IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

今年もいよいよ終わりが近づき…

2004-12-31 15:44:35 | ニュース
エビの食べすぎから2日たった今晩、別の忘年会に行ったのだが、再びエビの悪夢に…。今日はワシントン在住の日本人だけで企画した忘年会だったため、僕はてっきり日本料理店にでも行くのかなと思っていたのだが、夕方に連絡があってベトナム料理に変更したことを知らされた。ベトナム料理だけにエビはあんまり無いだろうと思ったのだが、レストランで出てきたのは魚介類たっぷりのベトナム風鍋料理で(ベトナムにも日本のような鍋料理があるのにビックリ)、以前勤めていた会社の先輩からは「これでも食べて来年も頑張って!」と鍋でジックリと炊かれた2匹のエビを差し出される始末。でも、一口食べてみると、2日前の記憶は吹っ飛び、しばらくして3匹目のエビの皮をむく自分に気がついた。

年末年始にかけて、もっと正確に言えば今週末、僕のスケジュールには小ぶりながら幾つものイベントが入っており、なんとか全てこなしてやろうと必死なのだ。あと一回できる忘年会、1月1日の友人宅訪問(どこの家に行くかは、事前の連絡で聞いた冷蔵庫の中身次第だが)、新春サッカーボール初蹴り、4本のDVD映画鑑賞…。実はこれに加えて、もう1つだけ終えておかなければならない厄介な問題がある。

1週間前にコンピューター用の机を購入したのだが、自分で組み立てるやつで、どうも完成後の机が不安定なのだ。僕は本棚やコーヒーテーブルなんかは全て自分で組み立ててきたのだが(その方が安いし)、今回の机の組み立てはかなりハードだった。強化ガラスでできたこの机は全体の重さが20キロ近くあり、それぞれのパーツが重かったりするので、一人での組み立てがなかなか難しかったのである。今から考えれば、友達に来てもらって最低でも2人で作業をすればよかったと反省しているのだが、「これくらいは簡単だ」と思ってしまって箱を開けたのが間違いだった。

なんと完成して、机の上にはコンピューターやモニターを置いたのだが、しばらくもしないうちに机が揺れやすいことに気がついた。今のところ仕事に全く影響は無いが、それでも微妙に揺れる机の事は気になるもの。今週末はこの机の揺れを止めるために、色々と頭を悩ますことになりそうだ。

年末のこんな時期に、原因不明の気味悪い事件がアメリカ各地で発生している。オハイオ州とコロラド州の警察当局は、それぞれの地域で今週月曜日に発生した奇妙なレーザー事件の解明に必死だ。

月曜日、オハイオ州クリーブランドにあるホプキンス国際空港から約20キロの地点で、8500フィートの高度で飛行していた旅客機のコックピットに、突然赤色のレーザー光線が入ってきた。パイロットの証言では、このレーザー光線は約5秒間ほど確認する事ができ、パイロット達は空港の管制センターに緊急連絡を入れた。

管制センターはレーダーを使って、レーザー光線の出所を突き止めたが、光線はクリーブランド郊外の住宅地から発せられていたものだった。捜査に加わったFBI捜査官の1人はAP通信に対し、住宅街からのレーザー光線が旅客機をきっちりと追尾していたことに注目し、いたずら目的の他にテロリズムの可能性も入れて捜査を行っていると明かした。

コロラドスプリングスでも月曜日夜、同様のレーザー光線が飛行機に当てられたという報告があった。コロラドスプリングス上空を飛行中の旅客機と貨物機のコックピットに緑色の光線が当てられたが、事故も無く無事に空港に着陸している。警察はパトカーやヘリコプターを使って、レーザーの発射されたと考えられる地域を捜査したが、何も見つかっていない。

FBIではテロリストが地上からレーザーを使用し、飛行中のパイロットの眼を一時的に見えなくさせたりする可能性があると今月初めから警告してきた。大型のレーザーはスキー場のライトアップや工事現場の証明にも使われており、いたずらではなく偶然の事故だった可能性もまた存在する。ただ、水曜日にFBIは先程の2都市を含む6都市でクリスマス以降に同様のレーザーらしきものが飛行中の旅客機コックピットに当てられていたことを明かしており、偶然とは考えにくいのも確かだ。

とうとう2004年も終わり、2005年があと22時間で(日本は8時間)スタートするわけだが、来年はどんなニュースが出てくるのだろうか?来年もヨロシクです。

4本のプレッシャー

2004-12-30 16:56:19 | ニュース
2004年も残すところあと2日。少し前まではニューヨークかボストンへ行こうと思っていたのだが、先週発生した幾つかの航空会社のトラブルを見ていたら、どうもワシントンを出る気がしなくなってしまい、今年の大晦日もワシントンで普段の生活と変わりなく友達と飲みながらサッカーの話でもする事になりそうだ。先週のクリスマス休暇中、フィラデルフィアやワシントンではUS航空とコムエアー(デルタ航空の子会社)が1000本以上のフライトのキャンセルをしたり、乗客の手荷物を何日も空港に放置したりして、エライ騒ぎとなっていたのだ。

コムエアー側はフライトの大量キャンセルについて、その前にアメリカ中西部で発生した大雪でコンピューターがおかしくなってしまったからだと、言い訳にもならないような言い訳を繰り返しているのだが、確かにコンピューターで全てが管理された社会では有り得ない話ではない。US航空の手荷物ホッタラカシ事件の原因はもっともっとアナログ的なもので、クリスマスシーズン中に空港の手荷物係の間で風邪による大量の病欠が発生したんだとか…。

何とか名誉挽回につとめたいUS航空側は、今週末に社員の無給での労働参加を呼びかけている模様。人員不足はかなり深刻なようで、労働組合に加入していない社員にボランティア労働を呼びかけているんだが、この国ではおそらく底抜けにおめでたい夢物語として切り捨てられるのがオチなんじゃないだろうか?

