秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

武道の科学者 ~嘉納治五郎の場合~

2013年03月04日 | 囲碁と、日本の未来。
  いじめや体罰による自殺問題。そんな昨今、講堂館創始者の嘉納治五郎に注目が集まっています。
  生来虚弱であった嘉納は、自らを鍛える為に大島一学(柳生心眼流)福田八之助(天神真楊流柔術)、磯正智(同門師範)、飯久保恒年(起倒流)らに師事。当時の柔術指導は上手が下手を一方的に投げつけるもっとも古典的な指導法を採っており、下手は自らの努力のみで技を身に付けるしかありません。どうすればいいのかと訊ねても、
  「数さえこなせばわかる」
  と言われるのが当たり前。
  頭脳明晰な嘉納、そんな事で満足しません。東京大学を卒業した後に彼は、これ迄身に付けてきた柔術の動きを、数学や諸科学の知識で日本の諸武術を解明。独自の柔道理論を作り上げたのです。

  嘉納によって完成された日本柔道。そこに嘉納自身の苦い経験を思えば、いじめなどは絶対赦してはならない事ですし、体罰指導なんては尚更。

  日本の武道や芸事は型と作法が大事と言われていますが、それはいずれもが、先人達が見つけ出した力学の集大成。
  「柔よく剛を制す」
  細身の古武術の達人が、大柄の柔道の日本代表選手を軽々と投げ飛ばす様子が取り上げられた事があります。これをやってのけるのは筋肉ではなく、相手の動きや力を利用しているからなのだと言う。もしかしたら日本の武道とは、人間が生来持っている可能性を引き出す教えなのかも知れません。




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。