午前7時過ぎに目が覚めた。いつもよりも1時間ほど早い目覚め、その原因は前の晩に浴びるように飲んだコーヒーだったようで、トイレに行きたいという自然な本能が朝7時に僕を起こした(こんな話から入ってしまい、申し訳ない…)。スッキリと用を足したあと(これまた失礼…)、こういうシチュエーションの場合は1時間でも二度寝するのが普通なんだけど、今日はなぜかパソコンの方へと向かった。自宅のパソコンはつけっ放しにしている事が多く、メールでも入ってるかなと思い、半分眠った状態でメールの受信ボックスを覗いてみた。何通か来ていたメールの中に日本のラジオ局からのものが1つ。「ロンドンで爆破テロが発生して…」と書かれた内容を見た途端、僕は瞬間的に目を覚まし、とりあえずテレビのスイッチを入れた。
何がなんだか分からない状態で、とりあえずCNNやMSNBCのレポートを見る。IRAのはぐれ者による犯行かななどと思っているうちに、「アルカイダ」といったキーワードがニュース番組で頻繁に使われ始めた。昨日は別のラジオ局の番組でオリンピック開催地に決まったロンドンの事も少し触れていたのに、わずか半日でこんな事件がおきるとは…、ダンテの「神曲」がそのまま現実世界にやってきた感じさえした。すぐに東京に電話を入れ、こちらで手伝える事がないかと聞いてから、ロンドン周辺に連絡を取り始めた。BBCとアメリカのケーブル局HBOが昨年「ダーティー・ウォー」というテレビ映画を製作しており、ロンドンの中心部が放射性物質を含んだ爆弾テロに遭うという内容だった。僕は数ヶ月前にそれを見たが、今回のニュース映像を見るたびに映画のシーンがフラッシュバックした。
昼前、ワシントン市内にあるユニオン駅に向かった。すでにワシントン市内の地下鉄で警官らによるパトロール活動が強化されたとの情報が入ってきてたので、市内で最も利用客の多い駅で警備がどのように行われているのか見てこようと思ったのだ。駅に着くと通信社やフリーランスのカメラマンが何人かいて、名刺の交換をしたあとで、僕は駅周辺の警備状況の話を少し聞いた。駅構内や地下鉄の車内をパトロールする警察官は見なかったが、ユニオン駅の入り口前で警察車両に乗り込む直前の警察官に声をかけ、2~3分ほど話を聞いた(写真参照)。肩からサブマシンガンをかけた警察官のひとりは、今のところパトロールはランダムに行っていて、特定の駅を警備しているのではないと語ってくれた。今日はロンドンで発生したテロの話ばかりになってしまうけど、BBCとAP通信の報道を紹介しておきたいと思う。
ロンドンで発生した同時テロ事件を受けて、イギリス政府は徹底的な捜査活動をスタートさせた。ジャック・ストロー外相は今回のテロにアルカイダの特徴が見られると語り、チャールズ・クラーク内務大臣はロンドン市民に冷静さを保つように何度も訴えた。ブレア首相は引き続きG8サミットのホストをつとめ、エリザベス女王はテロの被害者を見舞いにロンドン市内の病院を訪れる予定だ。スコットランド・ヤードは現在までに37名の死亡を確認しており、被害が最も激しかったキングス・クロスでは21名が亡くなっている。BBCのフランク・ガードナー記者によれば、MI5本部の情報部員数十名がすでに本格的な情報収集活動に乗り出したとの事。
ガードナー記者は今回のテロ攻撃が綿密に計画され、何の警告もなしに「ソフト・ターゲット」と呼ばれる民間人を標的にしている点を指摘し、テロ実行グループはアルカイダと関係があるか、少なくとも大きな影響を受けたことは間違いないだろうと語っている。英政府筋はBBCに対し、全ての情報網をフルに稼動させているが、犯人グループの割り出しには少なくとも数日はかかるだろうと語っている。テロ事件発生後、あるウェブサイトで実行犯らしきグループが犯行声明を出しているが、「欧州アルカイダ秘密機構組織」という組織名はこれまでに使われた事がない名前のため、ホワイトホール(英政府)は組織の特定を急いでいる。ウェブサイト上に出された犯行声明でこの組織は、イラクやアフガニスタンにおけるイギリスの行ってきた虐殺に対する報復行動だったと語り、デンマークとイタリアが中東地域から軍隊を撤退させない場合には同様のテロが発生する事も示唆している。
