中学生の頃だったか、うちの姉にもらった本の1つにアメリカ大統領のスピーチで英語を学ぶという内容のものがあった。レーガン大統領やパパ・ブッシュの使う英語なんかより、MCハマーやボビー・ブラウン(若い方には申し訳ないですが、とうじはそりぁ凄い人気だったわけで)の使う英語に興味のあった僕は、パラパラとページをめくるだけに終始したけど、それでもボキャブリーが多い事にビックリしたものだ。アインシュタイン級の脳ミソだろうが、どうしようもないアホだろうが、アメリカの大統領は知的なイメージをずっとキープする事が仕事の1つ。そういう意味で、(別に新しいニュースでもないけど)今のブッシュ大統領って極めて異色な存在なんだと改めて実感した。1999年頃から彼のスピーチを耳にするようになったが、今のところ彼の辞書で最もスペルの長い言葉は「コンパッション(慈悲)」のままになっている。
どうしてこんな話から始めたのかというと、今日のニューズウイーク誌(電子版)にブッシュの回想録に関する話が出ていたから。どうもブッシュ大統領は任期終了後に回想録を出版するため、早くも執筆者の選定に入ったらしく、契約する予定の出版社や執筆者の名前は明らかにされていないが、すでに有力な人物が何人もリストアップされているらしい。でも、少し問題があるようで、ブッシュ大統領はこれまでの個人的な出来事なんかを記録していないようなのだ。ブッシュ・パパは日記をつけていたし、クリントンは大統領時代から日々の出来事をテープに録音していたらしいけど、ブッシュ大統領は日記もメールも全くノータッチのタイプ。どんな本が出来上がるのかは分からないけど、それこそハウツー本のような「500語で読める大統領職」みたいな本が出版されても不思議じゃない。
2012年夏季オリンピック大会の開催地が国際オリンピック連盟によって水曜日に発表されるが、それぞれの候補地は最後のロビー活動をシンガポールで展開している。パリ、ロンドン、モスクワ、マドリッドといったヨーロッパ諸国の都市に加えて、ニューヨークも候補地として立候補しており、結末は最後までわからない状態だ。イギリスとフランスのメディアはこの数ヶ月間にわたって、2012年オリンピックの開催地決定はロンドンとパリの2都市による競争だと主張してきたが、ニューヨークも候補地の1つとして最後まで戦うことを表明している。ニューヨーク側は911テロ事件の例を頻繁に出し、投票権を持つ人たちの感情に訴えかけようとする戦略を展開している。
ニューヨークを開催地としてアピールするためにシンガポールを訪れている民主党のヒラリー・クリントン上院議員やニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグは、4年前のテロ事件からニューヨーク市民が立ち直った事を強調し、さらにニューヨークの将来が今まで以上に輝かしいものになるだろうと語り、2012年のオリンピック開催に向けて最後の呼びかけを行った。2012年のオリンピック開催地を巡っては、パリが最有力候補地と長い間考えられてきており、パリ側は新たな施設の建設を行う代わりに、既存の競技場などを使用していく方針を打ち出している。国際オリンピック連盟では大会の規模縮小を唱える声も出てきており、2012年にパリでオリンピックが開催される場合、それは2016年以降の大会に向けて1つの指針が作られる事も意味する。
ロンドンは2000年のシドニー大会の成功を例に挙げ、オリンピック施設を市内東部に建設する事で、その地域の再開発も行いたいとしている。マドリッドの場合、とりたてて強烈にアピールできる点は少ないが、国際オリンピック連盟のサマランチ会長がスペイン人という事もあり、その影響力が注目されている。モスクワにいたっては、多くの関係者が「完全な大穴」と語っている。シンガポールで最後のロビー活動を展開するアメリカの代表団はロサンゼルスタイムズ紙の取材に対し、開催地の誘致活動に「911テロからの復興」という感情的な要素はそれほど重要ではないと語るが、911テロ事件を最大限に利用しているのもまた事実だ。テロ事件発生時にニューヨークに滞在していたオーストラリアの水泳選手イアン・ソープは、今回シンガポールでアメリカの誘致活動の手伝いをしており、月曜日の記者会見ではやはりニューヨークの復興を声高に強調した。
