IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

日焼け止めクリームを忘れてしまい

2005-07-25 14:48:32 | イラク関連
久しぶりにメジャーリーグの試合に行き、まるでレチョンのようにコンガリと日焼けして帰ってきたものの、どうも体が動かない。脱水症状かどうか分からないけど、炎天下の球場で4時間半も試合を見ていたので、どうもそれが疲れの原因としか思えない。本当は金曜日に行こうと思っていた地元ワシントン・ナショナルズ対ヒューストン・アストロズの試合、当日になって別の予定が入ったためにキャンセルし(本当はヒューストンの先発クレメンスの登板をすごく見たかったんだけど)、今日の昼過ぎに友人の車でRFKスタジアムへと向かった。少年時代をミズーリー州で過ごした友人は、最近まで生粋のカンザスシティ・ロイヤルズのファンだったけど、首都ワシントンに球団が戻ってきたこともあり、仕事のあとでそのままスタジアムに向かう事も珍しくないんだとか。

今日の試合、1-1のスコアから延長戦に突入し、最終的に14回までゲームは行われた。ナショナルズの打撃について改めて語る必要はないけど、1人でもバットをボールにまともに当てれる選手がいれば、どエラいチームになってたのに…。レッドソックスが泣いて欲しがるほどの投手陣のクオリティとは対照的に、今日の試合でも14回で放ったヒットがわずかに4本。線香花火よりも寂しい攻撃陣だが、それよりも唖然とさせられたのが、14回表2アウトからの展開。ヒューストンの伏兵ブラントレット、レフト側にまさかの3ランホームラン。何が悔しいかというと、このブラントレット選手(彼の事も今日始めて知った)って今シーズンの打率が1割6部4厘で、ホームランもたった1本しか打っていなかった事。最後の最後でナショナルズ側に気の緩みがあったのでは?本当に悔しいです。

試合には負けたけど、ナショナルズの投手陣が依然として好調さを保っているのを再確認できたし、比較的若い選手が多い事もあって、これからが楽しみなチームだなと思った。アストロズのほうでは、僕がクレメンスの次に見ておきたかった選手が代打で登場し、これだけでもチケット代の価値は十分にあったと思う。クレイグ・ビジオ2塁手、僕がアメリカにやってきた98年に近所に住むレッドソックスファンがぜひ獲得して欲しい選手と言ってたのを思い出す。メジャーリーグを代表する2塁手だったビジオも今年でとうとう40歳を迎え、いつ引退してもおかしくない。そんなビジオを見れたいい思い出に浸りながら、そして日焼けでヒリヒリする腕を少しだけ気にしながら、今日はイラク関連の話からいきます。

24日のニューヨークタイムズ紙は最近数ヶ月のイラク武装勢力によるゲリラ活動を取り上げ、アメリカ側の思惑とは裏腹に武装勢力側がこれまで以上に活動を活発化させていると指摘した。これまでのゲリラ活動と比較した場合、最近の武装勢力はより暴力的で、回復力が早く、そして今まで以上に洗練されたやり方でテロ活動を続けている。最近発生した穏健派として知られるスンニ派指導者らの殺害や外交官の誘拐により、イラク国民の間ではアメリカによる2004年の主権移譲が全く成功しなかったとの認識が強まり、彼ら自身がテロの標的なっている事実を浮き彫りにしている。13万8000人以上の米兵による武装勢力壊滅作戦だが、この2年半の間に武装勢力側は戦略の大きなシフトチェンジを行っており、現在の主要な目的はイラク国内を政治的に分断し、最終的に内戦を起こすのが狙いと考えられる。

武装勢力によるテロ攻撃は以前よりも標的の正確さが増しており、実行時と実行後のプロパガンダ活動もこれまで以上に洗練されたものとなっている。イラクの米軍指揮官達は、昨年度発生した米軍とイラク軍に対する武力攻撃は毎日一定数発生していたと語り、1日平均で65回の攻撃があったことを明らかにしている。指揮官の1人が匿名を条件にニューヨーク・タイムズ紙に語ったところでは、米軍はこれまでも多数の武装勢力メンバーを戦闘中に殺害してきたが、最近では武装勢力のあるグループにダメージを与えてしばらくとしないうちに、別のグループがやって来て米軍に攻撃を加えるのだという。武装勢力による攻撃が別々のグループから何度も繰り返されることから、米軍は武装勢力内の組織力と機動力に大きな変化が生じたのではと推測しているようだ。