だからという訳じゃぁないんだけど、久しぶりにレンタル店で映画を借りてきた。大晦日の深夜までは無理かもしれないが、頑張って今週末に気になってた映画を見ようかと思い、無謀にもDVDを4本も借りてしまった…。返却日が来週月曜日の深夜までなので、おそらく時間的には大丈夫だろうと思っているが、やっぱり2本か3本にしておけばよかったかな…。で、今日はこんな映画を借りてきたんです。

「ザ・ターミナル」:トム・ハンクス主演
「ザ・マンチュリアン・キャンディデート」:デンゼル・ワシントン主演
「ヒーロー」:ジェット・リー主演
「コラテラル」:トム・クルーズ主演

トム・ハンクスの「ザ・ターミナル」は何人かの友人から「絶対にいい映画だよ」と言われ続けてきたのだが、結局劇場公開時には見に行くチャンスが無く、DVD化された今になってやっと見れるようになったのだ。日本でも公開予定(もうされてるのだろうか?)のはずだから、ストーリーを知っている方も多いかもしれないが、空港での入国時に自分の国が消滅した事を知らされた主人公を描いたドラマである。個人的に思い出すのは、ボストン時代に一緒にサッカーをしていたコートジボワール出身の学生のことだ。国からの奨学金でエンジニアリングを学んでいた彼だが、祖国で突然クーデターがあって、翌日から学費が一切払えなくなって嘆いていたのを覚えている(その後、なんとか奨学金制度は復活したらしいが)。国家の消滅って、意外とフィクションなんかではないのです。

今日も色々とニュースを眺めていたのだが、こんな話があった。最近の米軍基地内では、結婚カウンセリングに通う夫婦が増えているが、こういったカウンセリングなどは陸軍が200万ドルを投入して始めた「兵士家族の結婚生活を守る」事業の一環らしい。最近発表された調査によると、夫や妻のどちらかが戦地に派遣された家族の離婚率は21パーセントとなっており、通常の離婚率よりも高いことが明らかになっている。

陸軍はすでに200万ドルを投入し、様々な種類の結婚カウンセリングを実施したり、高級ホテルの無料宿泊券をプレゼントしたりしている。陸軍に20年間勤務する空挺師団所属の兵士はAP通信のインタビューに対し、「軍がこういう事にお金を使ったのは初めてじゃないでしょうか」、と驚きを隠せない。カウンセリングの1つでは、40時間のコースの中で夫婦のコミュニケーションの再確認や、アルコール問題や戦地で受けたトラウマにどう気付くかなどを学ぶことが出来る。さらに、現場の指揮官にもカウンセリングや育児休暇の希望者達に休暇を与えるよう指示が出ている。

陸軍での結婚カウンセリングはハワイ駐留部隊の牧師が1990年代後半に個人的に開始したが、2001年に法律が改正されると、軍による宿泊施設や食事の支払いが認められ、あっという間に全国の基地内へと広がりを見せた。また結婚カウンセリング同様、兵士の心理カウンセリングも重要視されてきている。

2002年にノースカロライナ州のフォートブラッグ陸軍基地内で、アフガニスタンから帰還した兵士4名がそれぞれの妻を殺害する事件が発生しており、軍内部では兵士のトラウマと結婚生活をいかにうまくコントロールできるかが重要な課題となっている。殺人事件今で発展しなくても、戦地から帰ってきて家族と上手くコミュニケーションが取れない兵士が多いのは事実のようだが、一体どのような原因なのか非常に興味がある。

エビの食べすぎで、もう寝ます

2004-12-29 16:30:51 | ニュース
今日も朝のうちに新しいアパートの候補を見学しに行ったのだが、今日見た物件にはなかなかいい印象を抱いている。先週末から色々なアパートを見学しに行っていたんだが、サッカー仲間の一人から紹介されたアパートは今僕の住んでいる場所から地下鉄で2駅、ワシントンまでも10分で行ける距離にあって、そのロケーションに満足しているのだ。

今日見たアパートの近くにはちゃんとスーパーやコンビにもあり、建物内にはジムも設置されているので、今までと変わり無い生活が出来るんじゃないかと期待している。仮にそのアパートに入居した場合、僕の部屋は6階になるのだが、リビングの大きな窓からは外の景色も一望できる(今日のワシントンの天気が晴れだったこともあって、景色もイイ感じだったのだ)。アメリカに来て以来、僕は今住んでいるアパートが3つ目なんだけど、これまでの部屋は3階・3階・2階となっていて、6階に住むのは初めてになる。

アパート見学を終えて自宅に戻って、部屋の掃除を開始。本当は30日あたりに大掃除をすればいいんだが(おそらく30日もするけどね)、どうも1人暮らしをはじめた98年からプチ掃除愛好家になってしまったみたいで、ちょっと時間があたらテレビのブラウン管なんかをさり気無く拭いたりしている。どうせ、年明けに友達が遊びに来て汚れるのは分かっているんだけど、それでも年末の掃除は「1年の締めくくり的な仕事」をした気分にさせてくれるので、僕は密かに毎度楽しみにしている。

夜は友達と3人で近くのスペイン料理店(レストランのサイト:http://www.latascausa.com/)に行って、忘年会(?)を行った。夕方6時ごろから色々な種類のタパスを休むことなく腹に詰め込む作業を繰り返した結果、このブログを書いている午前2時になっても、僕のお腹は重いままだ。現役引退後のマラドーナじゃないけど、どうも僕もこの6時間で確実に体重が10ポンドは増えた気がしてならない。「ガンバ・サラヒーリョ」というエビ料理が昔から好きで、今日も夕食をエビで始めてエビで終わらせた(注:ここはエビ料理専門店ではありません…)。タパス1皿が無料になるクーポンをもらったのだが、明日も行ってしまいそうな雰囲気だ。

タパス効果なのか、かなり眠たくなってきたので、今日はそろそろ眠ります。タパスがあんまりに美味かったので、チョリソ(ソセージ)をワインと油で炒めたタパスを一皿をテイクアウトして持って帰ってきた。明日の朝が本当に楽しみだ。

10年目を前に

2004-12-28 15:07:32 | ニュース
アパート探しと並行しながら年賀状の残りを仕上げるのに全力投球した1日だったが、本当に右手が痛い。これだけペンを長時間持ち続けたのも何年ぶりだろうか…。高校生の頃、英単語を必死で覚えるためにノートに同じ単語を何十回と書いた記憶があるが、その時も今日と似たような右手の痛みを感じた事を記憶している。たかが年賀状かもしれないが、それでも紙の上に自分の字で新年の挨拶(半分は与太話になってしまっているが…)を書くのは大切な事じゃないかなぁと、自分ではそう思っているのだ。

