IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

2006中間選挙

2006-11-08 10:30:16 | 政治
中間選挙のため、ブログがなかなか更新できなかったんだけど、久しぶりに更新します。昨日もニュースをまとめていたんだけど、明け方まで仕事があったためブログには掲載できず、今日はそれもまとめて掲載する事に。その前に最近見た映画について一言。先週末に友人と「ソウ3」を見に行ってきたんだけど、あのタイプの映画って拷問というか、痛々しい殺害方法というか、とにかく見ていて気分が悪くなりそうなシーンが多い。でも映画の終盤で気付いたんだけど、今回の作品は絡み合う人間関係がテーマにもなっていて、映画の最後の方にももちろん生々しい殺害シーンが登場するものの、僕はその人間関係を頭の中で整理するのに忙しかったため、クライマックスとなる部分であまり怖い思いをする事ができなかった。第3作目はファンの間でも評価が分かれているらしいけど、個人的には「もう少しシンプルなプロットでもよかったのでは?」と思ったりもした。さてさて、今日は中間選挙に関するニュースを。

の専門紙が最新号の社説の中でラムズフェルド国防長官の辞任を求め、中間選挙直前になってブッシュ政権やペンタゴン高官は、その対応に追われている。ペンタゴンはCNNなど国内メディアの取材に対し、「こういった辞任要求は特に目新しいものではない」とコメントするにとどまった。ブッシュ大統領は先週、「チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官には最後まで仕事をしてもらう」と語り、アメリカ国内で以前から叫ばれてきたラムズフェルド長官の辞任を求める世論を牽制したが、それから間もなくして米軍関係者やその家族らに購読されている専門紙の社説が国防長官の辞任を要求する格好となった。社説は6日に4つの専門紙(アーミー・タイムズ、ネイビー・タイムズ、エアフォース・タイムズ、マリーン・タイムズ)に掲載される予定で、これら4つの週刊紙はUSAトゥディを発行するガネット社が所有している。

アーミー・タイムズ紙のロバート・ホディーム編集長はCNNの取材に対し、中間選挙のわずか1日前に問題の社説が掲載されるのは「全くの偶然だ」と語り、政治的な意図が無い事を強調した。「ラムズフェルド長官はペンタゴンの制服組からも、一般の兵士からも、そして議会や国民からも信用を失った。彼の戦略は失敗に終わり、指導力に問題があることも露呈された。イラクでの失敗の責任は国防長官にあるはずだが、実際に非難の矢面にさらされているのは現場の兵士たちなのだ」。6日に掲載予定の社説では、厳しい言葉によるラムズフェルド批判が展開されている。社説の内容が明らかになった4日、民主党からは早くもブッシュ政権のイラク政策をあらためて批判する声が上がっている。ハリー・レイド上院議員(ネバダ州)は声明を発表し、今回の社説の内容が正しいと主張するとともに、ラムズフェルド国防長官の辞任を声高に求めている。「我々はラムズフェルド長官よりもましなリーダーシップが必要なのです。イラクの米軍部隊は彼らに与えられた任務をきちんとこなしていますが、ブッシュ大統領や共和党議員らは自らに課せられた仕事を行っているとは思えません」。レイド議員は声明の中でそう語っている。

6日のニューヨーク・タイムズ紙が発表した選挙結果予想によると、下院議員選挙では当選確実もしくは優勢な数字として、民主党が214、そして共和党が204となっており、最後まで結果が予想できない議席の数が17となっている。また、今回の選挙で33議席が改選される上院では、当選確実もしくは優勢な数字として、民主党が21、共和党が9、そして最後まで結果がわからないものが3という具合だ。ブッシュ大統領の人気も選挙直前になって下落している。同じく6日にCNNが発表した最新の世論調査では、ブッシュ大統領の支持率は35パーセントにまで下がっており、アンケートに答えた有権者の41パーセントが、「ブッシュ大統領の政策に対する不信感が、今回の選挙での投票に大きく影響するだろう」と回答している。そんなブッシュ大統領の不人気を象徴するニュースが6日にフロリダ州であった。知事選挙が行われているフロリダ州で、ブッシュ大統領は共和党候補の応援演説を予定していたのだが、直前になって候補者側から応援イベントへの参加をキャンセルしたいとの申し出があり、この候補者は別の町で開かれた集会に参加してしまった。

