秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

守・離・破の思想~柳家小さんの場合~

2013年05月06日 | 囲碁と、日本の未来。
  古今亭今輔の話し。彼は自分の弟子に対し、自身の新作落語を一つずつ教え、寄席で演じさせたそうです。ある時、落ち込んでいる弟子に声をかけると、お前の芸は師匠の猿真似、何の工夫も見られない。そんな批判を受けたというのです。その時、今輔師匠は弟子に向けて学問の真理を説いたのです。
  「学ぶ事とは真似る事。文字を習う人も生け花を習う人も、まずは上手な先生の真似をする事から始まるのです」

  似た話に、柳家小さん師匠が面白い指摘をされています。
  「まずは師匠の芸をそのまま真似して基礎を学ぶ『守』、それが出来たら出稽古で別の師匠の芸を学ぶ『離』、そして最後に自ら創意工夫して全く新しい物を作り上げる『破』。これが修行の心得、『守・離・破』と言うものです」
  日本の伝統は猿真似と批難する声がありますが、徒弟制度の歴史がある国では、上手な人の技を模倣する事してこそ、自分の技を磨き上げる事ができる事を理解されていたのです。

  昨今問題の体罰指導、大抵は優秀と呼ばれている指導者が行っていたそうですが、この問題の一因には、
  「この人に任せておけば間違いない」
  という、一方的な丸投げ放任主義
があったのではないか。そんな中で優秀な選手が言われた事だけをやっていては、それこそ猿真似。もしも視野を少し広く持てていれば、事件を起こした指導者やその被害者、どちらも執拗に追い詰めてしまう事は無かった筈です






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