熱帯果樹写真館ブログ

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グアバはビタミンCが豊富な果物です。

2015年08月27日 | グアバ

 沖縄県では庭先、畑の隅、空き地や様々な場所にグアバの樹があります。
 グアバは新芽と共に花芽が着く性質があるので、意図的な剪定が行われていなければ春先(4~5月頃)に萌芽と花芽分化し、5~6月頃に開花盛期となります(写真2)。



写真2.グアバの花。


 それらの果実が収穫されるのが8~9月頃なので、沖縄県中央卸売市場へのグアバ入荷量もその時期が多くなります(図1)。



図1.沖縄県中央卸売市場における月別グアバ入荷数量(2010~2014年)。

 
 沖縄県でのグアバは、主に自然着果で粗放栽培されているものが多いことに加え、実生繁殖による品質のバラツキが大きいため、評価の高い果物とは言い難いかもしれません。

 しかし、グアバはビタミンCが豊富に含まれている果物なのを知っていますか?

 「沖縄県果樹栽培要領」に掲載されている26品目中、文部科学省の「食品成分データベース」で成分含量が示されているのは14品目です。
その14品目で可食部100g当たりのビタミンC含量を多い順に並べると、グアバはアセローラに次ぐ2位になります(図2)。



図2.熱帯果樹のビタミンC含量。
参考サイト:「食品成分データベース」.文部科学省.


 アセローラは桁違いに単位重量当たりのビタミンC含量が多い果樹ですが、グアバも3位以下をダブルスコア以上で引き離す精鋭と云えます。

 蛇足ですが、「ビタミンCたっぷり(豊富、多い)等」と表現するには、東京都の食品安全サイト「食品衛生の窓」によると24mg/100g以上あれば良いのだとか・・・。
 グアバのビタミンC含量 220mg/100gが如何に豊富なのかが伺えますね。

 ところで、ビタミンCと云うのは1日どの程度摂取すれば良いのでしょうか?
 厚生労働省から刊行されている「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書によると、ビタミンCの推定平均必要量の目安は成人で83.4mg/日とされ、推奨量は100mg/日とされています。

 それでは、ビタミンC100mg/日をグアバで摂取するためには、どの程度のグアバを食べれば良いのでしょうか?
 先ほどの「食品成分データベース」では、グアバのビタミンC含量は220 mg/100g、廃棄率(果実重のうち果皮重と種子重の合計値の割合)が30%であることが示されています(表1)。



表1.「沖縄県果樹栽培要領」に記載されている品目のビタミンC含量および廃棄率。


参考サイト:「食品成分データベース」.文部科学省.


 と言うことは・・・、約65gのグアバ果実を摂取すれば成人の1日当たりのビタミンC推奨量が摂取できることになります。
 約65gのグアバと言っても、ピンときません。
 とりあえず、手元にあったグアバを計量してみると、1番小さいもので100g、一番大きなもので280gありました(写真3)。



写真3.グアバの大きさと重さの目安。


 グアバは小さな果実でも1果食べると充分なビタミンCが摂取できそうです。
 グアバは簡単に食すことができ、一手間加えると美味しい加工品にもなります。

 次回は、グアバを使った美味しいレシピを紹介します。

○参考サイト
 ・「食品成分データベース」.文部科学省.
 ・「食品衛生の窓」.東京都福祉保険局.
 ・「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書.厚生労働省.

○参考資料
 ・「沖縄県果樹栽培要領」.2011.沖縄県農林水産部.




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