熱帯果樹写真館ブログ

 熱帯果樹に関するトピックスをお届けします。

グアバを取り木で殖やしました。

2015年08月26日 | グアバ

 2015年3月中旬。
 知人から「グアバの苗を殖やしたい」と相談を受けました。
 しかし、グアバの繁殖は実生(種子)で殖やすと形質(その樹の特徴)が安定しません(化けます)。(参考:「グアバは種で増やすと化ける話 2009/10/06」。

 そこで有望な果実を着ける樹を見つけ、殖やしたいと思った際は栄養繁殖(接ぎ木 or 挿し木 or 取り木)を行います。
 今回は知人は「少量で良いので、早く結実する苗が欲しい」と言うので、取り木を行うことにしました。

 取り木の手順を以下に記します。

 (1) 取り木に適した太さ(直径)3~4cm程度の立ち枝を選ぶ。
 (2) 取り木用ハサミ「グリーンカット10」を用いて、幅1cmの環状剥皮を行う(写真2、3)。
 (3) 環状剥皮した箇所に水に濡らし、硬く絞ったミズゴケを巻き付ける(写真4)。
 (4) ビニール片(私は肥料袋の切れ端を使用)でミズゴケを包み、ビニールテープで固定する(写真5)。



写真2.「グリーンカット10」で環状剥皮を行う。




写真3.環状剥皮の幅は1cm。




写真4.硬く絞ったミズゴケを巻く。




写真5.ビニール片で包み、ビニールテープで固定する。


 ここまで終えたら、数ヶ月間放置します。
 今回は3月中旬に(1)~(4)の作業を行い、以下の(5)~(9)の作業は6月下旬に行っています。

 (5) 発根した頃を見計らい、ビニールを除去して発根を確認する(写真6)。
 (6) ミズゴケの下の部分で枝を切り取る(写真7)。
 (7) 発根した根に対して枝葉が多すぎるので、枝葉を整理する(写真8)。
 (8) 肥料分が少なく、排水性が良い土を用いて鉢上げをする(写真9)。このとき、根の付近に緩行肥料の「IBワンス」を1粒/苗を施用することで半年程度は肥料切れの心配がなくなります(「IBワンス」だと根焼けの心配がありません)。
 (9) 苗の品種(系統)を忘れない様にラベルを付ける(写真10)。



写真6.発根を確認。




写真7.ミズゴケを巻いた箇所のすぐ下から切り離す。




写真8.根の量に合わせて枝葉を整理する。




写真9.鉢上げ。




写真10.品種(系統)を忘れない様にラベルを付ける。


 ラベルを作る際に用いた紙は、ユポ紙(ポリプロピレンを主原料とするフィルム法合成紙;水で溶けない紙:選挙のポスターや投票用紙で用いられる合成紙)で作られたカレンダーの裏紙を用いています。
 ユポ紙に鉛筆書きで書いた文字は野外でも3年間消えません(油性マジックだと1年以内に消える・・・)。
 このラベルをホッチキスで固定しておけば、ホッチキスの針が錆びるまで(概ね1年強)はラベルが維持されます。

 この様に取り木をかけて約3ヶ月半、取り木苗を鉢上げして約1ヶ月半後、新しい葉も繁り立派なグアバ苗が育成できました(写真11)。



写真11.鉢上げ約1ヶ月半のグアバ取り木苗。





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