IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

親父もすごいが、息子もすごい

2005-07-21 13:43:45 | エンターテーメント・カルチャー
横浜ベイスターズのクルーン投手が161キロを記録したそうで、日本の友人からもメールを何通かもらった。158キロと161キロって、それほど差がないようにも思えるけど、これまで160キロの大台に到達したピッチャーがいなかったわけで(カネやんは講演で、「全盛期には180キロ出てた」と言っているらしいけど…)、やっぱり1つの新しい記録が生まれたのは素晴らしい事だと思う。僕も1度だけピッチャーが160キロを投げた試合をスタジアムで見た経験があり、投げたのはボルティモア・オリオールズのホルへ・フリオというピッチャーだったと記憶しているけど、観客がスタンディング・オベーションをしたが印象に残っている。そんな夢の100マイルの瞬間に僕は何をしていたかといえば、ホットドッグにケチャップをつけることに集中していて、見事にそれを見逃してしまいました。それ以来、球場で見る試合で速球派投手が投げる時は飲食を一切ストップしております。

野球でもう少しだけ話したいんだけど、シカゴ・カブスのデレク・リーが打率(3割7分5厘)とホームラン(31本)の数で両リーグトップなんだね。デレクの親父というのが、ロッテや大洋ホエールズで活躍したレオン・リー。彼の記録を見ると、日本でプレーした10年間の通産打率が3割8厘という凄い記録を残していて、僕も小学生だった時に何度かテレビで見た記憶がある。今でも覚えているのが、阪神ファンにとっては盆と正月とハレー彗星が同時に来たような騒ぎとなった1985年のシーズン。この年にタイガースは日本一となり、さらに今ではオクラホマで政治家なんぞやってるランディ・バースが三冠王を獲得した年でもあったのです。この年に大洋でプレーしてたレオンは1試合で10打点を記録するなどして、セリーグの打点部門で3位に入ってたので、その時の思い出が今でもある。そんな名打者の息子が、いよいよ開花したわけで(数年前から期待はされてきたけど、ようやく)、シーズン終了まで彼の記録をチェックしていきたい。

特別に暑いと感じないまま7月も後半に突入したわけだけど、そういえば最近は確かに暑くなってきている。何日か連続でブログでも触れたアリゾナ周辺の熱波の話、今日のニュースでも取り上げられていたけど、やはり予想以上に深刻な問題となっているようだ。熱波でも寒波でも、一番最初に被害を受けてしまうのがホームレスの人たちで、地元の皆さんが協力して施設や水などの提供に走り回っている話を聞くと、やっぱり嬉しくなってくる。ホームレスのシェルターが比較的完備されているボストンで学生時代を過ごした事もあり、ワシントンに来た時にはそういった施設が少ない事に驚いた記憶がある。でも、真冬になれば24時間営業のコンビニなんかでは店長がホームレスを店内に一晩泊めてやるなんてこともよくあって、こんな町にもまだまだ人間らしい部分は残っている。今日はアリゾナの話を少しまとめたので、その話から行きます。

アリゾナ州フェニックスを襲っている熱波ですでに18人の死亡が確認されており、市の当局者らはホームレスのための簡易宿泊施設や水の確保に必死だ。市内のホームレス向け施設では数年ぶりに日中も利用者の受け入れを開始し、熱中症の犠牲者を少しでも減らそうと努めている。ダウンタウンには日よけ用のテントが幾つも張られ、市内にあるスーパーマーケットはペットボトルの水を無料で配給し始めた。フェニックスでは6月29日から平年よりも高い気温が続き、7月18日には市内の最高気温が摂氏45度近くにまで達している。水曜日には熱中症で新たに4人が死亡した事が確認され、これで犠牲者の数は18人となったが、このうちの14人はホームレスだった模様。また、その他の3人は老婦人だった事が明らかにされており、その中の1人はクーラーの付け忘れで死亡したようだ。

「この町に住む人間のほとんどがクーラーとクーラーを行き来するような生活を送っている中で、ホームレスの人たちが路上で日中を過ごさなければならない過酷さは、想像を絶するものがあります」、フェニックス市警のランディ・フォース巡査部長はAP通信の取材にそう語った。アリゾナ州保健省の調べによると、昨年は州全体で熱中症による34件の死亡例が報告されているが、この数には不法移民の死亡例が含まれていないため、実際の規模を計ることは困難となっている。20日の最高気温も摂氏42度をこえており、この日の最低気温が31度を下回る事は無かった。フェニックス市内のホームレス宿泊施設の1つでは、利用者がいつでも体を濡らせるようにとホースが何本も用意され、300枚のタオルも追加で注文された。シェルターを運営するボブ・リード氏は、熱中症予防のために水につけたタオルを首に巻いて使ってもらうのだと語った。