日頃はパソコンのキーとプリンターのお世話になりっぱなしの僕にとっては、手書きのグリーティングカードというのは想像以上の労力を要するものなんだが、それはそれで新鮮だから、意外とこれが楽しくて仕方ないのです。ただ、1つだけ心配なのは、僕の手書きの字は御世辞にもきれいとは言えず、送った先のみなさんに読んでもらえるかが悩みのタネ。どうも字の汚さは日本語だけに限らないようで、大学院時代には、僕と僕の担当教授の2人が光栄にもクラスの中で「最も字が読み辛い2人」なる称号をいただいている…。

大学が神戸にあり、実家も兵庫県の尼崎という町にある僕にとって、来年1月はちょっとした意味を持つ。阪神・淡路大震災の発生からとうとう10年になるのだが、10年かけて阪神地域の震災の傷跡が癒される中、新潟と東南アジアで最近発生した2つの大地震のニュースには、どうしようもなく悲しい気持ちになった。2つの地震のニュースをそれぞれ初めて耳にした際、95年1月の地震で大きく揺れた実家や(損傷はほとんどなかったが)、避難所のボランティアで一瞬にして家を無くした被災者の方々と話をしたときの事などが頭をよぎった。今回の東南アジア一帯を巻き込んだ大型地震のニュースは、被災地域が欧米人観光客の人気スポットだったことや、同地域からの移民がアメリカにも多く住んでいることから、こちらでも常に報道されている。また、アメリカ政府も今回の地震に対して、迅速な支援活動を発表している。

米政府は月曜日、大型地震による深刻な被害を受けた東南アジアの幾つかの地域に災害専門家らを派遣し、さらに1500万ドルの援助を誓約した。「これは国際的な悲劇であり、我々は復興にできる限り協力するつもりだ」、とパウエル国務長官は語った。今日開かれた記者会見の中で長官は少なくとも8名のアメリカ人が地震によって死亡し、現地のアメリカ大使館が残りの数百のアメリカ人の所在等について確認作業を続けていることを明らかにした。

それぞれの被災国のアメリカ大使館は現地政府に10万ドルを送り、国際赤十字には400万ドルが送られた。米国際開発局によれば、政府は災害専門家をインドネシアとタイを中心に展開させ、フィリピンとUAEのドバイに貯蓄してあった水や食料、仮設住宅用の建材等を緊急に災害地域に送り出すことが決定された。数百万の被災者を出した今回の地震、復興には莫大な時間と金がかかるが、とにかく世界中が協力しあって被災地の復興を目指すことを強く願う。

ニューヨークのNPO団体「ティーチ・フォー・アメリカ」では3000名の若い教師を全米の都市部などにある荒廃した学校の送り込み、そこで2年間の教師として働かせるプログラムを実施しているが、このプログラムに参加する若者が増えてきており、出口の見えないアメリカの教育問題に幾らかの希望を与えている。

AP通信の記事によると、ニューヨーク大学を卒業したルース・ゼメルさんもこのプログラムに参加して、現在は首都ワシントンの中でも最も荒れた高校で数学を教えているが、プログラム開始直後は生徒の家庭環境にショックを受けてばっかりだったという。ゼメルさんの話では、ホームレスの生徒や、虐待を受けている生徒、英語の分らない親を助けるために学校を休む生徒、家計を助けるために週40時間以上働く生徒などがおり、今まで自身が知らなかった世界を初めて目にしたのだという。

アメリカ都市部の貧しい地域では、教師側のモチベーションの低下も懸念されており、このプログラムを主催するNPO団体は若くてやる気のある若者を教育現場に送り込むことで、環境を少しでも変えれないかと模索している。興味深いことに、2年間のプログラムが終了しても、60パーセント以上の参加者が同じ学校での教職を希望しているのだという。プログラムも好評で、今年は約2000人の募集に対して約1万4000の応募があった。

貧困地区の学力低下はアメリカで深刻な問題となっており、小学校4年生の段階で、幾つかの学区の生徒は読み書きと算数で3年の遅れをとっているとの事。ブッシュ政権は国内の教育事情改善に頑張りを見せているものの、それが実際にどれだけ機能しているのかは疑問だ。こういった民間団体がアメリカの教育界で忘れ去られてしまった学区の子供達に教育を与えることで、もしかしたら何か新しい解決案が見えてくるかもしれない。僕は密かに期待している。

2004年も残すところあと4日。もう来週は2005年なんだなぁ…。時間の経つのが本当に早い今日この頃です。

漢字を学ばねば

2004-12-27 15:19:29 | ニュース
ある意味で非常に印象的なクリスマスイブを過ごした2004年となった。日本とは対照的にクリスマス中は静かなアメリカではレストランや商店もほとんど閉まるんだが、まさかここまでとは思わなかった。眠い目をこすりながら、25日早朝まで雑誌原稿の仕上げにかかっていた僕は、24日の夜9時頃に何か食べようと外に出てビックリ。町は完全にゴーストタウン化しており、店という店が文字通り全て閉まっていたのだ。

結局、近所で1つだけチェーン店のダイナーが開いていて、そこで油っこいアメリカ料理を食べることにした。去年のクリスマスは友人宅でパーティーに参加していたので全く気がつかなかったが、本当に全て閉まるとは…。25日にも友人らとこのダイナーを利用したのだが、超満員の店内はマスコミに取り上げられた人気ラーメン店のごとく、20分おきに客が入れ替わる凄まじさだった(こんな回転率、バージニア州では滅多にお目にかかれない…)。

クリスマス翌日の今朝から、全国のデパートやショッピングモールは多くの買い物客でごった返し、賑わいを見せている。全国小売店のクリスマス前売上高は予想以上にシビアなものだったらしく、関係者らをガッカリさせたが、有名小売店では通常のクリスマスセールよりもさらに商品価格を割り引いたセールを実施して、年内に出来るだけ多くの商品を売りさばこうと必死のようだ。