ロンドン市内の4ヶ所で発生した爆破テロ事件だが、時限式の爆発物によるものなのか、または自爆テロだったのかは依然として不明だ。複数の英外務省高官は今回の事件が昨年スペインのマドリッドで発生したテロ事件と酷似していると指摘し、ストロー外相は公共交通網に対するテロ攻撃はアルカイダ手法そのものだと語ったが、犯人グループの特定は避けている。また、ストロー外相は現在の時点で新たなテロ攻撃を示した情報は入ってきていないと語っており、ロンドン市警察も市民に対して金曜日は「自主的な判断」で職場に戻るように呼びかけた。2012年夏季五輪開催地に選ばれた翌日に発生した大規模なテロ事件で、ロンドン市の治安に疑問符が突きつけられたことは否定できない。
ラッシュアワー時のロンドン市内で発生した同時爆破テロ事件からしばらくして、アメリカ政府も国内主要都市の公共交通網の危険度を引き上げ、模倣犯を未然に防ぐためにパトロールの強化を開始している。パトロール強化の対象となるのは、国内主要都市の地下鉄、バス、通勤電車など。パトロール強化には軽機関銃で武装した警察官や爆破物探知犬も動員され、監視カメラなどによる駅構内のモニター活動なども通常より強化されて行われている。国土安全保障省のチャートフ長官はアメリカ国内でテロ活動が行われるとう確固たる証拠は存在しないと強調しながらも、模倣犯による犯行の可能性を懸念している事も明らかにした。
政府内の対テロ部門担当者が匿名でAP通信に語ったところでは、アメリカ政府は先月アルカイダに関する新たな情報を入手していたのだという。この情報では、アルカイダが2004年頃にアメリカとヨーロッパで鉄道を標的にしたテロ活動を計画中との事で、列車を脱線させたり、列車にトラックを突っ込ませる計画が浮上していた模様だ。しかし、このテロ計画の具体的な日時や場所ははっきりと掴めていなかったのだという。首都ワシントンでは地下鉄などに加えて、各国の大使館周辺の警備も強化され、とりわけ英大使館周辺には多くの警察官らが配置された。ライス国務長官も英大使館を訪れ、弔問者名簿に名前を記入している。国務省ではイギリス国旗の半旗が掲げられた。
アメリカ国内では平日に約2900万人が通勤列車か地下鉄を利用しており、そのうちの3分の1はニューヨークに集中している。ニューヨークのあとにはシカゴ、ワシントン、ボストン、フィラデルフィアが続き、西海岸ではサンフランシスコが最も規模の大きい公共交通網を持つ。米政府高官はAP通信の取材に対し、アルカイダがアメリカに工作員を送りにくい状況が原因で、ロンドンが格好のターゲットになった可能性があると語った。前述の対テロ部門担当者は、今年6月にアルカイダがマドリッドで発生した鉄道爆破テロをヨーロッパかアメリカで再度計画中との情報を入手した事を明かしているが、情報の出所に関しては沈黙を貫いている。また、この情報が2004年3月のマドリッド事件直後に出てきたものだったため、情報を追いかけるのが不可能だったのだという。