トム・クルーズ主演の最新作「宇宙戦争」は先週水曜日に公開されてから最初の6日間で1億1300万ドルを稼ぎ出しており、興行的には大成功を収めている。2005年はハリウッドにとって受難の年とも言われ、劇場公開作品の興行成績が軒並み低い状態だが(映画会社は伝統的に独立記念日周辺に話題作を公開するが、今年の独立記念日周辺に公開された映画の興行収入成績は前年度よりも25パーセントもダウンしている)、そのなかで「宇宙戦争」はきっちりと結果を出している。ハリウッドのPR会社社長はハリウッド・リポーター紙に対し、「宇宙戦争」の興行的な成功はスピルバーグ監督のネームブランドが大きな役割を果たしたとし、最近のトム・クルーズ関連のゴシップとはあまり関係がないと語っている。
ドリームワークスとの共同制作で作られた「宇宙戦争」は独立記念日連休前に公開された映画としては史上2番目の興行収入を記録しており(1位は2004年公開の「スパイダーマン2」で約1億1600万ドル)、7月3日までに世界中で総額2億1500万ドルを稼ぎ出している。スピルバーグ監督にとっても、今回の作品は十分すぎるほどの大成功だったようで、公開から4日間での興行収入は1997年のメモリアル・デー(戦没将兵記念日)に合わせて公開された「ザ・ロスト・ワールド」に次ぐものとなった。主演のトム・クルーズにとって今回の「宇宙戦争」は興行面での自己ベストとなっており、これまでは2000年のメモリアル・デー前に公開された「ミッション・インポッシブル2」の7000万ドル(公開から4日間の記録)が最高だった。
これまでのアメリカン・コミック路線とは一線を画した「バットマン・ビギンズ」は先週の興行成績が2000万ドル足らずだったが、すでに1億5500万ドルを稼ぎ出しており、関係者は国内だけで2億ドルの稼ぎが期待できると確信している。また、最近何かと話題のブラッド・ピットとアンジェリナ・ジョリーが共演した「ミスター・アンド・ミセス・スミス」も順調に1億5000万ドルの興行収入を記録している。「スパイダーマン2」が大成功を収めた昨年の独立記念日連休、全米の劇場興行収入成績は総額で2億2300万ドルに達したが、今年は1億7000万ドル辺りでストップする模様だ。昨年の同時期、1000万ドル以上を稼ぎ出した映画は6本だったが、今年は5本に減っている。ボックスオフィスは19週連続で(現在も継続中)昨年よりも低い数字に直面しており、映画会社にとっては頭の痛い日々がまだ続きそうだ。
ついこの前までワシントンの住人だった若いニュージーランド人が、イギリスで労働許可書が取得できないかもしれない事態に陥っていたけど、どうやらその問題も解決したようだ。ブラックバーン・ローバーズというサッカーチームで1月からプレーするライアン・ネルセンは、DCユナイテッドで守備の要として活躍してきた選手で、おそらく最近のワシントンでは最も愛されたアスリートの1人だろう。ニュージーランドというフットボールの血統書が全く存在しない国からアメリカにやってきたネルセンは、大学サッカーで頭角を現したのち、DCユナイテッドに入団した。屈強な体と後方からゲームを作れる能力のおかげで、ネルセンはDCユナイテッドの中心選手に成長し、2003年からは2年連続でMLSのベストイレブンに選ばれた。「ネルセンはすぐに荷物をまとめて、ヨーロッパで新たな挑戦をすべき」、何人かのスポーツ記者は口を揃えて僕にそう言った。
27歳のニュージーランド人は今年1月、ランカシャーのブラックバーンという小さな町に引っ越し、同時にプレミアリーグで最も学歴の高いサッカー選手になった(ネルセンはスタンフォード大学を卒業している)。ヨーロッパに渡る日本人選手と同じように、ネルセンも最初のうちは海の物か山の物か分からないような目で見られていたが、気が付けばディフェンスの中心でチームを引っ張っていた。クラブ側はさっそく契約の延長を申し込むが、イギリス政府が労働許可書の発給に消極的だったのだ。自国の代表チームで常に試合に出る事がビザ取得の条件とされ、ネルセン自身はその規定も軽くクリアしていたが、「3流国の代表チームでの活躍は別物」と英政府がイチャモンをつけたのだ。クラブ側の抗議もあって、ネルセンにはようやくビザが発給され、近いうちに新たな3年契約が結ばれる事になる。ラグビーだけでなくサッカーでも、イギリス人は人口400万人ほどの島国の底力に魅了されるかもしれない。