例年、クリスマス前には多くのアメリカ人がギフトショッピングなどを行うが、今年のクリスマス前商戦では予想以上に固かった消費者の財布の紐に小売店側が敗北した格好となっている。加えて、南部や中西部では予想外の悪天候にも見舞われ、デパートなどに足を運ぶ買い物客が激減した模様だ。さらに近年安定した成長を見せるオンライン・ショッピングの影響で、自宅のコンピューターで全てを済ませる買い物客も増加しているんだとか。

クリスマス後の大バーゲンセールはそれぞれの町で大々的に宣伝されていたため、多くの買い物客が日曜日朝からデパートやショッピングモールに集まった。AP通信によると、オハイオ州コロンバスでは、雪が降る中で早朝から400人の買い物客が列を作って有名衣料品店の開店を待っていたそうだ。この衣料品店は地元紙に全商品50~60パーセント割引との広告を掲載していたが、それが見事に消費者心理をくすぐったようですな。

今年もクリスマス休暇中に旅客機を使って国内を移動した人の数は多かったが、大手US航空の利用客の中には手荷物を4日間受け取れていなかった人が続出し、中堅のコムエアーは土曜日に1100本のフライト全てをキャンセルしたりして、旅行者に大きな支障がでている。

財政難にあえぐUS航空は、「普段起こり得ないレベル(会社側のコメント)」で手荷物係や客室乗務員が病欠を訴えたため、国内の29のフライトを急遽キャンセルしている。しかし、全米の幾つかの空港ではUS航空に預けられた手荷物がそのまま放置されているところもあり、利用客の中には4日間にわたって手荷物を受け取れていない者もいる。コムエアーは社内コンピューターの故障が原因だとの事だが、少しいい加減すぎへんやろうか?

個人的な話になってしまうが、来年3月に2年間住んできた今のアパートを出る可能性が高くなった。このアパートの経営権がワシントンにある別の不動産会社に移ったのだが、新しいオーナー会社は今のアパートを販売オンリーのコンドミニアムに変えたいらしく、来年からの賃貸契約の更新は行われないとした内容の手紙が、僕ら住人に配られたのだ。経営権の変更時にはこういった事が発生する場合もあるとは、過去に友人から聞いていたものの、まさか自分のアパートで実際に発生するとは思わず、やはり面喰ってしまった。

幸いにも、友人らの協力で早速今朝から新しいアパート探しを開始したのだが、なんとか次のアパートも早いうちに見つかるんじゃないかなと思ってる。出来れば今のアパートの近くに住みたいのだが、願いはかなうだろうか…。僕はバージニア北部に住んでいるのだが(と言っても、ワシントンまでは地下鉄で15分の距離なんだけど…)、ワシントンのアパート賃貸料がここよりも全然高いことを知ってビックリ。高いだろうなとは思っていたが、ボストンやサンフランシスコといい勝負出来るところまで来ている。ワシントンで学ぶ学生なんかは、どうやって生活しているんだろうか?

今日も時間を見つけては日本に送る年賀状(グリーティングカードなんだけど)の作成に励んでいたのだが、1つ気になることが。カードへのメッセージや封筒への宛名書きをしていると、以前までスラスラ書けていた漢字が思い出せなくなったりしていたのだ。ある漢字の中の横棒が1つなのか2つなのか…、本当に心配になって辞書を見ながら年賀状を書いている。パソコンで文を書く仕事に就いていると、パソコンの便利さに感謝せずにはいられないが、同時に漢字が手書きできなくなるかもしれないと心配し、複雑な気分。漢字練習帳が大売れした理由が分かった気がする。

ホワイトクリスマス

2004-12-23 16:07:13 | ニュース
今日の朝は自宅でインタビュー用の質問作りをしていたのだが、自宅アパート1階のオフィスから「荷物が届きましたよ」との連絡があり、取りに行ってみると日本から送られてきた重たい箱が1つ。送り主の名前を見て、日本でお世話になっている方からの贈り物だと分ったのだが、箱を開けてみてビックリ。調理用ダシとそうめんつゆがビンで1ダース入っていたのだ。以前からワシントンではなかなか日本の食材が手に入らない(郊外まで車で出れば、別なんだけど、ボストンやニューヨークのように市内の便利な場所にはないのだ)と愚痴をこぼし続けていた僕にとってはサイコーのクリスマスプレゼントとなった(ホンマにありがとうごうざいました)。

この1週間ほど、取材等の忙しさを言い訳にして、外食やテイクアウトの食生活が続いていたのだが、同時に将来的なマイケル・ムーア的体系への変貌の可能性にも危機感を抱いていたのだ。『スパーサイズ・ミー』という映画が日本とアメリカの両方で公開されたが、この映画を見た僕やアメリカ人の友人らは「バカだな~」と映画を笑い飛ばしつつも、目だけは決して笑っていなかった。アルカイダや北朝鮮の弾道ミサイルなんかよりも、カロリーとコレステロールの方がアメリカに住む者にとっての「今そこにある危機」だからだ。アメリカ的生活に100パーセント溶け込んでいない証拠なのだろうか、僕はまだ非アメリカ人的体系を維持しているが、自宅近くのファーストフード店の前を通ると常に数人の曙太郎予備軍が美味しそうにハンバーガーを頬張っている。気をつけないと…。

ワシントンは少し暖かくなったが、今度は別の場所が寒さにやられているようだ。中西部を中心に水曜日早朝からふりだした大雪の影響で、クリスマス前の帰省客や旅行客の交通にすでに影響が見られ始めている。子供達はホワイトクリスマスが現時にやってきた事に大喜びだが、この雪を素直に喜べない人も少なくない。テキサス州保安局によれば、水曜日朝からの雪と路面の凍結により、テキサス西部の8つの郡ではすでに17件の交通事故が報告されており、どれもがドライバーが滑りやすくなった路面に対処できていなかったの原因のようだ。

