婚しているが、どうも2003年夏にピットがある女優を誘っていたらしいのだ。通常、僕はこういった話に全く関心が無いのだが(自分のまわりのゴシップは好きだけどね)、不倫疑惑が僕のお気に入りの『トロイ』のオーディションで発生したらしく、暇つぶしにニュース記事を読んでみることにした。記事字体はそんなに長いものではなく、1分ほどで読み終えたのだが、こんなどうでもいい話を1分とはいえ読んでしまった自分が悲しかった。

明日発売の雑誌記事にはオーディションを受けに来た女優エープリル・フロリオにピットが強引にキスを迫られたとかで、業界の人間とは付き合わないポリシーのフロリオはこれを拒否したのだという。これ、不倫でもなんでもないし、しかもフロリオの友人への話をもとに記事は作られたのだという。東京スポーツもビックリの記事内容だけど、「女優」フロリオの過去の出演作は『アメリカンパイ2』のエキストラ役だけで、これを「ブラッド・ピットが女優と不倫か」というテーマで記事にするのは犯罪だよ。『トロイ』は調べれば調べるほど、歴史的事実に脚色が加えられている事が分かって、少しガッカリしているんだけど、それでもまた見たいと思ってしまう不思議な映画。エリック・バナの演技がかなりグッドなので、ぜひ一度見てみてください。