フセイン政権崩壊から27ヶ月が経過したが、米諜報関係者らは武装勢力内部の仕組みについて十分な把握ができていない事を認めている。一連の自爆テロの背後にいるとされる外国人テロリストとイラク人武装勢力との繋がりがどのようなものなのか、バース党出身者とイスラム民兵で構成されているイラク人武装勢力の組織系統はどのようになっているのか、アメリカ側の持つ情報は意外と少ないようだ。武装勢力によるテロ活動はアメリカにとって政治的にも大きなダメージとなる可能性があり、アメリカ主導で行われてきたスンニ派を国内政治の中心に据えるという作業も座礁する危険性がある。テロが続く事によって、スンニ派以外のイラク人から不満が噴出し、それが結果的にイラク国内で内戦を引き起こすという最悪のシナリオもアメリカ側は懸念している。

アイダホ州で最近死亡した2人の若者は、お互いの首を絞めあって意識が無くす体験にチェレンジしていた模様で、脳に血液が供給されなくなった事が直接の死因と考えられている。また、ケンタッキー州とミシガン州では、走行中の車の上に立って「サーフィン」をしていた若者が、車から滑り落ちて命を失っている。「カッコよさ」などへの憧れから、若者が危険なスタントなどに挑戦する事自体は決して目新しくないが、専門家らは最近のスタントは以前よりもはるかに危険度が高いと警告を発している。1960年代以降の若者のスタント文化を研究するテンプル大学のフランク・フォーリー教授(教育心理学)はAP通信の取材に、スタント行為が10代の若者特有の心理状態の一部だと前置きしながら、最近増えつつある過剰なスタント行為を懸念している。

アイダホで発生した死亡例のように常識の限界に挑戦したスタントが存在する一方で、BMXやスケートボードのように綿密に計算された障害コースをクリアできるかを競う「エクストリーム・スポーツ」の人気も高い。「僕らの世代は、他人とは違う自分らしさを常に追求してます」、サンディエゴ市に住む20歳のクリストファー・ソリチェッティはAP通信の取材にそう答えている。12歳からBMXの空中スタントを始めたソリチェッティは、スタント中の事故でこれまでに腎臓と肺の破裂を経験し、何本もの肋骨を骨折している。最近のスタントで前腕部を骨折したソリチェッティだが、骨折が治るとすぐにでもスタントを再開したいそうだ。

「エクストリーム・スポーツ」でできた傷を一種の勲章と考える若者は少なくなく、ビデオゲームやテレビ番組の影響を指摘する声もある。「この現象はアドレナリン・ジャンキーとでも言いましょうか」、ニューヨーク市の子供病院に勤務する精神科医はそう表現した。インターネット上ではスケートボードの最新テクニックやビルから飛び降りる映像が紹介されており、同じスタントに挑戦しようと影響される若者もいる。前述のフォーリー教授は、デジタル社会の中でスタント行為に興味を持つ若者同士が集まりやすい土壌が形成され、仲間同士の友情を示すためにスタントが一種の通過儀礼へと化していると指摘する。

球場で過ごした4時間半。ナショナルズの打撃力だけを気にしなければ、投手戦の醍醐味を存分に味わえた事もあって、僕にはいい思い出しかない。けれど、少しムカついた事があったので、ここで愚痴をこぼしておきます。僕自身、最後に球場で延長戦を見たのが5年以上も前のことだったので、葉っきりと覚えていないんだけど、少なくともRFKスタジアムでは9回表の終了時に全ての売店がシャッターを下ろしていた。その後、観客は水やジュースを一切買えないまま観戦する破目になり(球場の外にも売店はほとんど無い)、暑さでダウンした子供を抱いて席を立つ家族連れを何人か見た。14回表になって、ようやく売り子さんが出てきたが、コーラーのペットボトル(小)が一本7ドル。弱みに付け込んで、値段を上げてやがる。どっかのテーマパークのような泥棒商売に抗議する人も少なくなかったけど、「イヤなら、いいよ」という態度がプンプン。この売り子、いつか町で遭遇したら、右フックでも御見舞いしようと思ってます。