普段はこの季節も比較的暖かいとされるテキサスやニューメキシコ州で降り始めた大雪の影響で、今朝の同地域の気温はマイナス5度近くにまで下がり、明日はさらに気温が低下すると予想されている。テキサス州にあるダラス・フォートワース空港では大雪のためにフライトのキャンセルや遅れが続々と出始め、全米の空港では南部や中西部からのフライトの到着が平均で2時間ほど遅れている状態だ。アーカンソー、オクラホマ、テネシーでも今朝の大雪による死亡事故が報告されており、これから大雪を伴った寒波が北上してくる模様だ。

本来、南部や中西部でのホワイトクリスマスは極めて珍しいもので、アーカンソーの一部では過去120年間で僅かに8回しか降雪が記録されていない。現在、平均で25センチほどの積雪となっているが、明日以降の天気によってはホワイトクリスマスどころではなくなる可能性もある。僕はワシントンからでないと思うが、確かに旅行者にとっては厄介な天気ではあるようだ。

火曜日にアメリカ国内の最高気温を記録したのがテキサス州のマクアレンという町で、なんと夏かと間違えるほどの28度を記録したらしいが、一夜明けた今日のテキサスの気温がマイナス5度。気温差が実に33度で、さすがに人間の体温調節の限界を超えているような気がする。地元の子供達はホワイトクリスマスに大喜びだそうだが、どうか風邪だけはひかないように。経験者からのアドバイスです。

クリスマス前の火曜日、全米にある125の都市では路上で死亡したホームレスを偲ぶ追悼集会が開催された。これはワシントンにある全米ホームレス協会が各自治体に働きかけてきたもので、これまでに路上で亡くなったホームレスの人々を決して忘れないために、クリスマス前に各地で追悼集会を行うというものだ。記念日とはいっても、祝日のように学校や企業等が休みになるわけではないが、ホームレス協会の考えに賛同した125の都市ではホームレス追悼記念日を制定し、これらの場所ではキャンドルサービスなどが実施された。

全米のホームレスは約350万人とされ、今年だけで3000人以上が死亡していると見られている。死亡原因として一番多いのが自然死で、殺人、自殺、凍死がそれに続く。全米ホームレス協会は1990年からこの記念日追悼記念日の制定を各自治体に求めており、その数は年々増加している。日本がアメリカから学ばなくていいことはたくさんあるが、こういったホームレスを社会的に認知させる活動は真似てもいいんじゃないかと思う。立場の弱い路上生活者が頻繁に襲われる日本だからこそ、こういう啓蒙活動は必要かと思うのだが。

ペンシルバニア州フィラデルフィアでは今年亡くなった33人のホームレスを偲ぶキャンドルサービスが市庁舎前で行われ、ワイオミング州シャイアンでは州庁舎で行われた追悼式典に知事が出席し、亡くなったホームレスの冥福を祈った。79人のホームレスがなくなったメリーランド州ボルチモアや、オハイオ州シンシナティでも集会は行われている。多くの追悼集会は火曜日夜に行われたが、同じ頃ハワイでも集会が行われ、ホノルル市内の高校生らが集めた歯ブラシやトイレットペーパー、ペットボトルの水などが、ホームレスに配られたそうだ。

明日は午前中に仕事をすませて、なんとか午後からスーパーなどに買出しに行こうと思っている。25日にはほぼ全ての商店が閉まってしまうため、日用品や食料は24日の夕方までに買っておかなくてはダメなのだ。25日には友達と遊びに出かける約束をしていたが、仕事が急に入ってこないことを切に願う。

浪漫

2004-12-22 17:26:43 | ニュース
何日かぶりに温かい天気となったが、それでも午前中に外出した際には少し寒くも感じた。明日も少し(この季節にしては)温かい天気になりそうとの事だが、風邪からようやく復活しかけているこの時期に冬空の外を歩くのは、決して大袈裟ではなく目隠しをして地雷原の上を歩くようなものなので、大切な用事があるとき以外は外にあんまりでたくないのが本心だ。しかし、自宅前の路地でボール遊びをする子供を見ると、どうも無性に自宅にあるサッカーボールにも目がいってしまう…。

今日の昼過ぎには日本からの依頼でアメリカの高校の風景写真を撮るため、自宅からそんなに離れていないワシントン・リー高校に行ってきたのだが、学校内のグランドでは陸上部らしき生徒の一団がひっきりなしにトラックを走り続けていた。このグランドは(もちろん学校の活動が行われない時に限るが)一般にも開放されており、陸上部軍団に交じっておじいちゃんやおばあちゃん達もトラックの上をゆっくりと散歩していた。高校の周りは古い住宅街となっており、ワシントンの喧騒はここでは全く感じることはなく、極めて牧歌的な空気が流れている。

20年程前には女優のサンドラ・ブロックもここでチア・リーダーをしていたのだが、それにしてもワシントンから車で15分離れただけで、こんなにも町の雰囲気は変わるものなのか。僕は少しの間だけオーストラリアの高校にお世話になったことがあったが、このワシントン・リーの雰囲気は、人口2万人足らずのオーストラリアの田舎町にあった州立高校と似通ったものがある気がしてならない。しかし、このグランドの正式名称は「戦争記念競技場」。非常にアメリカらしいネーミングセンスなんて言うと、怒られるだろうか…。

今日はテキサスの話を少し、といってもカウボーイ大統領のことではありません。テキサス州の地元紙「ダラス・モーニングニュース」が報じたところによると、テキサス州内の数百の学校が州の学力推進テストで組織的な不正を行っていた可能性があり、教師らによる不正への関与が取りざたされている。テキサス州が小・中・高校生を対象に実施する学力テストは州内の約7700の学校が受験対象校となっているが、その中の約200校の試験結果に普通ではない現象が確認されたのだという。

セオリーどおりに行けば、学年に関係なく生徒の学力は学校のレベルによって大体わかるそうで、高校3年生の数学の学力レベルが低い学校では、高校2年生の数学レベルもまた低いんだそう。ヒューストン近郊のサンダーソン小学校の4年生の数学でのテスト結果は州内で最低レベルにランクされたが、同じ学校の5年生の数学のテスト結果は州内でもトップレベルで、90パーセント以上の学生が満点を取っていたのだという。

