IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

ボストン/ニューヨーク、そして大阪/東京

2005-07-28 14:24:21 | イラク関連
明日はいよいよ楽しみにしていたDCユナイテッド対チェルシーの親善試合。夜8時からのキックオフということで、仕事終了後にみんなで待ち合わせをして、レッドスキンズの本拠地フェデックス・フィールドに向かおうと思う。今回、本当にプレスパスの申請も考えたけど、やっぱりアメリカで一番「濃い」DCユナイテッドのサポーター達とゴール裏で応援したいという気持ちが強いため、明日は声援とブーイング(もちろん、チェルシーの面々にです)で声を枯らす準備も着々。チェルシーといえば、イギリスのタブロイド紙「サン」が今朝報じていたけど、イタリアのACミランに所属するシェフチェンコを獲得するために日本円で120億円近い金を出す用意があるとかで、移籍金としては史上最高額になる。移籍実現の可能性は低いと思うけど、このタイムリーな時期にワシントンかぁ。前にも少し書いたけど、シェフチェンコの義理の父親は元メジャーリーガーで、今でもワシントン近郊に住んでいる。単なる偶然だとは思うけど…。

夕方5時ごろ、僕は通常これくらいの時間からラジオの準備をゆっくりと始めるんだけど、突然テレビプロデューサーの友人から連絡があった。6時45分にチェルシーの一行がワシントン市内の某ホテルに到着して、それからすぐに数名の選手による記者会見があるとの事だった。1週間前にプレスパスの申請をしないと決めていたので、チェルシーの記者会見の事もスッカリと忘れていたけど、いざホテルの場所を聞くと会見に出席したくなるもので…。ラジオの出演時間とピンポイントで重なったので、行けない事は分かっていたけど、周囲に敵を作る才能では他の追随を許さないモウリーニョ監督のコメントは聞いてみたかった。チェルシーの選手らが泊まる高級ホテル、犯罪の多いエリアの近くにあり、なぜそこを選んだのか不思議にさえ感じる。あくまで推測だけど、選手に夜間外出をさせないための措置だったのでは?数年前に同じようなツアーでやってきた某オランダ代表選手がベロンベロンに酔っ払っていたという話を聞いたことがあったので。

水曜日、イラクの首都バグダッドでは3人のキーパーソンが米軍撤退について言及し、アメリカ国内でも支持率が下がる一方の米軍によるイラク駐留に大きな変化が生じる可能性が出てきた。イラクのアル・ジャマリ首相はイラク国内でイラク人による治安回復が成功すれば、すぐにでも米軍に撤退してもらいたいとの希望をあらためて語り、同じ日にイラクを電撃訪問していたラムズフェルド国防長官もイラク軍の任務が将来大幅に増えるだろうと示唆している。イラク駐留米軍の指揮を執るジョージ・ケーシー陸軍大将は、来春までに一定数の米軍部隊をイラクから引き揚げたいとの希望を明らかにした。来年中に駐留米軍の大幅な撤退が米軍司令官達から希望されてきたが、政府・軍関係者が具体的な撤退時期について言及したのは今回が初めてとなる。

来春の部分的撤退は、その時のイラク国内の治安状況によって大きく影響される模様で、現在はあくまでも「条件が整えば」撤退を実施したいという考えだ。ケーシー司令官の発言を受けた米議会のリアクションは控えめなもので、上院軍事委員会のナンバー2であるジョン・マケイン議員(アリゾナ州)は条件付部分撤退案に賛成するとだけコメントしている。ラムズフェルド国防長官との共同会見で、アル・ジャマリ首相は「多国籍軍に早く撤退してもらいたい。これこそがイラク国民の願いです」と語ったが、イラク国内の治安状況が一定のレベルで維持された場合に米軍の部分撤退を行いたいと語ったケーシー司令官にメディアの注目は集まった。2003年3月のイラク戦争開始以来、戦死した米兵の数はすでに1780人をこえ、ベトナム化の様相を呈している。

複数のペンタゴン高官はこれまでにもAP通信に対して来年度の撤退規模について細かく言及しており、現場での作戦を統括するジョン・バインズ陸軍中将は、来年中に最大で5個旅団規模の撤退を実施したいと語っている。つまり、イラク国内に展開する13万5000人の米軍部隊から約2万人程度が撤退する計算だ。ホワイトハウスのマクレラン報道官は水曜日、「大統領は米軍の帰還を待ち望んでいるが、イラク国内で終了させなければならない重要なミッションは残っている」と語り、撤退案に関する具体的なコメントは避けた。7月始めにAP通信がアメリカ国内で行った調査では、半数以上に及ぶ55パーセントの回答者がアメリカ政府によるイラク支配に反対を示している。6月の調査では、37パーセントの回答者がいますぐにイラクから全面撤退を行うべきと答え、イラク戦争に対する不信感が増大している。

