熱帯果樹写真館ブログ

 熱帯果樹に関するトピックスをお届けします。

今年のタンカンは甘くて豊作

2006年01月29日 | 柑橘類


 タンカンは沖縄県における冬の定番柑橘類です。
 タンカンは、中国広東省の原産でポンカンとスイートオレンジの自然雑種といわれるタンゴール(tangor)の1種に分類されています。
 タンカンは漢字では、桶柑と書きます。
 これは、タンカンは中国広東省で、タンカンは木の桶に入れて貯蔵されていたため、又は桶に入れて売られていたため、と言われています。
 今でも中国南部、台湾は、タンカンの主要産地です。

 国内におけるタンカンの生産状況は、栽培面積、生産量ともに鹿児島県、沖縄県が郡を抜いて多く特産果樹となっています。
 沖縄県では昭和40年代初頭に本格的な栽培が始まり、現在では、夏季の早生ウンシュウに対し、冬季のタンカンとして沖縄県の代表的な柑橘の一つとなっています。

 そんなタンカンですが、沖縄県内で生産量が多いのは沖縄本島北部です。
 その中でも本部町の伊豆味と云う集落では、毎年「タンカン狩り」が催され、休日を中心に賑わっています。
 今年の「タンカン狩り」は1月7日から開始され、3月初旬までの期間を見込んでいる様です(琉球新報.06/01/13)。

 今期のタンカンは、昨年の夏・秋に沖縄本島は台風被害が軽微であったこと等を受け豊作で味も良いとのことです。
入園料は小学生以上は250円、幼児団体は200円。
 果実は250円/kgで持ち帰ることができるそうです。
 お問い合わせは、伊豆味みかんの里総合案内所(0980-47-2889)とのこと。

 と云うことで、私も1月28日(土)に伊豆味にタンカン狩りに行ってきました。
 名護市から本部町伊豆味の集落に続く県道84号名護本部線沿いには「タンカン狩り」と書かれた看板が数多くあり、案内所を通さず直接園地を訪れても良い様です。
 ほ場で園主の方から収穫用のビニール袋をいただき、指定されたほ場で好きな果実がもぎ取れます。ハサミを使うのかと思っていたら、「手でもぎ取って下さい」とのこと。素人が下手に枝を切ると剪定しにくくなるからでしょう。
 果皮色がしっかりオレンジ色になっていて、果梗部(ヘタの部分)に放射状のシワが出ているものが熟度十分で美味しそうだったので、そういうのをしっかり選んで収穫します。
 果実は力まかせに引っ張ると果梗部の果皮が破れてしまうことがあるので、果実をねじり切る様にもぐと綺麗に果実が取れます。
 園内で試食しまくった感想としては、例年2月以降が美味しくなるタンカンですが、今年は1月末から十分美味しく、「当たり年」の様な気がします。
 まだ、やや収穫には早いかな?と云う果実も多かったので、記事にあるとおり3月上旬までは、タンカン狩りが楽しめそうです。

 「タンカン狩り」と一緒に「第28回 本部八重岳桜まつり」で日本一早い桜の開花を楽しんできました。

○参考文献
 ・「第2次改訂追補 果樹園芸大辞典」.佐藤公一ら.1986(第2次改訂追補後の第6版).(株)養賢堂.
 ・「常緑果樹の栽培」.1998.宮古農業改良普及センター.
 ・「原色版 花づくり 庭づくり 沖縄園芸百科」.1985.(株)新報出版.
 ・「平成14年産 特産果樹生産動態等調査」.2004.農林水産省生産局果樹花き課.
 ・「果樹栽培要領」.2003.沖縄県農林水産部.

「石垣市パパイア研究所」開所

2006年01月24日 | パパイア
 年末年始も世間の熱帯果樹情報はバンバン発進されていました。
 今年になって、私が一番「オッ!」と思ったのは、昨年末の情報になるのですが石垣市に「石垣市パパイア研究所」が開所したことです(八重山毎日新聞.05/12/28)。

 この研究所は、「石垣市が栽培特許を取得し、戦略的農作物として期待するパパイアの調査・研究拠点となる」とのことですが、市が単一品目のために研究所を設置するとは凄いと思います。

 沖縄県の園芸作物を統計的に調べたいときに重宝する資料「園芸・工芸農作物市町村別統計書(沖縄総合事務局農林水産部統計調査課)」によると、平成15年産の沖縄県産パパイアの結果樹面積は33ha(うち成熟果:8ha、うち未成熟果:25ha)、収穫量は1,020t(うち成熟果:246t、うち未成熟果:776t)、出荷量は 913t(うち成熟果:223t、うち未成熟果:690t)、となっています。

 そのうち石垣市産のパパイアは、結果樹面積は5ha(うち成熟果:1ha、うち未成熟果:3ha)、収穫量は 140t(うち成熟果:40t、うち未成熟果:100t)、出荷量は 125t(うち成熟果:33t、うち未成熟果: 92t)、となっています。

 つまり、石垣市産パパイアは県産パパイアの結果樹面積で15%、収穫量、出荷量で14%を占めていることになります。
 また、他のパパイアの生産が盛んな産地に豊見城市(パパイアの拠点産地として県の認定を受けている)や糸満市等の同等の規模を誇る産地がありますが、平成15年時点では石垣市は県内3大産地に含まれる有力産地と言えます。

 この研究所でたくさんのパパイア研究が行われ、石垣市がパパイア産地として、さらなる飛躍を遂げることを願っています。

○関連情報
 ・石垣市が取得した栽培特許についての詳細は、特許電子図書館の「初心者向け探索」の「特許・実用新案の検索」でキーワード「パパイヤ・石垣市」で検索し閲覧できます。
 ・「パパイヤ養液土耕栽培の汎用化技術の開発


2006年の「熱帯果樹写真館」はブログに挑戦

2006年01月22日 | ブログ運営

 「熱帯果樹写真館」の ねこがため です。

 これまで上記のサイトで熱帯果樹に特化した情報や写真を公開してきました。
 最近ではサイトのBBSを用いて、気になった熱帯果樹情報を発信することが更新の大半を占めてきましたので、自分が書いた情報を整理しやすいブログを開設することにより作業効率を向上させようかと思い、2006年からブログに挑戦することにしました。

 「熱帯果樹写真館」はブログという新しいスタイルを一部取り入れ、今年も運営していきたいと思いますので、皆様よろしくお願いします。