サンダーソン小学校は学力の迅速なレベルアップを成功させたということで、2003年には教育省から表彰を受けた学校でもあるが、あまりの不自然な成績の差にヒューストン市の教育長官も調査を開始したことを認めた。ダラス市内の小学校でも学年ごとにテストの成績が大幅に違う現象が確認されており、市の教育委員会は調査を計画中だ。このような学力テストでは、テスト後に学校や教師の評価が行われ、評価内容次第では教師の人事や給与の面で大きな影響が出るため、現場の教師が組織的なカンニングに関与したのではとモーニングニュース紙は調査を継続している

韓国では携帯電話を使った学生の組織的なカンニングがあったと聞くが、教師主導のカンニングなんて聞いたことがないな。モーニングニュース紙の報道内容が正しかったとすると、どんな理由であれ不正に関与した教師達は罰せられるべきだと思うけど、テストのスコアだけで教師のエバリュエーションをするのは正しいことなのだろうか?公立学校の教師のサラリーは全体的にかなり低く(僕の記憶が正しければ、初年度のサラリーが年間2万ドルちょっとだったと思う…)、教育委員会側の評価で給料が下げられた場合、本当に生活できなくなる教師もいるのだ。それよりも、子供を自宅学習させる親が増え続けていることと一向によくならない教育環境との関係を真剣に考えた方がいいのでは?

北アイルランドのベルファストで大きな強盗事件が発生したそうだ。月曜日夜、武装集団がノーザン銀行の2人の重役宅に押し入り、この重役らを人質にして、他の従業員に閉店後の銀行の金庫を開けさせたらしい。重役やその家族らは約1日ほど監禁されていたようで、開放後もショックにより満足に話ができない状態なのだとか。

この劇画みたいな銀行強盗、盗まれた金額もハンパじゃなく、日本円で40億円以上になるらしい。犯人は現在も逃走中との事だが、警察は幾つかの推測をもとに捜査をすすめているようだ。こういった大掛かりな銀行強盗の話を聞くと、映画「ヒート」でロバート・デニーロやバル・キルマーらが演じたプロの強盗団をイメージしてしまうが、地元北アイルランドの強盗団はプロはプロでも異なった背景を持っているようだ。北アイルランドではカトリックやプロテスタントの武装勢力が資金調達のために銀行強盗をすることが頻繁にあり、IRAは1997年の停戦合意後も資金調達のためにタバコ・石油の密輸や銀行強盗を繰り返している模様。アメリカ東海岸からのカンパも最近は枯渇していたようだけに、警察の推測も満更無視できない。

今回の事件の被害額を聞いただけでも、絶対にギネス級だろうと思ったのだが、ギネスブックに掲載されている過去最大の銀行強盗による被害額は、1945年のドイツ中央銀行のもので、敗戦直後の混乱期に盗まれた額は現在のレートで5000億円以上になるんだとか…。嘘か本当かは今となっては分らないけど、ここまでスケールが大きくなると、逆に一種のロマンすら感じてしまうのは人間の悲しい性なのだろうか?

グロテスクな事件

2004-12-21 16:53:09 | ニュース
昨日の晩は寒いながらも初雪に少し喜んだのだが、今朝起きてみると、外の気温はマイナス11度(マイナスですよ、マイナス!)。仕事がなければ家のドアすら空けたくないような天気だったが、10時過ぎになくなく外出…。ボストン時代にも何度か経験があるが、ひさしぶりに凍てつく寒さに見舞われた。本当に頬に爪をたてられたような感じで、歩くのにこんなにも体力がいるとは…、と妙に感心してしまったのだ。

明日から一時的に温かい天気が復活するとの事だが、、週末には寒さが戻ってくるようで、僕に週末サッカーの練習をしようと電話をかけてきた能天気なブラジル人の友人が今何を考えているのかが気になるところだ。しかし、ブラジル人だけに本当に練習する気かもしれないので、まだまだ油断はできない。もう週末は、自宅かカフェから出ないでおこうと決めているんだけど。

アメリカだからと言ってしまえばそれまでなんだが、どうも気味の悪い事件が発生していたようだ。クリスマス前のミズーリー州カンザスシティ近郊で4日前に発生した殺人事件は、犯行の異常さから全米の話題となっているが、容疑者の動機などに不明な部分も多く存在し、事件の解明にはしばらく時間がかかりそうだ。

36歳のリサ・モンゴメリー容疑者はカンザス州の自宅から200キロ以上離れた場所に住む妊娠8ヶ月のボビー・スティネットさんとインターネット上で知り合い、スティネットさんが飼っている犬の一匹を引き取るため、16日にスティネットさんの自宅を車で訪れた。モンゴメリー容疑者はそこでスティネットさんの首を絞めて窒息死させ、さらに腹部を切り開いて胎児を奪いとった。

モンゴメリー容疑者は夫と子供のもとに戻って、胎児を見せ、「昼間の買い物中に産気付いたので、近くのクリニックで出産をすませた」と語っていたようだ。容疑者の夫は事件について何も知らなかったようで、警察も捜査の対象には入れていないとの事。こちらでの報道を見ていると、容疑者家族と胎児は24時間近く一緒に過ごしているのだが、ダンナや子供達は本当に何も気付かなかったのだろうか?僕には子供がいないから分らないんだが、普通は気付かないかい?

今回の事件では、警察が事件現場から血液や指紋といった従来の捜査資料のほかにコンピューターを持ち帰ったことが、事件の早期解決につながったものとされている。警察はコンピューター内のメールやIPアドレスを徹底的にチェックし、事件前に被害者と連絡を取っていた人物を迅速にリストアップしたようだ。今回の事件でIPアドレスの調査が新たな操作方法になる可能性がでてきたが、IPアドレスの書き換えが可能になる時代も遠くないとの事で、これによる誤認逮捕などが出ないかも大きな問題となる。

来年1月20日にブッシュ大統領の大統領就任式がワシントンで行われるが、今回の就任式における警備活動は、大統領就任式でのものとしては過去最高のレベルのものになるらしい。ワシントン市内の多くの通りは閉鎖され、パレードを見に集まった観衆(デモ隊と言った方が適切なのだろうか…)も1人ずつ金属探知機などで徹底的にチェックを受けるのだとか。警察だけでなく、軍隊も警備活動に参加するとの事で、寒い中みなさん本当にごくろ~さまです。僕もこの日は就任式典前のパレードを見に行こうかと予定しているのだが、上手くいくのだろうか?