こういう事件があると、いたずら目的で不審物を街中に置いていくアホがワシントンにもいるようで、ユニオン駅近くのバス停や財務省の近くで白い粉の入った封筒が発見される騒ぎが発生している。財務省のスタッフは一時建物から避難を命じられていたけど、結局は何もなかったようだ。テロリストもムカつくけど、これに乗じていたずらをすることしかできない根性無しはもっとムカつくわけで、こういった方々は市中引き回しの上で打ち首にでもなってほしいです、本当に。911テロが発生した夜にも軍用ヘリが飛ぶボストンの町でふと思ったんだけど、こういうテロが世界中の半分近い場所で発生しているわけで、ロンドンの事件を悲しく思うと同時に、なんかやりきれなくなってくる。
何がなんだか分からない状態で、とりあえずCNNやMSNBCのレポートを見る。IRAのはぐれ者による犯行かななどと思っているうちに、「アルカイダ」といったキーワードがニュース番組で頻繁に使われ始めた。昨日は別のラジオ局の番組でオリンピック開催地に決まったロンドンの事も少し触れていたのに、わずか半日でこんな事件がおきるとは…、ダンテの「神曲」がそのまま現実世界にやってきた感じさえした。すぐに東京に電話を入れ、こちらで手伝える事がないかと聞いてから、ロンドン周辺に連絡を取り始めた。BBCとアメリカのケーブル局HBOが昨年「ダーティー・ウォー」というテレビ映画を製作しており、ロンドンの中心部が放射性物質を含んだ爆弾テロに遭うという内容だった。僕は数ヶ月前にそれを見たが、今回のニュース映像を見るたびに映画のシーンがフラッシュバックした。
昼前、ワシントン市内にあるユニオン駅に向かった。すでにワシントン市内の地下鉄で警官らによるパトロール活動が強化されたとの情報が入ってきてたので、市内で最も利用客の多い駅で警備がどのように行われているのか見てこようと思ったのだ。駅に着くと通信社やフリーランスのカメラマンが何人かいて、名刺の交換をしたあとで、僕は駅周辺の警備状況の話を少し聞いた。駅構内や地下鉄の車内をパトロールする警察官は見なかったが、ユニオン駅の入り口前で警察車両に乗り込む直前の警察官に声をかけ、2~3分ほど話を聞いた(写真参照)。肩からサブマシンガンをかけた警察官のひとりは、今のところパトロールはランダムに行っていて、特定の駅を警備しているのではないと語ってくれた。今日はロンドンで発生したテロの話ばかりになってしまうけど、BBCとAP通信の報道を紹介しておきたいと思う。
ロンドンで発生した同時テロ事件を受けて、イギリス政府は徹底的な捜査活動をスタートさせた。ジャック・ストロー外相は今回のテロにアルカイダの特徴が見られると語り、チャールズ・クラーク内務大臣はロンドン市民に冷静さを保つように何度も訴えた。ブレア首相は引き続きG8サミットのホストをつとめ、エリザベス女王はテロの被害者を見舞いにロンドン市内の病院を訪れる予定だ。スコットランド・ヤードは現在までに37名の死亡を確認しており、被害が最も激しかったキングス・クロスでは21名が亡くなっている。BBCのフランク・ガードナー記者によれば、MI5本部の情報部員数十名がすでに本格的な情報収集活動に乗り出したとの事。
ガードナー記者は今回のテロ攻撃が綿密に計画され、何の警告もなしに「ソフト・ターゲット」と呼ばれる民間人を標的にしている点を指摘し、テロ実行グループはアルカイダと関係があるか、少なくとも大きな影響を受けたことは間違いないだろうと語っている。英政府筋はBBCに対し、全ての情報網をフルに稼動させているが、犯人グループの割り出しには少なくとも数日はかかるだろうと語っている。テロ事件発生後、あるウェブサイトで実行犯らしきグループが犯行声明を出しているが、「欧州アルカイダ秘密機構組織」という組織名はこれまでに使われた事がない名前のため、ホワイトホール(英政府)は組織の特定を急いでいる。ウェブサイト上に出された犯行声明でこの組織は、イラクやアフガニスタンにおけるイギリスの行ってきた虐殺に対する報復行動だったと語り、デンマークとイタリアが中東地域から軍隊を撤退させない場合には同様のテロが発生する事も示唆している。