CBSニュースの気象予報士ジョージ・カレンは今回の熱波がアメリカ東部と中西部一体の広範囲で発生していると語り、これらの地域で夕方に雷雨が頻繁に発生している特徴も指摘している。カリフォルニア州のサン・ホアキン峡谷では農園で作業をしていた1人が暑さで死亡しており、ロサンゼルスでは駐車中の車で窓を閉めたまま眠っていた3人が窒息死しかけている。真夏日の影響による電力消費量も記録的なものとなっており、ニューヨーク市と近隣のウエストチェスター郡では18日の午後に1万2361メガワットが消費され、これは過去最高の消費量だった。同じく東部ニューイングランド地方でも19日に1時間で2万6749メガワットが消費され、これまでの最高記録だった2002年8月の2万5348メガワットを軽く抜き去っている。

ボルティモア交響楽団の理事会は19日、退任が決定している現音楽監督のユーリ・テミルカーノフ氏の後継者として英ボーンマス交響楽団の女性指揮者マリン・アルソップ氏を選出したが、今回の決定に不満を示す楽団員は少なくないようだ。現在48歳のアルソップ氏はイギリス国内の主要な交響楽団で初の女性主席指揮者として話題を集めたが、ボルティモア交響楽団の主席指揮者に就任すれば、全米の主要交響楽団でも初めての例となる。しかし、楽団員からは今回の決定が楽団員の意見を全く無視したまま行われたとの批判が出ている。次期音楽監督選出の発表はオーケストラのメンバーのリハーサル中に行われたが、発表を聞いたメンバーの多くは沈黙するだけだった。

19日に行われた理事会は4時間続き、最終的にアルソップ氏の選出が決定された。「我々はアルソップ氏のリーダーシップと能力が、オーケストラを次のレベルへ導いてくれると確信しています」、交響楽団のフィリップ・イングリッシュ理事長はボルティモア・サン紙に対してそう語った。ニューヨーク生まれのアルソップ氏はコロラド交響楽団の音楽監督を務めていた事もあり、アメリカ内外の主要オーケストラにゲスト参加してタクトを振るってきた。来年、彼女はオランダの名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で女性として初めて指揮を執ることが決定している。ボルティモア交響楽団のメンバーは現在も次期音楽監督の調査を継続するよう求めているが、イングリッシュ理事長は交響楽団のメンバーとアルソップ氏が上手くやっていくのは時間の問題だと強調した。アルソップ氏は、ボルティモア・サン紙の取材にノーコメントのままだ。

交響楽団のメンバーは理事会の発表が早すぎると訴えており、調査活動をこれからも継続すべきだと主張する。アメリカ国内の交響楽団が音楽監督を選出する際の明確な規範が存在しないのも事実で、理事会側と実際に演奏するメンバー達との間で温度差が存在することも珍しくない。各交響楽団内の調査委員会では、平均で全体の25~40パーセントの投票権が演奏者側に与えられており、ボルティモア交響楽団調査委員会でも21票のうち7票が演奏者側に振り当てられている。今回の騒動、異例ではあるが初めてのケースではない。1972年にクリーブランド交響楽団はローリン・マーゼルを音楽監督に選んだが、演奏者側からの反発は強く、演奏者だけで行った投票では僅かに2人だけが賛成票を投じる有様だった。交響楽団側は調査の継続を約束し、事態は一時沈静化したが、最終的にマーゼル氏の就任が決まり、これに激怒した楽団員達は彼の指揮デビューで起立をせずに抗議している。

NFLのニューイングランド・ペイトリオッツ、新シーズンも優勝するかなぁ?日本にサンフランシスコ49ersのファンという友人がいて、彼女はメールで「次のシーズンこそサンフランシスコでしょう」って言ってたけど、メンバー構成にあまり変化がなければ、次もペイトリオッツは優勝候補としてカウントできるのでは?でも、今日のニュースではラインバックのテディ・ブルスキーが少なくとも2005年中は出場できない事が分かった。今年2月にペイトリオッツがスーパーボールに勝利した10日後、ブルスキーは脳卒中に見舞われている。リハビリは順調に進んでいるようで、ブルスキー本人は2006年からの復帰を目標にしているらしいけど、焦らずに完治してほしい。たとえ復帰が数年先に延びたとしても、ボストンのファンは忘れずに待っててくれるので。