帰ってきてからバタバタしてて、関西人だけにバタバタ感はまんざら悪い気はしないのだが、見たい映画が目白押しの年末に映画館に行く事が出来ないのはやはり辛いのだ。とりあえず、年内に「オーシャンズ・イレブン」の続編とビル・マレー主演の海洋コメディだけは見に行きたいのだが、上手く時間を見つけれるかなぁ。この前帰国した際にも、見たかった日本映画が山のようにあったのに、全然見れなかった悔しい思い出がある(一番の原因は僕が風邪をひいてしまったことだったんだが)。日本映画に関しては、最近アメリカでも新作が劇場公開されたりするので、少し待ってみようかと思う。

間性の魚はどんな味?

2004-12-20 13:27:55 | ニュース
土曜日午後、最近大型の平面テレビを買ったとメールしてきたギリシャ人の友人の家に遊びに行った。彼は政府関係の仕事でカリフォルニアに6週間ほど滞在していたため、僕も会うのは実に2ヶ月ぶりのことだった。他の友人らと新しい平面テレビで、とりたてて目新しくない内容のイタリアサッカーの中継を見ていると、テレビの所有者である友人と同じアパートに住む女の子が遊びに来た。どうも家族ぐるみで仲がいいらしく、母親からケーキを渡されて下の階まで来てくれたようなのだ。

先に言っておくと、この女の子はメチャクチャ綺麗だった。自宅から歩いて10分の所にある友人宅にデジカメを持っていく奴もいないだろうが、昨日は本当にデジカメを持って行かなかった事を後悔した程だ。部屋にいた男達は、情けないことにデレデレ状態で、全員が全員、子供の頃見たアニメに出てくるような目がハートの状態になっていた…。まぁ、僕もその情けない男の1人だったんだけど。両親がジャマイカ出身という彼女は、高校と大学でも幾つかの外国語を学んだそうで、カリフォルニアの高校時代には2年ほど日本語も勉強したそうな。

僕の英語にしてもそうかもしれないけど、外国語として学校などできちんと語学を学んだ場合、その言葉の文法はかなりしっかりしたものだ。アメリカに来てからも、学校で日本語を学んだ人達と話をする機会が何度かあったのだが、みな文法だけは本当にしっかりしている印象があった。このジャマイカ系の彼女も、発音やボキャブラリーはまだまだといった感じだったが、文法に関しては大阪や神戸に住む僕の友人らよりも完璧だなと感じてしまった。

明日20日発売予定の米誌タイムは年末の恒例企画となっている「今年の人」にブッシュ大統領を選び、絶対に妥協のすることの無い「カウボーイ的政治」によって多くの有権者の意識を変化させ、再選を果たした事などを選出理由に挙げた。ブッシュ大統領が「今年の人」として、年末のタイム誌の表紙を飾るのはこれが2回目で、前回はフロリダ州での開票集計トラブルを経て大統領に当選した2000年末に選ばれている。

タイム誌の編集部内ではブッシュ大統領の他に選挙顧問のカール・ローブ氏や、映画監督のマイケル・ムーアやメル・ギブソンを推す者もいたそうだが、最終的には2期目の当選を果たしたブッシュ大統領で落ち着いたようだ。カール・ローブ氏やマイケル・ムーア監督の推薦にはいくらか納得できる部分もあったが、個人的に驚いたのはメル・ギブソンを推薦する声があったことだった。これは何もギブソンの推薦に否定的だとかではなく、彼の名前を聞いて色々な事が頭の中に浮かんだからである。

『リーサル・ウェポン』などで知られる俳優のメル・ギブソンは、キリストの受難を描いた『パッション』で監督をつとめているが、敬虔なクリスチャンとして知られる(正確には、ボーン・アゲイン・クリスチャンらしいが)ギブソンがメガホンをとったこの映画は、映画史上最大の前売り券販売数を記録している。ちなみに、ギブソンは興行収益から1億ドルをカトリック教会に寄付したとか。この映画がアメリカだけで約400億円の収益を記録したことや、今年の大統領選挙でキリスト教的モラルが一部の有権者の間で重要視されたことを考えた時、幾つかの点がつながって線になった気がした。

僕はたまにスーパーで魚を買って、家で料理して食べることがあるんだが、当分魚を食べたくなくなるような話が今朝のワシントンポスト紙に出ていた。ワシントンを流れるポトマック川の水質汚染に関しての話だが、さすがにゾッとしてしまった。ワシントンで売られる魚介類のほとんどはメリーランドにあるチェサピーク湾でとったものらしいので、直接的には自分の食生活に大きく影響しないんだろうけど、それでも気味が悪いことには変わりない。以下はワシントンポスト誌の記事の要約だ。

政府機関に勤める科学者達は先週、メリーランド州内のポトマック川において卵をもつオスの魚を発見したことを明かしたが、関係者はこの突然変異がポトマック川の上流に位置するウエスト・バージニア州で問題となっている公害問題となんらかの関係があるのかを調査し始めた。ウエスト・バージニア州にあるポトマック川支流では地元住民の癌発生率が全国平均よりもはるかに高く、以前から現地での公害問題との因果関係が指摘されている。

ワシントンから約90キロ離れたメリーランド州で発見された6匹のオスのコクチバスは体内に卵を宿していた。同様の突然変異を起こした魚はウエストバージニア州でも過去に発見されており、関係者らはウエストバージニアとメリーランドの発見場所の持つ共通点として、付近に汚水処理場や肥育場、工場などが建ち並び、これらが生態系の破壊につながった可能性が高いと指摘した。

ウエストバージニア州の連邦魚類研究所は先週、メリーランド州で発見されたコクチバスの細胞組織を細かく検査したが、これらの魚は生物学的に言う「間性」だったそうで、オス・メス両方の機能が体内には備わっていたのだという。この研究所はウエストバージニア州で昨年発生した川魚の大量死の原因を調査していた際、同じように間性の魚を何匹も発見している。ポトマック川の水質調査は現在も行われており、調査発表と共に何らかの対策がとられるのは確実だが、連邦政府はこれまでポトマック川の水質改善に資金的な援助をあまりしてこなかったため、水質調査発表を受けてもすぐに新たなアクションが起こしにくいとの声も上がっている。

