秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

未来を創り出した経営者 ~小林一三の場合~

2013年04月22日 | 囲碁と、日本の未来。


  「日本経済を強くするには、青少年の育成こそが必要」
  そんな号令の元に始まったのが、旧制中学の野球大会。現在の夏の全国高校野球。始めたのは、関西の民間鉄道会社社長の小林一三。なぜそんな無駄金を使うのかという批判もあった様ですが、今や日本人皆が楽しみにしているイベントになっています。

  赤字路線を再生させ、郊外の沿線沿いの一戸建てを月賦で住める方法を取り入れる等して、当時のサラリーマンからの支持を集めた。さらには、デパートのプライベートブランド戦略、宝塚歌劇など、彼の視野には驚かされるばかり。

  彼の一貫した哲学は、人材育成でした。人身売買とも言われていた当時の芸事の世界、どの様にして少女歌劇の役者を集めるのか。そこで、良家の少女が演じる健全なお芝居である事。きちんとした給金を支払い、教育を施す事。等々をご家族に約束し、娘さんを預かったと言います。
  その一方で、どれだけ努力をしても、役者としてやっていけるのは100人中数人だけ。可能性もない娘達に芸事を続けさせては、人生を破綻させてしまう。ならば芸事を通じて人間教育を行い、三国一の花嫁として送り出そう。そうすれば誰もが幸せになれる。音羽信子等のトップスターにもそれをよく伝えていたと言います。

  彼が貫いた人間教育の意義は何か。今の日本、いじめや体罰が問題化しています。そんな今こそ、それを考え直す必要がある筈です。