ロンドン市内の4ヶ所で発生した爆破テロ事件だが、時限式の爆発物によるものなのか、または自爆テロだったのかは依然として不明だ。複数の英外務省高官は今回の事件が昨年スペインのマドリッドで発生したテロ事件と酷似していると指摘し、ストロー外相は公共交通網に対するテロ攻撃はアルカイダ手法そのものだと語ったが、犯人グループの特定は避けている。また、ストロー外相は現在の時点で新たなテロ攻撃を示した情報は入ってきていないと語っており、ロンドン市警察も市民に対して金曜日は「自主的な判断」で職場に戻るように呼びかけた。2012年夏季五輪開催地に選ばれた翌日に発生した大規模なテロ事件で、ロンドン市の治安に疑問符が突きつけられたことは否定できない。
ラッシュアワー時のロンドン市内で発生した同時爆破テロ事件からしばらくして、アメリカ政府も国内主要都市の公共交通網の危険度を引き上げ、模倣犯を未然に防ぐためにパトロールの強化を開始している。パトロール強化の対象となるのは、国内主要都市の地下鉄、バス、通勤電車など。パトロール強化には軽機関銃で武装した警察官や爆破物探知犬も動員され、監視カメラなどによる駅構内のモニター活動なども通常より強化されて行われている。国土安全保障省のチャートフ長官はアメリカ国内でテロ活動が行われるとう確固たる証拠は存在しないと強調しながらも、模倣犯による犯行の可能性を懸念している事も明らかにした。
政府内の対テロ部門担当者が匿名でAP通信に語ったところでは、アメリカ政府は先月アルカイダに関する新たな情報を入手していたのだという。この情報では、アルカイダが2004年頃にアメリカとヨーロッパで鉄道を標的にしたテロ活動を計画中との事で、列車を脱線させたり、列車にトラックを突っ込ませる計画が浮上していた模様だ。しかし、このテロ計画の具体的な日時や場所ははっきりと掴めていなかったのだという。首都ワシントンでは地下鉄などに加えて、各国の大使館周辺の警備も強化され、とりわけ英大使館周辺には多くの警察官らが配置された。ライス国務長官も英大使館を訪れ、弔問者名簿に名前を記入している。国務省ではイギリス国旗の半旗が掲げられた。
アメリカ国内では平日に約2900万人が通勤列車か地下鉄を利用しており、そのうちの3分の1はニューヨークに集中している。ニューヨークのあとにはシカゴ、ワシントン、ボストン、フィラデルフィアが続き、西海岸ではサンフランシスコが最も規模の大きい公共交通網を持つ。米政府高官はAP通信の取材に対し、アルカイダがアメリカに工作員を送りにくい状況が原因で、ロンドンが格好のターゲットになった可能性があると語った。前述の対テロ部門担当者は、今年6月にアルカイダがマドリッドで発生した鉄道爆破テロをヨーロッパかアメリカで再度計画中との情報を入手した事を明かしているが、情報の出所に関しては沈黙を貫いている。また、この情報が2004年3月のマドリッド事件直後に出てきたものだったため、情報を追いかけるのが不可能だったのだという。
こういう事件があると、いたずら目的で不審物を街中に置いていくアホがワシントンにもいるようで、ユニオン駅近くのバス停や財務省の近くで白い粉の入った封筒が発見される騒ぎが発生している。財務省のスタッフは一時建物から避難を命じられていたけど、結局は何もなかったようだ。テロリストもムカつくけど、これに乗じていたずらをすることしかできない根性無しはもっとムカつくわけで、こういった方々は市中引き回しの上で打ち首にでもなってほしいです、本当に。911テロが発生した夜にも軍用ヘリが飛ぶボストンの町でふと思ったんだけど、こういうテロが世界中の半分近い場所で発生しているわけで、ロンドンの事件を悲しく思うと同時に、なんかやりきれなくなってくる。