魚の生態系変化に関する記事を過去に読んだことはあったが(確か、もう何年も前に櫻井よしこさんが書いた記事の中にエピソードとしてあった記憶がある)、今までは対岸の火事として、ほとんど気にもしてこなかった。けれど、自分の家の近くを流れる川の上流では現実問題として魚の生態系における突然変異が確認されており、原因等が非常に気になってしまう。ある生物が有害物質などによって生態学的に突然変異を起こすなんて、それこそ映画のゴジラのようなSF世界の中だけかと思っていたが、実際には僕らの身近でも発生しているようだ…。

かみ

2004-12-18 17:00:23 | ニュース
よく考えたら2004年も残すところあと2週間ということで、僕も昨日からクリスマスカードや年賀状を書き始めたのだが、今やっている雑誌原稿と同じようになかなか前に進んでくれないのだ…。日本の友人や知人らに送る年賀状はまだ来週末くらいまで時間的な余裕があるんだが、問題はクリスマスカードで、明日(正確に言うと今日なのだが)土曜日に出さないと、ヨーロッパとかの場合、間に合わない可能性があるのだ。

帰国前に大阪の梅田にあるLOFTで大量のクリスマスカードを買ってきており、今日もランチのあとなんかにカードにメッセージを書いていたのだが、本当に全然終わらない。「そんなんやったら、メールでみんなに同じメッセージを送信したらええやん」といったような誘惑が、今日だけで3回も頭の中をよぎっているのだが、どうも僕は変な所にこだわりがあるようで、それでは納得できないのだ。

確かにネット上で年賀状やクリスマスカードを送る習慣は少しずつ定着してきたかに見えるし、コンピューターでくる年賀状なんかはインタラクティブに富んだものもあるので、それはそれで1つのスタイルとしていいんじゃないのと思うのだが、僕はあくまでも紙にこだわりたいのだ。たとえ、メッセージが走り書き状態になっていて、自分でも字が汚いんじゃないかと思っても、僕は紙でできたカードにこだわりたい。

大袈裟な話を例に出して申し訳ないが、例えばアメリカの新聞業界は全体的に経営縮小の傾向を見せ始めており、将来的に紙媒体からネット媒体へと完全に移行しようと考えている社もあるそうだ。一説にはニューヨークタイムズも20年後に紙媒体としての新聞業を廃止する可能性があるとかで、これからもネットという媒体は大きくなり続けるんだろう。

アメリカには世界的に知られた新聞が幾つもあるが、発行部数だけを見てみると、これがどれも意外なほどに少ないのだ。全米発行部数第一位のUSAトゥディ紙は1日平均で約220万部を発行しているが、この数字は日本の朝日新聞や読売新聞の足元にも及ばない。全米で100万部の発行部数を超えている新聞はUSAトゥディ、ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨークタイムズの3紙だけで(2004年12月の時点で)、あのワシントンポストさえ76万部なんだとさ。

しかし、インターネットの世界は少し話が違ってくる。プロバイーダー大手のAOLへの加入者は2000万人を超えているともいわれ、アメリカのトップ20にランク入りしている新聞全ての発行部数を足しても、AOLの加入者数の方が多い状態なのだ。まぁ、AOLにニュースを求めて加入する人はそんなに多くないとは思うけど、媒体としてのインフラは整っているし、さらにメチャメチャ大人数の顧客も抱えているわけだから、独自のニュースセンターを展開したら、既存の活字メディアには大きな脅威となりそうな気がする。

話が脱線しすぎたけど、どんなにネット媒体が進歩しても、ぼくは紙媒体も残してほしいのだ。インタラクティブ性の欠如や資源の無駄遣いを指摘する声もあるけど、新聞を開いた時の手触りや、年賀状を手にした時の嬉しさは、コンピューターでそのまま再現できるとは僕には思えない。仕事ではメールやネットの世話になりっぱなしだし、僕みたいなフリーになった人間にはコンピューターの機動力が無いと、とても仕事はやっていけないのが現状。けども、プライベートだけは、これからも古臭く紙をどんどん使っていこうと思ってるのデス。

セコい人間は国を問わず、どこにでもいるんだね~。ブッシュ大統領は国土安全保障省の新長官にバーナード・ケリック元ニューヨーク市警長官を指名したんだけど、すぐにケリック氏の私生活でのトラブルが表面化し、先週金曜日にケリック氏は長官就任の要請を正式に辞退している。ケリック氏はニューヨーク市警のトップとして911テロ直後の事態の収拾につとめた手腕をブッシュ大統領やセンセイ連中に高く評価されていたので、就任は確実かと思われていたんだが、不法移民を家政婦として雇っていたことが発覚し、自ら大統領の要請を断っている。

ケリック氏の問題はこれで終了するかに思えたが、先週末から地元ニューヨークのメディアを中心に、彼の私生活でのスキャンダルが次々と暴露され始めたニューヨークの地元テレビ局が報じたところでは、911テロ事件直後、貿易センタービル近くのアパートを2人の愛人との密会用に使っていたが、このアパートは本来ならば復旧作業に従事している警察官や建設作業員の休憩所として市が用意したものだったそうである。う~ん、やることがセコすぎる。本当に愛人を養いたいんだったら、アパートを買うぐらいはしないと…。

さらに他の複数のメディアは、ケリック氏が隣接するニュージャージー州の建設業者から数千ドルの現金を受け取っていたと報じている。この会社はマフィアのフロント企業との見方が強く、こうなってくると愛人うんぬんでは済まされなくなってくるんじゃないの?こっちのメディアの中には、ウォーターゲート事件をもじって「ケリックゲート」と呼び始めたところもあるけど、こんな小市民的なオッサンと一緒にされたんじゃ、地面より6フィート下で眠ってるニクソン元大統領だってやりきれないよ。国民や外国人のバックグラウンドチェックが大好きなブッシュ政権だけど、まずは身内の身辺調査からはじめた方がいいのでは…。