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カーボベルデ航空は島嶼間便を廃止します〜哀愁のラテンアフリカ、カーボベルデ(2)

2017-06-01 14:00:34 | アフリカ紀行
セネガルの沖、大西洋に浮かぶ小さな、小さな火山島の島国。カーボベルデ。アフリカと南米の狭間に位置し、クリオーリョの独特の文化が漂う地。哀愁のカーボベルデは訪れる人々の心をちょっぴり悲しく、しかしラテンにくすぐってやまない。

哀愁のラテンアフリカ、カーボヴェルデ 第一話


十に及ぶ小さな火山島からなるカーボベルデ。航空便は島々を結ぶ生命線だ。それを担ってきたのがカーボベルデ航空(Transportes Aéros de Cabos Verde: TACV)。ンボテもその昔、セネガルのダカールから、カーボベルデの首都プライアまでよく利用した。ある時は、便が12時間遅れ、その間何もない待合室から出させてもらえずに、灼熱の小部屋で待たされたご恩は忘れていない苦笑。




そのカーボベルデから、気になるニュースが入ってきた。なんとカーボベルデ航空が、その貴重な島嶼間便のサービスを打ち切ることを発表したのだ。

というのも例に漏れず、TACVは大赤字の経営。110百万ユーロの赤字を記録している。日本円では実に150億円近くにのぼる。いやそのくらい、、、という感じもあるが、人口50万人の島には大赤字。一年間の国民総生産の約9%に及ぶ。


カーボベルデの収入源の多くは観光産業と海外にいる移民、ディアスポラからの仕送りだ。ところがヨーロッパの不況と世界的な景気後退で、観光客も仕送り額もマイナス、国家財政も厳しさを増す。その中でTACVの赤字経営は、カーボベルデ政府の国庫の大きな負担となってきた。そこに警鐘を鳴らすのが世銀だ。世銀は財政支援再開の条件にTACVの経営再建を条件づけている。

カーボベルデ政府は、今後経営再建を急ぐ。その第一弾が不採算路線のカット。島嶼間フライトの運航が、見合わせとなった、というわけ。また現在510名の従業員のうち、120人が整理対象となる見込みだ。さらに、整備・点検ラインは民間への委託が進められる。いつかきた道。政府は国際線を中心とした路線の運航を続けながら経営再建を追及する構えだ。


さて、ではこの島嶼国、島を結ぶ交通はどうなっちゃうの?!



実は2016年に就航した民間のビンテル・カーボベルデ航空に委ねられることとなった。それまで、カーボベルデの航空網はずっとTACVが独占してきた。ビンテル航空の誕生で、初めて利用者にとってオプションが生まれ、空の競争が生まれたのだ。

島嶼国ネットワーク路線移譲に際し、ビンテル航空に課せられた条件は、空・海路による定期運行。特にブラヴァ島には飛行場がなく、サンタンタオ島から船便となる。この船便の運行も条件の一部となるらしい。


過去何度も繰り返されてきたアフリカの航空会社の破綻。今回はその前に経営再建のチャンスが与えられた。経済原理と採算性。経営と社会的使命。アフリカの航空会社にはたくさんの試練がつづく。

(おわり)

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