どうしてこんな話から始めたのかというと、今日のニューズウイーク誌(電子版)にブッシュの回想録に関する話が出ていたから。どうもブッシュ大統領は任期終了後に回想録を出版するため、早くも執筆者の選定に入ったらしく、契約する予定の出版社や執筆者の名前は明らかにされていないが、すでに有力な人物が何人もリストアップされているらしい。でも、少し問題があるようで、ブッシュ大統領はこれまでの個人的な出来事なんかを記録していないようなのだ。ブッシュ・パパは日記をつけていたし、クリントンは大統領時代から日々の出来事をテープに録音していたらしいけど、ブッシュ大統領は日記もメールも全くノータッチのタイプ。どんな本が出来上がるのかは分からないけど、それこそハウツー本のような「500語で読める大統領職」みたいな本が出版されても不思議じゃない。
2012年夏季オリンピック大会の開催地が国際オリンピック連盟によって水曜日に発表されるが、それぞれの候補地は最後のロビー活動をシンガポールで展開している。パリ、ロンドン、モスクワ、マドリッドといったヨーロッパ諸国の都市に加えて、ニューヨークも候補地として立候補しており、結末は最後までわからない状態だ。イギリスとフランスのメディアはこの数ヶ月間にわたって、2012年オリンピックの開催地決定はロンドンとパリの2都市による競争だと主張してきたが、ニューヨークも候補地の1つとして最後まで戦うことを表明している。ニューヨーク側は911テロ事件の例を頻繁に出し、投票権を持つ人たちの感情に訴えかけようとする戦略を展開している。
ニューヨークを開催地としてアピールするためにシンガポールを訪れている民主党のヒラリー・クリントン上院議員やニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグは、4年前のテロ事件からニューヨーク市民が立ち直った事を強調し、さらにニューヨークの将来が今まで以上に輝かしいものになるだろうと語り、2012年のオリンピック開催に向けて最後の呼びかけを行った。2012年のオリンピック開催地を巡っては、パリが最有力候補地と長い間考えられてきており、パリ側は新たな施設の建設を行う代わりに、既存の競技場などを使用していく方針を打ち出している。国際オリンピック連盟では大会の規模縮小を唱える声も出てきており、2012年にパリでオリンピックが開催される場合、それは2016年以降の大会に向けて1つの指針が作られる事も意味する。
ロンドンは2000年のシドニー大会の成功を例に挙げ、オリンピック施設を市内東部に建設する事で、その地域の再開発も行いたいとしている。マドリッドの場合、とりたてて強烈にアピールできる点は少ないが、国際オリンピック連盟のサマランチ会長がスペイン人という事もあり、その影響力が注目されている。モスクワにいたっては、多くの関係者が「完全な大穴」と語っている。シンガポールで最後のロビー活動を展開するアメリカの代表団はロサンゼルスタイムズ紙の取材に対し、開催地の誘致活動に「911テロからの復興」という感情的な要素はそれほど重要ではないと語るが、911テロ事件を最大限に利用しているのもまた事実だ。テロ事件発生時にニューヨークに滞在していたオーストラリアの水泳選手イアン・ソープは、今回シンガポールでアメリカの誘致活動の手伝いをしており、月曜日の記者会見ではやはりニューヨークの復興を声高に強調した。