7日朝から始まった中間選挙の投票だが、有権者がブッシュ政権による6年間をジャッジする意味合いも強い今回の選挙では、通常よりもはるかに高い投票率が期待されている。中間選挙の投票が11月の第一月曜日の翌日に行われると連邦議会によって決められたのが1845年の事で、当時のアメリカは今よりも農業に従事する人の割合が高かったため、収穫作業などが全て終了する11月が選ばれた。火曜日となった理由だが、これには幾つかの説があり、一般的によく知られているのが11月1日がカトリックの「諸聖人の日」にあたるため、1日ずらしたのではないかというものだ。1845年当時は火曜日の投票でもそれほど問題は無かったが、現在はこういった平日の投票に無理があるとの声も少なくなく、市民団体などは投票日を休日に指定すべきだと主張している。

全米各地の投票所では朝から多くの有権者が訪れた。サウスカロライナ州サリバンズ・アイランドでは、投票に訪れたマーク・スタンフォード州知事が報道陣の前で投票を行おうとした際、有権者登録カードを州都のコロンビアに置き忘れてしまっていたのに気付き、結局投票を行えずに投票所をあとにするといったハプニングも起きている。スタンフォード知事のハプニングは、横にいた妻のジェニーさんに説教されるハプニングもあったため、笑い話として報じられたが、笑えないハプニングも全米各地で報告されている。全米数百ヶ所の投票所で7日朝、電子投票マシーンの故障や、電子投票システムの使い方を覚えきれなかったスタッフが続出したため、最終的に紙と鉛筆による投票が実施された。オハイオ州クリーブランドの投票所では、投票がスタートしてから10分がたっても、選挙スタッフがタッチスクリーン式の電子投票マシーンをうまく起動させる事ができず、投票に来ていた有権者を呆れさせている。

電子投票システムのトラブルは確認されているだけでも、インディアナ、オハイオ、ミシシッピー、そしてフロリダの4州で発生しており、インディアナ州のマリオン郡では175ヶ所の投票所で紙を使った投票に切り替えている。電子投票システムのトラブルは、その大半が投票所のスタッフが機械を使いこなせないのが原因となっており、インディアナ州デラウェア郡では投票時間の延長も一時考慮されたほどだ。電子投票システムをめぐる賛否両論は以前から存在し、今回の選挙で使用された電子投票マシーンの約半分を製造したディーボールド社(ATM機の製造などでも知られている)は、11月2日に「ハッキング・デモクラシー」というドキュメンタリーの中で電子投票マシーンの安全性が欠如しているとも指摘されている。このドキュメンタリーでは、外部のハッカーによって投票の書き換えを行うのが困難ではない実態が証明されている。

夕方からずっと、中間選挙のニュースをチェックしているんだけど、なぜかこんな日にブリトニー・スピアーズが離婚するというニュースが入ってきた。彼女は2004年にダンサーのケビン・フェダーラインと結婚したんだけど、ヒモのお手本となるような生活を実践してきたフェダーラインは、トークショーなんかで頻繁にネタにされていた。いつ頃からかは忘れたけど、こっちのエンターテーメント・ニュースで彼を「K-Fed」と呼ぶようになり、初めてその名前を聞いてからしばらく、僕は野球選手の話をしてるのかなとしばらく本気で思ったほどだった。メジャーリーグには「A-Rod」や「I-Rod」、さらには「K-Rod」というニックネームを持つ選手もいるので、いきなり「K-Fed」なんて言われても、それが誰なのかよく分からないんですね。少し前に日本のスポーツ新聞が松坂大輔選手の代理人となったスコット・ボラス氏にインタビューを行い、その中でボラス氏が松坂選手を「D-Mat」って呼んでいた。その話をアメリカ人の友人にすると、「野球に関心のない人が聞いたら、きっとマット・デーモンのニックネームと勘違いするだろうね」という答えが返ってきた。来年の今頃、「D-Mat」はアメリカ国内で定着しているのだろうか?少し楽しみになってきました。


写真:オハイオ州クリーブランドで7日、ディーボールド社製の電子投票マシーンの起動に悪戦苦闘する選挙スタッフ (AP通信より)


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