MBAで教える「交渉術」

MBA留学先での「交渉」の授業内容を配信。といっても最近はもっぱら刺激を受けた本やMBAについて。

フューチャリスト宣言(2)

2008-06-04 | 雑記
掲題の本について、続きです。
非常にエネルギーをもらった気持ちになりました。
何が自分にとって印象的だったかというと、以下の2点と思います。

1.「ビジョナリー」を体現していること

本は梅田さんと茂木さんの対談形式で、さまざまな話題に触れています。
直接その中でそう触れられているわけではありませんが、やはり二人が提示するライフスタイルや志の持ち方が、ビジョナリーなヒトに共通するものだと感じます。

-「ウェブ進化論」とか「脳科学」とか、狭い範囲の専門家がたまたま露出度が上がっています

ではなく、

-ある専門分野をレバレッジの原点としつつ、
-自分の内なる声に耳を傾け(好きなことで勝負し)、
-専門分野およびそこから派生する社会や自分の生き方にビジョンを提示し、
-組織に依存せず独立プロフェッショナルとして
-実際に自分が何かを体現したり、多くのヒトを動かしてインパクトを残す

という感じでしょうか。
そういう生き方自体が、本書の中でも触れられているように日本では結構嫌われるあるいはつぶされる生き方でもあり、多くの日本人が目をつぶってしまっている部分である気がします。

-そういう変わったヒトもいるけど、自分には関係ないよね
-最近流行ってるけど、すぐ落ち目になるんじゃないの(ていうかなって欲しい)

みたいな。

昨年末に有名なビジネス本「ビジョナリーカンパニー」の兄弟本である「ビジョナリーピープル」という本を読んで感動しましたが、それと同じようなメッセージを提示されていると感じます。
本当に悔いの残らない人生って、そういうことを徹底的に考え抜き、ある種の覚悟を決めることかもしれません。
もちろん、考えぬいて選択した結果が、大企業などの組織に属して自分のやりたい夢とリスク最適化を調和することであっても全くおかしくはないと思いますが。

2.未来に対するオプティミズム

私は結構悲観主義で、何でも批判的に考えてしまう方なので、

-極端なスタンスをとってでも未来が良く化ける方に賭ける

という意思力、またその信念は見習いたいと感じました。
こういうのはシリコンバレー特有だといいますが、そういうマインドは身に着けたいものです。
変革を起こすヒト、インパクトを残すヒトというのは、ある部分を越えたところでそうした楽観性や割り切りを持つのでしょうね。
でもその裏側には、現実に対する強烈な思い・このままじゃいけないという焦燥感・それを自分に関係あることとして受け入れる責任感があるのだと思います。

全体にアドレナリン指数の高い本でした。