トム・クルーズ主演の最新作「宇宙戦争」は先週水曜日に公開されてから最初の6日間で1億1300万ドルを稼ぎ出しており、興行的には大成功を収めている。2005年はハリウッドにとって受難の年とも言われ、劇場公開作品の興行成績が軒並み低い状態だが(映画会社は伝統的に独立記念日周辺に話題作を公開するが、今年の独立記念日周辺に公開された映画の興行収入成績は前年度よりも25パーセントもダウンしている)、そのなかで「宇宙戦争」はきっちりと結果を出している。ハリウッドのPR会社社長はハリウッド・リポーター紙に対し、「宇宙戦争」の興行的な成功はスピルバーグ監督のネームブランドが大きな役割を果たしたとし、最近のトム・クルーズ関連のゴシップとはあまり関係がないと語っている。
ドリームワークスとの共同制作で作られた「宇宙戦争」は独立記念日連休前に公開された映画としては史上2番目の興行収入を記録しており(1位は2004年公開の「スパイダーマン2」で約1億1600万ドル)、7月3日までに世界中で総額2億1500万ドルを稼ぎ出している。スピルバーグ監督にとっても、今回の作品は十分すぎるほどの大成功だったようで、公開から4日間での興行収入は1997年のメモリアル・デー(戦没将兵記念日)に合わせて公開された「ザ・ロスト・ワールド」に次ぐものとなった。主演のトム・クルーズにとって今回の「宇宙戦争」は興行面での自己ベストとなっており、これまでは2000年のメモリアル・デー前に公開された「ミッション・インポッシブル2」の7000万ドル(公開から4日間の記録)が最高だった。
これまでのアメリカン・コミック路線とは一線を画した「バットマン・ビギンズ」は先週の興行成績が2000万ドル足らずだったが、すでに1億5500万ドルを稼ぎ出しており、関係者は国内だけで2億ドルの稼ぎが期待できると確信している。また、最近何かと話題のブラッド・ピットとアンジェリナ・ジョリーが共演した「ミスター・アンド・ミセス・スミス」も順調に1億5000万ドルの興行収入を記録している。「スパイダーマン2」が大成功を収めた昨年の独立記念日連休、全米の劇場興行収入成績は総額で2億2300万ドルに達したが、今年は1億7000万ドル辺りでストップする模様だ。昨年の同時期、1000万ドル以上を稼ぎ出した映画は6本だったが、今年は5本に減っている。ボックスオフィスは19週連続で(現在も継続中)昨年よりも低い数字に直面しており、映画会社にとっては頭の痛い日々がまだ続きそうだ。
ついこの前までワシントンの住人だった若いニュージーランド人が、イギリスで労働許可書が取得できないかもしれない事態に陥っていたけど、どうやらその問題も解決したようだ。ブラックバーン・ローバーズというサッカーチームで1月からプレーするライアン・ネルセンは、DCユナイテッドで守備の要として活躍してきた選手で、おそらく最近のワシントンでは最も愛されたアスリートの1人だろう。ニュージーランドというフットボールの血統書が全く存在しない国からアメリカにやってきたネルセンは、大学サッカーで頭角を現したのち、DCユナイテッドに入団した。屈強な体と後方からゲームを作れる能力のおかげで、ネルセンはDCユナイテッドの中心選手に成長し、2003年からは2年連続でMLSのベストイレブンに選ばれた。「ネルセンはすぐに荷物をまとめて、ヨーロッパで新たな挑戦をすべき」、何人かのスポーツ記者は口を揃えて僕にそう言った。
27歳のニュージーランド人は今年1月、ランカシャーのブラックバーンという小さな町に引っ越し、同時にプレミアリーグで最も学歴の高いサッカー選手になった(ネルセンはスタンフォード大学を卒業している)。ヨーロッパに渡る日本人選手と同じように、ネルセンも最初のうちは海の物か山の物か分からないような目で見られていたが、気が付けばディフェンスの中心でチームを引っ張っていた。クラブ側はさっそく契約の延長を申し込むが、イギリス政府が労働許可書の発給に消極的だったのだ。自国の代表チームで常に試合に出る事がビザ取得の条件とされ、ネルセン自身はその規定も軽くクリアしていたが、「3流国の代表チームでの活躍は別物」と英政府がイチャモンをつけたのだ。クラブ側の抗議もあって、ネルセンにはようやくビザが発給され、近いうちに新たな3年契約が結ばれる事になる。ラグビーだけでなくサッカーでも、イギリス人は人口400万人ほどの島国の底力に魅了されるかもしれない。