27日のタイムズ紙がロンドン爆弾テロ事件に関する興味深い指摘をしていて、同じ指摘が数日前から僕の周囲でも話題になっている。どういう事かと言うと、7日と21日の事件で容疑者とされる面々が幾つものエスニック・グループから成り立っていて、最近のテロ事件と比較すると、微妙な違いが存在している。テロ事件の実行犯がイギリス生まれやイギリス生活の長い滞在者というニュースがずいぶんと前から出ているけれど、僕は今回の事件が象徴する多国籍性に興味を持っている。パキスタン、ジャマイカ、ソマリア、エリトリア…、皮肉にも容疑者達はイギリスでの長い生活を共通のアイデンティティとしていたのだろうか?911テロ実行犯の多くはサウジアラビア出身だったし、マドリッドの爆弾テロは北アフリカ出身者らによって実行に移され、この間のトルコでのテロはクルド人によるものだった。特異なケースだなと思っていると、実行犯らしき人物が逮捕されたとのニュース。

ロンドンで21日に発生した自爆テロ未遂事件で、ロンドン警視庁は27日にロンドン北部に住む24歳のソマリア人ヤシン・ハッサン・オマル容疑者をバーミンガム市内で逮捕したと発表した。7日と21日の両方のテロ事件で、実行犯が逮捕されたのは今回が始めてだ。21日の事件では監視カメラに写った4人の実行犯のうち、オマル容疑者と27歳のエリトリア人ムクタル・サイド・イブラヒム容疑者を特定したものの、残りの2人の特定は依然として終了していない。ガーディアン紙は未確認の情報としながらも、イブラヒム容疑者が事件後にアムステルダムを経由してベルギーに逃亡した可能性があると報じている。オマル容疑者の拘束は27日午前4時ごろ行われ、地元ウエスト・ミッドランド警察とMI5の捜査官50人が2軒の家を急襲した。急襲時、オマル容疑者が激しく抵抗したため、捜査官はオマル容疑者の体にスタンガンを当てて沈静化させたようだ。

一方、アメリカのABCニュースは7日に発生したテロ事件関連の写真を独占入手したと報じている。ABCが入手した写真はルートン駅で見つかった爆発物を撮影したものや、キングスクロス駅で爆破された地下鉄の車内を撮影したものだ。また、爆発物らしき物をX線撮影した写真もあり、そこには牛乳ビンのような容器に大量のクギが詰め込まれているのがはっきりと確認できる。「テロリズムの専門家はロンドン事件で作られた爆弾のサインを見たくて仕方がないのだと思います。絵画に画家のサインが付けられるように、爆弾にも製造者のサインのような物があるのです」、ブッシュ政権で対テロリズムの権威として活躍したリチャード・クラーク氏はABCニュースにそう語った。爆弾を入れた容器がガラス製だったり、プラスチック製だったりと若干の違いはあるが、ロンドンしないで使用された手製爆弾は過酸化物系の爆薬を使用している特徴がある。

クラーク氏は、全ての爆弾が1人によって設計もしくは製造された可能性が高いと指摘し、7日と21日の事件で使用された爆弾は全て同じ場所で作られただろうと指摘した。この発言を裏付けるかのように、英タイムズ紙は捜査関係者の話として、オマル容疑者が事件現場に残した爆発物と7日の事件の実行犯の車から見つかった爆発物の特徴が非常に似ていると報じている。ブレア首相が「重要な進展」と評した27日のバーミンガム逮捕劇では、オマル容疑者のほかに3人の男性が市内の別の場所で拘束されている。また、ロンドン警視庁捜査員の誤射によって死亡した27歳のブラジル人ジャン・チャールズ・デ・メネゼスさんの遺体が葬儀のためにブラジルに移送される事が決まった。

26日の対デビル・レイズ戦で打球が頭部を直撃したレッドソックスのクレメント投手、27日にフロリダ州の病院を退院し、チームへの同行も許可されたようでホッとしております。事故だけに相手打者を責めたりはできないけど、バッターの放った打球はクレメントの右耳の後ろを直撃していて、今朝のニュースを見た時は本当に心配でたまらなかったのだ。防御率が気になるけれど、10勝3敗のクレメントが今季のボストン投手陣を引っ張る存在なのは間違いなく、後半戦も頑張って投げ抜いてもらいたい。ボストンは2ゲーム差で現在首位だけど、「永遠の悪役」ヤンキースが2位につけている。投手力のもろさや、バーニー・ウイリアムズの年齢からの衰えが指摘されるけど、それでもヤンキースはヤンキース。ボストンの優勝が一番大切なことだけど、元気のない悪役にもシックリとこないので、これからも2位をキープできるように頑張ってほしいですねぇ。

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